フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • シミュラクラ〔新訳版〕

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    ネタバレ

    フィリップ・K・ディック作品!
    ジャケ買いではなく、シミュラクラという響きを聞いたことあったからのタイトル買い。

    途中じゃん!?って感じで終わった。

    登場人物が多すぎて全然把握できない。
    そもそもストーリーも把握しにくい。それがディック流っぽくはあるが。
    半分くらい読み進めてようやくなんとかわかってきた、気がしてくるという感じだった。

    ある意味地味なブレードランナーって感じかもしれない。
    そもそも、シミュラクラそのものが全然出てこない。
    映像で見てもたぶん理解できないと思う。

    が、おもしろくなくはなかった。不思議。

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    2020年12月21日
  • タイタンのゲーム・プレーヤー

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    中国の軍事兵器により出生率が下がり、タイタンからやってきた異星生物ヴァグとの戦争に敗れた人類は、ヴァグによる緩やかな支配の下、地球上の土地を賭けたゲームに明け暮れていた。カリフォルニア州に住むピート・ガーデンは、ある晩のゲームに負け、居住地でもあったバークレーを奪い取られてしまう。失意に暮れるガーデンに悪いニュースが追い討ちをかける。東海岸を支配する強力なゲーム・プレイヤーのラックマンが西海岸をも支配下に置くべく、ガーデンらのゲームに参加するというのだ…

    序盤から予想を裏切る展開が続き、ダレることがありません。いきあったりばったりかなと思いつつも、物語に破綻感は感じない。なんだかディックらし

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    2020年10月17日
  • トータル・リコール

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    発想に感嘆する。星新一のSFをヘビーにした印象。映画でしか知らなかった「トータルリコール」がこんな短編だったのも、こんなストーリーだったことにも驚き。表現が重厚なものだから、話の軽妙さがより際立って楽しめた。訳のおかげかもしれない。ここからあれだけ内容を膨らませた映画作品にも改めて拍手。シュワちゃんも好きだけれど、目が肥えた今はリメイク版がやっぱりいい。

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    2020年09月08日
  • 変種第二号

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    フィリップ・K・ディックの短編集。
    学生時代は夢中になって読んだが、久々に再読。

    本書は新しく編纂した戦争をテーマにした短編集ということで、自分が覚えていたのは表題作の『変種第2号』だけ。
    でもやっぱり面白いな~。
    SFのすべての古典がここにあるっていう感じだよね。

    SF好きにはディックの短編集はたまらないよ。

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    2020年08月29日
  • ユービック

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    初版1969年の時代に1992年の未来を描いた作品。超能力者から一般人を護るための不活性者を擁する良識機関が存在し、そして冷凍処理された死者との対話が可能になった未来。超能力者を追って月に行ったランシターやジョー・チップ一行だが、相手の策略にはまってしまう。そこからの描写は、時間が逆行する中でジョーが中心となっての謎解きの様相を示す。題名となった「ユービック」が重要な小道具となっている。この世界観は映画『マトリックス』のような感じだ。

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    2020年06月27日
  • ティモシー・アーチャーの転生〔新訳版〕

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    自由書房で購入
    遠い未来・放射能に汚染された2020年の異世界を描く作家なんだが、ホンダシビック・Jレノン殺害を体験し時代を共有していたと気付かされる

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    2020年06月23日
  • ユービック

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    ディック特有の現実と虚構、生と死のような相反するものの境界を崩し、曖昧にされた世界観が展開される。ストーリーは時間退行現象が始まる中で、少しずつ手がかりを見つけていくミステリーのように読みやすい。前半と後半で全く印象が変わるが、それにしてもコイン投入式のドアはめちゃくちゃ不便そうだし、何より主人公のジョーがお金なさすぎてそのへんの描写は面白く読めた。一番最後の章があることによって一気に本書を読んでいる読者自身も物語世界に引きずり込まれるのが終わり方としてベストだと思った。

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    2020年04月10日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    ネタバレ

    主人公のタヴァナーの言動行動がどこか人間味に欠けるなぁと思っていたら、そういうことだったのか…!ある種のアンドロイドなんだ。
    一見悪役であったバックマンがタヴァナーと違って他人にシンパシーを感じ悲しみに涙することのできる人間だったんだな。前半と後半ではストーリーの軸というか誰を主人公と捉えて読むかがガラリと変わる本。

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    2020年04月04日
  • いたずらの問題

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    西暦2114年。世界は道徳再生運動(通称、モレク)の広がりにより、あるゆる反モレク的言動を取り締まる監視社会へと変貌していた。そこではハサミムシ型のスパイ・ロボット”ジュブナイル”が人々の生活を監視し、少しでも道徳に反する行動を犯したものはブロック集会にて匿名のパッシングを浴び、居住権を奪われてしまう。そんな中、大事件が起きる。モレクの創始者ストレイター大佐の銅像に誰かが赤ペンキをぶっかけ、その首を切り落としてしまったのだ…

    ディックお好きのディストピアSFですが、現代社会に重なる部分が多く、その先見性には驚きを隠せません。特に、匿名性を帯びた住民が不道徳な者たちに対して執拗に口撃を仕掛ける

