フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この小説の根本となるSF要素が二つある。
まずは人間は死後、冷凍保存の安息所に預けられて「半生者」になり、遺族と脳波と交流できるようになっている。半生者の脳波が消えた時が完全な死になる。
もう一つは、超能力者たち(未来予測者、心を読む)が公に存在していること。企業が超能力者を雇ってライバル会社との競争に使ったりする。そしてそんな超能力に反作用を及ぼす反能力者である「不活性者」もいる。
ジョー・チップは、超能力者たちから企業や人々を守る(個人情報を守るとか、ライバル企業の超能力を無力化するとか)会社の技師だ。ある時社長のグレン・ランシターは、月を舞台にした大きな仕事の依頼を受けて、11人の不活 -
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Posted by ブクログ
作品を発表年順に読むディック祭り再開。高校の頃ディックは薬でラリっている作家だと誤解させた元凶がこの作品で、二の足を踏んでたのだけど、ひとりディック祭りでは避けて通れない。覚悟して読んでみると・・・すごい!いや確かに薬による幻覚症状を描いてはいるけれどそれだけではない。それだけではないけれど、何がどうすごいのかということを言葉にするのは難しい。まだ興奮していてこの作品から自分が何を得たのか?今後どう変わるのか?なんて考えが全くまとまらない。ハアハア
徴用制度によって強制的に火星や辺境の惑星開拓のために移住させられた人々は、日々の生活の苦しさを紛らすためにパーキー・パッドという人形セットに薬を -
Posted by ブクログ
小川哲作品をきっかけにSF熱が再燃中。
ディックは『電気羊』を読むのに半年もかかったので敬遠していたけど、短編集は難しくなくて読みやすかった。
『火星年代記』を読んで、自分は「人間の愚かさ」を描いたSFが好きなんだと気づいて選んだ作品。
人間の「自分たちは賢い」「世界の中心は人間だ」という思い上がりに、ディックは容赦なくバッサリと斬り込む。
ブラッドベリの『火星年代記』では、切なさや哀しさも感じたけど、ディックはもっと冷徹で一切情けをかけない感じに思った。
その容赦のない感じの皮肉なオチも結構好き。
『訪問者』が特に好きだった。
地球は人間のためだけにあるものではないとずっと思っていたの -
Posted by ブクログ
有名過ぎて食わず嫌いしてたけど面白かった。
単純にサスペンス的な面白さとハラハラ感もありながら、作者の思想をめちゃくちゃ押し付けて来るので好き……………。利己的で効率的な人間と、芸術や愛を感じながら動くロボット、真に愛するべき存在とは??
AIを愛してしまうのも真実の愛かもしれない、アンドロイドが恋心を抱く事だってあるかもしれない…
そんな悩みは今や他人事ではないのかもしれないですね、、。
最後は、たまごっちや夢ネコ(平成玩具)を本気で可愛がっていた自分も思い出したりしながら読んでいました……壮大だけど案外素朴な、優しさと生命についてしみじみ出来る本でした。
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Posted by ブクログ
ホバート位相と名付けられた時間逆流現象のため、人は墓場から復活して子宮に還る。
そんな世界で死者の再生と売却を生業とするヘルメスは教祖をめぐる争いに巻き込まれるが……。
私的に設定が好きすぎてたまらない作品。
会ったら「さようなら」で別れるときは「こんにちは」
人は食べ物を「食べる」のではなく「戻す」
時間が逆に進む世界というだけでもゾクゾクするのに、こんな世界だからか作中のキャラの倫理観がまぁまぁ終わっている(笑)全てがチグハグ、それが面白い。
私、初ディックなんだけど、これ好き。
あと、単純に装丁が好きすぎる。カッコ良すぎる。ハヤカワ文庫のディックの文庫本、どの作品も装丁がめちゃくちゃ -
Posted by ブクログ
ネタバレディック、アンドロイド〜と、高い城の男読んで、あれ全然好きじゃないかもと思って敬遠していたのだけど、ユービックは面白かったし、短編集なら読めるかもと思って手に取ったら、めちゃ面白かった笑。もしかしたら今読み直したら面白いかもと思ったり。。とりあえず次は、トータルリコール読もうっと
ディック感といわれる現実と非現実の間で自分がわからなくなる感覚、普通にゾワっと怖いのだけど、ホラーの怖さがスッとやみつきになるような、そんな感覚もある。
それから久しぶりにイーガンを読みたくなった。
アジャストメントも面白かったし、ウーヴ身重く横たわるも面白かったし、にせもの・電気蟻も面白かったし、…
ウーヴ: -
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた作品。
60年代の古い小説で、日本語訳もかなり前のものなので読みにくいのではと警戒していたが、意外なほどスラスラ読めた。
淡々とした文体でテンポがよく、古さを感じる場面は少ない。聞きなれない単語(「月賦」など)もあるが、数えるほどしかない。
一方で内容はかなり哲学的で、人間性や共感の本質について考えさせられる。
「マーサー」は実体なのか幻なのか、その曖昧さが世界の不安定さを際立たせていて興味深い。
読者に解釈を委ねる姿勢も本作の魅力だと思う。
テーマは難解に感じる部分もあるが、文章やストーリー自体はそれほど難しくない。
読後にAIに色々質問して理解を深めるのも楽しい。
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Posted by ブクログ
”PKD”ことフィリップ・K・ディックの短編、面白いっ!
どうして世のSFファンはこれを先に勧めてくれなかったんですか!笑
現時点での「2026年ベスト本」候補作です(人*´∀`)
以前「電気羊」を読みましたが、あちらは正直半ば意地になって読み通したところがあったのに比べ、本書は面白くて一気読み。
出会いのきっかけは書店でたまたま見かけたことで、「トータル・リコールとマイノリティ・リポートってディック原作だったんだ〜」くらいの気持ちで手に取りました(なお映画は未鑑賞。「ペイチェック」は観ました)。
全体の雰囲気としては、星新一をもっと重たくした感じでしょうか。
監視社会、死の -
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Posted by ブクログ
ネタバレ悲しいけど、前向きな話。映画も大好き。
作者/訳者後書きにあるように、ディック自身の体験をもとに描かれたアンチドラッグ小説。SF要素といえば、着用者の姿がわからなくなる「スクランブル・スーツ」くらいだけど、話の本筋にはそんなに関係がない。
新型で強力な麻薬「物質D」の潜入捜査官である主人公が、薬中仲間と暮らしながら…その暮らしにどっぷり溶け込みながら、要はジャンキーと捜査官の二つの顔を持つ生活をしていく過程で
自分で自分を監視することになり、自分が誰なのか?が曖昧になっていく。Dにハマったことによって、カオスはどんどん深まってしまい、最後は脳が焼けこげて収容所に入れられる。
自分がなんの仕 -
Posted by ブクログ
『マイノリティ・リポート』
映画を観たあとだと、驚くほど別物の物語。
犯罪予防局長官のアンダートンが主人公。
3人の予知能力者が未来に起きる犯罪を観ると、自動的に犯人の名前がカードに書かれて提出される。
犯罪予防局は、これから起きる犯罪を捜査し犯人を逮捕する。
犯罪者はまだ何もやっていない。
だから被害者も何も奪われない。
理想のようなシステムに、社会から重大犯罪は消失した。
ある日、カードを受け取った主人公は愕然とする。
カードに書かれたのは「ジョン・A・アンダートン」、本人。
短編の分量で、未来予知の矛盾を突くシンプルな物語。
まさしく未来は一つではない。
選択とは、未来を選ぶことに