出口治明のレビュー一覧
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いかん。まだ途中までですが、どんどん読みたい本が増えてしまい手に負えなくなります。(笑
「ビジネスに効く」といっても、即効的に効くような本ではなく、じわじわと効くであろう、あえて最近はやりの(?)陳腐な表現を借りれば「教養」としての王道の本が並びます。むしろビジネスにはすぐには効かないでしょう、極上の読書ガイド。
読書ガイドとしては成毛眞さんのものが昨今ベストセラーになっていますが、あちらはややマニアックな側面があるのに対して、こちらはかなり王道中の王道。しかし、これらの本を「語れる」ほどに読んで消化されている、出口さんは凄すぎますね… -
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出口治明著「直球勝負の会社」ダイヤモンド社(2009)
*人智を超えた大きな時代の力が常に働いている。人間は1人では生きて行く事はできない。すべての人間は他者や時代との関係性の中で生かされている。そであれば、川の流れに身を委ねて自然体で生きて行きたい。
*長所と短所はまったく同じもの(その人の個性)であり、長所をのばして短所を直すという考え方はそもそもあり得ないと思っています。無邪気にそう思っている人はトレードオフの関係を理解できていません。長所をのばして短所を直そうとすれば三角形や四角形の中に収まる小さな円(破棄を失い、ひたすら円満を心がける面積の小さな人間)になってしまう。
*プレゼンではベンチャーが成功する5つの要因を最初に説明(1)市場規模が大きい事。毎年40兆円以上の市場であり、これは税収に匹敵する。自動車産業は7〜8兆円。(2)商品、サービスに対数消費者の不満が大きい。これは保険金の不払い問題。(3)たこをあげる風が吹き始めている。つまり生命保険はこのままではいけない。もっと改革が必要だと言う流れが起きている。(4)インターネット販売による分かりやすくて安くて便利な商品サービスお提供という明確なソリューションをもっている(5)参入障壁が高い、すなわち免許事業であり、費用も莫大。
*ライフネットのビジネスパートナー選定ルールは。原則三者以上の競争入札制度を採用しており、株主の紹介の有無については特段の考慮はしていない。徹底的な効率経営を進めて早く上場を果たす事が株主に対するライフネット生命の基本的な責務であって、株主の関係会社に便宜をはかる事ではないと考えている。株主にもこうしたアームズレングスルール(すべての応札社を公平に取り扱うルール)を適用することについては了解を得ている。
*統計データと見たときにラオイフネット生命の最初の主戦場を20、30、40台の子育て世代を対象にきめた。(参考:世帯主の年齢階級別に見た一世帯当たりの平均所得)
*比較して納得して加入して欲しいという考え方にたって、保険料の比較ボタンをもうける。
*一般に生命保険会社が破綻する原因は3つです。(1)資産運用の失敗、(2)高い予定利益の設定による逆ザヤの発生、過去の日本の生命保険はほとんどこのパターンだった(3)乱脈経営。
*純保険料はほぼ同一となります。したがって保険料の高低は、手数料によってきまります。ライフネットが生命保険料を半額にするためには、この手数料を引き下げる工夫をしなければなりません。生命保険料の手数料は一般に販売経費が6割、契約の維持管理経費が4割と言われています。この両方を引き下げて一番料金の安い保険料を実現したいと考えていた。
*ライフネットは100年続く企業にしようと決意。そしてその最初のステプは開業後5年以内の上場、そのつぎは10年以内にアジアに進出して東アジアで評価が一番高い生命保険会社を目指す。
*可能な限り、仕事本来の目的だけを考えようと努める事は重要だと考えている。
*上司を自分の仕事で説得できないのであれば自分は無能だと思いなさい。なぜなら、上司の法が職務範囲が広く細部まで眼が行き届かないからである。またお茶汲みのおばさんにかわいがられなければ決して偉くなろうとは思っては行けない。なぜなら失う物がないかの上たちは諸君の人間性を一番みているのだから。
*「悔いなし、遺産なし」が信条。
*ほとんどすべての生命保険会社が、いわば金太郎アメの構造。同質的な競争がいくら激しくてもそこからは進化が得られないと考えている。異質の競争、すなわち多様な八ヶ岳型こそ進化の原動力になる。
*心がけた事の一つにスピードの重視。
*社内の会議は30分か1時間に決めて、最初に会議の目的を相互確認することが重要。今日は何を決めるから。人件費を考えれば会議ほど高くつくものはありません。 -
