フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作品は、「人間とは何か、アンドロイドとは何か」という根本的な問いを読者に突きつける物語である。
作中においてアンドロイドは、外見や知性において人間とほとんど区別がつかない存在として描かれる。しかし決定的な違いとして、他者への共感(エンパシー)を持たないとされている。ところが物語が進むにつれ、この前提は次第に揺らいでいく。人間は賞金稼ぎとしてアンドロイドを冷酷に「処理」し、一方でアンドロイド側には感情のような振る舞いが見え始める。こうして、「人間=共感的存在」という単純な図式は崩れていく。
この揺らぎを補強するように、作中には芸術的モチーフが繰り返し登場する。例えば、魔笛、思春期、叫びと -
Posted by ブクログ
ネタバレ再読はしないけど、良い本だった。
ディックらしいというか、、、神話やSFや仕事やいろんなものがごちゃ混ぜになっている一冊。
頭が良く気が強い妻と別れて、惹かれたマリと別れることになっても妙にあっさりしていて、彼女の故郷(星)に行けばワンチャンまた魅力的な女性と出会えるかもと思ったり、失業してるのに主人公は情けなくて俗っぽい。
マリは主人公のこと、全然好きじゃないんだろうなと思う。主人公も、マリのことは外見しか好きじゃないんだと思う。薄っぺらくて惨めだけど、リアル。
最後、多足なんとか生物の形をした地球外知的生命体と対話するシーンは
去年を待ちながらのラストを想起した。
群像劇的な要素もあり -
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Posted by ブクログ
電気羊に次ぐ2作目。電気羊が人間か、アンドロイドか?の曖昧な境界を攻めた作品とするとユービックは現実か、虚構か?という非常に入り乱れた不思議ワールドで、展開で魅せる作品です。
あらすじのとおり、敵となる予知能力者狩りを行うべく、精鋭の能力者11人を集めて、いざ決戦の地、月面へ!という、まさかのヒーローSFものが序盤で展開されますが、ほぼ戦うことなく(笑)、気づいたら時間が逆戻りする訳の分からない世界の話に急展開されます。
一体この世界は何なんですか?と戸惑いながらも、気づいたら不思議ワールドに引きずり込まれ、先が気になって一気読みでした。
あっと驚く伏線回収とか、衝撃のラストとか、そこまでドラ -
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ネタバレディックの自伝的かつ主流小説。自伝的なのは、カルトとの関わりの部分?それともチャーリー目線でのフェイ(妻)との関わり?
ディックにありがちなキーキー小うるさくて性格は悪いけど、見た目は標準以上でなぜか男を惹きつける女ー主人公ジャックの妹。フェイーと、フェイの夫のチャーリー、フェイの不倫相手そして後々の再婚相手のナット、そして主人公のジャックが主な登場人物。
ナットはなんだかどっちつかずで、優しいけどつまらなさそうな決断力のない男。フェイと別れそうで別れなくて、押されてついていった遊園地で自らの滑稽さに気がつき、人生を諦めるというか、認めるシーンはとても良かった。とても現実的で、そして彼はな -
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「私は惑星になるつもりだ」
死ぬまでに一度は言ってみたいセリフ…の一つに仲間入りしました。
最近仕事のことで脳内ごちゃごちゃなのもあり全く読書に身が入らない毎日。
その状況でディックを読み始めるのもどうかと思いながら、序盤頑張って頑張って読み進め、、、
しかし3分の1くらいまでくると、キマシタ。モード入りました。
なんだなんだ??と一文一文に翻弄されているうちに瞬く間にディック感覚に包み込まれ、気がつけば半分を過ぎ、残りの厚みを見て「えええもうすぐ終わっちゃうの?いやだ!!!」
なんて考えていたらあっという間に終わりました。
全部読んだ後の感想としては
いや、なんだこれ。。。
結局どこか -
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ネタバレ異星人(リーグ星人/リリスター星人)、人工臓器、時間を移動できる謎のドラッグや、独裁者や…とにかくモチーフが詰め込んであって、読んでいて楽しい。これぞ、ディック作品に求めているものなんだよなーと思う。
ストーリーラインは2つ。
1つは、ディック自身の当時の奥さん(3人目のアン。浪費家だったというけど…圧倒的にディックの方がおかしいし、、)との状況を表していて、つまり、先行きが良くないことが明らかな夫婦関係をどうするのか?という葛藤。
もう1つは、人類が侵略されてしまいそうな状況。
ものすごく個人的なお話と、人類の存亡がかかった大きいお話が並行して進む。
最後、主人公はドラッグで脳がやられて -
Posted by ブクログ
【高い城の男】 フィリップ・K・ディック 著
第二次世界大戦は、日本・ドイツの枢軸国が勝利。日本が統治する米国カリフォルニア州での生活風景を描きながら、「第二次世界大戦は米英が勝った」というSF小説を書く「高い城」に住む男の物語も書き綴るというSF小説(ややこしい)。「現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作」という売り文句にやられて読破しました。
少々ネタバレになりますが、ヒトラーはその後、精神疾患となりボルマン党官房長官が後を継ぐも、その後亡くなり、「え~!」と思う人物がドイツ首相に就任。これによって、「え~!」と思う -
Posted by ブクログ
「有を名TVのMC・歌手で3000万人の視聴者を持つ男」が目覚めたら薄汚いモーテルにいた。誰も自分を知らず、政府のIDバンクにもデータがない「名無し」になる、というサスペンスフルで思わず読みたくなる導入から始まる。が、そこから主人公と女たちの会話に重点が置かれて愛と別れが語られ文学的な味がする作品となる。後半ではもう一人の主人公である警察署長に視点が移ってしまい当初の緊迫した謎や展開はどこかにいってしまう。
個々のエピソードは素晴らしいが全体としてみると序盤の期待が外れてしまうため残念がところがある。はじめから愛と別れをテーマにした文学作品だと思えばいいのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
話しの設定は面白いのですが、構成に難ありといった感じ。そのあたりのことは、あとがきに著者の言葉が掲載されていますが、個人的には充分楽しめました。
あらすじ:
2004年、世界は東西両陣営に分かれた冷戦下にありました。その両陣営共に、武器開発は超次元空間に意識を浮遊させ、トランス状態になって独創的な殺戮兵器をスケッチすることにより、アイデアを得る方法が取られていた。その職種は、兵器ファッション・デザイナーと言われ、西側はラーズ・パウダードライ、東側はリロ・トプチェフが担っていた。しかし、これらのアイデアを反映した兵器は、新兵器のデモンストレーションと称して、実際のことのようにドラマ仕立ての映像 -
Posted by ブクログ
ディックらしい虚実を取り混ぜたストーリー展開や、面白くて笑える場面も多々あって、とても楽しめました。
しかしながら、ストーリーにいろんな要素を詰め込み過ぎなため、読み終えた後に、その後が気になる人が何人かいて少しモヤモヤした気分が残りましたけどね。
あらすじ:
21世紀も半ば過ぎ、世界は二極化されていた。その一方であるヨーロッパ・アメリカ合衆国(USEA)では、ファースト・レディの地位が大統領より高い母権制をとっており、彼女(ニコル・ティポドー)は絶大な権力を持っていた。ある日、マクファーソン法が施行され、一人の精神分析医を除いて診断が禁止され、精神疾患はすべて薬剤治療とするように決まって -