いとうせいこうのレビュー一覧
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これは面白かった。
テンポがよいという言葉があるけど、読み終わってみると激流に飲み込まれていた気がする。
登場人物達はみんな、時間がないという無言の圧力を受けて焦っているから。
ゲームを中心にした話で、ファミコン全盛時代の作品だとわかる。
そこから未来を意識して書いているから、ちょっとノスタルジックなSFっぽい。
ファミコンならぬディスコン(だったかな)、
それとソフトを中心にして展開する、子供達社会を巻き込んだ無声パニック。
ソフトを解き明かさないと死んでしまうという強迫観念が、子供達に自殺まで引き起こす。
あ、珍しい。樓主は純粋にこの作品を誉めているね。
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高い杉の木のてっぺんからDJアークがお送りするのは、想像で受信するラジオ。
あの日突然に巻き込まれた人たち。気持ちの整理どころではないだろうな。離れ離れになってしまった大事な人をずっと心配しているんだろうな。いきなりそんな事になって、どうすればいいのかわかるわけない。そんな人たちが想像ラジオの周波数をキャッチします。
DJアークの語りもリスナーのメッセージも軽く明るく、ちょっと想像してみてよ、というフラットな雰囲気なのですが印象はどんどん変わり、複雑な気持ちにもなります。
ボランティアの葛藤については自分の無知さに頭をガツンとやられた気分でした。
ラジオだからモチロン曲も(想像で)かかるので、 -
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ネタバレ「私たちがいなくてもいい世界にするために、私たちが今ここにいる」
胸打たれることば。
いとうせいこうさん、こういったルポルタージュを書かれているとは全く知らなかった。
「国境なき医師団」という存在は知っていたけれど、単に紛争地域で医療に携わる組織だと思っていて、まさかこんなにも包括的な組織だったとは思わなかった。
戦争や難民問題は問題が複雑に絡み合っていて解決することがとても難しい。
この本を読んで特に思ったのは、私たちが普段目にするメディアの情報は一方向から見たものでしかなかったということだ。
真に世界平和を求めるなら、両方からの視点を持たなくてはいけない。
特に弱者の声は届きにくいので、 -
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国境なき医師団の活動を取材。患者やスタッフにインタビューした内容、現地の様子が綴られている。ガザに入国するときのシーンはホントにドキドキ。こんな感じなのか…
みなさんは、国境なき医師団の活動はほぼ個人による寄付で賄われていることを知っていましたか?国や団体からの寄付はどうしてもお金に色がついてしまう。
例えば、国内での内戦。国境なき医師団は、政府側の制圧地に治療施設に作るし、反政府側にも治療施設を作る。どちらにも加担しない態度が極めて重要。国境なき医師団の中立の立場を貫く姿勢こそが、現地でのスムーズな活動を支えている。色のついたお金は使途を制限される。政治的に利用されやすい。国境なき医師団に -
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「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聞こえるという、ラジオ番組。想像ラジオ。
DJアークは、妻と子と連絡がつかないことからラジオに乗せて、声を届けようとするが…。
東日本大震災をテーマにした小説だということは、情景描写から容易に想像がつく。
DJアークが津波で打ち上げられ、木に引っかかって亡くなっている状態であることも。
しかし、本人はそれが分からない。分からないから、第1章はこんなに呑気というか、飄々としているんだろう。
第5章では、はっきりと自分の置かれた状況に気づき、妻子からの連絡がないのは自分が死んでいるからと分かる。
リスナーも皆、死んでいるんだ。一部、聞こえる生 -
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読み終わるまで1年以上かかった。
何年もMSFは支援し続けているので、その広報誌でこの本のことは知っていた。ルポルタージュではあるけど、ちょっとだけ不思議なエピソードを挟んでいる。それでも読み進めるのに時間がかかった。
著者が訪れたのは、地震の後に治安悪化したハイチ、フィリピンは国自体は発展途上ではあるが首都に残る大きなスラムの貧困、アフリカと中東から溢れるゴムボートでギリシア目指して渡ってくる難民たち、南スーダンの紛争でウガンダに押し寄せる難民…
難民の人々は、彼らは人生のある時までは私たちと普通に暮らしていたのだ。仕事をし、家事をして、子どもを育て、農作業をして…それが、戦争という個人では