【感想・ネタバレ】ユービックのレビュー

あらすじ

一九九二年、予知能力者狩りを行なうべく月に結集したジョー・チップら反予知能力者たちが、予知能力者側のテロにあった瞬間から、時間退行がはじまった。あらゆるものが一九四〇年代へと逆もどりする時間退行。だが、奇妙な現象を矯正するものがあった――それが、ユービックだ!ディックが描く白昼夢の世界

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ネタバレ

時間の巻き戻りなどの描画が主人公目線で描かれており、ドラえもんのような分かりやすい時間移動でもなかったので、現状を理解しつつ読み進めるので手一杯だった。ギリギリあらすじを理解できたが、読んでいて理解が追いつかなかった箇所がいくつかあるので、考えつつ再読しようと思う。個人的には面白かったが、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を読んでいなければ、本から離脱していたかもなとも思った。

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2025年07月13日

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文庫本の奥付は1992年の11刷だから、ディックを読み漁っていたのはもう30年以上前。そして、この作品が書かれたのは55年前。見えている世界が、現実なのか虚構なのか、自分は何かに操られてるだけなんじゃないか、なんて見方は、現実の世間では役には立たないけど、確実に自分の人生に影響を及ぼしているなあと思う。

そういえば、飲み会なんかで、同じ趣味や映画や音楽は話題になるけど、「いやあ、あなたもディック好きなんですか!」とか「バラード、いいですよね」なんて会話にはまずならない。SFってマイナーなんかな…

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2025年02月23日

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フィリップ・K・ディックで一番人気とも言われる本作。まだ全作品を読んでませんが、自分も読んだディック作品の中ではNo.1だと思いました。

あらすじ
1992年、企業が超能力者を雇う一方、その勢力に対抗する不活性者(超能力を無効化する者)を派遣する会社が存在する時代。主人公は、反エスパー派遣会社「ランシター合作会社」の主任測定技師のジョー(ジョーゼフ)・チップ。彼は、社長のグレン・ランシターから、ある企業の月面支社が大規模なエスパー潜入の疑いがあるとの依頼を聞き、社長と選りすぐりの不活性者11人と共に月面に向かいます…とこれ以上書くとネタバレになってしまいますね。

『偶然世界』にも出てきた、人の心を読む”覗き屋(ティープ)”などの超能力者たち。それらに対するアンチテレパスなどの不活性者や、時を逆行して過去を変えれる能力を持った謎の女性。死後まもない冷凍した人体と会話ができる”半生者”。ドアを開けて外出するだけで金がいる世界観などなど…道具立てもさることながら、ストーリーも起伏のあるミステリ仕立てで、とてもワクワクドキドキして面白かったです。

ちなみに、ディックの存命中は、あまり売れていなくて、お金に苦労していたせいか、主人公の名前はチップ。電気羊が『ブレードランナー』として映画が完成したのは、著者の死後ですからね。お金のかかるドアと、時間遡行したときのドアの話しのありように苦笑い。ほんとにお金に困っていたんだなと同情もしました。

ところで、ディックは、人によって合う合わないが激しい作家だと思いますが、シュレーディンガーの猫や量子論、あるいはスピリチュアル系なんかに興味がある人には会うと思います。例えば、映画の『マトリックス』を見て、あーそういう世界、アリかもしれないよね〜と思える人とかね。そういう人には、特におすすめです。

正誤 24刷
P233の16-17行目
“オーディオラ”ラジオに視線を移した。

“オーディオ”ラジオに視線を移した。

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2024年08月15日

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凄まじい…
文字の羅列だけ見れば、スラスラと入ってくる類いの文章ではないのに
あっという間にディックの世界に惹き込まれて、引き返せなくなる。
一気に読み終えてしまった…

生涯のベスト5に入るんじゃないかくらい衝撃的。
ありがとう!!!(誰)

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2024年04月25日

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ディック2周目の3作目(1作目電気羊、2作目はヴァリス)
初めて読んだ時はディック作品の中でも最初の方に読んだので改めて読むとディックの好きな部分がかなりバランス良く詰め込まれててこれは人気投票1位になるだけある…となった

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2023年07月23日

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ディック2冊目。
アンドロイドより面白い。
amzonのレビューにジョジョっぽいと矢鱈と書いてあるが、確かにジョジョっぽかった。

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2024年02月17日

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こういうSFが読みたかったんだよ!となる作品だった。ディック感覚がたまらない。何が起こっているのかわからないドキドキハラハラ感と、かっこいい描写、人物たちの緻密な心理の変化など、様々な要素が絡み合い、ストーリーもメッセージ性も抜群の作品となっていた。

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2023年03月04日

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ネタバレ

※ネタバレあり! ここ以外でも決して裏表紙のあらすじは読まないように!

