フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • トータル・リコール

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    SF短編集。10篇入っていて手軽で読みやすい。タイトルの映画に原作があるのを知らなかったので手に取った。骨子は小説から取っているが、かなり膨らませて映画にしたのだなぁと思った。

    他の話も意外なものに助けられるような展開や、前提の立場が入れ替わることで話の流れが変わるようなものが多く、面白かった。
    個人的には、テレパスが当たり前にあり、頭の中を読まれることを拒むことが悪いこととされている世界で、精神走査を拒絶するためのフードが送られてくる「フード・メーカー」が好みだった。

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    2025年03月30日
  • 時は乱れて

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    読んでいて『トゥルーマン・ショー』を彷彿とさせるような面白い作品だなと感じた。ありふれた日常の些細な変化や違和感から「何かが変だ!」と勘繰るのが大好きな人にとってはワクワクするという意味でたまらない作品だと思う。

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    2025年03月11日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    なかなか理解するのに苦労する作品もあったが短編ということで、挫折することなく読みきれた。
    傍観者の「産業資本家が、自分たちの商品を買わせよう、消費させようと、大衆を煽り立てていた。たまたまその宣伝の中心にあったのが〜〜」現代にも通づるなと思った。
    私たちも作られたムーブメントの中で生きている

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    2025年03月08日
  • 高い城の男

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    個人的に求めていた内容(ジャンル)ではなかったなと言う印象

    SF!ってよりはしっかりとした長編小説

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    2024年10月13日
  • ユービック

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    ネタバレ

    ランシターvsホリスの対立で展開していくのかと思いきや、全く違う視点の戦いだった。ストーリーの展開が真面目にワクワクさせてくれると同時に読者をおちょくった書き口やチップのヘタレ具合がギャップとしてよかった。
    この世界観や設定での別のエピソードを読みたいぐらい他のことが気になる、半生者の世界がメインの話だったが現実側ももっと知りたい。マトリックスやインセプションを連想させる感じ。

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    2024年08月26日
  • ユービック

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    この青く煌めく表紙のユービックを手に取ったそこのあなた!素晴らしいSF体験が待っていること間違いなし!用量、用法はお守りください

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    2024年07月20日
  • 偶然世界

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    フィリップ・K・ディックの1955年に発表された第一長篇。世界観や用語の説明不足などは、最初の作品からだったのかと納得。という訳で、誰にもおすすめできませんが、個人的にはとても面白い作品だと思いました。

    世界を統べる権力者が、公共偶然発生装置(ボトル) による無作為な攣動(トイッチ)によって決められる世界。それは、ランダムに抜擢し、あるいは蹴おとし、ランダムな間隔でランダムに権力者を選び出す。人は、権力を独占できず、安泰した地位など存在しない。誰も独裁者になろうとしてもなれない世界。

    そのような社会機構である、九惑星連邦の最高権力者(クイズマスター)であったヴェリックがこれにより退位(クワ

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    2024年07月08日
  • トータル・リコール

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    どれもフィリップKディックワールド全開。
    SF大好きマンからするともう堪らなく楽しい…!

    全体的にそうだけど、特に「地球防衛軍」なんかはプーチンはじめ世界中の戦争おっぱじめる奴らにぜひ読んでほしいお話だった……

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    2024年04月24日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    抜群のスピード感と心理戦  世界が放射能で包まれ、虫や動物を含む人間以外のほとかの生物が死滅した未来。生きた動物は非常に高価であり、生き物を飼うことはステータスのひとつであった。

     警察組織のひとつで賞金稼ぎのリック・デッカードは本物の動物を手に入れる為、高額な懸賞金がかけられたアンドロイドを破壊する。映画「ブレードランナー」原作。

     サイバーパンクSFの元祖。濡れたアスファルトにネオンが反射する荒廃した街は妖しく、美しい。
     スピード感があり、心理戦がゾクゾクする。なぜアンドロイドを破壊しなければいけないのか、自分自身もアンドロイドではないのか。そんな想いが交錯する。

    「どこへ行こうと

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    2025年12月09日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    アイデンティティという薄っぺらな幻想

    「悲しみは最も完全で圧倒的な体験、だから悲しみを味わいたいのよ。涙を流したいの」

    愛するということの人それぞれの解釈、そして、愛を得て失うという痛みが、主人公ジェイスンの置かれた状況に絡みつく登場人物達によってもたらされる。
    キャシイ、ルース、メアリー・アン、バックマン、アリス……

    「ブレード・ランナー」のような世界観とはひと味違うが、これもまた、特別なフィリップ・K・ディックの世界。

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    2023年07月18日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    ネタバレ

    小さな黒い箱
    「アンドロイドは…」に出てくるエンパシーボックスが宗教として駆け出しの頃の話。まだ信者も少なく、小さなカルトでしか無いが、「アンドロイドは…」では太陽系全域に信者を持つ大宗教になっている(キリスト教かよ)。
    「アンドロイドは…」では謎の老人は売れない役者だと暴かれていたが(メディアの嘘かもしれんが)、それよりも着目すべきは箱を送りつけてる組織だろう。
    共感中の怪我まで「共感」できる道具を家庭用品から作れるとあるが、これはどんな宗教への入信も自分の家からできますよって感じのメタファーかな?

