いとうせいこうのレビュー一覧
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ここ数年のうちに、ベランダ園芸家=ベランダーから、室内園芸家=ルーマーになったいとうさんの、植物にまつわる成功と失敗と苦悩と失敗と苦悩と失敗と苦悩(とときどき原発問題や気候変動)のはなし。家のなか密林化計画に思いを馳せ、つる性植物を壁じゅうに這わせようと画策し、多肉植物の寄せ植えがうまくいかずに「ダメな人間だ」と己を卑下し、本物のようなうそグリ(フェイクグリーン)にバグを起こして奇行に走り、植物の名前に混乱し、胡蝶蘭を自分で自分に贈り、死んだと思って打ち捨てた植物が蘇生したことに自然の力強さを感じ、床に点々と落ちた黒い塊を見てあおむしの存在を確信して、人間にとっても植物にとっても生きていくこと
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Posted by ブクログ
以前、文芸誌で本書か東北モノローグを読んだ記憶がある。
いま急に読みたくなったのは、震災があった日が近づいていたからか。
地震や津波、液状化、孤立地帯、SOSの文字、遺体安置所、当時の記憶は色濃く残っている。でも、今より知識の少なかった私は原発のことをあまり理解できていなかった。
放射性プルームが降ったこと、そのことを知らずに地域の方は生きるために外出していたこと、食物への影響など、本書を読んで衝撃を受けたことが何個もあった。あまりに無知だった。
永井玲衣さんの解説がまたとても良かった。
歴史的な出来事は教科書に載るけれど、それによって小さい出来事に纏められてしまうことがある。語り手がいるこ -
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楽しめました、ボリュームたっぷりデラックス版!
「三十三年後の約束」の件、JAF会報誌のみうらさんエッセイで知りました。行きたい!行こうと思ったのですが、既に仕事の予定が入っておりなくなく断念。
その当日、想像以上の盛り上がりで仕事を調整してでも行くべきだったと後悔しきり。
その残念さをこの本が埋めてくれました。
仏像には全く知識がないもののいとうさんの語り口とみうらさんのイラストで違和感なく受け入れられます。
そして、みうらさんの天然さが最高!それをうまく文章化できるいとうさんも!
上陸大師像、これは是非実物を見に行きたいと思っています~ -
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前作の『国境なき医師団』に感銘を受けたので、こちらもすぐに購入しました。
こちらも「国境なき医師団(MSF)」で働いているスタッフ、その患者や派遣先の人々、そして取材スタッフの行動や思いが、そのパッションとともに丹念に描かれています。
特に印象に残った人物は、MSFに何度も調整して今は紛争地で活動している日本人のファーマシー・スタッフの方です。
一度や二度の挫折では折れず、ようやく夢をかなえてMSFに入った。そして、今の仕事に対し、自分が選んでここにいるという充実した思いしかないという。
こういう仕事を見つけ、実際に就くことができるのは幸せなのだろうと感じます。また、自分は今その仕事に -
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NPO団体「国境なき医師団(MFS)」の活動を丹念に取材して書かれたルポルタージュです。
この本の特徴は二つほどあり、一つは難民や貧困の悲惨さがストレートに出ているところにあります。
紛争により住んでいた土地を離れざるを得なかった「難民の方々」。彼らの置かれた悲惨な状況がこれでもか、これでもかと伝わってきます。それは今の日本では到底想像できないことですが、それは明日の私かもしれないし、あなたかもしれない。
その中でも希望を持ち、心優しい姿は胸を打つものがあります。
もう一つは、出てくる登場人物やMFSの周りの人々がとても魅力的に描かれている、ということです。
・60歳を超えて社会に貢 -
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読んでよかったです。
心底思います。最後のページをめくった時に涙が止まらなかったです。
なんの感情かわからないけど悔しくて悔しくて、何もしていない自分にも腹が立つし。
これはまだ2023年10月以前の2019年に訪問し、ガザやヨルダンのMSFによる病院を取材したもの。
いとうせいこうさんの本を初めて読んだけれどまあ読みやすいし、なんだろう、人間くささがあって好きです。リアルを伝えてくれる。きっと私も同じ状況になると同じことを思う。
パレスチナの人達はやっぱり強い。
家族を失っても、自分の腕や足、そして皮膚を失っても、生きている方が辛いと思う時でも必死にあがいてあがいて踏ん張って生きている。