フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • 時は乱れて

    Posted by ブクログ

    パーマーエルドリッチの次はこちらを。
    序盤から引き込まれて一気に読んでしまった。

    ディックファンと言いながらまだ数冊しか読めていない新参者の私。
    1番好きな作品は変わらずユービックなんだけど、もしSFに慣れていない友人にディック作品をどれか一つ勧めるとしたら、絶対これを選ぶ。
    サイエンス感満載な用語は全然出てこないし、日常的な雰囲気の中にディックが紛れ込んでくる感じ、ぜひぜひSF処女たちにおすすめしたい。

    それにしてもそう、まさに私が好きな類のお話だよ、こういうお話をもっともっと読みたいんだー!


    あと映画好きなら誰もが知るあの映画の発想って、もしかしてこの本から着想を得たのか…?
    なん

    0
    2025年11月25日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    SF小説というと、独特の世界観を理解するのに
    苦労するんだけど、
    これはブレードランナーを映像で見て
    あらすじが頭に入ってるからなのか
    すっと本の中身に入っていけた。

    想像したよりも読みやすくて、面白い。

    GPT 4は寄り添った会話をしてくれたが
    GPT 5は冷たい、なんていう会話がなされる
    生成AIが登場した現代の目線で読むと
    共感・感情移入が人間特有のものという主張について
    考えさせられる。

    0
    2025年11月18日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    もし唐突に自分がアンドロイドだと告げられた時、またはアンドロイドだと気づいてしまった時自分はどういう反応をするだろうか。或いはこの命題は自分が人間だから行えるもので、アンドロイドはこんな思索も行わない機械に過ぎないのか。
    人間らしい人間。人間らしいアンドロイド。アンドロイドらしい人間。アンドロイドらしいアンドロイド。
    リックデッカードははじめ、人間とアンドロイドは相容れない物として、簡単に引金を引ける存在だと断言していた。しかし、物語が進むにつれて、考えに確信がもたなくなっていった。死ぬ前に、ムンクの画集を買いたいと言った者、彼が一夜を共にした者、色んなアンドロイドがいた。人間でも、人間らしい

    0
    2025年11月15日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    面白い。
    古いSFですが作者の主題は「人間」そのものです。

    人類としての生存と命の存続を描くSFではなく、
    アンドロイドを、「精神的に孤立する人」として描き、
    同じ種族なのに「共感」がわからないという特徴があります。
    排除される理由はそれだけ。

    灰が降る惑星となった地球で人類は生き永らえようとするも、少しずつ種全体が衰えてきます。選択したのは「火星への移住」。多くの人間がそうであるように移住には不安がつきまとう。政府が用意したのは『アンドロイドを一体プレゼント』という破格の条件。大勢の人類が移住を決めた。

    物語は、移住が叶わず残された人類が住む地球。「マーサー教」を信仰し生活を続ける。マ

    0
    2025年10月31日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    とても面白かったです。

    登場人物が人間なのか、アンドロイドなのか、度々ぐらつきます。生き物なのか、そうでないのか。

    読んでいて、アンドロイドにも、優しさを期待したくなっていました。けど、その期待は裏切られる一方で、人間にも裏切られることはあるなぁと思って、読んでいて色々とぐらつきます。

    本作品は、SF特有の世界を表現するための説明描写は少なく感じました。この作品の面白さは、トリックどうのこうのという話ではなく、人間とアンドロイドの違いは何なのか?物語を通じて常に問われる緊張感というか、不安にあると思います。

    人にもアンドロイドにも優しくしちゃうし、ブレブレで、その狭間で苦しんでしまうの

    0
    2025年10月31日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    かなり面白い。不法なアンドロイドを処理する仕事をしている主人公が、処理すべきアンドロイドに惹かれたり、逆に、嫌悪感を抱いた人間をアンドロイドだと疑ってかかったりする様子には、何か考えさせられるものがある。
    仮に完璧なアンドロイドが存在したら、人間との違いはなんだろうか?それを見分けることはできるのか?この本を読んで色々思案してみるのも楽しいと思う。

    0
    2025年10月10日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    何度も挫折してしまったがついに読み終えたので達成感を感じている。アンドロイドは人とは違ったものだと思っていたが、ほとんど人と変わらない感情移入の差異だけのアンドロイドは果たして人間と何が違うのだろうか。非常に考えさせられる物語だった。

    0
    2025年10月07日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    50年くらい前のSF作品にもかかわらず、細部の設定から物語の枠組みまでが古びておらず現代においても問題なく楽しめることが驚愕です。アクションに重点があるかと思いきや、主人公を通して描かれる人間性に対する深い考察や心理描写、生命への愛が読みどころでした。

    0
    2025年09月24日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初めてSFを読んだ。誰でも親切心(人間性)と残酷さ(アンドロイド性)を持っている。親切心こそが人間を人間たらしめる。人間性を養うためには、感情移入する力が必要だ。そのために、今後も読書などを通して自分の感性を磨いていこうと思う。

    0
    2025年09月13日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    AIが身近になった今、年を経ることで得られるものが増える名作中の名作。最序盤を越せば驚くほどすらすらと読める。
    AIと人との違いは何か?我々人間が手放してはいけないものは何か?
    「AIの方が頭がいい」と考える全ての人に贈りたい。

