フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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     今回この短編集を購入したのは表題作である「アジャストメント」を読むためではなく(同作ももちろん面白いのですが)、巻末に収録されたディックの講演原稿「人間とアンドロイドと機械」を読むためです。
    「人間とアンドロイドと機械」は、遺作となったヴァリス三部作の執筆中にディックがイギリスで行う予定だった講演の原稿に加筆したもの。体調不良のためディックが渡英を中止したためこの原稿が残された唯一のものとなりました。
     ディックが終生作品のテーマとして持ち続けた「アンドロイド」という概念が一体何を意味しているのか。またディックの作品に共通してみられる記憶の改変、真実の隠蔽といったモチーフについてもディック自

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    2011年07月25日
  • スキャナー・ダークリー

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    かりそめの、だが確かに存在したわずかばかりの幸福と、ひとりの人間が背負うには重すぎる不幸、その両方を懐かしんで、いとおしんで、書き残して、ぼろぼろになって、貧乏なまんま死んでしまったディックへ。おっさんが伝えたくって仕方なかった思いはたくさんの人に届いてる。クスリなんて肉眼で拝んだこともない私たちが読んでる。でも多分、あんたがこの本を読ませたかった人間はSFなんか読まない。あたしは何より、そのことが悲しい。

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    2011年06月29日
  • ユービック

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    SFの長編小説をがっつり読んだのはたぶん初めてだったけれど、おもしろくてするする読めた。今までちょっと避けがちだったのがもったいないと思ったくらい。

    ディックはブレードランナーの原作者として有名だけど(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)、このユービックの方がディック初心者向きらしい。
    SFってパキっと明るいものだとちょっと思ってたけど(思い込みだらけ。。。)、ディック特有なのかは分からないけれど退廃的な印象も強かった。特に中盤あたりのゆるーい絶望感。それがSFと絡み合うと絶妙なんだということを初めて知った。

    物語としては、SFだしきちんと読み進めないと途中で分からなくなる系統だと思う

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    2020年11月24日
  • スキャナー・ダークリー

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    薬物依存症を実際に体験したF・K・ディックの著書。
    本書は彼が薬を使わずにして書き上げた初めての作品です。
    自分の体験から物質Dという架空の薬物に呑まれた
    囮捜査官のロバートとその周りを取り巻く人々の物語を描きました。
    SFに分類されるのでしょうが、現代的でもあります。
    薬物を責める内容ではありませんが、薬物を使用した者たちの
    生涯を見て恐怖と哀愁を感じずにはいられません。
    どんな薬物防止ポスターよりも効きます。
    映画にもなっていますので、
    厚い本が苦手な方はそちらから入るのもオススメです。

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    2010年04月29日
  • スキャナー・ダークリー

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    創元SF文庫から山形浩生さんの訳、「暗闇のスキャナー」の邦題で出ていた"The Scanner Darkly"を、浅倉久志さんが新訳したのがこのスキャナー・ダークリー。

    内容に関しては、ディック後期の傑作ということもあり、色々なところに書かれているので、僕は翻訳の違いに関して感じた事を。

    ハヤカワやサンリオの浅倉久志訳でディックの作品に親しんでいた僕は、山形訳の暗闇のスキャナーの翻訳は言葉が少しシャープ過ぎる感じもしていたけれど、今回浅倉訳が出て、改めて読み比べてみると、登場人物のボブ・アークターが壊れてしまった後なんかは、山形さんの訳の方がしっくり来て、アークターが人

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    2009年10月04日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    重厚で面白いSFのストーリー。
    裏には「人間とアンドロイド、動物と電気動物の境界とは何か」というテーマがある。人間とは何か、生物とは何かを考えさせられる作品。作品の中では共感性と親切さ(命に対する価値)(アンドロイドは自らの存在証明のために命を否定しなければならない)が違いとして描かれていたように思える。

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    2026年09月04日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    史実と異なり、連合国と敗北して、枢軸国が支配した世界線のアメリカを舞台とした作品。作中で、かつて自分たちよりも下だとみなした黄色人種、すなわち日本人にこき使われることでアメリカ人は何を思うのか。また同じく枢軸国であるナチスドイツが残存して指導者を巡って争う描写は、もし枢軸国側の価値観が浸透して、その世界で人々はどのような暮らしをすることになるか、というシミュレーションを考えさせられる。

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    2026年09月02日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    動物を飼うことはステータスになっていて、リックは電気羊しか持っていない、です。(見栄のために)

    ネクサス6型は人間とほとんど見分けがつかないアンドロイドで、ローゼン社が製造した火星で働く労働者で、自由のない労働があった。ルーバは、その一員で、4年の寿命が組み込まれてる。共感性があるか、ということですね。(了)

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    2026年08月30日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    人間とアンドロイドの対立が「感情移入」の有無にある、というテーマが通底していて、思ったより読みやすかった。説明されないことも多いが、SFってそういうもんだよねと思って読めば問題なし。