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    2020年03月01日
  • フロリクス8から来た友人

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    22世紀の人類は、極めて高い知能を有する<新人>と超能力を操ることのできる<異人>、そして一般的な<旧人>の3つに分類され、世界は僅かな<新人>と<異人>が60億以上の<旧人>を支配していた。そんななか、窮屈な支配をうける<旧人>の期待を背負って深宇宙へと旅立ったプロヴォーニは状況を打開できる知的生命体の”友人”とともに帰還の途にあった…

    遠くの世界から救世主(というより状況を変化させる存在か)が現れるという展開は「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」を思い出します。主人公でちょっと冴えないタイヤの溝堀り職人ニックが不思議な黒髪少女チャーリーと出会って厄介ごとに巻き込まれる展開や、悪役サイド

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    2019年12月14日
  • フロリクス8から来た友人

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    頭脳の進化した〈新人〉と超能力を持つ〈異人〉が多数の〈旧人〉を管理し支配する、ディストピアとなった地球が舞台のSF小説です。
    地球を脱した人物が体制を破壊する異星人を連れて帰還する、という伝説を心の拠り所に旧人は日々を生きています。
    そんな旧人の一人、タイヤ溝掘り職人ニックを主人公に物語は展開します。
    滑稽な表現が多く、失笑しながら楽しめる一冊。

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    2019年12月07日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    いや〜めくるめくディックの世界を堪能した。特に終盤は「幻影か現実か」「エルドリッチかメイヤスンか」で、エンドレスなマトリョーシカ状態。短編の方も読んでみたい。

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    2019年10月18日
  • 宇宙の眼

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    陽子ビーム偏向装置が暴発し、ガイドや見学に来ていた8人が事故に巻き込まれる。意識を失い、気付いたら世界が何だかおかしい。それは8人のうちの誰かの精神世界に入り込んでしまったためだった。現実に戻るために色々な世界を彷徨うことになる。8人が協力したり敵対したり、人間関係の変化が面白い。ディックお得意の畳み掛ける様な世界変化が楽しめる。

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    2019年10月18日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    自家用飛行機が飛び交う世界。3000万人の視聴者をもつ人気エンターテイナーーの男はある日突然安宿で目覚める。この世界では絶対に必要な身分証も無く、あるのは直前に持ち歩いていた大量の現金だけ。
    出会うひとも、電話をかけた相手も誰も自分の事を知らない。
    世界観はSFではあるけれど、中身は二人の男の愛と喪失の物語。面白かった。

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    2019年08月17日
  • ジャック・イジドアの告白

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    ディックの非SF小説。SF的設定がないので個人的にはものたりない。イジドアの妹・フェイの強烈さが印象深い。フェイの夫の退院後の行動も強烈な印象を残す。

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    2019年04月03日
  • 去年を待ちながら〔新訳版〕

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    当時のディックの奥さんが作品に影響を与えてるらしい作品。それをこんな面白い話に仕立てるんだからすごい。ちなみに途中で登場人物がこんがらがりましたが…

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    2019年03月13日
  • シミュラクラ〔新訳版〕

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    評価4にしたけど、これ傑作じゃないかな?念動力、時間移動、ガジェット、火星、異星生物…登場人物が多いのでメモを取ったほうがいいかも。

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    2019年02月28日
  • 時は乱れて

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    いま自分がいるところは、本当に自分の居場所なのだろうか。
    このような不安を微かに(しかし確実に)感じながら生きている男の物語。

    上記の不安は、作者が以後の作品で反映させていく不安群――たとえば、自分が記憶していることは、本当に自分の記憶なのだろうかという不安――の一つと考えてよいでしょう。

    戦後アメリカが舞台ということで、共産圏に対する不安や敵意なども描かれていて、SFという要素以外でも知れるところがあります。

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    2019年02月02日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    非常にエモーショナルな作品でした。「哀れっぽい哀しみ」というか、無力感に裏打ちされた希求というか。中盤、ある女性がうさぎの話に続けて語る愛の話は、特にストレートで、今の自分に共鳴しました。(エピローグで彼女のその後を知ってから読むとまた。)あとがきを読んだ限り、当時の作者の精神状態をおおいに反映しているそう。次々に女性が現れるのも、結婚離婚を繰り返した作者の人生を反映しているのでしょう。SF的仕掛けに着目するよりも、登場人物達の語りに聴き入りたい本。

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    2019年01月02日
  • 時は乱れて

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    SFとかミステリーとか全ジャンルを含めて考えても、P.K.ディックは私のなかで特異で特別な作家。

    彼の場合は、小説という創作物の「出来が良くない」方が、時として「読者としての満足感が得られる」事が多いという、グラフでイメージすれば反比例の曲線を持つ、珍しい作家。

    起承転結がうまくいっている作品とか、終盤の締めが鮮やかな作品は、実は、この作家に期待する「禍々しさ」「絶無のカオス感」に乏しかったりする。失敗作でも(むしろ失敗作こそ)価値を生んでしまう、失敗作の至芸とでも云うべきか。

    本作は、うまくいっちゃってるサイドの傑作。普段の生活空間が異世界に傾いていく過程が鮮やかで、P.K.=粗雑で上

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    2019年01月02日