青崎有吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書のあらすじに“平成のエラリー・クイーン”と評される作品とあり、恥ずかしながらクイーン作品はいっさい通ってこなかった身としては、如何なるかなと身構えながら読みました。
読んでみて、いや〜逆説的に本書「体育館の殺人」をしてエラリーを知るといえるくらいガチガチの本格ミステリーだったな!と気持ちよく読み終えました。読後感スッキリ(^^)
まるでたった一通りの解しか成立しない数独みたいに推理が構築されて、理路整然としている。
ただそれだけでは面白味がなさそうだが、冒頭で犯人扱いされてしまう卓球部部長をとるに足りないと思われていた手掛かりで嫌疑を覆してしまったり、探偵役の裏染天馬が突飛でオタクなキャ -
Posted by ブクログ
面白かった!!
一つ一つゲームのルールがしっかり面白い。説明も絵付きで細かく分かりやすい。
ただ、ゲームのルールを理解するところから始めないといけないのがちょっと疲れた。頑張ってルールの理解に時間を割き、理解し始めた頃にはゲームが終わる悲しさがあった。疲れるので、1日1話で進めるのがちょうど良い。
自由律ジャンケンからゲームが複雑になり、物語が動き出した感じがあってワクワクした。
ストーリーよりそのゲームの攻略法とイカサマのトリック開示がこの小説のメインディッシュだが、フォールームポーカーの終わり方はストーリー的にも凄く素敵な終わり方で好きだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおもろー。
若い子の真似したらそんな感想だろうか。
一歩間違うと「うちら天才、頭脳戦」のサムいやり取りになりそうなところ、
上手いこと魅せられてしまった。
ありがちな変な口調の人とかあまりいなかったからかな。
ゲームの基はみんなが知っているものだけに
導入部分もすんなり入ってくるし、
その中で繰り広げられる心理戦(と多少のイカサマ)が非常に面白かった…!
恐らく皆さん感じていることだとは思うけれど、
これは映像化するべき作品だと思う。
(ただ実写の場合相当演技が上手い子にしないと
変な学芸会になりそうな気もするので心配。
アニメの場合逆転裁判みたいな演出されそう…)
最後は勝つだろう、と -
Posted by ブクログ
地雷グリコ以来の青崎有吾さん、やっぱり読みやすいし、キャラづくりは天才的というか、大好きです。表紙が赤いのも好みです。
7話全部面白ーい!とくに『10円玉が少なすぎる』は秀逸!
7話の短編で描かれる事件、推理、解決!
約40ページでよくやるわ!
ハウダニットの倒理と、ホワイダニット氷雨
の2人探偵のバランスがリズム感よく読書を進めてくれます。バイトの女子高生薬子ちゃんも
すばらしいスパイスです。
語り手が毎話変わったり、世界観を少しずつ
広げていく雰囲気は、読者の興味が増していき
ファン化しちゃいますね。
続編あるので読みたいけど、積読あるしなぁ
悩んじゃいますが、多分よんじゃうんだろ -
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Posted by ブクログ
ネタバレワンシチュエーションの日常の謎を描いた短編集。表題作「早朝始発の殺風景」はたまたま始発に乗り合わせた同じクラスメイトの男女がその目的を互いに探っていく話で、今回の中で個人的には一番お気に入りの短編だった。駅の乗り口や会話の端々のわずかな違和感。そしてLINEのやり取りなど、手掛かりはあくまで電車の車中で手に入るものに限定されており、その真相はどちらも予想外で面白かった。男の方の「部活メンバーの不法侵入という暴走から身を守るためのアリバイ作り」という真相に反して、女の側の「襲われた友人への復讐」という真相の重さがとてもよく、この釣り合いの取れなさと早朝という爽やかな朝に相応しくないビターかつ苦い