出口治明のレビュー一覧
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純粋に歴史を学ぶための本ではなく、問題解決の方法や先例を歴史に求めた本、というべきで、だからこそ「歴史を活かす力」といったタイトルが付けられている。
歴史本は出口さんの本も含めて色々読んできたが、それでもまだ知らないことの方が多かった。また、私自身では問題解決の際、歴史と解決方法をうまく結びつけられていない、ということも感じさせる内容であった。
総じて私自身はまだまだ歴史を活かすレベルまでには到達しておらず、まだまだこれから、という気づきを得られたこともこの本を読んだメリットの一つである。
また、この本の隠れたテーマは「リーダーシップ」である。歴史に名を刻むリーダーが、どのような場面でど -
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ジェンダーギャップの問題は、
男女の機会均等が得られず、女性にとって不利だということのみではなく、政治・経済・教育などあらゆる分野において、国レベルで損失をこうむることだ。
特に、日本において男女格差が世界経済フォーラムの調べで、153カ国中121位で、G7でも最下位で、日本の停滞の一因となっていると言える。
上野千鶴子氏は、
女性の格差は改善するどころか益々悪くなっていると述べている。
例えば、
グローバルでは企業幹部ポストや政治家のポストなどにクオーター制を取り入れて、大体半分くらいの男女の割合で行うことを義務付けることがスタンダードになってきているが、日本ではほとんど実質的に導入さ -
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歴史作家の半藤一利氏と立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏の対談である。この二人の対談なのだから内容が濃いのはもちろんだが、改めてこの二人の教養の高さを感じた。
最近は自分が信じたいことが書いてあるものしか読まないという人が増えています。そして日本では中国はこんなにもひどいという本はたくさん出版されています。でも中国には「日本はこんなにひどい国だが中国はこんなにも素晴らしい」という内容の本はほとんど見当たらないようです。中国にとってもはや日本など眼中にないのです。
この二人が共通して危機感を持っているのは日本人の知性の劣化です。OECD諸国の大学進学率の平均は62%で日本は50%で最低レ -
ネタバレ 購入済み
老人が新しい!
いわゆる精神論、根性論を語るのが高齢な経営者というイメージを、たぶん私以外の方も持たれているんじゃないかと思います。飲みニケーション、パワハラ、女性蔑視。こういうのを我慢して成長していけ! 的な精神論をよく聞くんじゃないでしょうか?
でも本書は違います。
女性の幹部割合は増やされるべきで、飲みニケーションを強いる上司は辞表を提出すべき。上司の機嫌は常によくあれ。
そんなことを言うビジネス本ってあります?(いや、あるかもしんないけど)
人生の中で仕事はどうでもいいこと。そのどうでもいいことを、いかに短時間で効率よくアウトプットできるか。その方法論が本書には書いてあります。
一般的な企業体質に馴染 -
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まさに自分が陥っている思考パターンの改善点を教えてくれた一冊。仕事の成功を「目的達成」と「関係者の満足感」の両方で測る思考の癖があるため、何かと意思決定が滞ってしまう。いわゆるフリーズ状態になってしまうのだ。全員が満足する選択肢を探しているうちに時間が経過し、結局他の誰かが決めてくれた結論にすがる。これの繰り返しだ。。
著者は言う。「決めるのは、本当はシンプルなこと」。この本を読めば分かるが、「決める」ことは本当にシンプルだ。それを複雑にしているのは自分自身だった。
「意思決定と関係者が納得するかは別の領域の話。それを一緒に考えるから混乱する」。
このタイミングでこの本に出合えて良かった。
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レジュメ
生産性を上げるには同じ仕事を
より短い時間でこなすこと
同じ時間でたくさんの量をこなすこと
同じ時間で仕事の質を高めること
自分の頭で考えること
知的=自分の頭で考える
自分の頭で考えて成長すること
飯風呂寝るから人本旅に切り替える
同じような人と会わずいろいろな
本を読み似通った場所には行かない
イノベーション=知識×考える力
おいしい生活=いろいろな知識を身に付ける×自分の頭で考える
サービス産業における購買の主体は女性
女性の活躍を妨げているのは長時間労働
を容認する労働慣習
知的生産性を高めるには社会常識を疑い
根底から考える以外に道はない
考え -
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出口氏がこれまで、勉強されたた世界史をご自身の解釈も含めてまとまた作品。
中国、ヨーロッパ、アメリカなど、大凡今日に至るまでの過程を、交易、民族の移動を軸に記載している。
当たり前だが、今日の各国家の姿形、特性は、過去から脈々と受け継がれており、そこに至るまでの変遷は必ず外圧(他国)の影響を受けていることを改めて認識した。
最も印象に残ったのは、アヘン戦争を境に西洋と東洋の力が逆転し、以後今日に至るまで、西洋が世界のスタンダードという、史観が出来上がったという点。また、世界のGDP比率も当時ダントツでNo1であった清が西洋の支配を受け没落していくが、また近年、盛り返していることが興味深い