いとうせいこうのレビュー一覧

  • 日日是植物

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    「ボタニカル・ライフ」は素人園芸家の聖典らしい(いとう氏が自称)以前NHKでやっていた「植物男子ベランダー」をとても楽しく見ていた。その原作の「ボタニカル・ライフ」も、とても面白かった。

    その続編である。ベランダーからルーマー(室内園芸家の意)に変身しながらも、変わらず日々植物相手に奮闘するいとう氏。温暖化による猛暑や乾燥にやられたり、引っ越しによる環境の変化で枯らしたり、あくなき好奇心から妙なことを始めて失敗したりしつつ、惜しみなく植物に愛を注ぎ続けている。フェイク植物をうそグリと呼びつつ心が揺らいだり、後ろ側しか見えないからと切り花にしてみたものの満足できず、結局後ろから見ることにしたり

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    2026年08月17日
  • 「国境なき医師団」を見に行く

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    国境なき医師団に興味があり、どのような活動をしているか知りたくて本書を読み始めた。

    ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダ各国ごとの問題点を筆者の目を通して知ることができる。異国の地で奮闘している人の話を知ることで、自分も頑張ろうと思える。

    国境なき医師団という名前から、参加者は医療関係者ばかりなのかと思っていたが、現地の人や施設、物資などの管理を行うコーディネーターや水質を管理する技術者など、様々な人が自分のできることを活かして、役割を果たしていた。

    発展途上国での医療的な支援は想像がつきやすいが、ギリシャの難民問題については、よく知らなかったので勉強になった。

    一方で、筆者の自己陶

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    2026年08月12日
  • どんぶらこ

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    バラエティーなどで見るいとうせいこうと、この文章の印象が随分違って、驚き。こんな骨太な文章を書く人だったんだ。

    年老いた親の介護をテーマにした物語は、重い空気を纏いがちだが、この小説にも登場人物それぞれが年月と共に背負ってきた人生の重荷が、独特なもの哀しさとやるせなさを伴って行き場なく漂う。

    さらに主人公の両親のルーツが語られ、主人公自身の生い立ちにも遡る。決して明るくはないのだが、間に間に挟まれる、どんぶらこっこ、どんぶらこ。どんぶらこっこ、すっこっこ。という調子がふと泣き笑いしてしまうような、力の抜けるようななんともいえない奇妙な気分にさせられる。

    生きるにつけ、死ぬにつけ、老いて終

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    2026年07月14日
  • 見仏記 三十三年後の約束

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    実は私も初めての見仏記がこの本で、千手観音のにわかファンになりました。これからもお元気で、見仏を続けてください。33年後を楽しみにしています。(30年ほど前に今の家に引っ越してきたときに、隣に偏屈そうな老人が住んでいて、北側の窓を開けると偏屈老人の家の壁が見え、そこに鬼のお札のようなものが貼ってあって、つい「なんか、怖い!」と言ってしまいまして。その次窓を開けたときにそのお札のようなものは剥がされていたので、偏屈老人、意外と優しいのかも?と思ったのですが、アレがアクリルスタンドになるほどの人気者だと今知りました。)

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    2026年07月09日
  • 日日是植物

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    植物愛がつまったエッセイ。ベランダー、ルーマー、ガーデナー。の合間に自分のお子さん。(赤ちゃん〜)
    増やし過ぎては行けないでもほしいともだえるいとうさんの姿が目に浮かび楽しかった。

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    2026年07月06日
  • 「国境なき医師団」を見に行く

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    こうしちゃいられん、何かしなければ
    という気持ちに駆られる。
    身の毛のよだつような 鳥肌に立つような 経験をしてきている難民の方々。
    座ってる場合ではない。私に何かできないか。
    寄付もしなくちゃ。
    そして知らなければ。
    そんなふうに思った。

    あともう一つ忘れたくないのでここに書いておくのだけど、日本の緊急医療の中でメンタルケアが軽視されているという記述について。

    日本では物理的な怪我の治療 病気の治療以外にその患者やその医療に携わったスタッフのメンタルのケ、PTSD に対する治療や、その予防に関して軽んじられているという記述。この本が書かれたのは10年近く前だけど、その常識は今もほとんど変

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    2026年06月04日
  • 見仏記 三十三年後の約束

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    久しぶりの見仏記。読んで「あーそうそう、こんな感じだったわ~」と嬉しくなりました。
    いい大人が子供みたいにはしゃいだり浮かれたりするのがいいんですよね。「好き」ってこういうことなんだ、と。
    見仏記を始めた頃に二人でした「三十三年後の三月三日、三時三十三分に三十三間堂の前で会いましょう」と言う約束も、本当に果たされたようで感動しました。

    それまでお互いに色々なことがあっただろうけど、まず元気で生きていること。そして仏像愛が変わらない(それどころか増している)ことが素晴らしいと思いました。
    見仏コンビよ、フォーエバー。

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    2026年01月25日
  • 通言総籬・仕懸文庫

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    山東京伝による吉原および深川の遊郭での通な会話や所作の江戸時代のルポ。
    後半の仕懸文庫は、蔦屋重三郎による出版らしい。そして2人が処罰された。

    現代語訳は過去にも何人かが行っているようだが読み比べていない。いとうせいこうによる現代語訳では、注が多く(見開き2ページの3分の1になることも)、それも今風に解説してある。でも多すぎて、注は飛ばして本文を読み進めた。ときおり注を見るくらいだった。

