【感想・ネタバレ】「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月31日

書店の新書コーナーに置かれているのをたまたま見つけて購入した本書。大変失礼ながら、いとうせいこうさんを存じておらず、今回はガザの話が気になり購入。

「国境なき医師団(MSF)」については、世界各地の紛争地域などで医療活動を行っている団体であることは知っていたが、その理念や実際の活動内容、特に証言活...続きを読む動については本書で初めて知ることになり、大変勉強になった。最初から医師とジャーナリストで立ち上げられた組織ということも初めて知った。

正直、他のNGOや国連機関などとの違いをよく理解していなかったが、完全に中立であり、それを理念として貫徹しているMSFだからこそできる、MSFにしかできない活動なのだと感じた。熱意を持って日々活動されている方々に尊敬の念を抱くと同時に、今後微力ながらサポートしていきたいと感じた。

いとうさんは以前にもMSFについての書籍を出版されているとのことなので、そちらもぜひ読みたいと思う。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

国境なき医師団という、ニュートラルである事にかなり気を遣っている組織を通しての現地ルポなので、変に偏向せず、一般人が本当に現地で抱く感情をそのまま伝えてくれている本だと思う。
足や手がなかったり背後から撃たれたりがあまりにも普通すぎて感覚が麻痺してしまうが、そんな中でも普通に暮らしている子供たちを見...続きを読むていると、本当につらい。ガザではイスラエルもハマスも双方がそんな一般市民の手足を犠牲にして戦争をしている。。
日本の事務所のパートも興味深かった。資金や物資集めなど、こういった組織の裏側をはじめて知った。医師団の方の利他精神とその中でも自己実現をはかる生き方、なかなか誰にでもできるものではない。皆さんの人間としてのレベルが高い。

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Posted by ブクログ 2024年04月03日

いとうせいこう(1961年~)氏は、早大法学部卒、ラッパー、タレント、小説家、作詞家等として幅広く活動するマルチ・クリエイター。『ボタニカル・ライフ 植物生活』で講談社エッセイ賞(1999年)、『想像ラジオ』で野間文芸新人賞(2013年)を受賞。近畿大学国際人文科学研究所客員教授。
著者は、2016...続きを読む年から、「国境なき医師団」の取材をライフワークの一つとしており、これまで、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの現地取材を記した『「国境なき医師団」を見に行く』(2017年出版、2020年文庫化)、「国境なき医師団」の組織と日本人のメンバーへのインタビュー、現地ルポをコンパクトにまとめた『「国境なき医師団」になろう!』(2019年出版)、パレスチナとヨルダンの現地取材を記した『ガザ、西岸地区、アンマン「国境なき医師団」を見に行く』(2021年出版、2023年文庫化)の3冊を出している。尚、3冊目の本書の初出は、月刊誌「群像」である。
私は従前より、国際紛争や内戦、難民問題、貧困問題等に強い関心を持っており、これまで、(フォト)ジャーナリストや専門家が書いた多数の本を読んできた。国境なき医師団に関する著者の本も、1冊目、2冊目ともに読んでいる。
また、私は、著者が本書のための取材を行った2019年11月より3年近く前に、プライベートかつ一人でエルサレムに一週間ほど滞在し、公共交通機関を使って西岸地区各地を訪れたこともあり(本書に出てくるベツレヘムや、その検問所近くの分離壁へも行った)、今般のイスラエルのガザ侵攻については、大変心が痛むのであるが、改めてパレスチナのことを思い出そうと考え、本書を手に取った。
読み終えて、(著者の前著のレビューにも書いたことだが)現場の状況や問題の深刻さに比して、著者の取材時のスタンス・言動、及び本書の表現のノリの軽さは、引き続き引っ掛かるし(前著から改善してはいるが)、本書に関して言えば、イスラエル兵士が著者たちに銃口を向けている、といったあたりの描写は、私の体験からすれば、少々盛っているような気もして(私が訪問した後の2018年3月に「帰還のための大行進」が行われ、それ以降は緊張感が格段に高まっているのかも知れないが。。。)、残念ながら、読後感は必ずしも良くはない。
それでも、こうしたテーマについて、普段あまり関心を持たない層に読んでもらうためには、書き方を工夫することも、それなりに有効であるとは思われるので、全面的に否定することはしない。
そして何より、本書の目的が、国境なき医師団が全世界で展開している、ある意味「草の根」の活動の一端を紹介することなのだとすれば、それはある程度達成されてはいるのだろう。
世界の紛争地域・貧困地域で(主に医療に関わる視点から)どのようなことが起こっているのかを、まずは知りたいという向きには、手に取り易い一冊である。
(2024年4月了)

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Posted by ブクログ 2023年08月11日

後書きスペースまで本文ガッツリ412ページもあり、内容も結構重いので、一気読みしたら、少し疲れました。

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Posted by ブクログ 2023年08月03日

著者であるいとう氏が国境なき医師団(MSF)の活動地域に赴き、現地の様子や患者さんに聞いた話をまとめたもの。
紛争・貧困問題など、あくまで「知識」として「聞いたことある」程度だった国や地域のリアルな様子がわかる。
銃撃などで重症を負った方々のお話や、彼らをなんとか救おうと日々奮闘されるMSF関係者の...続きを読む話は、どれも姿勢を正さずには読めなかった。

この本を読んで、いわゆる地政学をしっかり学んでみたいと思った。

一方、著者のやや”観光的な”姿勢や、言動の端々に見られる”お気楽な”感じが、現地の空気感と合っていない感じがして、違和感をもってしまった。
(自分の読み方の問題かもしれないので、あくまでイチ意見です)

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