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イギリスはインドを失った時から没落が運命づけられている。英国が世界に冠たる大英帝国になったのは、インドの富を収奪したおかげです。この没落は止めることができません。でも没落のスピードをゆるめることはできます。オックスフォードのエリートは、外交官を目指します。外交を強化することで落ちていくスピードを遅くし、英国の存在を維持できるからです。また民間で優秀な人は教師になります。次の世代に英国の実態をきちんと教えることが重要だからです。 日本は大量生産、大量消費を前提とするモノ作りで成長しました。いま世界が変わって、もうモノ作りの時代に戻ることはできません。それでもなお、高度成長の発想で仕事をしている人が多い。国の”成長戦略”も「まだ成長する」「どうしたら成長するか」ばかりです。英国のようにピークアウトしたことを冷静に認め、徐々に降りるように方向転換したほうが建設的ではないか。「やればできるんだ」という精神論を振りかざすのは不毛です。時代の趨勢を把握して現実をきちんと見つめ、合理的精神で立ち向かっている英国の底力は、おおいにわが国の参考になる。
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・世界は毎日単純になっていく。毎日一つのことを学べば一つの謎が消える。
・日本には優秀なビジネスパーソンがいるが、それは会社の中で。つまりパーツとして優秀。パーツは取り替えがきくし、会社の枠組みが変わったら使い物にならなくなる。いついかなる条件下でも正しい判断ができる、未知の局面でも何が真実かを見極められる、本当の優秀さはこれ。これからの日本の社会が必要としているのはこれ。
・人間は動物である
・人間はそれほど賢くない
・人生はイエスノー枝分かれゲーム。何かを選べば何かを諦めなくてはならない。
・大勢の人を長い時間騙すことはできない。
・直感の精度はインプット量で決まる。
・誤字脱字があっても早く出すこと。
その方が早く経営判断ができる。
クオリティがよくても、遅く出したらダメ。時間をかけたのだから当たり前。
時間をかけてもミスのない完璧なものをつくることが重要だ、という考えは、時間も経営資源も無限という錯覚の代物。長時間労働にも繋がる。
毎度時間をかけて一つひとつのことにじっくり取り組むなどという悠長なことをいっている余裕はない。
小さなことでもすぐにどうするか決めて早く行動を起こせ。判断に迷うなら仮決め。決めることが重要。
間違っていたら後から正せばいい。
宙ぶらりんの時間は何も生み出さない。仮決めしたらそれがよかったのか悪かったのかを嫌でも考えるようになるので思考が深まる。
・課題にも鮮度がある。取り組み始めたときが新鮮なときで集中できる。
・インパクト=仕事量×スピード!
・森の姿を捉えよ
歴史というタテ軸、世界というヨコ軸を参考にする
・インプットする情報は選別せず、とりあえず何でも取り込む。判断する時間がもったいないし、ダメな情報にあたって失敗する料理を増やすのも大事。そのうち選別できるようになる。
・インプットの蓄積を増やすと、あるとき水槽から溢れるように楽にアウトプットできるようになる。そうならないうちはまだまだインプットが足りない
・風向きの読みさえあやまらなければ、少なくとも5年や10年は堂々と通用する経営計画をつくることができる
自分の子どもや孫にどんな社会を残したいかを不断に問い続けることが、ひいては事業ビジョンを形づくる -
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ネタバレ■所感
出口さんの考えを学んでいると、天才の閃きやカリスマ性のような物ではない凄みを感じる。それは恐らく天才ではなかった出口さんが真摯に、愚直に積み重ねてきた経験、知識から導き出した公式を本気で読者の為になるように伝えてくれているからだと思う。
出口さんの言葉にはこのような本である「本当に?」や「言いすぎじゃない?」といった感情は一切湧いてこず、ただただ食い入るように素直に学ばせていただくことが出来る。
本書でもその出口さんの「思考軸」が冒頭から巻末まで一切ぶれずに記されており、読み手としてもノンストップで一気に読み上げる事が出来た。
事業として20代、30代に向けてのサービスを展開しているだけあり、今27歳の私にとってはこれからの人生を考える上で非常に大きな刺激をいただいた一冊となった。
■概要
▼軸=思考する際の前提条件
1.人間は動物である
人間は決して万物の霊長ではない。「異性と仲良くする事」、「おいしものを食べる事」、「安心してぐっすり眠る事」など人間がやっている事は他の動物と対して変わらない。
2.人間はそれほど賢くない
賢い人も愚かな人も人間全体でみればそんなに大した差はない。
3.人生は「イエス・ノーゲーム」