    吉原と深川では、金に余裕のあるものが「尻をふりふり」通い、通な言葉のやりとり、流行やならわし、当時の着物や食べ物などが詳細に解説。本気なのか浮気なのか、二者に分けられないのか、臨機応変な会話などが描かれる

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    2025年12月15日
  • 想像ラジオ

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    チューニングという名の想像力。
    ラジオが担っていた役割も、ある人にとっては映像だったり五感で感じる何かだったりするのかな。


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    2025年11月17日
  • 想像ラジオ

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    ある高校の夏休み課題図書に選ばれていたので、手に取りました。
    ごめんなさい。
    読解力がないのか想像力が足りないのか難しい文章でした。
    震災を経験しているので、じんわりと切なさや温かさは感じました。再読して読み込みたいと思います。
    死んでしまったらおしまい!生き仏が先!もいいけれど、心のどこかに亡くなったひとを置いておいて、ふとした時に会話をしながら過していったらもっと丁寧に生きられそう、そんなことを教えて貰ったかな。

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    2025年09月28日
  • 「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本

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    ガザにイスラエルが侵攻する前の訪問だが、当時からパレスチナ人に対する殺戮が日常的に行われていたことがわかり、暗澹とする。イスラエルは何の権利があってパレスチナ人を支配下に置き、ことごとく権利を奪うのか。国際社会はなぜこの暴虐を長年放置してきたのか。今も続くジェノサイドに対し、何もできない苛立ちと諦念に苛まれつつこの本を読んだ。

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    2025年07月06日
  • 小説の聖典

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    文芸漫談の2人による小説論。
    2人の夏目漱石の解説本がすっごく面白かったので、他の小説の解説とかしてるのかな〜という期待を込めて読んだけど、私の勘違いで、「小説とは何ぞや」的な話だった。註も含めて面白かったけれども、難しかったのでまた機会を捉えて読み直す。

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    2025年01月26日
  • 見仏記 道草篇

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    続編出てたんだ!といっても気づいたのがだいぶ遅かったが…。
    あいも変わらず、ゆるいノリのお二人。話題が深く潜りつつも、途端に浅さと視点が変わるみうら氏が良い。旅館の布団重ね敷き…まだ遭遇してるんすか。

    仏像趣味のきっかけになったシリーズだが、自分もだいぶお二人が巡ったお寺にも行った。
    今回の恐山もそうだが…本書を読んでレンタカーでいったことを少し後悔している。
    恐山はバスに乗ってこそ、あの視点になれるのだろうか。

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    2025年01月20日
  • 想像ラジオ

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    死者と生者の願いを想像でつなぐ。独特な切り口と隙のない設定が見事でした。震災をバックグラウンドに描いているので、気を引き締めて読んだのですが、ユーモアありの文章であり、かつ押さえるところは押さえる。面白かったです。

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    2024年12月19日
  • 想像ラジオ

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    ネタバレ

    アーク
    芥川冬助。想像ラジオのDJ。たとえ上手のおしゃべり屋。三十八歳。海沿いの小さな町に生まれ育った。米屋の次男。中二からラジオにかじりつく。三流大学に入って東京に出る。エレキギターを買ってバンドに加入。メジャーデビュー出来ずに裏方として小さい音楽事務所に入る。十数年マネージメントをし、実家に帰る。

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    2024年11月18日
  • 小説禁止令に賛同する

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    小説として、個人の内部から排出されたものを他者性として捉えると、「あいだ」を想定した対人関係論との接点に行き着く。
    p54にある「あれ、まだあるでしょう綺麗ね」と、蜻蛉玉について言及するシーンなどがそうだ。人間とは、地続きである。精神とは、究極のレベルで孤立していない。ただ、それを実感するための能力、リテラシーが、近代以降に加速度的に減退しただけのような気もする。

    p48 編物のくだり。織物ほどギリギリではないつながり、隙間や空間の存在が「あいだ」の範囲を広げるのか?

    p188 「書けば書くほど現実は遠のいていく…私はこれを書きようがない」のくだり。ビオンのOについての表現と重なるか?

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    2024年10月28日
  • 想像ラジオ

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    死んだ主人公が想像ラジオという聞こえる人にしか聞こえないラジオをやる話。とにかく訳がわからなかった。

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    2024年10月27日
  • 想像ラジオ

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    私の想像力不足だと思いますが、よくわからない部分が多くて、またいつか読み直したい作品です。
    身近な人が亡くなると、亡くなった人のことを思うのは、ありふれたことだと思いますが、逆に自分が死ん時、今も生きているあの人は今、どうしてるだろうか、と考えられる余裕のある死に方と生き方したいと思います。

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    2024年09月21日
  • 想像ラジオ

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    ネタバレ

    抽象的な表現が多かったので、全てを理解できなかったかもしれない。死者と生者の境目、お互いどう思ってるんだろうと考えさせられました。

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    2024年08月29日
  • 「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本

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    いとうせいこう(1961年~)氏は、早大法学部卒、ラッパー、タレント、小説家、作詞家等として幅広く活動するマルチ・クリエイター。『ボタニカル・ライフ 植物生活』で講談社エッセイ賞(1999年)、『想像ラジオ』で野間文芸新人賞(2013年)を受賞。近畿大学国際人文科学研究所客員教授。
    著者は、2016年から、「国境なき医師団」の取材をライフワークの一つとしており、これまで、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの現地取材を記した『「国境なき医師団」を見に行く』(2017年出版、2020年文庫化)、「国境なき医師団」の組織と日本人のメンバーへのインタビュー、現地ルポをコンパクトにまとめた『「国境な

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    2024年04月03日