藤沢周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。
中高年層の男性の
ありふれた日常の中で、
自分自身の精神、身体にまっすぐに目を向け
対話するように綴られる文章。
華やかな若さを持った時代の男女にはない
心身ともに落ちるように変化する様々な出来事を
クスリと笑えることも、やがて哀しきなんとやら。
こんな風に、下り坂の時代をまっすぐに描いていながら
素敵な文章にできるのは、特殊なことなんでしょうね。
幾つかは、ニヤリと、幾つかは哀しく。
こうやって、誰しも日常を積み重ね老いていくのでしょう。
更年期を迎えた女性が読んでも、
まだまだと思っているおじさんが読んでも
それぞれに、ズンと響く何かがありそうです。 -
Posted by ブクログ
〜盲目の老嬢と孤独な青年が温泉旅館でタンゴを踊る時、ブエノスアイレスの雪が舞う。希望と抒情とパッションが交錯する希代の名作。第119回芥川賞を受賞、あらゆる世代の支持を受けたベストセラー〜芥川賞受賞作品らしいと言うかなんというか、内容が抽象的で、捉え方によって解釈が変わってくると思う。2つの作品が収録されているが、物語の流れとしては共通している。年齢が30を過ぎ、代わり映えのない毎日に、どこか人生を諦めている日々を送る主人公。そんな主人公が、ふとした行動を取り、いつもと少し違った経験をする。そう考えれば、テーマがあったのだと思えるのだが、読んでいる時は正直退屈だった。内容的にはエンターティメン