青崎有吾のレビュー一覧
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ネタバレ異形達の笑劇第四弾。
今回は夜宴〈バンケット〉を追う一行の続きの物語ではなく、主役達の来し方を明らかにする短編集。
盛り上がってきたところで、一旦一息つくといったところでしょうか。
1の冒頭、見せ物小屋で顔を合わせた鴉夜と津軽がヨーロッパに旅立つ間を埋める物語に始まり、鴉夜のルーツ、津軽の生い立ちと半人半鬼に至る経緯、静句の秘められた内面が明らかにされ、これまでの思わせぶりだった場面達に幾許かの感慨が付与されると共に、語られずとものこれから場面の読みに影響を与えるであろうエピソード達。
一番面白かったのは鴉夜のルーツの話。
そこだったのかあぁ。
惜しむべくは自分の無知。
歴史上の事実、伝承はキーワードくらいしかわからず、ちゃんと背景押さえていたり、時系列や内と外の関連を把握出来ていたりすると、その嵌り具合により面白さを感じられたのだろうなぁ。
歴史のお勉強は過ちを繰り返さないためという堅い面だけでなく、物語を楽しむという利己的な観点でも大事ということがわかりました。
過去の自分に教えてあげたい。
とりあえず、『陰陽師』が読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
人狼です
一本丸々人狼です
多種多様なキャラ図鑑となっております『アンデッドガール・マーダーファルス』の第三巻です
三寒四温です
言いたかっただけです
季節が合っていません
言いたかっただけですから
ところでこのお話し、ミステリー部分てみんなそんなに気にしてるんですかね?
おお、そんなところが伏線になっていたのか!ってな感じで
まぁ、気にしてるんでしょうな
見どころのひとつなんでしょうな
ごめんなさい
わい、全く気にしてないや
青崎有吾さんの本格ミステリ作家としての矜持も台無し
ほんとごめんなさい
あと思うんだけど、すぐ死んじゃう人は名前付けないでほしいなぁ
背景みたいなんをしっかり語るのやめてほしい
いちいちちょっと悲しいんよ
ちょっとショックなんよ
散々死ぬんです
(ここで、三寒四温に掛けてきた!) -
Posted by ブクログ
「アンデッドガール・マーダーファルス」の4冊目。これまで3冊の前日譚。
これまでにサラリと触れられていた過去の経緯が詳しく語られ、どの話も楽しめる。
■知られぬ日本の面影
鴉夜&静句に津軽が出会い、一夜が明けた昼飯どきから始まる話。
小泉八雲(!)から依頼を受け、彼が抱えているトラブルの謎を追う。
文字通り“鎌鼬”というかまいたちの姿に驚愕。
最後に割れた下手人の正体とその意外な動機がなかなか泣かせる。
■輪る夜の彼方へ流す小笹船
〈不死〉になる前の鴉夜。彼女が輪堂と名乗る訳、彼女の推理力の源が知れる話。
安倍晴明と並び称される陰陽師・蘆屋道満が登場。禁忌に踏み込んだ道満の、その身勝手に巻き込まれ、輪堂鴉夜が生まれた話にちょっとゾクッとする。
『目をそらさず、細部を』
■鬼人芸
津軽が半人半鬼になった経緯、真打と名乗る訳が知れる話。
(直前に読んだ「イクサガミ地」に続き)ここにも前島密が登場。巷にくすぶる浪人や士族に手を焼いては、天竜寺に集めて殺し合いをさせるのではなく、山林局に集めて妖怪退治をさせるとは。
怪奇一掃特設隊、通称〈鬼殺し〉に集められた手勢の、黄昏た心情が不憫。
鴉夜の仇敵Mがここに登場、津軽とも因縁があったのか。
昏くて血生臭い話なのに津軽のへらず口から出る落語のお陰であっけらかんとした明るさがあったのが救い。
『生き残ったやつが強い』
■言の葉一匙、雪に添え
