いとうせいこうのレビュー一覧
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楽しめました、ボリュームたっぷりデラックス版!
「三十三年後の約束」の件、JAF会報誌のみうらさんエッセイで知りました。行きたい!行こうと思ったのですが、既に仕事の予定が入っておりなくなく断念。
その当日、想像以上の盛り上がりで仕事を調整してでも行くべきだったと後悔しきり。
その残念さをこの本が埋めてくれました。
仏像には全く知識がないもののいとうさんの語り口とみうらさんのイラストで違和感なく受け入れられます。
そして、みうらさんの天然さが最高!それをうまく文章化できるいとうさんも!
上陸大師像、これは是非実物を見に行きたいと思っています~ -
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Posted by ブクログ
前作の『国境なき医師団』に感銘を受けたので、こちらもすぐに購入しました。
こちらも「国境なき医師団(MSF)」で働いているスタッフ、その患者や派遣先の人々、そして取材スタッフの行動や思いが、そのパッションとともに丹念に描かれています。
特に印象に残った人物は、MSFに何度も調整して今は紛争地で活動している日本人のファーマシー・スタッフの方です。
一度や二度の挫折では折れず、ようやく夢をかなえてMSFに入った。そして、今の仕事に対し、自分が選んでここにいるという充実した思いしかないという。
こういう仕事を見つけ、実際に就くことができるのは幸せなのだろうと感じます。また、自分は今その仕事に -
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NPO団体「国境なき医師団(MFS)」の活動を丹念に取材して書かれたルポルタージュです。
この本の特徴は二つほどあり、一つは難民や貧困の悲惨さがストレートに出ているところにあります。
紛争により住んでいた土地を離れざるを得なかった「難民の方々」。彼らの置かれた悲惨な状況がこれでもか、これでもかと伝わってきます。それは今の日本では到底想像できないことですが、それは明日の私かもしれないし、あなたかもしれない。
その中でも希望を持ち、心優しい姿は胸を打つものがあります。
もう一つは、出てくる登場人物やMFSの周りの人々がとても魅力的に描かれている、ということです。
・60歳を超えて社会に貢 -
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読んでよかったです。
心底思います。最後のページをめくった時に涙が止まらなかったです。
なんの感情かわからないけど悔しくて悔しくて、何もしていない自分にも腹が立つし。
これはまだ2023年10月以前の2019年に訪問し、ガザやヨルダンのMSFによる病院を取材したもの。
いとうせいこうさんの本を初めて読んだけれどまあ読みやすいし、なんだろう、人間くささがあって好きです。リアルを伝えてくれる。きっと私も同じ状況になると同じことを思う。
パレスチナの人達はやっぱり強い。
家族を失っても、自分の腕や足、そして皮膚を失っても、生きている方が辛いと思う時でも必死にあがいてあがいて踏ん張って生きている。 -
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書店の新書コーナーに置かれているのをたまたま見つけて購入した本書。大変失礼ながら、いとうせいこうさんを存じておらず、今回はガザの話が気になり購入。
「国境なき医師団(MSF)」については、世界各地の紛争地域などで医療活動を行っている団体であることは知っていたが、その理念や実際の活動内容、特に証言活動については本書で初めて知ることになり、大変勉強になった。最初から医師とジャーナリストで立ち上げられた組織ということも初めて知った。
正直、他のNGOや国連機関などとの違いをよく理解していなかったが、完全に中立であり、それを理念として貫徹しているMSFだからこそできる、MSFにしかできない活動なの -
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i started reading this without knowing what it’s about. realized half way through and i started crying the moment i found out because everything suddenly started to make sense. I’ll def read this again and again just to guess if each of the speaker in the book is dead or alive. great book to read in
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ずっと前に表紙とタイトルに惹かれて買っておいてあった本
東日本大震災に関連して書かれた本とは知らなかったので、今日読めてよかった
生きてると死を厳格に考えすぎてしまうけど、亡くなった人はもしかしたらこの本みたいにみんなでラジオを聞いてるんじゃないかくらいの気持ちになれたらすこしホッとした
作中でも亡くなった人の苦しみは生きてる人には理解できないと言っていたけれど、自分自身子供の頃大火傷をした時、痛いとか苦しいとか思ったのは治りだした頃だったからそういう瞬間はびっくりしてるだけかもしれないなと思うので、亡くなった人が全員痛かっただろうとか想像して新しい痛みをわざわざ作らなくていいと思う -
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原文の一部が載ってるくらいので読みたいと思ったけれど、完全現代語訳。だけど、それぞれ訳された作家さんたちのセンスがキラリと光り、江戸文学のエッセンスがギュッと詰め込まれた、お値打ち品の一冊。
好色一代男
原作: 井原西鶴/ 現代語訳 島田雅彦
七才の時、夜中に子守に連れられてトイレに行った時、足元が危なくないように蝋燭を持って付いていてくれた子守のお姉さんに「その火を消して、そばに来て」。「足元が危ないから、こうしているのに、明かりを消してどうするんです。」と子守。「恋は闇ということを知らないの?」。
この頃から、クレヨンしんちゃん顔負けの天才好色男児、世之介!
八歳の時に、伯母さんの家に -
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3.11の被災地を舞台とした、震災「その後」の物語。
その後の物語と言っても「残された人々」の物語ではなく、「残してしまった人々」の物語。
「残してしまった人々の物語」と言っても、過去形ではなく現在形の物語。
現代の我々の生活は、死者達がいなければ無かった。
我々は死者たちによって生かされている。
この手の言い方は数多ある。
しかし、「それと同時に、死者たちもまた我々によって死者たらしめられ、生かされている」という目線は新鮮だった。
そうか、だから僕らは歴史から目を背けてはダメだし、死者たちからのメッセージにアンテナを立ててなければならないんだなあ。
レヴィ・ストロースによれば、世界中で -
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ネタバレ『想像ラジオ』で「語りすぎた」作者が、聞き手として福島の人の話を聴いて。
いとうせいこうさんが東日本大震災後の福島を訪れ、その地で生きる人々に話を聴き、まとめた本。
いとうさんは話の聞き手であるが、本の中では一切存在を消している。例えば、どのような質問をしたのか、相槌をしたのかなど、あとがきを除けばいとうさんの言葉は一切載っていない。
そのためだろうか、話し手の話はいとうさんに語られているはずなのに、読者にダイレクトに語りかけくるようである。話を読んでいるのに「聴いている」とは変な話だけれど、話し手が紡いでいく話は、インタビューとして読むよりも身に迫るように私に近づいてきた。
また、本書