と、最初に断っておかないといけないぐらい、この裏表紙のあらすじはひどすぎる。要約にもなっておらず、作品を正確に捉えていないばかりか、核心部分(しかも残り100頁を切った部分)にまで踏み込んでネタバレをしている。まさか表紙が変わっても直っていないとは思わなかったが、このネタバレを避けて読むのはもはや様式美だろう。自分の場合は無理だった。と、いうのも自分がこの小説のあらすじを知ったのは巻末の作者の別作品紹介で、そこに堂々とユービックのあらすじ、もといネタバレが書いてあったのだ。田舎だと回避不可でしたねw

それはともかくとして、まず驚くのはSFガジェットの豊富さである。消費社会をあざ笑うかのようなコイン投入しないと動かない家電製品全般に、半生者という、死者とコンタクトできる施設など、世界観が魅力的である。テレパスに対抗するための不活性者(イナーシャル)という超能力を中和する存在なども面白い。特にプレコグによるビジネスの未来予知や、相手の申し出の裏をかくためにテレパスに心を読ませるというのは実にSF的な、近未来の情報戦っぽくて笑ってしまった。かと思えば、因果律にまで及び、過去に起こった出来事を書き換えて現実をパラレルワールドの方へスライドしてしまう脅威の能力者の女パットなど、そのイマジナリーの飛躍はとどまる所を知らない。

そんな能力者が月に集結し、爆弾による騙し討ちに遭うわけだが、ここから能力者同士にバトルロイヤルになるかと思えばそうはならず、爆発の影響で訪れた時間退行現象という謎の超現象から逃げ惑うサイコ・サスペンスへとジャンルはガラリと変転する。肉体が対抗してミイラになる様や、珈琲のクリープが腐ったり煙草が風化してボロボロになる描写は中々にゾッとしてしまう。合間に挟まる死んだはずのランシターからのメッセージも相まって、事態は悪夢的な様相へと変貌を遂げる。

そんな現象の果てにたどり着いた真相は意外の一語であり、ここに来てようやく作品のテーマが現実の虚構性とそれらの喪失であるということに読者は気付く。実は死んでいるのはジョー・チップのほうだという真実がその現実の不確かさを暴き、そこから章ごとに注釈として付いていた謎の物質ユービックが時間退行現象の対抗策としてその正体が明らかになる。そして黒幕かと思われたパットではなく、純粋悪だったのは、冒頭でランシターと妻の会話を邪魔していた半生者の子供ジョリーであり、怪物的な少年が姿を表わすことにより、物語は一気にクライマックスへと突入する。随分遠いところを彷徨った本作の物語ではあるが、凄い角度のロングパスで冒頭の話とクライマックスが繋がるさまは見ていて惚れ惚れとする。綿密な計算されたプロットいう印象はあまり受けず、とっ散らかりそうになった話のパーツが、後から意味を帯びて浮かび上がったような、そんな不思議な読後感だった。小説の定石からは逸脱しているが、この作品丸ごとで現実感をあやふやにしているのは純文学的な要素も感じて実に素晴らしい。ユービックとはまさに万能で、神の意匠ではあるのだが、それに反して挟まれた説明はひどく大衆的な万能アイテムに過ぎず、ここにディックの対比表現の上手さや皮肉のセンスが光っている。オチもまたループめいたゾッとするものであり、まさに悪魔的な読後感であった。ネタバレ表記こそ至極残念な本作だが、それを踏まえても名作であることに疑いの余地はない。

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2019年05月29日

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SFの長編小説をがっつり読んだのはたぶん初めてだったけれど、おもしろくてするする読めた。今までちょっと避けがちだったのがもったいないと思ったくらい。

ディックはブレードランナーの原作者として有名だけど(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)、このユービックの方がディック初心者向きらしい。
SFってパキっと明るいものだとちょっと思ってたけど(思い込みだらけ。。。)、ディック特有なのかは分からないけれど退廃的な印象も強かった。特に中盤あたりのゆるーい絶望感。それがSFと絡み合うと絶妙なんだということを初めて知った。

物語としては、SFだしきちんと読み進めないと途中で分からなくなる系統だと思うけど、それでも一気に読めてしまうのは、ミステリ系を読んでるときの感覚に似てる。

止まらない時間退行、仲間の死…それを食い止められるのは“ユービック”だけ。しかし“ユービック”の正体とは一体?
SFって文章で読んだ世界が映画みたいに映像として浮かんでくるものなんだ…と目から鱗でした。

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2020年11月24日

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現実か幻想か?生きてるのか死んでるのか??どっちでもなくて、どっちでもある状態を行ったり来たりする感覚がめちゃくちゃ面白かった!

