フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • ユービック

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    ネタバレ

    無茶苦茶面白い。この作品も多大な影響を与えたと思われるが、物語の内容通り他が退行していったのに対し、これはまさにユービックを吹き付けたかのように今読んでも普遍的な輝きを放っている。
    世界観やテーマ、基本設定は電気羊と通ずる部分があるものの、ベクトルはかなり違う。
    構成も電気羊が変則的な印象があったのに対し、こちらは割とストレートなテンポ感で伏線も直線的に回収して行く。とにかくラストに至るまでの全体の流れの構築力は完璧で――たとえ曖昧な部分や未解決の謎を多く残していたとしても――牽引力が弱まることはない。
    序盤こそ何がなんだか判らず説明不足だと感じたのだが、背景とキャラが頭に入るまで読み込むと(

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    2024年11月17日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    人間とは

    独特な世界観で語られ始める本作。
    慣れてきたと思い始めた矢先に怒涛の展開が待ち受けていて最後まで飽きさせない。

    アンドロイドと人間の境界が曖昧になっていく中で、人間足りうるものが何なのか。
    私は『慈しむ心』ではないかと感じた。
    だからあの終わり方なのだと。

    訳者あとがきでは、この難解な作品を紐解くための手助けをしてもらえているようだった。
    作者の意図の多くを汲み取れなかったであろう私でも、その一端に触れることができて助かりました。

    #共感する #深い #ドキドキハラハラ

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    2025年08月15日
  • 変種第二号

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    いやいや、表題作「変種第二号」が傑作過ぎ。久々にやられましたわ。これだからディック読みはやめられないのよ。

    「戦争」をテーマとした作品をまとめた、日本オリジナル短編集。戦争テーマと言ってもかなり広義に捉えられていて、収録作はそれなりにバリエーションがあって読み応えがあります。(ただし、本邦初訳らしい「戦利船」だけは取扱注意!ディックにしては珍しい、超絶バカSFです(笑))

    数多くの短編を書き残したディック作品の中でも屈指の傑作と言っても良い「変種第二号」は、ディックが永遠のテーマとしていた「人間と人間じゃないものの境界は何か?」という問題意識をストレートに表現しつつ、サスペンスフルな一級の

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    2023年12月26日
  • トータル・リコール

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    本書はフィリップ・K・ディック短編傑作集ですが、有名なところではトータル・リコール、そしてマイノリティ・レポートが掲載されています。もちろんこれらの有名な話も面白いですが、私はむしろそれ以外の短編を堪能しました。

    ネタバレになりますので深く書きませんが、「地球防衛軍」「訪問者」は立場の逆転という視点を、「世界をわが手に」はいまでいうシミュレーション仮説につながる話です。「ミスター・スペースシップ」はBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、「フード・メーカー」は、デジタル監視社会といった形で、むしろ2023年に読むほうが、リアリティを増しているという作品もあると思います。私は個人的に「世

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    2023年10月14日
  • ユービック

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    ディック2周目の3作目(1作目電気羊、2作目はヴァリス)
    初めて読んだ時はディック作品の中でも最初の方に読んだので改めて読むとディックの好きな部分がかなりバランス良く詰め込まれててこれは人気投票1位になるだけある…となった

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    2023年07月23日
  • ユービック

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    ディック2冊目。
    アンドロイドより面白い。
    amzonのレビューにジョジョっぽいと矢鱈と書いてあるが、確かにジョジョっぽかった。

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    2024年02月17日
  • いたずらの問題

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    ネタバレ

    ディック初心者にもオススメできるストーリー展開で読みやすい。本作にあるモレク的な風潮がいまだに蔓延していて時代を経ても色褪せない一冊だなとも思いました…!(無意識に銅像の頭部を持ち帰ってくるところは笑いました)

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    2023年06月20日
  • 高い城の男

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    もしもドイツと日本が、第二次世界大戦の戦勝国だったら……(; ・`д・´)

    非常に興味深く面白い作品!!


    ドイツの第三帝国(ナチスドイツ)に至るまでの大まかな歴史と、ヒトラーの周囲を固める親衛隊SS達(ヒムラー、ゲーリング、ゲッベルス、ハイドリヒ等)を知識として知っていると、理解がしやすいと思いました。

    この小説の冒頭に参考文献としてウィリアム・シャイラー著『第三帝国の興亡』が挙げられていました。
    この本、1から5巻まであるのですが、たまたま私、1巻だけ既読で………
    なんで全部読まなかったんだぁ〜と後悔(^^;;
    一巻はですね、第一次大戦後のハイパーインフレで国が混乱している中、ドイツ

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    2023年03月31日
  • ユービック

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    こういうSFが読みたかったんだよ!となる作品だった。ディック感覚がたまらない。何が起こっているのかわからないドキドキハラハラ感と、かっこいい描写、人物たちの緻密な心理の変化など、様々な要素が絡み合い、ストーリーもメッセージ性も抜群の作品となっていた。

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    2023年03月04日
  • 高い城の男

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    メタフィクションの構造と、あくまで読んでる側の世界が真実である結末、そして悪の存在を認めながら複数の世界線を選び進んでいくことを勇気つけるような内容が素晴らしかった

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    2023年02月13日
  • ティモシー・アーチャーの転生〔新訳版〕