    輪廻の車
    やったんだろ?17歳の子と。やらせてもらったんだろ?抗生物質だけじゃなくて、やら

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    2023年07月20日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    最愛の人に去られたディックの自伝的小説という趣の強いこの作品は、自己の同一性や認識している世界の崩壊というディックの作品に通底している恐怖をベースにしつつ、もう一つのテーマとして愛を割と純粋に語っている作品でもある。愛は自己保存の本能を凌駕し他者への献身、執着をもたらす。
    作中で様々な人物が自分なりの愛を見出そうとしているが、その中で主人公であるジェイスン・タヴァナーだけは愛を理解しない。それは彼がスイックスだからかそれとも生来のものなのか。

    現実の分裂は観測者だけのものではない。観測されるものもそれに巻き込まれる。
    また絶望の底に落ちてからの再生を匂わせて終わるところもらしい部分である。

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    2023年03月03日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    匿名

    購入済み

    ディストピアの不思議な世界観と、生物に対する哲学的な命題を扱った作品。
    人間とアンドロイドの境界はどこにあるのか。
    読み終えてから他人の考察や書評が気になるテーマだった。
    読後も考えさせられる作品が好きな読者にオススメしたい!

    #ダーク #ドキドキハラハラ

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    2023年02月14日
  • トータル・リコール

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    やはりディックはいい。どれもすれた雰囲気がただよう作品ばかりではあるが、単なるオールドSFではなく、どの時代でも通じる社会の根本的、根源的なものの皮肉などがきゅっとコンパクトに畳み込まれている感じがして良い。
    そして、短編集のなかでは、トータル・リコールとマイノリティ・リポートのできが頭ひとつ飛び抜けているが、フード・メーカーも良かった。

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    2023年01月25日
  • 宇宙の眼

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    陽子ビームの事故により、別の世界に行ってしまった人たちの話。
    別の世界ではなく、他の人たちの意識化の世界で、困難に立ち向かう。
    最初からテンポよく面白かった。

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    2023年01月06日
  • 変種第二号

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    本を読んだ時の印象はその時の自分の置かれている状況や精神状態で変わるから面白い。
    組織に所属していて人間関係に悩んでいれば、信じられる人は誰なのか?といったことが常に気に掛かっているかと思えば、自然の中で働いていたり遊んだリしているときはその迫力に圧倒されて人間関係の悩みなんかは小さなものに思えてしまう。
    今は自然の中で働いているから、自然の迫力に圧倒されていてフィクションが作りもの染みて見えて魅力半減となるタイミングだ。そんな時にディックを読んでしまったから、かなり偏った感想にもなる。さすがのディックの問題提起も心に響きにくかったけれど、これは本の感想というより自己診断テストの結果だな。これ

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    2022年09月02日
  • 死の迷路

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    ネタバレ

    氏の作品の中ではまたマシな方と評される、と解説で書かれているか、SFをあまり読まない自分にとってはかなり刺激的でした。
    一番最初に主観的に描かれるベントールチーフがあっさり死んてしまいいきなり先が見えなくなり困惑しました。神が実在する設定もいいですね。作中で語られた、地球上での人間以外の生物から見れば確かに人間は極めて不完全な神なのかも。終盤に大きなどんでん返しが2つあって楽しい。最終盤でのセスの失踪についても深みを感じます。食料の心配はないのだろうか、例えばコーヒーはつきかけているらしいし。人を平気で殺してしまう人間の心理は理解できないが究極の環境下であれば、なのかもしれない。
    途中意味不明

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    2022年05月03日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    不肖鴨、毎年春先はいつもディックを読んでいるような気がするヽ( ´ー`)ノ

    数多あるディックの短編の中でも、政治/社会/宗教をテーマにした作品を集めた短編集・・・と、なかなか重たそうですが、実際に読んでみるとメッセージ性が明快な作品が多く、後期のディック作品にしては比較的わかりやすい印象です。
    テーマの重さを中和するためか、ユーモラスで軽妙な筆致で描かれている作品が多いことも、特徴の一つ。実は守備範囲の広い”通俗”作家だったディックの一面が垣間見れます。登場人物がどいつもこいつも頭のネジが一本抜けている感じなのも、親近感アップに一役買ってますね。

    しかし、ラストの一作、「時間飛行士へのささ

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    2022年04月05日
  • トータル・リコール

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    ほんと、よく思いつくなぁと思ってしまう。映画の原作になるような面白さや設定の深さ、価値観の転換が短い短編の中にもふんだんに盛り込められている。

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    2022年03月31日
  • トータル・リコール

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    フィリップ・K・ディックの作品は映画原作が多い。
    「トータルリコール」火星を夢見る主人公が仮想記憶会社で旅行体験するが何故か不都合が。
    「マイノリティ・リポート」犯罪予知システムによる管理社会。

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    2022年11月14日