藤沢周のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
羽田融はヒップホップに夢中な北鎌倉学院高校二年生。矢田部研吾はアルコール依存症で失職、今は警備員をしながら同校剣道部のコーチを務める。友人に道場に引っ張られ、渋々竹刀を握った融の姿に、研吾は「殺人刀」の遣い手と懼れられた父・将造と同じ天性の剣士を見た。剣豪小説の新時代を切り拓いた傑作。
彼是20年程剣道から遠ざかってしまいましたが、今でも燻ぶる剣士の魂。この表紙にやられて裏表紙の説明を読んだ瞬間にレジに直行していました。
現代的な若者の習俗にディープに絡む豊饒な文学的表現。さらに剣道描写も恐ろしく濃密で、味付けで剣道使った訳では無く剣道でなくては駄目な小 -
Posted by ブクログ
藤沢周さんの芥川賞受賞作です。
最新作の「キルリアン」に続けて読みました。
表題作と「屋上」の2編が収められています。
表題作はブエノスアイレスでの話でなく、磐越自動車道が通る新潟県と福島県の境の山間の温泉地が舞台です。
雪が3メートルも積もるような厳しい寒さです。
カザマというUターンの男は温泉卵を作っています。
かつては広告代理店に勤めていました。
寒さが堪える感じと老いのもの悲しさがよく伝わってきます。
「屋上」は屋上遊園地で派遣で働いている30歳ほどの男の話です。
デパートの屋上遊園地の記憶は懐かしいです。
いまは多くが姿を消しました。
小川洋子さんの「猫を抱 -
Posted by ブクログ
ついこのあいだ。藤沢周氏にお会いした。ふたりきりで。本当に氏であるかどうかあいまいだったのでそのときは声がかけられなかった。氏はがっしりとした肩幅で深呼吸するように煙草を吸い込まれていた。ちょっと戸惑ったがボクも真似して氏の呼吸にあわせるようなすい方をした。あとでその会場で氏の講演会があったと聞いて。やっぱりと。偶然は面白い。そのちょうど何ヶ月か前からか旅雑誌を読んでいるとよく氏が出ていてその矢先のことだった。雪深い新潟の景色が自分の感性の原点だと他の本でも書かれていて記憶にも新しかった。住まいもこのあたりだと知って。ならばいつか。またどこかで偶然会うかもしれない。勝手にそう思ったので氏の本を
-
-
-
Posted by ブクログ
◆心に刺さったワード◆
⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
⚫強い心は強い肉体に宿る
◆読んでみたい本◆
⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
⚫世界の実相 -
-