フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • トータル・リコール

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    この時代によくこのような物が書けたなと思う。
    個人的には表題で映画化されたトータル・リコールや同じく映画化されたマイノリティ・リポート以外の短編の方が分かりやすく面白かった。また後ほど再読したいと思う。

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    2022年11月03日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    購入済み

    面白かった。
    凄い読みやすかったと思う。翻訳も素晴らしかったのだと思う。
    色々考えさせられる作品だった。

    #深い

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    2022年10月22日
  • トータル・リコール

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    フィリップ・K・ディックは20世紀中盤に活躍したSF作家で、この短編集は、有名な二つの映画化作品をベースに、21世紀に入って日本で再編されたもの。

    いずれも切れ味抜群の結末と個性ある世界観で、「傑作短編集」の名に恥じないものばかり。
    同じ作家の少し難解な長編「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」に比べて、ずいぶんと解りやすく、読みやすかった。

    映画化された「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」はもちろん、他の作品もいずれも印象深い。
    「訪問者」は、驕慢であった人類の地球上での最後の姿が垣間見える。
    「吊るされたよそ者」のあとは、街中を走り回る自分の姿を夢に見そう。
    「フード・メーカ

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    2022年09月21日
  • トータル・リコール

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    発表当時から時を経て現在より身近でリアルな近未来を映すSF・サスペンス短編集。タモリの歌唱が頭をよぎる「ミスター・スペースシップ」が異色でありながらどこか微笑ましくて好き。

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    2021年08月12日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ブレードランナーの原作 人間とは、という単純な定義を未来のアンドロイドと人間が共存する世界で定義し悩む。感情移入というキーワードが人間たる所以であることに違和感はなく、アンドロイドに感情移入するのが当然であると感じた。
    単純なSFではなく、ある意味人間味の強い作品だった。
    映画ブレードランナーの原作と知らずに読んでおり、映画はどのような作品になっているのかぜひ読んで見ようと思った。

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    2025年12月06日
  • トータル・リコール

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    表題の『トータル・リコール』を含むSF短編を収録した本。

    表題の『トータル・リコール』は、何の変哲もない主人公が、火星にどうしても行きたくて「火星に行ったという記憶を自分に植え付ける」サービスを受ける話。
    もしかしたら主人公のようなことが自分にもあるのかもしれないと思うと楽しい作品だった。

    ディックの短編集を3冊読んだ中では、一番爽快感があり後味も悪くない作品が多かったように思う。

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    2021年05月03日
  • いたずらの問題

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    こいつは傑作だ!ガハハハハ!!!
    傑作という言葉を辞書で引くと、2つの意味があり、この小説には両方の意味で傑作だと拍手喝采を送りたい。
    例によって、込み入った世界観を把握するまで序盤はやや読みにくいが、「なにこれどうなってんの!?」というディック節から物語は加速していくのでご安心を。
    道徳や倫理が絶対視され、集団相互監視の状態にある息苦しいディストピア。不倫した芸能人を匿名SNSで叩きまくる、昨今の日本を見てきたかのような、先見性あふれる描写に驚かされた(この小説は1956年発表)。その中で、主人公が取る行動によって、痛烈な社会風刺ともいえる、思いがけない結論が導きだされる。序盤の主人公の言動

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    2021年04月01日
  • ジャック・イジドアの告白

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    SF要素のない、ディックが自身を投影した準私小説。現代でいう発達障害らしき青年で世間とそりが合わない兄が、わがままだが裕福で世知に長けた妹の不倫に巻き込まれるかたちで物語は進む。序盤から登場人物の言動が強烈でいきなり眼が離せなくなり、徐々に昼ドラ的な愛憎劇に引き込まれていく。世間的には恵まれた存在であるはずの妹夫婦がやがて狂気と化していく中、カルトの終末論に惑わされながらも、純真かつ鋭い洞察力を見せる兄。本当に病んでいるのは誰なのだろう。「彼はある意味で優れた人間なんだ」後にディックは書簡で振り返っている。文学的ともいえるが、サスペンスとしても面白かった傑作。

