いとうせいこうのレビュー一覧

  • 「国境なき医師団」をそれでも見に行く  戦争とバングラデシュ編

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    このシリーズは本当にリアル。著者のボキャブラリーも深いので、実際の壮絶さはなかなか伝わりにくいことはわかるが、ものすごく関心を持っている。たまたまシリアの記事を不動産の新聞で読んで、難民や紛争の問題はまずは常識として知っておくべきだと思っている。そういう意味ではこの本ほど読みやすくリアルなものはない。
    お子さんが産まれて、お年もありこれが最後な気がするけど、MSFには常に関心を持っておきたい。もうちょっと余裕が出来れば募金したい。

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    2025年12月20日
  • 「国境なき医師団」をそれでも見に行く  戦争とバングラデシュ編

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    あまりにも凄い内容で読むのが辛かった
    世界が暴力に満ち溢れているようになり
    イスラエルのガザへの監視と暴力
    落ちていたオモチャが爆弾で子どもの手を失くす
    後から足を撃たれて片足が不自由に
    いずれもその後の生産性を阻害する
    ひどいやり方
    知らなかったとてもショック

    アウン・サンスーチーでさえ
    助けなかったロヒンギャの人々
    ミャンマーを追われバングラデシュの
    難民キャンプで暮らす百万近い人
    そこで起こるギャングの争い
    仕事もできず食料も不足し栄誉不足
    はびこる不衛生 感染
    人間として生きる希望も見いだせない

    世界は分からない事だらけ

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    2025年11月10日
  • 見仏記 三十三年後の約束

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    楽しめました、ボリュームたっぷりデラックス版!

    「三十三年後の約束」の件、JAF会報誌のみうらさんエッセイで知りました。行きたい!行こうと思ったのですが、既に仕事の予定が入っておりなくなく断念。

    その当日、想像以上の盛り上がりで仕事を調整してでも行くべきだったと後悔しきり。

    その残念さをこの本が埋めてくれました。

    仏像には全く知識がないもののいとうさんの語り口とみうらさんのイラストで違和感なく受け入れられます。
    そして、みうらさんの天然さが最高!それをうまく文章化できるいとうさんも!

    上陸大師像、これは是非実物を見に行きたいと思っています~

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    2025年10月30日
  • 能十番―新しい能の読み方―

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    連載してたもので、いとうせいこうの現代語訳の能を英語に翻訳して、その両方を掲載している。
    英語に訳すというのも面白いけど、現代語にまず訳すというところが大事なのかなと思う。舞台演劇としての能ではなく文学としての能という捉え方も、能の楽しみの1つだな。

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    2025年05月31日
  • 能十番―新しい能の読み方―

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    不思議な本だ。もともと古典芸能全般に縁遠く、中でも能は最も敷居が高いと感じていたから著者がこのふたりでなければ、この本を読む機会はきっとなかったはず。けれど、なんだろう?本を手に取った瞬間から感じる懐かしさと、脳内で微かに聞こえてくる声とリズム、そういうことかー!の納得感は!とにかく本の作りが素敵で、表紙の手触りや重みを確かめながら、現代語訳をひととおり読んだところだけれど‥。語り継がれる物語、「言葉」にはやはりそれなりのパワーがあるのだなと、つくづく。

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    2025年03月18日
  • 「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本

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    前作の『国境なき医師団』に感銘を受けたので、こちらもすぐに購入しました。

    こちらも「国境なき医師団(MSF)」で働いているスタッフ、その患者や派遣先の人々、そして取材スタッフの行動や思いが、そのパッションとともに丹念に描かれています。

    特に印象に残った人物は、MSFに何度も調整して今は紛争地で活動している日本人のファーマシー・スタッフの方です。

    一度や二度の挫折では折れず、ようやく夢をかなえてMSFに入った。そして、今の仕事に対し、自分が選んでここにいるという充実した思いしかないという。

    こういう仕事を見つけ、実際に就くことができるのは幸せなのだろうと感じます。また、自分は今その仕事に

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    2025年01月13日
  • 「国境なき医師団」を見に行く

