いとうせいこうのレビュー一覧
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いとう氏のご両親はいかにも東京の人、って感じ。対するみうら家は典型的関西のオバちゃんである母上を筆頭としたよくある関西ファミリー。親子の愛情は居住区によって変わるものじゃないけど、現れかたが違ってくるんですね。ここ1年ほど東京に住んでいるワタクシですが、東京の親子はサラっとしてるもんね。母親が子供を怒るにしても、「ダメだよ〜。そんなことしたら、怒られるよ〜。」だもんね。わたしやったら絶対言うこときかんわ。威嚇効果ゼロやもん。「あんた〜!ええ加減にし〜や!しばくで!」が標準である関西。ほんまに街頭でドツきまわしている風景も日常。ベタベタしてるんやなあ、関西人の人間関係は。
・・・と、そんなことは本書には全く関係ないんですが、これは私の最も愛する奈良の仏をはじめ、京都人にとっては馴染み深い若狭・小浜や湖東など、仏セレクト的に好きなので、シリーズの中では1の次にオススメです。小浜はいいとこですよ。 -
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これは面白かった。
テンポがよいという言葉があるけど、読み終わってみると激流に飲み込まれていた気がする。
登場人物達はみんな、時間がないという無言の圧力を受けて焦っているから。
ゲームを中心にした話で、ファミコン全盛時代の作品だとわかる。
そこから未来を意識して書いているから、ちょっとノスタルジックなSFっぽい。
ファミコンならぬディスコン(だったかな)、
それとソフトを中心にして展開する、子供達社会を巻き込んだ無声パニック。
ソフトを解き明かさないと死んでしまうという強迫観念が、子供達に自殺まで引き起こす。
あ、珍しい。樓主は純粋にこの作品を誉めているね。
おそらくこれのソフトのモデルは「ドラクエ」だと思うのだけど、どうだろ? -
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想像ラジオー、と言われても、というわけで脳内再生としては空耳アワーである。誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かに聞こえる、というわけで声も安斎さんである。
そんな安斎さんが死後の世界やらなんやら語るわけだけど、丹波センセイのように死後の世界を見た人ならいざ知らず、まぁよく分からんから死んだら無に帰す派の自分だけど、でも残った人のことをどこまで考えられているのかは分からず。でも大空襲で死んだ人たちの無念を想像するのだというくだりは妙に心に響いて戦争体験を語り継ぐというのもちょっと理解できたような気がして自分の死生観にも影響を与えたような気がするよ。さすが安斎さん。 -
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高い杉の木のてっぺんからDJアークがお送りするのは、想像で受信するラジオ。
あの日突然に巻き込まれた人たち。気持ちの整理どころではないだろうな。離れ離れになってしまった大事な人をずっと心配しているんだろうな。いきなりそんな事になって、どうすればいいのかわかるわけない。そんな人たちが想像ラジオの周波数をキャッチします。
DJアークの語りもリスナーのメッセージも軽く明るく、ちょっと想像してみてよ、というフラットな雰囲気なのですが印象はどんどん変わり、複雑な気持ちにもなります。
ボランティアの葛藤については自分の無知さに頭をガツンとやられた気分でした。
ラジオだからモチロン曲も(想像で)かかるので、私もそれをBGMにしながら読みました。 -
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ネタバレ「私たちがいなくてもいい世界にするために、私たちが今ここにいる」
胸打たれることば。
いとうせいこうさん、こういったルポルタージュを書かれているとは全く知らなかった。
「国境なき医師団」という存在は知っていたけれど、単に紛争地域で医療に携わる組織だと思っていて、まさかこんなにも包括的な組織だったとは思わなかった。
戦争や難民問題は問題が複雑に絡み合っていて解決することがとても難しい。
この本を読んで特に思ったのは、私たちが普段目にするメディアの情報は一方向から見たものでしかなかったということだ。
真に世界平和を求めるなら、両方からの視点を持たなくてはいけない。
特に弱者の声は届きにくいので、いとうさんのこのような情報発信はとても大事なことだと思う。
私たちも積極的に情報を求めていかないといけないんだ、と改めて感じさせられた。
小学生の子どもにも読んでもらったが、難しくて理解できない部分もあったと思う。
もっと大きくなった時にもう一度読み返してもらいたい。 -
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国境なき医師団の活動を取材。患者やスタッフにインタビューした内容、現地の様子が綴られている。ガザに入国するときのシーンはホントにドキドキ。こんな感じなのか…
みなさんは、国境なき医師団の活動はほぼ個人による寄付で賄われていることを知っていましたか?国や団体からの寄付はどうしてもお金に色がついてしまう。
例えば、国内での内戦。国境なき医師団は、政府側の制圧地に治療施設に作るし、反政府側にも治療施設を作る。どちらにも加担しない態度が極めて重要。国境なき医師団の中立の立場を貫く姿勢こそが、現地でのスムーズな活動を支えている。色のついたお金は使途を制限される。政治的に利用されやすい。国境なき医師団にとって一番都合の悪いお金だ。
ガザでデモに参加して怪我を負ったものにはハマスから金銭が贈られる。職がない若者としては、そこに行って撃たれる以外、暮らす道がないのかもしれない。
国境なき医師団の広報の人が、深刻な状況にある患者であっても必ず聞く質問。それは、「将来どうしたいか」。到底未来がありそうもない患者にとって、この質問は酷なのではないか。いや、どんな過酷な状況にあるものにも将来は聞かなければならない。少なくとも聞かれた側は、自分に未来があることを考えるのだから。
国境なき医師団の一番ハードなミッションは
「善意を信じること」なのでは、という著者の問い。しばらく私は固まった。世界は善意を裏切り続けるし、それを嘲笑するものさえある。だけど、それをミッションだと思う自体が、善意を疑ってる証拠なのでは。国境なき医師団として参加されている方々は、「善意」と戦っているのだろうか。