    0
    2025年09月10日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    枢軸国と連合国の勝利逆転if小説ですが、架空戦記ではなく人間関係や各各々の国の人間性を詳しく描かれ、敗戦国から全てを取る戦勝国などが詳しく描かれていてとても面白かった。恐らく史実のアメリカが史実の日本にソ連がドイツに置き換わっているのでしょう。

    0
    2025年08月29日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    ここまで真摯に「人間性とは何か」を追求した作品は他にあるのかと思うほど引き込まれた。
    アンドロイドはただの機械ではなく、むしろ“心を閉ざした人間”の比喩として描かれているようにも感じる。
    人間らしさとは、他者への共感や思いやりを持つことなのだと改めて突きつけられた。
    AIが広まりつつある今だからこそ、この作品はよりリアルに響いてくる。

    0
    2025年08月21日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白かった
    何が人間たらしめるか、生命を考えること
    重苦しい描写がすごく伝わってきてそこにいるみたいだった
    何回でも読み直すと思う、教科書みたいに

    0
    2025年08月18日
  • ユービック

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    時間の巻き戻りなどの描画が主人公目線で描かれており、ドラえもんのような分かりやすい時間移動でもなかったので、現状を理解しつつ読み進めるので手一杯だった。ギリギリあらすじを理解できたが、読んでいて理解が追いつかなかった箇所がいくつかあるので、考えつつ再読しようと思う。個人的には面白かったが、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を読んでいなければ、本から離脱していたかもなとも思った。

    0
    2025年07月13日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間とアンドロイドの境界はなにか?を非常に考えさせられる面白い作品だった。
    これに対して本作では、他の生き物に対する共感性と定義している。
    しかし主人公リックは動物を買うために、賞金のかかった人間そっくりのアンドロイドを冷酷に感じながらも殺していく。
    この矛盾に対して自分がアンドロイドじゃないのかと自身に疑いをかける場面が印象的だった。
    人間とアンドロイド、双方が人間性、アンドロイド性が混在しており、何が人間を人間と決定づけるのかを考えさせられた。
    タイトルもこの作品にピッタリだと思った。

    0
    2025年06月26日
  • トータル・リコール

    Posted by ブクログ

    p9 - トータル・リコール
    彼はめざめた——そして火星を恋い、その峡谷を想った。一歩一歩、足を踏みしめてその谷間を歩くのは、どんな気分のものだろう。意識がはっきりしてくるにつれ、しだいしだいに大きくその夢はふくれあがっていった。その夢、その憧憬。自分をとりかこんでいるその世界の存在さえ、実感できるような心地がした。

    SFとしての面白さはもちろん一品級だが、書き出しの情景描写からとてもわくわくするし、何よりフィリップ・ディックの想像力がとてつもない。本当に近未来に起こり得そうなリアリティが各作品の醍醐味。

    0
    2025年05月13日
  • ユービック

    Posted by ブクログ

    文庫本の奥付は1992年の11刷だから、ディックを読み漁っていたのはもう30年以上前。そして、この作品が書かれたのは55年前。見えている世界が、現実なのか虚構なのか、自分は何かに操られてるだけなんじゃないか、なんて見方は、現実の世間では役には立たないけど、確実に自分の人生に影響を及ぼしているなあと思う。

    そういえば、飲み会なんかで、同じ趣味や映画や音楽は話題になるけど、「いやあ、あなたもディック好きなんですか!」とか「バラード、いいですよね」なんて会話にはまずならない。SFってマイナーなんかな…

    0
    2025年02月23日
  • トータル・リコール

    Posted by ブクログ

    どの話も面白い マリノリティ・リポート(映画版も見た。映画も負けず劣らず面白い)、訪問者、ミスター・スペースシップ、吊るされたよそ者あたりがよかった ミスター・スペースシップはこの中だとファン人気が低いらしいけど、ロマンティックで美しい余韻がある

    0
    2025年01月05日
  • 変種第二号

    Posted by ブクログ

    ディックは短編は見つけたらみんな読んでるはず。でも新装してから読み直す根性はないなぁ。どれか一冊買ったはず。これかな?

    長編はユービックとか電気羊とか。高い城の男は読んだっけかな。

    しかし、読む側から忘れてしまう脳なのでさっぱり覚えてないのであった

    0
    2024年12月11日
  • トータル・リコール

    Posted by ブクログ

    フィリップ・ディックはいくつか長編を読んだことありますが短編は初めてです。長編は面白いんだけどよくわからないことも多いのですが、短編では言いたいことが直接的に書かれて分かりやすいです。
    なにかの本のあとがきでフィリップ・ディックが小説を書く理由として「この世界では生きられない自分の愛する人たちが生きられる世界を作る。本来なら自分を現実に合わせるが自分はそれができない。それがSFを書くっていうこと」といっていたのと、自身の生活やら小説テーマが社会に抵抗するところもあるので、反抗的な印象があったのですが、この短編を読むと平和や人間の自由をのぞみ、やりすぎた管理を批判する当たり前の感覚でした。。

    0
    2024年11月13日