いとうせいこうのレビュー一覧

  • 未刊行小説集

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    ネタバレ

    一部複雑難解な表現あり。
    いくつかの映画をモチーフにした作品はついていけなかった。その映画が大好きで繰り返し細部まで見ている人なら楽しめるのかもしれない。

    何かしらのインプットされる情報があって、
    自分の中で解釈、追加想像した物語をアウトプットしてしまうと元の出来事は忘れてしまうのかもしれないと思う。
    日記をつけてしまうと逆に思い出せないで出来事もある。
    歌を忘れてカナリアにが一番長編で読みやすかった。
    物語の中の物語に入り込んで人の正気を惑わせる不思議な魅力がスペインにはあると思う。

    ラストのライカ犬の話は割と良く使われるモチーフかなと思うが、荒ぶる性格というイメージはなかった。

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    2020年05月06日
  • ノーライフキング

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    小学校四年生の大沢まことをはじめ、子どもたちのあいだで「ライフキング」というゲーム・ソフトが流行し、学校や塾ではそのゲームをめぐるさまざまなうわさが取り沙汰されるようになります。呪われた世界を救うというゲームの世界観は、たちどころにうわさが広がっていく子どもたちの情報網を通じて現実世界へと流れ出ていき、大人たちのさまざまな反応を引き起こしていきます。

    1980年代の消費社会を背景にした作品で、たとえば大塚英志の『物語消費論』(角川文庫など)などによって提示された見取り図のもとで読むことが可能であるように思われます。大塚は、やはり本書と同時期に子どもたちのあいだで流行した「人面犬」にかんする都

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    2020年03月05日
  • ノーライフキング

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    ゲームが出始めたときはおそらくすばらしく最先端な話だったんだろうなって印象。ちょっと時間が経ちすぎてしまいましたかね

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    2020年02月29日
  • ノーライフキング

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    序盤、おお!?と面白い流れなんだけど、
    中盤からいまやよくある噂と真相みたいな話になってしまった。
    しかし確かにリアルという言葉が今も通用しているし、コンピュータに子供が(大人も)支配されるという、先見の明はスゴイ。
    明確な答えという名のキングがまだ現れてないという結論もまたリアルだ。

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    2020年01月19日
  • 「国境なき医師団」になろう!

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    前作と比べて一歩引いた客観的な視点からまとめられている。これは多くの非医療従業者がMSFの活動を支えていることを、幅広い人に知ってもらいたいという著者の意図に沿ったものであるという。個人的には主観に近付いた前作の方が入り込みやすく心に響いたが、伝えたいメッセージは一貫している。この本が読者の裾野を広げることを願いたい。

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    2020年01月01日
  • 「国境なき医師団」になろう!

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    ネタバレ

    国境なき医師団の組織やポリシーといった基礎知識、様々な現場における実際の活動、そして、その活動を支える様々なメンバーをいとうせいこうが実地で取材している。その名称が与えるイメージと異なり、非医療従事者が多いこと、その活動が個人の寄付によって多く支えられていることを伝え、読者もこの団体で活動したり寄付の形で貢献できるとアピールしている。

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    2019年12月23日
  • 今夜、笑いの数を数えましょう

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    倉本美津留がダウンタウンと出会い、あの伝説の1万円ライブ開催の経緯が面白かった。あと、バカリズムがなぜ出川哲朗が笑えるのかを解説してる内容が分かりやすかった。

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    2019年05月17日
  • 今夜、笑いの数を数えましょう

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    KERAが対談相手だったので買ったみたが,バカリズムの話に出てくる「納得の快感」ってのが俺のダジャレなんだなと腑に落ちた.

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    2019年03月29日
  • 見仏記3 海外篇

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    あいかわらずいとうせいこう氏の筆致は見事であるが、外国の文化や通訳・コーディネーターに遠慮して、いまいちのびのび感がないように思う。

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    2018年11月17日
  • 見仏記

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    著者の肩に力が入っている感じで、前半はちょっと読みにくい。最後半くらいからいい具合に力が抜けてきて、読みやすくて楽しい。
    最後、あんなセンチメンタルに終わる、はず、だったんだね。

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    2018年10月14日
  • 見仏記

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    (01)
    仏像を見る際に,どのように既存の文脈から切り離して自分の目の前にあるものを見るか.この難問に著者の二人は取り組んでいる.寺院からのアプローチ,由来や縁起などの創作,フェノロサ,和辻,亀井といった近代の批評,他の観光客や観光産業関係者など,著名な仏像を取り巻く言説を華麗にいなし,かわしつつ,自らのポップやサブカルの文脈に近づけつつも,仏師や仏像そのものの想いや方法をダイレクト(*02)に見る方法に挑戦している.

