青崎有吾のレビュー一覧
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さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!
今宵は満月、人も狼も踊るがよろしい♪
本作『アンデッドガール・マーダーファルス3』の感想になります。
いやぁ〜、3作目ともなると飽きが来やしないかと思っていたのですがね、人狼村と人間村の壮絶な戦いを前に武者震いが止まりませんよ。
「私に震える体はないがな」
「あれ、師匠?唇なら震わせられるでしょ?」
「お前の歯をガタガタ言わせようか?やれ、静句。」
「はい、鴉夜様。」
「ひぃ〜!!」
とまぁ、本題から逸れましたが今作では人狼がテーマになった長編で、鳥籠使い、夜宴、そしてロイズの三つ巴は相変わらずの格好良さ。後半の大暴動からの真相解明 -
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ネタバレ「その爪先を彩る赤」は、多重人格を装う必要性がよくわからなかった。さらにはあまりに露骨なヒントでねらいが読めなかったなぁ。総じてキャラ設定の意味を十分に活かせていない気がする。長編だと違うんかな?
「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」は、妙に淡々としていたがトリックはよかった。というか、淡々としていたからトリックの良さが際立ったのかもしれない。高校という世界をどのように色づけるかは、世界観だけではなく、トリックの受け取り方まで変えるんだなと改めて思った。
「黒塗り楽譜と転校生」は、転校生って必要?って感じの扱いになっちゃった気がする。タイトルにつけて一定の役割を期待したのだとは思うけど、作品全体 -
ネタバレ 購入済み
高校生たちのありそうでなさそうな空気感が懐かしく、ミステリー要素もあり、おもしろかった!
エピローグで各々のその後が見れたのもよかった! -
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本書は前回読んだアンソロジーと一緒に借りたのだが、青崎さんの作品ってミステリの切り口の面白さもそうだけど、それ以上に若者の心の中の様々な機微を面白くも繊細に描いている事に、とても好感を持ち(軽く扱わないというか)、これを読んで青春時代の素晴らしさを実感する方もおそらくいるのではないかと思うくらい、表現は現代的なのに、どこか普遍性も感じられました。
本書には5つの短編が収録されていて世界観が共通しているものの、それぞれ単独で読めるような、いずれも若者の瑞々しくも、ちょっと切なくさせる会話のやり取りが印象に残る。
「早朝始発の殺風景」
「殺風景」って凄い苗字だなと思ったが、彼女の凄さは苗字だ -
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前作から、10年ぶりの復活となる本書は、創元推理文庫から2020年に発売された、「書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー」の第二弾で、全て1990年代生まれの作家が書かれているのが特徴ですが、どちらかというと、その若さはあまり気にならず、バラエティに富んだ多種多様な作風を、一冊で体感できた喜びが強かったです。
武田綾乃 「その爪先を彩る赤」
演劇部の失くなった靴を捜索する話で、犯人や動機は分かりやすいものの、その後の探偵に絡む、謎解きの細やかな伏線が見事だと思いましたし、そこに潜んでいたのは、探偵と「僕」との間における、稀少な価値観の共有で、こうした自分を認めてくれるような喜びは、学園生活で -
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異形蠢く19世紀末のフランス。人類親和派の吸血鬼が銀の杭で惨殺された。解決のために呼ばれたのは、”怪物事件”専門の探偵・輪堂鴉夜と、鳥籠を持つ奇妙な男・真打津軽。彼らは真相にたどり着くことが出来るのか。
吸血鬼や人造人間、鬼などの異形が存在する世界を舞台としたファンタジーミステリ―です。フランケンシュタインやヴァン・ヘルシング、ドラキュラ伯爵など、多くのフィクションキャラクターが登場しており、作品の垣根を越えて楽しめるエンタメといった感じ。
起こる事件も謎解きも”怪物事件”なので本格的な推理小説とは趣が違いますが、人外の存在設定が詰められているファンタジー小説好きならきっと好きだと思いま -
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若林さんがガンガン踏み込んで面白い話を引き出してくださるので楽しかった。「こうではないですか?」と斬り込んで「そうじゃないですね」と返される場面も多かったけど、それはまあご愛嬌。
印象に残っているのはこの辺▼
・円居さんの「推理漫画よりも早く展開する頭脳バトルやギャンブル漫画のテンポが求められていると感じている」という話や、FGO他ノベライズの裏話。
・SFミステリと特殊設定ミステリの違いと阿津川さん・逸木さん・方丈さんのスタンスの違い。
・澤村さんの「ジャンルの書き手でないからこそジャンルあるあるなシチュやキャラに頼りたくない」スタンスはそういう考えもあるんだと新鮮だった。
・呉さん -
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ネタバレ文庫書下ろしの「アンデッドガール・マーダーファルス」の第3弾。1作目は、本格ミステリテイストが強く、2作目は多数のキャラクターがうごめく群像劇で、アクション物のテイストだった。3作目は、1作目に回帰し、本格ミステリ要素が発揮された作品となっている。
人狼を恐れる人間の村ホイレンドルフと、人狼達の村、ヴォルフィンヘーレ。二つの村で併行して起こる、連続殺人事件の真相を、怪物専門の探偵、輪堂鴉夜が捜査する。
メインプロットは1人二役。人間の村での4人目の被害者であるルイーゼ。このルイーゼが、人狼の村での4人目の被害者であるノラと同一人物であり、ヴォルフィンヘーレの13歳に満たない少女を、「繁殖 -
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さて、続き。3年振りの行動制限のないお盆、久し振りに乗った新幹線の車中で読み進む。
前作の感想に『続きはもっと面白くなるものと期待する』と書いたが、その通りでした。
1899年のロンドン。80日間世界一周を成し遂げたフォッグの館にあるダイヤを狙うという怪盗ルパンwith“オペラ座の怪人”の予告状に、警備を依頼されたのがホームズ&ワトソンと、“鳥籠使い”一行とは。加えて<ロイズ>の凄腕用心棒も絡んでの争奪戦に、最後に乗り込むのがモリアーティ率いる怪物軍団って…。
私はそれぞれのオリジナルを読んだことがないので確かなことは言えないのだけれど、有名なキャラクターがさもありなんという具合に表現されて -
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既読作家のインタビューは面白く読めたが、それ以外の方のは上滑りする感じで読んだ。しかし、作家さんたちや、書評家の方々は本当に本を読み込んでいるのだなぁと思う。澤村伊智と阿津川辰海は読もうと思っていた作家で、更に早く読まねば、と思った。あと、大学のミステリ研で、ミステリーよりも「ジョジョ」「カイジ」「ガンダム」が会話に出るというエピソードや、京大ミス研にはジョジョ全巻置いてあるのとか面白かった。デスノートもインタビューのあちこちにでてきたし、マンガ・アニメのストーリーがミステリー界に与えている影響も大きいのですね。
今、高校生だったら賢い大学行ってミステリ研入る目標も楽しそうだなぁ。読み仲間が増 -
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