結局、ユービックってなんやねん!とか色々と余韻が残る作品。

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2025年04月18日

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ネタバレ

ランシターvsホリスの対立で展開していくのかと思いきや、全く違う視点の戦いだった。ストーリーの展開が真面目にワクワクさせてくれると同時に読者をおちょくった書き口やチップのヘタレ具合がギャップとしてよかった。
この世界観や設定での別のエピソードを読みたいぐらい他のことが気になる、半生者の世界がメインの話だったが現実側ももっと知りたい。マトリックスやインセプションを連想させる感じ。

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2024年08月26日

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この青く煌めく表紙のユービックを手に取ったそこのあなた!素晴らしいSF体験が待っていること間違いなし!用量、用法はお守りください

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2024年07月20日

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現実が何か分からなくなる作品で、
ディックらしさが出ている。

ユービックというスプレーが出てくるのだが、
ユービックの効果がなんなのか分からない、
敵も味方もわからない。
でも面白い。

途中で出てくるCMの宣伝が、
ユービックの謎を増やし、
読んでいる者を混乱させる。

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2021年06月07日

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初版1969年の時代に1992年の未来を描いた作品。超能力者から一般人を護るための不活性者を擁する良識機関が存在し、そして冷凍処理された死者との対話が可能になった未来。超能力者を追って月に行ったランシターやジョー・チップ一行だが、相手の策略にはまってしまう。そこからの描写は、時間が逆行する中でジョーが中心となっての謎解きの様相を示す。題名となった「ユービック」が重要な小道具となっている。この世界観は映画『マトリックス』のような感じだ。

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2020年06月27日

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ディック特有の現実と虚構、生と死のような相反するものの境界を崩し、曖昧にされた世界観が展開される。ストーリーは時間退行現象が始まる中で、少しずつ手がかりを見つけていくミステリーのように読みやすい。前半と後半で全く印象が変わるが、それにしてもコイン投入式のドアはめちゃくちゃ不便そうだし、何より主人公のジョーがお金なさすぎてそのへんの描写は面白く読めた。一番最後の章があることによって一気に本書を読んでいる読者自身も物語世界に引きずり込まれるのが終わり方としてベストだと思った。

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2020年04月10日

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「ブレードランナー」「トータルリコール」
は見たことある。

フィリップ・K・ディック総選挙の一位になったとか帯に書かれている時期に買いました。初PKD

超能力者とそれに対抗する能力者派遣会社が
しのぎを削っていて
死者は「半生者」として、連絡を取ることができる装置が存在する未来

ある依頼で月でのミッションに行くも
爆弾の罠にはまり主人公たちも壊滅に追い込まれてしまう…そしてその出来事をきっかけに時間が逆行していく…抵抗する唯一の手段は「ユービック」しかない!!といった具合の話

謎の「ユービック」のテレビコマーシャルのようなセリフが各章の頭で紹介されて不気味です。
現実なのか幻か妄想か?誰が敵か?味方か?何故起きたのか?何のためにか?全く分からないまま進む。
ぐらぐらと揺さぶられる主人公を見ているうちに、本の外側の自分の現実もぐらぐらと揺さぶられる。

フィリップKディック作品のカバーがリニューアルされて、やたらと同じフォーマットに統一されているのが前から気になってましたが、これを読んだことでなんだかだんだん
「薬のパッケージ」の様に見えてきた。
何かに効く薬なのか?
それとも非合法なクスリか?
使用上の注意を、守っていただければ
安全です(?)