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    「ティモシー・アーチャーの転生」

    ディックのヴァリス3部作の最後。そしてディックの遺作とされている作品。

    個人的にはすばらしい作品だと思う。模造品について書いてきたディックが、その一番深いところにたどりついた。

    生きるための軸となっていたもの、たとえば信仰が揺さぶられたとき、人はどうなるのだろう。という問い。ヴァリス同様、大量の情報におぼれる人々。今回は情報が大量だからではなく、大量の情報の中から、アイデンティティを崩壊させる「真実」を発見してしまう。自分の存在が否定された人間の物語。

    ディックはここまで辿りついたか、という感動を覚えた。純文学の作家を目指していて、でも金のためにSFを

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    2022年11月26日
  • トータル・リコール

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    この時代によくこのような物が書けたなと思う。
    個人的には表題で映画化されたトータル・リコールや同じく映画化されたマイノリティ・リポート以外の短編の方が分かりやすく面白かった。また後ほど再読したいと思う。

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    2022年11月03日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    購入済み

    面白かった。
    凄い読みやすかったと思う。翻訳も素晴らしかったのだと思う。
    色々考えさせられる作品だった。

    #深い

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    2022年10月22日
  • トータル・リコール

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    フィリップ・K・ディックは20世紀中盤に活躍したSF作家で、この短編集は、有名な二つの映画化作品をベースに、21世紀に入って日本で再編されたもの。

    いずれも切れ味抜群の結末と個性ある世界観で、「傑作短編集」の名に恥じないものばかり。
    同じ作家の少し難解な長編「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」に比べて、ずいぶんと解りやすく、読みやすかった。

    映画化された「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」はもちろん、他の作品もいずれも印象深い。
    「訪問者」は、驕慢であった人類の地球上での最後の姿が垣間見える。
    「吊るされたよそ者」のあとは、街中を走り回る自分の姿を夢に見そう。
    「フード・メーカ

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    2022年09月21日
  • トータル・リコール

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    発表当時から時を経て現在より身近でリアルな近未来を映すSF・サスペンス短編集。タモリの歌唱が頭をよぎる「ミスター・スペースシップ」が異色でありながらどこか微笑ましくて好き。

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    2021年08月12日
  • トータル・リコール

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    表題の『トータル・リコール』を含むSF短編を収録した本。

    表題の『トータル・リコール』は、何の変哲もない主人公が、火星にどうしても行きたくて「火星に行ったという記憶を自分に植え付ける」サービスを受ける話。
    もしかしたら主人公のようなことが自分にもあるのかもしれないと思うと楽しい作品だった。

    ディックの短編集を3冊読んだ中では、一番爽快感があり後味も悪くない作品が多かったように思う。

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    2021年05月03日
  • いたずらの問題

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    こいつは傑作だ!ガハハハハ!!!
    傑作という言葉を辞書で引くと、2つの意味があり、この小説には両方の意味で傑作だと拍手喝采を送りたい。
    例によって、込み入った世界観を把握するまで序盤はやや読みにくいが、「なにこれどうなってんの!?」というディック節から物語は加速していくのでご安心を。
    道徳や倫理が絶対視され、集団相互監視の状態にある息苦しいディストピア。不倫した芸能人を匿名SNSで叩きまくる、昨今の日本を見てきたかのような、先見性あふれる描写に驚かされた(この小説は1956年発表)。その中で、主人公が取る行動によって、痛烈な社会風刺ともいえる、思いがけない結論が導きだされる。序盤の主人公の言動

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    2021年04月01日
  • ジャック・イジドアの告白

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    SF要素のない、ディックが自身を投影した準私小説。現代でいう発達障害らしき青年で世間とそりが合わない兄が、わがままだが裕福で世知に長けた妹の不倫に巻き込まれるかたちで物語は進む。序盤から登場人物の言動が強烈でいきなり眼が離せなくなり、徐々に昼ドラ的な愛憎劇に引き込まれていく。世間的には恵まれた存在であるはずの妹夫婦がやがて狂気と化していく中、カルトの終末論に惑わされながらも、純真かつ鋭い洞察力を見せる兄。本当に病んでいるのは誰なのだろう。「彼はある意味で優れた人間なんだ」後にディックは書簡で振り返っている。文学的ともいえるが、サスペンスとしても面白かった傑作。

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    2021年03月09日
  • 死の迷路

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    未開の辺境惑星に目的不明のまま送り込まれた男女14人が繰り広げる脱出劇。外部との通信は絶たれ、移動手段もない中、一人また一人と謎の死を遂げていく。どこかで見たようなサスペンス・ミステリーだが、ディックらしい独特の世界観とヒネリがきいていて、SFとしてもよく出来ている。あの「驚き」をもう少し引っ張ってほしかったという、ギミックを使い切れていない感もいつものことで、もはやご愛嬌。ラストで全部持っていったので、素直に楽しめた逸品。

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    2021年03月06日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    温暖化が進み、過酷な環境となった未来世界。火星へ強制移住させられた人々は、ドラッグと模型によって、過去の地球を再現した仮想空間へダイブすることで心を支えている。やがて遥か遠い星系からもたらされた新種ドラッグが現実崩壊の恐怖を引き起こすが……。
    現実と幻想の狭間を描く、ディックの真骨頂。今はどっちの世界にいるんだっけ?という感覚を本書でも味わえる。ラスボスのような圧倒的な力を持った存在との対峙。人間くさい登場人物の意外な決断。全編通して読ませる力が強く、面白かった。ラスト付近は意図的にわかりにくくしているのか、読んでいる方も混乱してきて、トリップを疑似体験しているかのようだった。
    毎回ディック作

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    2021年02月16日