出口治明のレビュー一覧
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・地政学が存在する大前提=「国家は移動できない」。どうすれば自分の国や地域がサンドウィッチの具にならずに済むか。移動ができないことを前提に各国や地域の権謀術数を繰り返す。地政学を自国のエゴのために曲解するのは容易いが、著書を通読して、隣国との共存共栄に活用するという視点が地政学の根底にあるという視点に共感した。
・ヨーロッパにおけるフランク王国圏と現代のEU構想の共通点。著書は2021年初版であるが、EUの連携強固がロシアにとって大きな脅威となることを示唆した先見性に驚愕。
・第4章の日本を取り巻く地政学の現状分析は現代の近視眼的な世論に警鐘を鳴らす内容。
「現実を直視し、受け入れる勇気が -
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読んだぁ~っ!て感じ。
古代や紀元前後はまぁまぁ興味もあり、へぇ~ってな感じだったけれど、中世以降はおびただしい数の人物が次々と登場してそれも2世、4世だの10なん世だのと出てきて混乱しまくり。正直どうでもよくなった。
けれど近代に入ると俄然、面白くなる。「そういうことだったのか」と目からうろこが何枚も剥がれ落ちる。
特に面白かったのが第二次世界大戦時。終戦のシナリオまで作って参戦した某国やその参戦をもってしてすでに負けを覚悟しながら戦っていた某国。日露戦争の発端とその内幕や数々の戦争の内幕、策略、陰謀など、今終わって過去のものとなっているからだけれど、面白くて仕方がない。
また世界史 -
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日本生命に30年以上勤め、その後ライフネット生命初代CEOとしてその創業に携わった生命保険の専門家による生命保険の話。公表されていない情報を含め、なにかとわかりにくい生命保険について詳しく解説している。記述が正確で、かつ、わかりやすい。勉強になった。
「生命保険料の上限は、毎月の手取り収入の3~5%の間にとどめておいた方が良い」p13
「生命保険は、その利用者は中間層が中心になります。そもそも、貧しい人々には民間の生命保険料は払えないのです」p23
「(生活保護の4条件)①資産の活用(預貯金や生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等して生活費に充てる必要がある)、②能力の活用(働く -
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◎メモ
・ずっと右肩上がりで経済が成長し続けること自体が異常なこと。
・国や将来のことを不安に思って考えすぎても、自分でコントロールできないことなので悩んでもいいことがない。
→年金システムがどうとか、考えても意味がない。それよりも自分がどうできるか考える方が有益。
・お金そのものに価値があるのでなく、何かと交換して初めて意味が出てくる。
・自分がワクワクすることにお金を存分に使い、ワクワクしない出費は徹底的に削る。このオールオアナッシングのメリハリがお金の使い方においてとても大事。
→お金の使い方を理解することは、自己理解をすることや価値観を知る、どんな人間になりたいかを知ることにな -
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本書では、仕事と人生、そしてお金との向き合い方を、合理性と実践性の両面から説いている。著者は元APU学長でもあり、経営者・教育者としての豊富な経験と膨大な読書をもとに、年齢や立場に応じた「働き方」の哲学を分かりやすく提示している。ただ、ライターの仕事による部分が大きい。
本書の冒頭で提示されるのは、「人生とは悔いを残さず使い切るものであり、遺産を残すことではない」という価値観である。人間の寿命には限りがある。ならば、失敗を恐れずチャレンジを重ね、持ち時間を最大限に活かすことが大切だと説く。お金も時間も「貯める」より「使う」ことに意味がある。
第1章では、人生は「失敗の連続」であるという前提 -
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思い込みではなく、ファクトに基づく思考力を身につけることを提唱する本。現在、思考停止状態の人が多くいることに警鐘を鳴らしいている。ファクト(情報)の取り方として、信頼性のある国際機関が出したIMFや OECDデータ(一時データ)を使用すると説明する点はそうだなと感じた。自分の適性がわからないまま死んでいく人が多いのだから、数字、ファクト、ロジックを松明にやりたいことを試す、目の前のやることを一生懸命やるべき、との言葉はその通りだと思うし、わたしは判断にロジックが抜けがちだからそこを強化しないといけないなと感じた。働き方改革を促し、その空いた時間で男女が飲み会などで出会う場になり婚姻率があがると
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現在の世界情勢を知る上で必要な知識・背景を宗教を切り口にしてわかりやすく教えてくれる。
例えば、第2章 宗教がアメリカの政治で絶大な影響力を持つわけとは?で、
2023年10月にイスラエルを攻撃したハマス。積年の恨みが限界に達したこうした事象を紀元前597年に始まるバビロン捕囚からユダヤ人の歴史を紐解いてくれる。まさに「歴史」だ。
いつも思うのだが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であるエルサレム。この地帯は歴史的に地球上でも独特な磁力があるように思えてならない。遠く東洋の島国に育った日本人にとって、中東という空気を感じなければなかなかユダヤ教などの宗教の本質を理解することは難しいよ