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

あらすじがネタバレと聞いたので一切見ずに読んだが、おおう、なんだこれ、すごい世界だ。と思わず嘆息してしまう。

超能力者、半超能力者という語感から、X-MENのような展開を予想していたら話は凄まじい勢いで違う方向に転がっていく。グイグイ読ませる怪作だった

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2019年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ユービック」とは「ubiquity(いたるところに存在すること、神の遍在)」を基にした造語(同じ語源の言葉としては、IT用語の「ユビキタス」などがあるよう)。作中では、各章の冒頭に「ユービック」の広告が掲載されており、それが車であり、ビールであり、コーヒーであり、鎮痛剤であり、銀行であり、女性用下着でさえあるという不気味なほど万能の商品として、まずは読者へ紹介されている。

物語は、超能力者を狩る反超能力者(「不活性者」)集団が、陰謀に巻き込まれ、現実か幻想か判断のつき難い世界を彷徨うというもの。細部が書き込まれているのに、全体としては白昼夢のように捉えどころのない、ディック独特の世界が描かれている。何が現実で何が虚構なのか、誰が生者で誰が死者なのか、最後まで緊張感のある展開で読み応えがある。

ディックの短編『宇宙の死者』などに見られる 「半生者」という概念(冷凍保存された死者であり、霊波増幅により意識のみ蘇生が可能な存在。繰り返し蘇生する毎に寿命は尽き、完全な死を迎える)も、物語において重要な位置を占めている。万能の商品として紹介され、終盤ではあまねくところにありながら手に入り難い特効薬として現れる「ユービック」。神の遍在を名に冠したそれ自体に神性はなかったけれど、半生者の世界で善と悪とが対決するという構図には、宗教的なモチーフも感じる。

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2018年08月08日

Posted by ブクログ

この話、すごく回りくどい。悪い意味ではないです。
ユービックという、アイテムとしては微妙な位置づけのものが、一番初めの章からずっと、怪しげな、けど、世に溢れている広告の形で、姿を変えながら登場している。話と絡んでくるのはずっと後で、それは多くの先人たちが力を尽くして作り出した、主人公が生き延びるための力として出てくる。まさに「遍在する神」。
そして、2つの力、っていうのも面白い。人々を食べて創造世界を保とうとするジョリーは、世界を1つのものに統合していく力で、人々を生かそうとし、そして自らも次の生へと向かうエラは、世界を多様化させようとする力。(なのかな?)でも、ユービックはそのどちらの力にも平等に薬であり、毒でもあります。
時間、物、さらに生と死の確実性さえうやむやな世界を舞台に、常に在り続けるもの(私はそれを広義的な意味での希望と解釈するけど)とそれを存在させる言葉の力を信じる試み。主人公たちの物語のようだけど、作家自身の挑戦にも思えました。
しかし、裏表紙の要約はなんなんだ笑。

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2017年01月24日

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 あとがきで触れられていた通り、中盤から後半にかけてはA・E・ヴァン・ヴォークトの影響を強く感じた。フィリップ・K・ディックの諸作をすべて読んだわけではないが、彼の本には、世界と自分を繋ぐ感覚の脆さへの表現があり、個人が持つ感覚が他者と本質的には共有できないという孤独がある。と同時に、人間が感じる世界は常に仮構的であり何でも起こりうるし多くの干渉を内外からうけるものだという前提を思わせ、常々揺らぎがある。本作の読後感に清清しさがあったのも恐らくはそこに起因するのだろうと思う。

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2016年10月15日

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「ブレードランナー」の原作である小説を書いた著者の本はちゃんと読んでおきたいなと思い、この本から。世界がありました。また、違うんだろうが、インセプションの発想にもヒントを与えたのかな、とか死者を保存しておくみたいな、かぷせるに入った諸SFのイメージはここからきたのかなと思ったり、読んでよかったと思う一冊でした。

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2015年10月13日

Posted by ブクログ

生と死の中間である半生命という概念や、超能力集団とそれを無効化できる集団との戦いで、序盤から展開に期待するのも束の間、登場人物たちに何が起こっているのかを考えさせる展開は少し退屈感が。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

読みやすく、エンタメ性が高く、面白かった。
謎が謎を呼ぶミステリーチックな構成と、SF的な設定の半生者やテレパス、時間遡行、ユービックの要素が根底にあり、死ぬことについてのディックの思想が感じられた。
最後までハラハラさせられて良かった。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

久しぶりのSFでした。難解な長編で、3分の2くらいまでは、さっぱり分からない展開でした。ジョーチップが、爆発で半生者になり、UBIKというなんというか退行現象を止めるもの(スプレー)をなんとか手にいれる。敵と味方とに分かれて戦うが、チップにも判断できず、最後の方でようやく分かるのです。理解するのに精一杯でした。今でもよくわからないとこ多いです。
また、超能力の描き方は、漫画のJOJOにも似ている部分もあるのではとおもいましたが、どうでしょう。場面の移り変わりは映画マトリックスにも似ているかもと思いました。
読み直したいが、再度読んで理解できるのかななんて思った次第です。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

