あらすじ
読んでもおもしろい、書いてもおもしろい。不思議な小説の魅力を作家二人が漫談スタイルでボケてツッコむ!笑って泣いて、読んで書いて。そこに小説がある限り……。
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Posted by ブクログ
手当たり次第に乱読していると、たまにこういう本に当たる。いとうせいこうと奥泉光が小説というものについて行った一連の文学的対談。「物語をずらす」ことが小説だと言い切る奥泉。因果関係(「ので」)を嫌う余り新作が書けない(当時)いとう。当たり前の小説に飽き足らない人たちの世界がここにはある。当たり前の小説のぬるま湯に浸かり続けてきた一読者としては、頭の天辺から冷水を浴びせられた気分。
読者を感動させたいなら一度破壊した人間関係を修復させるだけでよいとの指摘は、確かにこれまで読んだ数々の本に当てはまる。
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分類が難しいなあ。
渡部直己の解説が楽しいということもある。し、文学について簡単に入れるんじゃないかとも思った。
久々に文学っぽいものを読んだ気がする。
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共に作家の奥泉光さんといとうせいこうさんのとても刺激的な対談集。
副題に『文学入門』とついているが、これが『入門』なのか?というような高度な(私にとっては)おはなしがつづく。
でも主に奥泉さんがボケて、いとうさんがつっこむ漫談方式のお陰でクスクス笑いながら読まされてしまう。
奥泉さんのお子さんの保育園の学芸会の話題(爆笑)からフロイトの‘ユーモアについて’の話題に持っていくおふたりの手腕に酔ってしまい、自分には絶対読みこなせない書物も読みたくなる(笑)
たぶん百分の一も理解できていないと思うけど、それでも面白かった。
あと、作家であるいとうさんの口から「誤読してもいい」の言葉が聞けたのもホッとした。
脚注に自身も文学を教えている渡部直己さんのちょっと(?)辛口のつっこみ&プチ講義付き。
いとうさんの文庫化にあたってのまえがきより。
‘そもそも聖典(バイブル)とは人を縛るものではなく、解き放つものであり、出会った者の気が大きくなってくれなければ困る。実際、我々の対話を受け入れたあとで読む小説は自由度を増すだろう。’
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小説家の頭の中ってこうなってるのか〜。ただ物語を作っていくだけではなく、文体や自分が何かに影響を受けているかどうかまで、意識したり受け入れたり戸惑ったり。とっても興味深い。
いとうさんファンとしては、彼が小説を書けない時期に、何に悩んでいたのか、そしてそれをどう乗り越えたのか、の一端を垣間見たようで、嬉しくなる。これまでのインタビューや何かで、チラッと話していたのを読んでもよく分からなかったから。奥泉さんの存在は大きかったんだろうな。
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いとうせいこうと奥泉光が小説の書き方、読み方、そして小説とは…と二人で掛け合いで語っていく。「作者は読者でもある」に頷いていたら「他人の言葉で書く」に驚愕。私は自分の身に馴染んだ言葉でなければ使ってはいけないと思っていたから。けれど、そうなのだ。読むのは私と私ではない人ならば、読む人がどの言葉でどう受け取るか「私」には決められない。私の身に馴染んでいるかどうかは関係ないのだ。笑って唸る漫談。
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漫談といえば漫談だが話の中身は硬派。いとうがツッコミで、奥泉がボケ。で、結局、いとうがインタヴュアーで、奥泉が自身の小説創作の姿勢やら裏話やらを語ることになっている。奥泉作品のファンにはうれしい本。
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文芸漫談の2人による小説論。
2人の夏目漱石の解説本がすっごく面白かったので、他の小説の解説とかしてるのかな〜という期待を込めて読んだけど、私の勘違いで、「小説とは何ぞや」的な話だった。註も含めて面白かったけれども、難しかったのでまた機会を捉えて読み直す。