櫻井祐子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
参加者が個性を持たないコモディティ市場では、価格のみが取引の成否を左右する。一方、参加者の個性こそが重要であるマッチング市場では、その効率性は市場デザインのディテールの巧拙で決まってくる。本書はスピード、混雑、コスト等の切り口から市場デザインの重要性を説き、マッチングの一般理論を分かりやすく解説するもの。
著者は情報経済学の分野でノーベル賞を受賞したマーケットデザインの権威。と聞くと象牙の塔に籠った衒学的な内容を予想しがちだが、本書では実際に著者を始めとする研究者グループが腎移植や研修医リクルーティングの実地でトライアルアンドエラーを繰り返し、実践と理論のフィードバックを試みる様が描かれてお -
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マーケットプレイスは市場の厚みが必要。
決まった時間に取引するのは、市場の厚みをつけるため。
ただし、混雑をどうやって避けるか。
コモディティ市場によって厚みを実現できる。
クレジットカードのポイントは、最終的には消費者が払っていることに注意。
腎臓交換。金銭を媒介にしないマーケットを機能させるには?
クリアリングハウスを通じて望ましい交換の連鎖を見つける。
閉じたサイクルの腎臓交換は同時に行われないと提供を受けられないリスクがある。
提供だけをするドナーが存在すれば、連鎖が切れるリスクを避けられる。
マッチングの容易な患者を出し惜しみする=仲介業者の常套手段。
抜け駆けの問題=ロース -
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Posted by ブクログ
地政学。
こういう大きい視点で見ると小さい争いにあくせくするのがバカバカしくなる。カウフマンが言っていたような歴史上の出来事に関する法則を探す学問、プリゴジンの言っていた意思決定の理論化の話、コンフリクトの原因が時間の感覚の違いであることなどを思い出す..
アメリカが地政学的有利にも関わらず憂鬱な心理状況である理由。
1 この乖離がアメリカの力がまだ発達しきっていないことを示している。
2 これがアメリカの途轍もない強さを露わにする。アメリカは不安を感じていたからこそ冷戦に途轍もない労力とエネルギーを傾けた。
政治指導者から技術者、軍人、インテリジェンスの幹部に至るまでアメリカ人の冷戦との -
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Posted by ブクログ
表題の通り、今後100年の世界史を予測している。
本作の冒頭でも著者が記載している通り、Detailの部分は正確ではないかもしれないが、大筋では悪くない予測を与えると考えているという。
未来に発生する事象が何の制約条件もないのであれば、科学的な予測は不可能に思えるが、未来は過去という極めて強い拘束を受けるため、注意深く考察することにより、大筋は予測できるのであろう。
ちょうど、チェスの名手同士が対戦した時に、コマが盤上全て動くことはできても、最善手という意味では実はありうる手数はそれほど多くは無いという比喩が成り立つように。
ただし、どんな科学でも100年後は眉唾ものであると思われる。
例え -
Posted by ブクログ
ネタバレ【読み易さ】
やや易しい
【気付き】
★★★・・
【ハマり】
★★★・・
【共感度】
★★★★・
人がずるをするのはときはどんな時か?
ずるを減らすにはどうすればよいか、
実験を元に、人のずるを誘発する条件を検証していく。
・ごまかしによって獲得するものが現金から遠ざかるとごまかしが増える
・偽物を身に付けると、ごまかしへのハードルが低くなり、他人を疑い易くなる
・創造性がごまかしを生む
・他人のごまかしを目撃するとごまかしへのハードルが下がる
・不正行為の基準が文化等によって異なる
仮説を証明する実験結果が平均値のみであり、
被験者の数も明らかになっていない為、データの信憑性に -
Posted by ブクログ
ネタバレあり。
|なぜ疲れているとしくじるのか・・・
ストレスの多い日は誘惑に屈して健康を害すると分かっている食べ物を選んでしまう。
引越しで疲れ果てた夜は、ジャンクフードを取ることが多い。
|自我消耗・・・
論理的な思考力が占有されてしまうと、衝動システムが行動を支配してしまうことがある。
誘惑に抵抗するには、大変な努力とエネルギーが必要という考え方。
意志力を筋肉に置き換えると分かりやすい。
フライドチキンやチョコレートを見ると、食べたい!という欲求が湧き上がる。この欲求を克服して、回避する時にはエネルギーを消費する。(重量挙げを1度するようなもの)
これを繰り返しているうちに、欲求