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    NPO団体「国境なき医師団(MFS)」の活動を丹念に取材して書かれたルポルタージュです。

    この本の特徴は二つほどあり、一つは難民や貧困の悲惨さがストレートに出ているところにあります。

    紛争により住んでいた土地を離れざるを得なかった「難民の方々」。彼らの置かれた悲惨な状況がこれでもか、これでもかと伝わってきます。それは今の日本では到底想像できないことですが、それは明日の私かもしれないし、あなたかもしれない。

    その中でも希望を持ち、心優しい姿は胸を打つものがあります。

    もう一つは、出てくる登場人物やMFSの周りの人々がとても魅力的に描かれている、ということです。

    ・60歳を超えて社会に貢

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    2024年12月29日
  • 東北モノローグ

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    いとうせいこうさんの「想像ラジオ」では妄想的な不思議な感触だった。それゆえ、手にした一冊。
    東北地方の15人のそれぞれの震災の語りが生々しくもあり、粛々と記されている。各人は悲しさ虚しさを抱えながらも後世に伝えようと話している。家族を失った人、遠くの地で震災を見聞きした人、それぞれの体験がすべて3.11。
    死生観、生死感、語られることで読む人の心に訴える。言葉にすること、文字にして伝え繋ぐ意味は大きい。

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    2024年08月16日
  • 東北モノローグ

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    日本各地にいて遠くや現地やそれぞれの生活の中で震災に何か関わった方達の生い立ちや暮らしや思いが、一人称で語られる。順不同で思い出して話す口調がとても近いところで聞いている気になり、内容がスッと入ってくる。人の話ってこんなに面白いのかと思う。もっと耳を傾けていたい。

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    2024年07月15日
  • 「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本

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    読んでよかったです。
    心底思います。最後のページをめくった時に涙が止まらなかったです。
    なんの感情かわからないけど悔しくて悔しくて、何もしていない自分にも腹が立つし。

    これはまだ2023年10月以前の2019年に訪問し、ガザやヨルダンのMSFによる病院を取材したもの。
    いとうせいこうさんの本を初めて読んだけれどまあ読みやすいし、なんだろう、人間くささがあって好きです。リアルを伝えてくれる。きっと私も同じ状況になると同じことを思う。

    パレスチナの人達はやっぱり強い。
    家族を失っても、自分の腕や足、そして皮膚を失っても、生きている方が辛いと思う時でも必死にあがいてあがいて踏ん張って生きている。

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    2024年07月10日
  • 東北モノローグ

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    「厳しかったり優しかったりそれこそ無数の種類の声はあり、その分だけモノローグがあるはずなのだけれど、聞き手の私はたった一人しかいないので残念ながらすべてを再現することができない。」

    “傾聴”の場で、つくづく思い知らされたのは、「誰にでも、忘れられない記憶がある」ということ。それは目に焼きついた光景だったり、音や匂い、言葉だったりする。隣に座って聴くことしかできないけれど、それでも同じ時間を生きているものとして“あの日”からのことを一緒に伝え続けたい。

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    2024年06月30日
  • 想像ラジオ

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    読む前は、ささくれ立っていた心が、どことなく落ち着いた。落ち着いたというか、整理整頓がなされて、次の目的地へ向かう準備ができた。

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    2024年03月17日
  • 自己流園芸ベランダ派

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    面白かった。園芸の本が写真無しでもこんなに面白いなんて、すごい。花や木が気になって、インターネットで調べながら楽しくよみました。
    最後の対談も深い。

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    2023年09月05日
  • 「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本

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    書店の新書コーナーに置かれているのをたまたま見つけて購入した本書。大変失礼ながら、いとうせいこうさんを存じておらず、今回はガザの話が気になり購入。

    「国境なき医師団(MSF)」については、世界各地の紛争地域などで医療活動を行っている団体であることは知っていたが、その理念や実際の活動内容、特に証言活動については本書で初めて知ることになり、大変勉強になった。最初から医師とジャーナリストで立ち上げられた組織ということも初めて知った。