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    2021年03月09日
  • 死の迷路

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    未開の辺境惑星に目的不明のまま送り込まれた男女14人が繰り広げる脱出劇。外部との通信は絶たれ、移動手段もない中、一人また一人と謎の死を遂げていく。どこかで見たようなサスペンス・ミステリーだが、ディックらしい独特の世界観とヒネリがきいていて、SFとしてもよく出来ている。あの「驚き」をもう少し引っ張ってほしかったという、ギミックを使い切れていない感もいつものことで、もはやご愛嬌。ラストで全部持っていったので、素直に楽しめた逸品。

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    2021年03月06日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    温暖化が進み、過酷な環境となった未来世界。火星へ強制移住させられた人々は、ドラッグと模型によって、過去の地球を再現した仮想空間へダイブすることで心を支えている。やがて遥か遠い星系からもたらされた新種ドラッグが現実崩壊の恐怖を引き起こすが……。
    現実と幻想の狭間を描く、ディックの真骨頂。今はどっちの世界にいるんだっけ?という感覚を本書でも味わえる。ラスボスのような圧倒的な力を持った存在との対峙。人間くさい登場人物の意外な決断。全編通して読ませる力が強く、面白かった。ラスト付近は意図的にわかりにくくしているのか、読んでいる方も混乱してきて、トリップを疑似体験しているかのようだった。
    毎回ディック作

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    2021年02月16日
  • 時は乱れて

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    今目に見えている世界は本当に現実なのか?自分は誰なのか?わずかなきっかけから浮かんだ疑問が次々とピースを呼び寄せ、少しずつ真実が明らかになっていく。ミステリー小説のようなスピード感ある展開にページをめくる手が止まらなかった。これは問答無用に面白い!
    あの映画のタイトルを上げてしまうとそれだけでネタバレになってしまうので伏せるが、1959年出版の本作が元ネタなのだろうか?
    ラスト付近、特定の年代にノスタルジーを感じる姿には共感してしまった。自分はYouTubeで80年代の映像ばかり見てるので……。

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    2021年02月15日
  • 聖なる侵入〔新訳版〕

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    〈ヴァリス〉三部作の第二弾。
    難解な神学談義が続いた前作に比べ、まずSFとしてストーリーを楽しめたのが大きい。辺境惑星、冷凍生命停止、巨大人工知能システム、飛行タクシー、スマホ(のような端末)などが存在する未来世界の中での、『覚醒』をめぐる宗教的・スピリチャル的な物語。難しそうに思えるテーマだが、文章も読みやすく、筋運びそのものが素直に面白かったといえる。その上で、聖書の世界観を通じて語られる「世界」「神」「人」などについての論議は学ぶことが多く、たくさんのメモを取りながら読むことになった。自分はやはり知識が追いつかないところもあったが、聖書に興味がわき読みたくなったことがかえって嬉しい。

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    2021年02月12日
  • 人間以前 ディック短篇傑作選

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    「地図にない町」を含むファンタジー色の少し強い短編集。ファンタジー色が強いとは言っても、日常に感じた違和感に対して自分が狂っているのでは?と疑問を抱かせる描き方はディックそのものです。足元から揺らいでしまう不安感がたまらないです。

    風変わりなところでは「妖精の王」、「欠陥ビーバー」(冴えないビーバーが主人公の寓話なのです!)。印象的なのは「宇宙の死者」急速冷凍された遺体が半生者となっているという設定など「ユービック』に通じる不気味なものがあります。子供の教育を扱ったものや、人工妊娠中絶を扱って炎上した表題作など、作品に現代が追いついてきた感がある作品集です。コロナで隔絶された日常をディックが

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    2021年02月12日
  • 火星のタイム・スリップ

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    現実との境目が曖昧になっていく感じが好きだった。