馳井家と鴉夜のつながり、とりわけ静句と鴉夜の抜き差しならない契りが知れる話。
〈不死〉となり14歳の姿のまま956歳になった鴉夜と静句の幸せな日々を、それから起こる惨劇を知りながら読む緊張感。突然鳴った客鈴の音に、ここでは勿論仇敵Mが登場。
胴体だけ持ち去ってなぜ頭を置き去りにしたのかがちょっと謎。まあ、そうでないとお話が続かないけど。
■人魚裁判
14歳の新聞記者アニー・ケルベルと《鳥籠使い》一行の出会いの事件。
罪を被された人魚を弁護する鴉夜の推理が冴える、この作者らしい理詰めでの無実の証明が鮮やか。 -
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「ノッキンオン・ロックドドア」2冊目。手に入れた愛車・日産〈パオ〉がかわいい表紙。
この作者さんのお話、裏染天馬シリーズもそうなのだが、作者の論理的謎解きには敵わないこともあり、どちらかと言えば、登場人物の間で交わされる仲良しな会話やキャラクターのかわいいところを楽しむ感じで読んでいるところも。
今回も倒理と氷雨のテンポ良いやり取りや穿地(名字で呼ぶほうがしっくりする)のそっけなさやお菓子好きのところがいい感じ。
■穴の開いた密室/壁に巨大な穴が開いた密室
■最も間抜けな溺死体/水がないプールでの溺死体
斬新な設定で謎解きは意表を突く。「穴の…」は動機が薄いようには感じた。
■時計にまつわるいくつかの嘘/壊れた時計が示す犯行時間と容疑者の完璧なアリバイ
■消える少女追う少女/トンネルに入ったまま忽然と姿を消した女子高生
こちらは古典的なネタを今風に味付け。「消える…」で行方探しを依頼しに来た少女の心情がいじらしい。
■穿地警部補、事件です/マンションからの転落死体は自殺or他殺
警察一族に生まれた穿地の屈託が描かれて、また彼女が好きになる。お話も一転二転して楽しめるが、容疑者の心境と被害者の心理にはやや違和感。
■ドアの鍵を開けるとき/5年前の事件とその時倒理の首に残った赤い線
1作目から引っ張ってきた事件の謎解き。倒理、氷雨、美影に穿地、4人の揃ったところで語られる彼らの学生時代に起こった事件の真相はほろ苦く切ない。結構重めの話だったが悪くない感じに着地して良かった。
このシリーズ、これで終わり?それとも続く? -
Posted by ブクログ
鳥籠使いが鳥籠使いになる最初の事件。鳥籠使いのメンバー鴉夜、津軽、静句の過去の出来事。そしてエポック社のアニーと鳥籠使いたちの出会いとなる人魚裁判。全5話からなる短編集。
「輪る夜の~」自らも自覚する人でなしが赤子をなぜ引き取ったのか。自分に恩義を感じ、信頼と信用をさせて自分の悲願を達成すると見越していたのだろうか。ドウ様は人でなし、ドウ様は人では無しでなく何者か?
「鬼人芸」喜怒哀楽の楽以外の感情が欠落しているような津軽。サイコロ運がないのは生まれつきなようで出る目出る目が悪い人の見本だ。そんな己自身もネタにして楽しい方へ面白い方へ向かうのが強いのか狂っているのか。そんな津軽の喜怒哀楽を全て観える貴重な話。
「言の葉一匙~」無口で鴉夜に忠実で津軽に対して辛辣くらいで過去が謎だった静句。今回で精神年齢15才依存度MAX激重女性だと判明。鴉夜様のためが全部自分のための静句にとって今の状態は良いのか悪いのか、津軽は鴉夜にとって良いのか悪いのかは謎で怖い。
今作はそれぞれが今の鳥籠使いのメンツになるまでが書かれたゼロ巻のような立ち位置だ。だが、個人的には1~3巻を読んで鳥籠使いの面々の個性を承知の上で読んで欲しいと思う。もちろんこちらから読んでも楽しめると思うが、最初にしては重くて笑劇とは言えない。それぞれを知った上で読むとキャラの今とのギャップも感じることが出来るし、愛も増すように感じた。