    正直、他のNGOや国連機関などとの違いをよく理解していなかったが、完全に中立であり、それを理念として貫徹しているMSFだからこそできる、MSFにしかできない活動なの

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    2023年07月31日
  • 想像ラジオ

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    i started reading this without knowing what it’s about. realized half way through and i started crying the moment i found out because everything suddenly started to make sense. I’ll def read this again and again just to guess if each of the speaker in the book is dead or alive. great book to read in

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    2023年04月23日
  • 想像ラジオ

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    ずっと前に表紙とタイトルに惹かれて買っておいてあった本
    東日本大震災に関連して書かれた本とは知らなかったので、今日読めてよかった
    生きてると死を厳格に考えすぎてしまうけど、亡くなった人はもしかしたらこの本みたいにみんなでラジオを聞いてるんじゃないかくらいの気持ちになれたらすこしホッとした
    作中でも亡くなった人の苦しみは生きてる人には理解できないと言っていたけれど、自分自身子供の頃大火傷をした時、痛いとか苦しいとか思ったのは治りだした頃だったからそういう瞬間はびっくりしてるだけかもしれないなと思うので、亡くなった人が全員痛かっただろうとか想像して新しい痛みをわざわざ作らなくていいと思う

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    2023年03月11日
  • 想像ラジオ

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    誰にでもいつか大切な人との別れが来る。
    そのときこの本と出会っているかいないかで
    悲しみや死への向き合い方が変わるのではないかなと思いました。

    生きている人がいるから死者がいて
    死者がいるから生きている人がいる。
    捉え方は人それぞれだけれど、自分なりの考え方で、その人のペースで折り合いをつけていけるといいなと思う。

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    2023年01月08日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    原文の一部が載ってるくらいので読みたいと思ったけれど、完全現代語訳。だけど、それぞれ訳された作家さんたちのセンスがキラリと光り、江戸文学のエッセンスがギュッと詰め込まれた、お値打ち品の一冊。

    好色一代男
    原作: 井原西鶴/ 現代語訳 島田雅彦
     七才の時、夜中に子守に連れられてトイレに行った時、足元が危なくないように蝋燭を持って付いていてくれた子守のお姉さんに「その火を消して、そばに来て」。「足元が危ないから、こうしているのに、明かりを消してどうするんです。」と子守。「恋は闇ということを知らないの?」。
    この頃から、クレヨンしんちゃん顔負けの天才好色男児、世之介!
    八歳の時に、伯母さんの家に

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    2022年07月16日
  • 想像ラジオ

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    3.11の被災地を舞台とした、震災「その後」の物語。
    その後の物語と言っても「残された人々」の物語ではなく、「残してしまった人々」の物語。
    「残してしまった人々の物語」と言っても、過去形ではなく現在形の物語。

    現代の我々の生活は、死者達がいなければ無かった。
    我々は死者たちによって生かされている。
    この手の言い方は数多ある。

    しかし、「それと同時に、死者たちもまた我々によって死者たらしめられ、生かされている」という目線は新鮮だった。
    そうか、だから僕らは歴史から目を背けてはダメだし、死者たちからのメッセージにアンテナを立ててなければならないんだなあ。

    レヴィ・ストロースによれば、世界中で

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    2022年02月03日
  • 福島モノローグ

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    ネタバレ

    『想像ラジオ』で「語りすぎた」作者が、聞き手として福島の人の話を聴いて。

    いとうせいこうさんが東日本大震災後の福島を訪れ、その地で生きる人々に話を聴き、まとめた本。

    いとうさんは話の聞き手であるが、本の中では一切存在を消している。例えば、どのような質問をしたのか、相槌をしたのかなど、あとがきを除けばいとうさんの言葉は一切載っていない。
    そのためだろうか、話し手の話はいとうさんに語られているはずなのに、読者にダイレクトに語りかけくるようである。話を読んでいるのに「聴いている」とは変な話だけれど、話し手が紡いでいく話は、インタビューとして読むよりも身に迫るように私に近づいてきた。

    また、本書

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    2022年01月29日