いとうせいこうのレビュー一覧
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いとうせいこう(1961年~)氏は、早大法学部卒、ラッパー、タレント、小説家、作詞家等として幅広く活動するマルチ・クリエイター。『ボタニカル・ライフ 植物生活』で講談社エッセイ賞(1999年)、『想像ラジオ』で野間文芸新人賞(2013年)を受賞。近畿大学国際人文科学研究所客員教授。
著者は、2016年から、「国境なき医師団」の取材をライフワークの一つとしており、これまで、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの現地取材を記した『「国境なき医師団」を見に行く』(2017年出版、2020年文庫化)、「国境なき医師団」の組織と日本人のメンバーへのインタビュー、現地ルポをコンパクトにまとめた『「国境な -
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いとうせいこうにはもう一冊『「国境なき医師団」を見に行く』というのがあり、どちらにしようか迷ったが、とりあえず新書を読むことにした。
あとがきでわかったが、『見に行く』は、「より自分の感情に近い書き方」で書いたもので、こちらは「いわばMSFの一員になるためのハウツー本企画として」書いたとのこと。
だから、こちらはMSFがどんな団体で、どんなメンバーで構成されていて、どう運営されているかがよくわかる。
白川優子さんの本でも度々出てきた「ロジステシャン」や「アドミニストレーター」などの仕事の内容も、インタビューとともに載っている。
「国境なき医師団(MSF)」の資金のほとんどを個人の寄付で、しかも -
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いとうせいこう(1961年~)氏は、早大法学部卒、ラッパー、タレント、小説家、作詞家等として幅広く活動するマルチ・クリエイター。『ボタニカル・ライフ 植物生活』で講談社エッセイ賞(1999年)、『想像ラジオ』で野間文芸新人賞(2013年)を受賞。近畿大学国際人文科学研究所客員教授。
著者は、2016年から、「国境なき医師団」の取材をライフワークの一つとしており、これまで、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの現地取材を記した『「国境なき医師団」を見に行く』(2017年出版、2020年文庫化)、「国境なき医師団」の組織と日本人のメンバーへのインタビュー、及び前著の4ヶ国に南スーダンを加えた現地 -
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ネタバレ導入はとても良く、すんなりDJアークのラジオとして話に入り込めてラジオトークも面白かったのだが、ボランティアに来た人間が私にもラジオっぽいものが聞こえる〜というその人達のやりとりだったか、テンポが悪く感じた。後書きを読むに、現代の人が過去の被災者らにもっと寄り添っても良いんだよ、というメッセージを込めたらしいが、少し分かりにくかった。
その後、リスナー達との中継や、DJアークの家族とのやりとりなど、重い内容ではあるもののユーモアがあり面白かった。
「そうそう、ふたつでひとつ。だから生きている僕は亡くなった君のことをしじゅう思いながら人生を送っていくし、亡くなっている君は生きている僕からの呼 -
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著者であるいとう氏が国境なき医師団(MSF)の活動地域に赴き、現地の様子や患者さんに聞いた話をまとめたもの。
紛争・貧困問題など、あくまで「知識」として「聞いたことある」程度だった国や地域のリアルな様子がわかる。
銃撃などで重症を負った方々のお話や、彼らをなんとか救おうと日々奮闘されるMSF関係者の話は、どれも姿勢を正さずには読めなかった。
この本を読んで、いわゆる地政学をしっかり学んでみたいと思った。
一方、著者のやや”観光的な”姿勢や、言動の端々に見られる”お気楽な”感じが、現地の空気感と合っていない感じがして、違和感をもってしまった。
(自分の読み方の問題かもしれないので、あくまでイ -
購入済み
まずは素直に読むべきか
イスラエルとパレスチナの問題 というのは、どちら側の視点で見てゆくか、政治的な立場抜きには語れない 描けない問題である。本書は原則 弱者 パレスチナ側の視点に立って書かれている。「片方の立場から」ということを意識して読めば、なかなかに参考になる本である。
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ネタバレ江戸時代は、だいたい現代?
治められた4つの小説は、どれも名前は聞いたことがあるかな、というもの。読んでみるとスイスイ読める。古典文学だとちょっと遠巻きにしていたのがもったいない。
「好色一代男」これぞエロの大国日本だな、とか思ってしまう。とことん遊んで最後に船出していく世之介を、嫌える人なんていないだろう。源氏物語のパロディと言われて、なるほどと思う。
「雨月物語」いくつかの話は知っていたが、通読するのは初めて。しっとりと、また少し不思議で、少し怪しい。
「通言総籬」つうげんそうまがき。これは知らなかったけど、『なんとなく、クリスタル』ならぬ『なんとなく、総籬』といういとうせいこう訳 -
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いとうせいこう氏の処女作とのこと。
物語が降りてきて一気に書き上げたそうだ。それに習い自分も気合を入れて一気に読みすすめる。
200ページ程なので、中編になるのかな?
ビデオゲームをモチーフにした、社会問題を取り上げた文学小説といったほうがいいんだろう。
自分の中で、良い小説と思える基準にしている
難解な単語を使ったり、分かりづらい文章構造じゃないこと、はクリアしているので、数時間で読むことができたしいい作品なんだけど。
途中何気ない文章が、とても怖く感じたり。
ゲームソフトの呪い、クリアするための攻略法とやらが、若干抽象的でわかりづらいような。
でも物語のポイントは子供世界のリアルと