【感想・ネタバレ】武曲のレビュー

あらすじ

これが二十一世紀の剣豪小説だ!

無自覚な天才少年・羽田融とその「殺人刀」の血を恐れる剣道部コーチ矢田部研吾。反発と無視を乗り越えやがて二人は運命の対戦へ。

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Posted by ブクログ

人物像の描き方と、ストーリー展開が絶妙です。
剣道の試合の間の描写が剣道未経験者でもわかりやすく伝わってきます。
サラサラ読める感じはありませんが、一気に読んでしまいました。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

これはおもしろい。
ラストにかけて描かれている、まわりの世界と同化していく感覚はほんとに気持ちが良いもの。
その感覚を思い出させてもらった。

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2015年07月28日

Posted by ブクログ

武道関連の小説を読みたいと思っていたところに、書店の平台で出会った新刊文庫本。
『ラップに夢中の高校生、いきなり竹刀を握らされ…』という帯のコピーがなんとも良くって。
現代を生きる、世代の違う者たちの描き方が鮮やかでした。
舞台もたまたま身近なところで、「そんなこと」もあるかもしれないと思いながら。
細かいことを言わせてもらえば、書体についての記述がたびたびあるのだけれど、なんでも明朝体というのは、それはどうなのかしらと気になってしまいました。
読み終えて表紙のイラストをじっと見てみれば、くすぐりが効いていてそれもまた味わい深い。
しかし、こういう面白い、良い余韻の残るものを読んでしまうと、次に読むものを探すのが大変です。

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2015年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真剣に剣道と向き合って己を研く矢田部研吾。それが過ぎて、研ぎすぎて薄くなった刃のようにその技は鋭く、けれど脆くもなり……いわゆる闇落ちのような状態になってしまう姿に、なぜか同情してしまいます。

真面目だけど不器用すぎて、要領よく生きられない姿がそうさせるのかもしれません。

対する羽田融。剣の技に没頭するあまり、矢田部親子と同じように殺人刀の道に落ちかけます。憶測ですが、表層的な格好よさに魅せられて自己満足に陥り、相手を殺し自分を活かすことだけを考えていたからなのかな、と(若人なら普通のことだとは思いますが)。

しかし一級審査後、その印象がガラリと変わりました。「完全な捨て身の状態であることが、最も自分自身でいられる気がした」という一文から「無防備=相手を自由にさせる」と連想し、そこから融が活人剣に目覚めたように思った次第。

それまでは悩み・混迷・惑いという要素が多く、どこか鬱屈した雰囲気が作中に漂っていたように感じられましたが、上記の一文以降は爽やかで明るい空気を感じました。年齢的に近い研吾の方により感情移入してしまいましたが、融の今後の成長も気になるところ。「武曲II」が純粋に本作の続編なら、文庫化を待たず単行本を手にとって読んでみたいくらいです。

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2017年09月12日

Posted by ブクログ

矢田部の落ちぶれた場面が長くて気が滅入ったけれど、それとは対照的な融の強烈に光り爆発する若いパワーが眩しくて、胸が熱くなった
斬るか斬られるかの駆け引きおそろしい(わくわく)
読後感爽やか

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2017年07月19日

購入済み

熱くなる

剣道をやっている人にとって、技術的に気付かされることはあまりないかもしれませんが、スポーツとしてではない本来の剣道を考えさせられ熱くなります。私は居合もやっているのですが、精神性の上で居合と剣道を同時に稽古する意味を考えさせられました。

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2017年07月15日

購入済み

最後まで一気に読みました

剣道の奥深さに触れ、また楽しく読ませていただきました。この先の展開が待ち遠しい思いです。

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2017年06月11日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
羽田融はヒップホップに夢中な北鎌倉学院高校二年生。矢田部研吾はアルコール依存症で失職、今は警備員をしながら同校剣道部のコーチを務める。友人に道場に引っ張られ、渋々竹刀を握った融の姿に、研吾は「殺人刀」の遣い手と懼れられた父・将造と同じ天性の剣士を見た。剣豪小説の新時代を切り拓いた傑作。

彼是20年程剣道から遠ざかってしまいましたが、今でも燻ぶる剣士の魂。この表紙にやられて裏表紙の説明を読んだ瞬間にレジに直行していました。
現代的な若者の習俗にディープに絡む豊饒な文学的表現。さらに剣道描写も恐ろしく濃密で、味付けで剣道使った訳では無く剣道でなくては駄目な小説でした。
これだけ絢爛な文章表現を披歴すると、流れが停滞してつまらないものになりそうなのですが、この流れるような散文的表現が物語にしっかり絡んでいるのはお見事!出来れば続き読みたいけど無いだろうなあ。。。

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2017年02月09日

Posted by ブクログ

藤沢周『武曲』文春文庫。

現代の剣豪小説らしい。何とも残酷で酷いストーリーだと思う。ひょんなことから剣の道を目指すことになる天賦の才を持つ羽田融と人生の落伍者である剣道部コーチ・矢田部研吾の対決という漫画的な構図。こうした構図を描きながら結論を描かない藤沢周の狡さ。

感動も無ければ、学ぶべきことも無い。

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2018年01月05日

Posted by ブクログ

湘南を舞台にした高校生の剣道を通した青春小説。と言うと、随分軽めの印象になってしまうが、武道を多少なりとも噛んだことがある者にとっては、動きや精神性の描写がとても巧み。
アル中で壊れて行く様や、葛藤が、セオリー通りでなくて良い。

何というか、表面張力的な書き方で、読者を引き込む。

ただ、ヒップホップ好きな高校生、剣道、設定は良いが、ヒルクライムを出してくるってのはいかがなものか...あれって、ポップスじゃ...
細かなツッコミどころはあるものの、物語としては良い一冊でした。

映画化されるみたいだけも、どうなんだろね。

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2017年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作家さんを存じ上げなかった&表紙と帯に釣られて購入しましたが、剣道部だった自分の経験も踏まえて級落ちする人間は実際に回りにいたからなあとも思わなくもなく…w
アルコール中毒で落ちていくところは心がしんどかったですが現実味はあんまりないです。それもそれで話しとして受け入れて、青春スポ根というよりも駄目な大人が高校生と向かって自分のアイデンティティを問いグラグラする話しって印象がありました。
ちょっとした文章にドキッとするのでこの作家さん中二心を掴んでるな・・・とも思ったり。

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2015年04月27日

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