青崎有吾のレビュー一覧
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舞台は平凡な都立高校。しかしその内部では文化祭における「屋上使用権」を巡る熾烈な頭脳ゲーム「愚煙試合(ぐえんじあい)」が繰り広げられていた…というところから物語が始まります。
驚異的な思考力を持つ主人公の女子高生・射守矢真兎(いもりや まと)が、「地雷グリコ」「坊主衰弱」「だるまさんがかぞえた」「自由律じゃんけん」「フォールームポーカー」といったゲームに挑みます。馴染みある遊びにほんの少しの追加ルールを加えるだけで、全く新しい次元の戦略ゲームに昇華され、緻密なロジックと土壇場のひらめきに唸らされる、そんな新感覚の本格ミステリ短編集です。
本作の主人公、真兎は、バトル小説にありがちな、自ら戦 -
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Audible聴了。
殺人や事件のミステリーではなく、学園ものの、しかもゲームを題材にした「本格ミステリー」!
5つのゲーム(グリコ、神経衰弱、じゃんけん、だるまさんが転んだ、ポーカー)を少しずつルールを変えて「地雷グリコ」、「坊主衰弱」、「自由律ジャンケン」、「だるまさんがかぞえた」、「フォールーム・ポーカー」という名のゲームにして、それぞれそのタイトルで短編としてどんでん返しのゲーム結果を描いている(そういう意味で別々のミステリー)。しかも全体を通じて主人公(「探偵」役)の射守矢真兎(いもりや まと)と中学時代の友達(「犯人」役)だった雨季田 絵空(うきた えそら)との疎遠になった理由お -
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ネタバレ百合作品といえば、ただただ男女の関係の男の方を女性に置き換えただけのものと思いがちだ。事実、私はこれを読むまでそう思っていた。
ただでさえ恋愛経験が少ないから、こういった感情の機微を理解するのは正直言って難しいところだけど、男女の関係以上に繊細なことだろうし、それぞれの心情の変化なんかもまったく違ったものになるだろう。それをそれぞれここまでうまく表現したものは他に類の見ないのではと思う。
私もまだまだ百合ビギナーであることを自覚したので、百合の教科を必修科目にしたうえで、教科書に全作品掲載して教師に解説したもらいたい。
特に好きな作品は5作品目、斜線堂有紀先生作の「百合である値打ちもない値 -
Posted by ブクログ
倒理と氷雨のコンビが織り成す、不可解と不可能の犯罪を紐解く推理が最高!
ショートストーリーを重ねて物語が展開されるので、1話ずつがサクサク読める。
また、1話が短いにも関わらず、しっかりと読者にも推理が楽しめるように証拠が出されるが、ただ推理するだけでは辿り着けなくて、推理思考を展開して証拠や状況を重ねて見ないと真相が見えない所はとても読み応えがあり、楽しめると思います。
なお、作中で描かれる探偵2人と警察の穿地、犯罪プランナーの美影、この4人の人間関係も物語を盛り上げる重要な要素で今後の展開も楽しみになる。
物語全体的には登場人物の視点で物語を追える点が語り手によって見え方が変わる為読