藤沢周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これ凄い好き。
私なんか全然本読んでないなーって思った。
若林さんがそもそも繋がっている、なんなら飲み仲間作家さんとの鼎談から始まって。初めましての作家さんも登壇してくるんだけどこんな会話繋がって凄いなー掘り下げてるなー面白いなーってのが連続するんだから。
タイムリーにみたかったなー。もっと対談して欲しい作家さんいるなー。私が好きな作家さんの本がお勧めされてて嬉しいなー。
もう紹介されてる本片っ端から全部読みたいっ!!すべての回でその時話題に上がったテーマでお勧めの本を作家さんが紹介するんだが、これが垂涎なんです。紹介の仕方にも唸る、だってどれもこれもすっごく読みたくなる。
沢山の本 -
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Posted by ブクログ
訳者後付けでも解説されているように、一葉の作品には句点、段落があまり見られない。もちろん当時はカギ括弧のような様式も主流ではなかったのだろうが、21世紀の我々が馴染んだ文体ではない。
しかし、訳者の努力の賜物なのだろう。非常に読みやすかった。「たけくらべ」はロマンスともジューブナイルとも分類できない複雑さがあり、充分に面白い。
「たけくらべ」以外の短編たちもよい。「うもれ木」なんかは私の好みだった。恋愛:人間的成長=8:2くらいの混ぜ具合。当時の主流だっただけなのか、一葉が個人的に恋愛を関心事としていたのかはわからないのだが、何はともあれ良い作品だと思った。 -
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Posted by ブクログ
屍の蔵と書いて鎌倉。どこを歩いても現実の軸が狂うような磁場ばかりで霊所だらけ。その鎌倉の深い闇に徐々に飲まれていく様が日常を通して描かれている。井戸の蓋の裂け目と浴室の天井の割れ目を出入りする土蜘蛛。拒食症自殺者の女。夜になると幽冥な闇に変わる竹林。シトシト降る雨の円覚寺山門。渋谷の千代田稲荷。幻想的というには、あまりにも生々しく突き放したような描写。所々に黒揚羽蝶が出てくる。幻想の世界と蝶というのは、万人に共通した感覚なのだろうか…?
藤沢周氏は常人には理解しえない感覚で世界を捉えている。それを読み切らせる描写力というのが本当にすごい。すごく沢山モノを読んだり見たりしている作家なのだろうと -
Posted by ブクログ
武道関連の小説を読みたいと思っていたところに、書店の平台で出会った新刊文庫本。
『ラップに夢中の高校生、いきなり竹刀を握らされ…』という帯のコピーがなんとも良くって。
現代を生きる、世代の違う者たちの描き方が鮮やかでした。
舞台もたまたま身近なところで、「そんなこと」もあるかもしれないと思いながら。
細かいことを言わせてもらえば、書体についての記述がたびたびあるのだけれど、なんでも明朝体というのは、それはどうなのかしらと気になってしまいました。
読み終えて表紙のイラストをじっと見てみれば、くすぐりが効いていてそれもまた味わい深い。
しかし、こういう面白い、良い余韻の残るものを読んでしまうと、次 -
Posted by ブクログ
標題作は問答無用の第119回芥川賞受賞作。
"かっては東京の広告代理店で働いていたものの、現在は新潟と福島の県境にある雪深い寂れた田舎町の温泉ホテルで働き、毎朝温泉卵を茹でる日々を送る青年。同僚にこのまま実家の豆腐屋を継ぐのか、と問われれば今は充電期間中なのだと答えるものの、その実このままこの田舎町に埋もれることになるのではないか、と危惧感を抱き、焦燥感を募らせている。そんな青年の前に現れたのは、かっては本牧埠頭で船乗り相手の娼婦で、その際にかかった性病から盲目になったと周囲に噂され、また若かりし頃の記憶と妄想と現在の記憶について、とりとめのない混沌とした言動を行うが故に周囲に疎まし -