遠い先にゴールを定め、そこに最短距離でたどり着きたいと思ってもたいていの場合うまくいかない。一度の選択違いで大きくずれる事になる。
4.すべてのものは「トレードオフ」
何かをとれば何かを失う。「いいとこ取り」はできない。
5.「おおぜいの人」を「長い間」だますことはできない
一時的に間違えたとしても長期的にみれば必ず正しい方向に向かう。
▼インパクトは「仕事量×スピード」
一つ行動を起こせばそれに対して反応が起きる、そうしたらそこでまたベストだと思われる行動をとる、その繰り返しでよい方向に動いていく。
決めた事は新鮮なうちに一気にやりきってしまう、課題にも「鮮度」があってもっとも集中できるのは取り組み始めた新鮮な時である。
スピードはその人の生産性を決定づける重要な要因。「力=質量×加速度」というニュートン力学の公式は「インパクト=仕事量×スピード」と似ている。
▼答えは「タテ」と「ヨコ」にある
・「タテ」=歴史から見る事タテ思考
・「ヨコ」=他の国や地域から見る事ヨコ思考
▼読書を血肉にするために
読書というのは食事と似ている。何を食べたか忘れてしまっても、栄養分は確実に身体に吸収されている。読書で得たインプットは詳細を覚えていなくとも確実に脳に蓄積されており、その人が思考する際に使う軸の基礎を形作る。
▼毎日違う人と会食
30歳からライフネット設立までの三十年間家で夕食を食べたのは一回。
限られた時間で多様なインプットをしたい。
・「会いたいと思った人にはすぐ会いに行く」
・「食事やお酒に誘われたら誰であろうと断らない」
・「呼ばれたらどこにでも行く」
▼リーダーに必要な3つのこと
・「やりたいことをもっている」
・「仲間を集められる」
・「チームをまとめ引っ張っていく」
▼組織作りの要諦
いかに異質な人間を集められるか
同質な人間ばかりの組織では変化に対応できない。
同じ性質を持った人間で構成
⇒すぐに結果は出る
⇒市場や顧客ニーズが変わると対応できない
▼正攻法は美学ではない
正攻法というと「美学をお持ちなんですね」と言われるが美学や品格という言葉は好きではない。最短ルートを考えた上で正規の手順で淡々と物事を進めていく、それが正攻法。
▼道場破りの理論
「私は日本からきた出口治明というものだ。この分野では日本一を自負している。私と勝負をしたいならいつでもかかってきなさい。」そこで集まってきた猛者に勝てればいいし、負けても「どうすればあなたのようになれますか」と頼めばいい。
▼「小さな丸」より「大きな三角」
人間には皆個性がある。尖っているからといってそれを削ってしまっては小さくなってしまう。長所と短所は表裏一体なので無理に直そうとせずに長所を伸ばしてもらったほうがいい。 -
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思考軸をつくれ
■0.1%の可能性に挑戦
人生というものは99%、
いや、99.9%思うようにはならないものだと思っている。
そんな人生のなかでもわずかに残された0.1%の可能性を信じて挑戦し続けなければ、未来永劫何かを成し遂げることはできません。
人が思わなかったことは、100%実現しない。
■準備
それが突然、目の前に思いを果たすチャンスが与えられた、これは宝くじにあたったようなものです。思うままにならない人生だからこそ、「風が吹いたときに凧を上げる」、そのための準備はしておくべきなんだ。そのとき、改めてそう思いました。
風が吹いてきたときにそれを逃さず瞬時に凧を上げることのできる体力と知力と勇気、それと強運をもっていること
■直感とは
直感というのは、
何も天から降ってくるものではありません。何か課題を与えられると、脳は無意識の領域でも自分の脳内にストックしてある知識や情報を検索し、さらにそれらを足したり引いたりして最適解を導き出します。これが直感の正体です。
つまり、直感というのは、
その計算のプロセスを自分でも意識できないほどのスピードで「脳をフル回転させて得たアウトプット」であり、言語化はできなくても、単に直情的に行動するのとはまったく違う性格のものなのです。そして、この直感は「ストックしてある知識や情報=インプット」の量が多ければ多いほどその精度が上がります。
■自分の軸をもつこと
閉じた社会に変革を起こすことができるのは、内にいながらもその価値基準に染まり切らない、「自分の軸」をもった人だけなのです
ex.裸の王様を指摘した子ども
「歴史と世界をみれば、
何が正しいかは自ずとわかる」
森を見るタテヨコ思考
縦:歴史から見ること
横:ほかの国や地域から見ること
outputの機会を増やす
大量のinputをする
分厚くて難解なものから読む
全体像(森)を把握するために
■常に挑戦
今の時代、一つのところで