    三人称の中に一人称があっても混同せずに読める。

    人妻っていいよね。セールスマンにおれもなりてぇよ。

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    2020年11月17日
  • ヴァリス〔新訳版〕

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ難解なカルト小説だった。チャットのグループの読書会で皆で考察し合えたのが楽しかった。自分の考察を書いておきます(正しいか間違えてるかは置いといて)。登場人物皆狂ってますが色んな解釈ができて楽しめる作品です。読むのキツいですけど。

    ヴァリスとは生きた情報システムであり、時間の概念を持たず色んな時代、空間を行き来できるものだと思っています。時間だけでなく空間も存在しないとは、色んな場所を行き来できるということだと解釈しました。

    個人的に思うことだけどファットによる世界の考察は割と始めに集約されていると思う。
    この世界全体は非理性で構成されており、理性的なものはヴァリスだけ。多分我々

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    2020年07月10日
  • フロリクス8から来た友人

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    ディストピアもの。管理社会を地球外生物がやって来て…という物語に恋愛とアクションが合体。ディックは何読んでも面白い。

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    2020年06月27日
  • ユービック

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    ネタバレ

    ※ネタバレあり! ここ以外でも決して裏表紙のあらすじは読まないように!

    と、最初に断っておかないといけないぐらい、この裏表紙のあらすじはひどすぎる。要約にもなっておらず、作品を正確に捉えていないばかりか、核心部分(しかも残り100頁を切った部分)にまで踏み込んでネタバレをしている。まさか表紙が変わっても直っていないとは思わなかったが、このネタバレを避けて読むのはもはや様式美だろう。自分の場合は無理だった。と、いうのも自分がこの小説のあらすじを知ったのは巻末の作者の別作品紹介で、そこに堂々とユービックのあらすじ、もといネタバレが書いてあったのだ。田舎だと回避不可でしたねw

    それはともかくとし

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    2019年05月29日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    2023/10/3再読
    読み返してみて今回印象深いのは「聖なる争い」。
    大統領の役割は情報分析し判断するコンピューターシステムが代替している。どうしてそのような判断が下されたかは人間側はわからない。敵が攻めてきているとの判断がくだされ一気に戦争状態になってしまうのを止めようとするFBI とコンピューターエンジニア。まるで現代の生成AIによる問題を予言しているかのようではないですか。この短編集にはある物をとんでもない物に代替させその存在価値を突き詰めて考えさせる作品が多く集められています。でもよく考えると今所属している社会にとっての価値であって、その社会そのものが正しいものかはわからないし保証も

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    2023年10月03日
  • スキャナー・ダークリー

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    ネタバレ

    潜入麻薬捜査の胸糞さも良いが、ヤク中のとりとめのない会話や更生施設の様子が良かった。
    ドナがコカコーラのトラック撃つところがサイコーだけどマイクと打ち合わせしてるときは普通にドナがコーラ飲んでて、掴み所ないなと思った。

    ディック自身の経験が多いに生かされているので巻末に軽く触れてくれているのがありがたかった。
    映画は未視聴。どうなんだろう…。

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    2017年10月20日
  • トータル・リコール

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    ■トータルリコール
    「自分の記憶は本物なのか」誰もが一度は考えたことがあるようなことが設定となっている話。
    何が本物で偽物か?フィリップ・K・ディック作品に通ずるテーマが本書にも埋め込まれています。

    ■出口はどこかへの入り口
    自分の夢を、正しいことをせず、ただ権力に従う。その結果としての評価が「いい人」である。
    「いい人」という評価は誰の視点からかのものか、それが内包する意味は?
    この評価はむしろ「くそったれ!」なものではないかと考えさせるお話

    ■地球防衛軍
    設定としては米ソによる世界戦争という、作品の書かれた当時の冷戦の影響を強く受けている。
    人類は永遠と戦争を続けるがそれは人類が一つに

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    2017年07月01日