あらすじ
知の巨人、出口治明氏による、宗教を通して世界の動きがわかる本。
1万2千年前から人類を形作ってきた宗教を知ることで、現代社会が見えてくる。
※カバー画像が異なる場合があります。
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Posted by ブクログ
著者の「哲学と宗教全史」を脇に拝読。また理解が深まりました。「哲学と宗教全史」の近代西洋哲学以外の内容をコンパクトに更に分かりやすく、そして主な宗教ごとに分けて解説してあります。そして、現代の政治社会との関連も。本書から入って「哲学と宗教全史」に行っても良いかも。この新書サイズの本にしては内容充実て分かりやすさも一流。さすが出口さん。
Posted by ブクログ
出口治明さんの語り口が沁みてくるそんな本でした。
日本人は無宗教の人も多いし、寺と神社の区別なくいる人も多い。一番思うのはイスラム教について知らないことが多い。
こんなことを念頭に読みましたが、解説が上手ですねとてもわかりやすい。
中国の長い歴史で、儒教・法家・道家の棲み分けについても触れており成る程と思うものでした。
Posted by ブクログ
現在の世界情勢を知る上で必要な知識・背景を宗教を切り口にしてわかりやすく教えてくれる。
例えば、第2章 宗教がアメリカの政治で絶大な影響力を持つわけとは?で、
2023年10月にイスラエルを攻撃したハマス。積年の恨みが限界に達したこうした事象を紀元前597年に始まるバビロン捕囚からユダヤ人の歴史を紐解いてくれる。まさに「歴史」だ。
いつも思うのだが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であるエルサレム。この地帯は歴史的に地球上でも独特な磁力があるように思えてならない。遠く東洋の島国に育った日本人にとって、中東という空気を感じなければなかなかユダヤ教などの宗教の本質を理解することは難しいように思える。
第7章 中国共産党と儒教の関係とは?では、秦の始皇帝時代の「焚書坑儒」。これは、儒教をはじめとする諸子百家の書物が焼かれ、学者が迫害されたのだが、出口さんは、事実とは異なるのではないかと疑問を投げかけている。これは墨家を狙い撃ちにした反体制思想抹殺プロジェクトではないかと。
そういう見方もできるんだなあと面白く感じた。
2019年出版の出口さんの著書『哲学と宗教全史』と併せて読むことお勧め。
Posted by ブクログ
この著者の本は最近何種類も発行されて、さすがに乱発しすぎじゃないのと思っていたが、とてもいい本でした。池上ナントカさんの本は企画者が適当に編集している感があるけれど、この本はこの著者の意見や発想が随所に出てきて、今までよくわからなかったことを丁寧に教えてくれる。たとえば「最後の審判」ってよくわからないし、なんでこんなこと信じているんだろうと不思議に思っていたのですが、ゾロアスター教まで遡ると全能の神がこの世界を造ったのになんで悪が蔓延るのか、その原点がわかります。神が造ったのだからはじめがあるし、終わりもある。終わるときには最後の審判が行われるんだという理屈らしい。この考え方に対し、インドで生まれた輪廻転生という考え方は、人は他の生物に生まれ変わって生きるということなので時間の経過が直線的ではなく、世界の終わりという発想もないということになる。世界に終わりがあるのだからそのときには審判があるのだということらしいのだ。
日本にいるとなぜこれほど宗教が影響力を持つのかわからないのだが、世界的に無宗教者は11億人しかいないのだ。そしてキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教以外の「その他の宗教」は世界に5,800万人しかいないというのだから驚いた。世界中の人々は殆どメジャーな宗教で色分けされているという事なのだ。やはり宗教がわからないと世界はわからないのだ。
Posted by ブクログ
世界の主立った宗教の入門書。
これまで知らなかった事柄について、少しは知識が増えて楽しかった。
イスラム教のスンニ派とシーア派が何なのかなんて深掘りして考えたことは無かった。
そして今世界で起きている事に、どんな宗教の背景があるのか、本書を読んで今後ニュースを見る目が変わる気がする。
時事やニュース、世界史や地政学に興味がある人は読んでいいかも。