割とマニアックでよくよく読んでも構造が今一つ理解できない、ホンマ物のSF。
同じ作者の「アンドロイドは電気羊の夢をみるか(ブレードランナーの原作)」のほうが有名なのはよくわかる。「アンドロイド」のほうが人間がよく書けているし、構成が理解しやすい。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

バーナード嬢曰く、に書いてある通り、裏表紙のあらすじはネタバレなので、読んではいけない。

辻褄やストーリーの整合性はわからない部分はあったが、この世界観を文章で描けるのは凄い。作者のイメージを見てみたい。

予知能力者を無力化する不活性者という存在は自分にとって新しいものだったので、それだけで面白く読めた。

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

 一息に読み切ってしまうくらいには面白かった。これまで読んできたディックの作品とは違って、結構オチもしっかりついていたし。ホバーカーを筆頭として、ディックらしいガジェットも多く登場する。そういういかにもなアイテムや制度に彩られて、個人的にはやや古臭さを感じるが、昨今のSFでは中々お目にかかれない、「これぞ空想科学小説」と言えるような世界が作り上げられている。着想元が新聞やカセットであるために、現在から想像できる未来と照らせば、ちょっと想像力の限界を感じざるを得ないけど。
 作品の根幹となる2つの要素が、物語を追う内に段々と融合していって、最終的にはきっちりと収まったような印象を受ける。大ハマリはしなかったけど、楽しく読めた。
 登場するキャラクターが多く、容姿なんかではかなり個性づけされているのが理解できるが、登場以後あんまりそういう個性が強調されることがない。だから、メインキャラ以外は覚えにくい――と、書こうと思ったのだけど。自分でも意外なことに、誰が誰なんだっけ、となることは(冒頭は少しあったけど)あまりなく、名前もしっかりとではないにせよ、読んでいて困らない程度には頭に入っていた気がする。ただ、もう少しそれぞれ活躍させてくれれば良かったのにな、と思う。キャラクター小説ではないから、仕方ないのかも知れないけど。書きながら思ったけど、キャラクターの個性があまり強調されない点が、個人的にディックにそこまでハマり込めない要因なのかも。あとは、ディック自身の常識から飛躍して世界が構築されているだろうがゆえの、特に服装に関しての想像のしにくさとか。

 ネタバレ込みの感想については、コメントにて補足予定。

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2020年10月01日

Posted by ブクログ

アフターコロナ。新しい生活様式やら新しい働き方やら。当然のようにindustry 4.0にsociety5.0が声高に叫ばれる。ウイルス拡大において、中国自身の体制の問題も少なからずあるのだけど、何の根拠もない中国陰謀論が跋扈する中で、むしろ資本主義というか、新しい様式によって資本を集中したい一部の企業による陰謀では、とも思ってしまう。
技術の進歩が前面に出てくる時、ディックを読みたくなる。何かが無批判に進行している時、必ず揺り戻しがある。破滅的な結果(例えば3.11による原発の可視化)になることもあれば、問題を巧妙に隠しつつ内実は見るに堪えない状況(今や素人が安易に、何の罪悪感もなく他人のプライバシーをネットに晒せる時代だ)が続いていくこともある。
技術が進むことに対する怖さとか、そこで踏みとどまるきっかけ。ゆっくり歩いていきたい者としては、ディックを読んでほっとしたいのだ。
ディックの描くSFはそれでいて壮大だ。ユービックでもエスパーやらプリコグやら、ワクワクさせる要素を散りばめつつ、何をするにもコインを要求される生活、半生命、各陣営の思惑といった要素も描く。「使用上の注意を守って使えば安全です。」この言葉に尽きる。

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2020年06月21日

Posted by ブクログ

ユービックってなんなんだ。

フィリップ・K・ディックの小説は難解だが面白い。訳者あとがきまで読むとやっと少し理解が進む。

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2018年02月14日

Posted by ブクログ

映画として表現しやすいんだなーって感じる。
読み終えた時も、どこか余韻が残る感じ。甘酸っぱいということ。
その感触を僕なりのユービックといいたい。

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2018年01月15日

購入済み

文字校正してますか?

ディック作品でまだ読んでいなかったので購入しました。内容は素晴らしかったです!
しかし、文字取り込みをOCRでやってそのまま文字校正なしで電子書籍化したとしか思えない誤字の多さ。読んでいてイライラしました。内容は星5つなだけに本当に残念です。

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2013年05月08日

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