じっとしているくらい危険な生き方はない。その場所のルールにしたがっていれば安心と安全が未来永劫保証されるというのは幻想に過ぎない。常に広い世界に出て変化にチャレンジし続けなくてはならない。
■リーダーの3つの条件
やりたいことをもっていること
→世界をどのように解釈し、それをどのように変えたいと思い、自分はそのなかのどのパートを受け持ちたいと思うか
旅の仲間を集められること
旅の目的地までチームをまとめ、引っ張っていく
■社員
リーダーのいうことだから、
無条件に従うということはない。
一般的な意味での使いやすい部下は一人もいない。
■数字よりも、
「元気に、明るく、楽しく」
インセンティブ制のような外発的動機ではなく、働くことが楽しいと感じる内発的動機を大事に。
■未来のあるべき姿
若い人と女性のリーダーを増やす
企業の採用人材の多様化
少子化対策 若者に適正な所得と子育て支援制度
室町から安土桃山時代の日本人
クアトロ・ラガッツィ
「自助/共助/公助」
「人は真っ当なことを
真っ当にやるべきです。
それができないなら、
できる世の中にすればいい。」
hal.deguchi.d@gmail.com
読者の感想を待っています。
出口治明 -
Posted by ブクログ
何かを得るためには何かを諦めないといけないというトレードオフの考え方は大事だとおもう。木を見るんじゃなくて森を見るというのはわかっているつもりでいたが、それが具体的になんなのかは図りかねていた。それがタテとヨコの軸、つまりは歴史、他の国との比較でわかるというのは本当にすごいと思った。かなり大きなスパンであったり規模の大きい話をされていたが、すべてが腑に落ち過ぎて感服した。様々なジャンルの本を読み、様々な経験をし、様々な人たちと会食してインプットの量を増やせば、上質のアウトプットが生まれるというのは、著者の実績、文脈から滲み出過ぎている。ぼくももっと本を読もうと思ったし、旅に出たいし、色んな人に会い刺激を受けようと思う。負けたくないという変な負けん気が出てきてしまった。ライフネット生命という会社はCMでしか知らず、正直危うい存在という認識だったが、改まった。
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Posted by ブクログ
ライフネット生命の創業者であり稀代の読書家でもある出口治明氏が、自身の脳出血後の車椅子生活という体験をもとに、誰もが抱く「老い」や「死」への漠然とした不安をデータと事実で解き明かした一冊です。
感情論を排した客観的な事実を通して、過度な恐れを手放し自分らしく人生の終盤を生き抜くための処方箋が示されています。
印象的だったのは、次世代へのバトンの渡し方。上の世代がすべきことは、過去の成功体験を押し付けたりいつまでも居座り続けたりすることではない。若い人が挑戦できる環境を整え、時代を超えて通用する「思考の武器」を渡さなくてはならない。
命の終わりを見つめることは、自分がどう去り、何を遺すかを見つめること。読み終えた今、次の世代へバトンを繋ぐ一人としてどう生きるべきか、大切なコンパスをいただいた気がします。 -
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「体系的に語る」と案内されている通り、本当に読みやすく、思想の流れを感じながら読むことができます。本書を中継点にしながら、他の思想史や歴史、宗教の解説本を何度も行き来して、理解を深めていくこともできそうです。
惜しむらくは読み手である自分の力量で、古代ギリシャを扱う最序盤では、地理と歴史の流れを一体のものとして感じながら読めるのですが、思想や地域が広がりを見せていく中盤以降になると、だんだん理解が追いつかなくなり、文字をなぞるだけになってしまうところもありました。
電子書籍で一気に読むというより、紙の本として手元に置いておき、気になったときに関心のあるページをぱっと開く、ほかの本とも行き来しながら、少しずつ理解を深めていくような読み方が合っているのかなと思います。 -
Posted by ブクログ
なるほどなー、
宗教は会社でいう「ミッションビジョンバリュー」と同じだし、なんならもっと根っこの倫理観や道徳を基礎となるものなんだな。
確かに国を治めるとなった時、こちらから民衆の方向性をコントロールできた方が都合が良いもんな。
特に中国の話とかは納得で、土地が広いから必然的に法治国家になり、でもそれだけだと倫理観やら道徳やら生きる意味を与えられない=法を守れない から、儒教と組み合わせたんだと
日本の部分も興味深くて、無宗教国家だと思ってたけど神道や仏教の要素が少しずつ生活に根付いている。
宗教への見方が変わった。
今後はミッションビジョンバリューだと思うことにする。
広く体系的に知れて面白かったです。