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Posted by ブクログ
読書録「全世界史下巻」5
著者 出口治明
出版 新潮社
p456より引用
“ しかしこれだけ愚かな人間が、これだけの愚行を繰り返
してきたにもかかわらず、人類は今日現在、この地球で生き
ているのです。それはいつの時代にも人類のたった一つの歴
史、つまり五〇〇〇年史から少しは学んだ人がいたからでは
ないでしょうか。今、人類が生きているというこの絶対的な
事実からして、僕は人間の社会は信頼に足ると確信していま
す。”
目次より抜粋引用
“クアトロチェント
アジアの四大帝国と宗教改革、そして新大陸の時代
アジア四大帝国が極大化、ヨーロッパにはルイ一四世が君
臨
産業革命とフランス革命の世紀
ヨーロッパが初めて世界の覇権を握る”
世界を旅し歴史への造詣が深い著者による、文字が発明さ
れてからの人類の歴史を、時間の大きな流れに沿って記した
一冊。同社刊行作『「全世界史」講義Ⅱ近世・近現代編』
改題文庫版。
十五世紀のルネサンスや大航海から二十一世紀の初頭の不
幸な始まりまで、穏やかな語り口調で書かれています。
上記の引用は、著者の歴史を学んできた自身の経験から出
た、人の世に対する評価。
私は確信を持って信頼をすることが出来ませんが、まあ自分
が出来ることを続けて何とかやって行けたら良いなと思いま
す。
上下合わせて、大まかな歴史を物語として楽しむのに、と
ても良い作品ではないでしょうか。より詳しく知ろうと思っ
た人のために、参考文献も数多く紹介されているので、歴史
を学びたい人の入口として、非常に使いやすくもあるのでは
ないでしょうか。
ーーーーー
Posted by ブクログ
単に歴史的な事実をなぞるのなら、高校世界史の教科書や参考書でも事足りる。それはある時代に起きていた事実を「点」として捉えるということだろう。だから、教科書に書かれている歴史は、つまらないし、退屈で、本当に知りたいことが書かれていない。
歴史とは、全世界(地球規模と言ってもいい)で起きていた出来事とそれらの関係性が網羅され、例えばある時代にヨーロッパで起きた歴史的な出来事が、同時代の、あるいはその後の中国やアジアにどのような影響を与えたのかという関連を知ることだと考えていた。だからそうした本を読んでみたかった。そして、ようやくその希望を叶えてくれた一冊に巡り会ったのである。ゆえに、この本との出会いは、私にとって「歴史的」な快哉である。
さらには著者である出口氏の、鋭く合理性にあふれた史観に基づく考えもほどよくちりばめられており、古代、中世、近世、近代、そして現代へと続く人の営みの総体としての歴史が、すっと入ってくるのである。それらが織りなす綾が、縦糸にも横糸にもなり、それぞれに関連し合って、これまで「点」の知識としてあった事柄が、見事に因果を形成する。すると断片でしかなかった歴史的知識は、それらをつなぐ線となり、さらには面となり、最終的には単なる「歴史」という範疇を越えて、歴史的事実の背景にある人間の考え方といったものまで見えてくるのである。
自身がリアルタイムで見聞してきた大事件も、その時々にメディアを通じて知っていた気になっていたけれども、実は歴史の教科書に書いてあったある出来事が伏線となり発生したのだと知ったとき、その事実に興奮さえ覚えた。
歴史とは、ヨーロッパ、アジアなどと地域を区切ったり、あるいは特定の時代だけを見ていたのでは、近視眼的になって分からないことがたくさんあるということを本書は教えてくれる。歴史を学ぶということは、まず本書のような通史的に全体を俯瞰する本で学び、それから一つひとつの歴史的な出来事を掘り下げる方が合理的ではあるまいか。「木を見て森を見ず」という言葉のとおりである。
その意味では「日本史」もまた、世界史のごく小さな一部である。本書を読めば、日本史的に大々的な扱いをされている「ペリーの黒船来航」にしても、ペリー(のいるアメリカ)にもそれなりの事情と理由があって来航したことが理解できる。
上下巻に分かれているが、通史的に俯瞰するという意味で、上巻から読むことが推奨されるだろう。近代や現代の方が、比較的知識量もあるのでとっつきやすいけれども、関連性を知るためには紀元前に発生した四大文明から始まった「人間の歴史」を辿るべきであり、その経験はいささか大変ではあるけれども知的な楽しみに溢れている。
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