    (02)
    そのとき,眼は興奮し,恋愛やエロスなどに類似したフェティシズムの視線によって仏像が捕らえられる.みうら氏は吉祥天に向かい,いとう氏は文殊菩薩に向かったその視線(*0

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    2018年07月08日
  • 鼻に挟み撃ち

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    初読み作家さん。
    文通相手と文通読書会しようと持ち掛け、その第一冊目に選んだ本。文庫本発売の時購入。表紙いいよね。
    一応短編集の仲間に入るのかな。


    『今井さん』
    テープ起こしで生計をたてている鵜殿さんが編集者から「その場で話していない内容が書き足されているようだが」と電話を受けて、それについて、テープ起こしとはいったいどんな仕事なのかを説明というのか、説得をしている、電話で、と思い込んで読んでしまった私への、オチ。
    『私が描いた人は』
    大学時代に出会ったPQを私は長い時間をかけていくつかの絵を描いた。PQとの思いでと、その絵たち。
    『鼻に挟み撃ち』
    ある日男はマスク姿で公共の場で唐突に演説

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    2018年06月19日
  • 鼻に挟み撃ち

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    文通友だちさんからいただいた本です。
    いとうせいこうさんの本を読むのは久しぶりですが、登場人物の語りにぐいっと惹き付けられました。面白かったです。
    どの語りも奇妙でしたが、表題作が好きでした。
    わたしも病で一時期マスク人間だったのですが、確かにあれは安心します。
    誰でもない人になって、誰でもない人を眺める。例え、鼻が無くても分からないよな、と思いました。
    「民族衣装かと思うくらいマスク。」に笑いました。
    読んでしまった今の気持ちを上手く表現出来ないですが、風変わりな読書体験でした。

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    2018年05月29日
  • 見仏記7 仏像ロケ隊がゆく

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    『新TV見仏記』も観ている人なら2倍楽しめそう。私は本しか読んでいないから、「TVだとこういう苦労があるんだなー」くらいの感想でしたが。

    今回の見仏記では時間の流れ、そして、変わらないようで変わっている様々なことについて考えさせられました。
    お二人も「年を取った」と感じているようですし、お寺(仏像)の方でも、LEDライトが導入されたり、配置換えがあったり、と変化があって。
    驚いたり、寂しく感じたり、嬉しく思ったり、色々ですが・・・全てをひっくるめて愛せるようになってこそ『見仏人』なんでしょうね。

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    2018年04月30日
  • 見仏記6 ぶらり旅篇

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    ますます自由度が増したお二人の旅。確かに「ぶらり旅」ではありますが、行動範囲は広い!並々ならぬ仏像愛を感じます。
    それにしても、「ゆるキャラ」を広めたみうらじゅんさんが、売店でゆるキャラグッズの豊富さに翻弄されるのは面白いですね(笑)。
    色々な所で買い込んだ沢山のゆるキャラグッズ、それに仏グッズ(誕生仏のレプリカとか)は、みうら家でどんな風に飾られているんだろう・・・。

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    2018年04月18日
  • 漱石漫談

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    三四郎は、東京の当時の学生生活を描く、最先端な、おしゃれ小説だった。
    なんとなく、クリスタル 的小説

    漱石の孤独は、人とコミュニケーションして、失敗しちゃう孤独

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    2017年08月04日
  • どんぶらこ

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    表題の「どんぶらこ」は、介護をする側される側の心情を描いていてよかったのだけれど、そのほかの作品は間延びしてしまった。いとうさんの自伝?話が飛びすぎて日記をそのまま書いているようでこちらだけなら☆2つだな。

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    2017年05月28日
  • 存在しない小説

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    この著者の小説を読んだのは始めてでしたが、こうゆう小説を書くのですね~と意外でした。存在しない小説なのだから小説ではないのかな?いやでもこうやって読めるわけだし...といささか頭の中をとっ散らかしながら読みました。短いお話(でも内容はけっこう濃ゆいと思った)の合間に挟まれる(わたしにとっては難解な)解説によって考えをあちこちに飛ばされるかんじで、あれ何を読んでたんだっけ?となりましたが、概ね面白かったです。

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    2017年04月30日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    我が家から五十メートルばかし行ったところに「口の芝居跡」という碑が立っている。その昔、京・大阪の芝居小屋にかける前、全国から伊勢参りに来る旅人目当てに、ここで演じて評判が良ければ大受けまちがいなしとして、試演される芝居小屋だったと聞く。有名な歌舞伎役者もこの芝居小屋の舞台に立ったこともあって、古市は歌舞伎とは縁が深い。『伊勢音頭恋寝刃』の舞台となった油屋跡では町の若い衆によって小屋掛けの地芝居も演じられた。父は坂東庄雀という名を持つ立女形で、「伊勢音頭」ならお紺、七段目ならお軽というのが役どころだった。

    芸事の好きな人も多かったのだろう、歌舞伎衣装や大道具小道具を扱う道具方や浄瑠璃、義太夫を

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    2016年11月21日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    それぞれ初めて読みました。
    井原西鶴 好色一代男
    上田秋成 雨月物語
    山東京伝 通信総籬
    為永春水 春色梅児誉美

    それぞれ、江戸文化の良さや面白さについていまいち
    理解できないというか、合わない感じがしました。

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    2016年08月12日