    アンドロイドは感情移入がなく、そのせいで人間との対立を起こしているように書かれているが、作中の人間も共感性に欠けているのが何とも言えない。身近な人間とは心を通わせられないのに、機械を通して無数の他人とは繋がれることに皮肉を感じる。そもそも「共感」という言葉の意味すら違うのかもしれないと思うくらいに思いやりがない。それがアンドロイドを殺すことへの迷いにつながっていると言えばそうなのだけど。

    読後感は何とも言えな

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    2026年08月30日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    何をおいてもまずタイトルの秀逸さが世界一かも。

    世界観もSFはこうでなくっちゃと思わせてくれるくらい作り込まれていて、引き込まれる。

    一方でストーリーテリングは上手くない(古典に対する評価としては妥当ではないと思うけど)。しかし、この点も読者によくよく考えながら読んでもらうためだとすれば、悪くない。2周はした方がいい作品かも。

    人間とは何か?
    そう思い込むこと。

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    2026年08月29日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    映画版「ブレードランナー」の世界観や映像美に先に触れていたため、これはこれで面白かったのだが、「ちょっと違う話」に思えてしまった(あくまでこっちが「原作」なのだが…)。ただ、デッカードの内面描写(アンドロイドを処理することについての葛藤や職務を遂行することによって生じた疲労など)について、映画版では全くといっていいほど見えなかった面をこの本では読むことができた。あとは、原文も(読んでないけれど)、翻訳も上手いのだろう、文体にハードボイルド味がありテンポが良かった。

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    2026年08月23日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    現在、未来、夢?空想?集団妄想?集合的無意識?
    主人公のひとりレオ・ビュレロがチューZ(薬物…?)を摂取してからが本番で、それ以降堕ちて目覚めたかと思ったらまた堕ちて、堕ちていたと思ったら堕ちていなくて、でも堕ちていて…と言った具合に非現実と現実が入り交じって入ってくる情報が目まぐるしく変化し、自分の見ているものはどこまでが本当で、どこからが非現実なのかがわからない…。読者である私が本当にトリップしてしまっているかのような読書体験でした。


    この本を読んだあとフィリップ・K・ディックの短編集『アジャストメント』の『人間とアンドロイドと機械』を読むと面白いかもしれない。
    人間はどこまで前後不覚

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    2026年08月22日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    火星から来たアンドロイドを廃棄処理するリックのお話だった。共感ボックスやマーシー教などいまいち掴み切れない概念もあって、正直読んでいて難しかった。
    ただアンドロイドに性欲を覚えたリックや、アンドロイドとともにすごしたイジドア、リスを飼うフィルなどを通して、人間とアンドロイドの境目はなんだろうと考えさせられるお話だった。共感こそが人間固有の能力として区別のテストに使われていたが、昨今のAIの盛り上がりを見るとこの能力もアンドロイドにだんだん獲得されるのかもしれないと思うと少し不気味に感じた。
    タイトルの夢を見るか?に関しては、個人的には夢を見ると思った。SF小説のような、少し哲学的なような、初め

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    2026年08月19日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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    くずれてしまえ、ウーブ身重く横たわる、おお!ブローベルになりて、電気蟻、人間とアンドロイドと機械が私はとても好きでした!

    色々と思い出したり考えるきっかけになった話が多く、とても有意義な読書体験でした。
    特に最後の人間とアンドロイドと機械はフィリップ・K・ディックを読んだことがある人は一度は読んだほうが良いかもしれない。
    彼が何を考え執筆したか、彼の頭にあるものが何なのかが少し知れた気がします。
    大半が難しくてわからなかったけどね!

    ただ、起こることには何か意味があるものとして捉え、その意味を突き詰めて考えてみたり、普段気にしていないことを不思議な事象として考えてみるのは面白いなと改めて感

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    2026年08月15日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    *ネタバレあり
    SFはおそらく読んだのがある初めて。人間とアンドロイドの境界線はどこにあるのか。アンドロイドが火星から地球に逃げる際、人間を殺して7人で地球にきた。バウンティーハンターの主人公が葛藤の中アンドロイドをハントする。イジドアが一番人間らしく、綺麗な心を持っているとかんじた。
    タイトルのアンドロイドは電気羊の夢を見るのか?という問いには、夢について考えてから答えたいと思います。夢は、人間の記憶の整理と言われることが多く、アンドロイドに視点を戻すと、今回出てくるアンドロイドには脳もあり、記憶もできる。という観点から、私は夢を見ることがあると考えます。
    現実ではロボット、AI分野がものす

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    2026年08月15日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    夏休みに自転車で千葉を一周した。途中雨宿りで立ち寄ったショッピングモールの本屋で、ポップ付きで紹介されていて気になり、後日購入した本。
    暫く積読になっていたのだけれど、最近哲学の本をちらほら読んでいて、心とは?人とは?みたいなテーマで思考を巡らしていてその続きとしてこの本ピッタリでは?と積読の中から手を取った。
    そんな経緯が色々面白い本。SFはほとんど読まないけど、物語自体も面白く読めた。後半特に展開が早くて読み応えがあった。

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    2026年08月15日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    「感情移入が出来るか?」これがアンドロイドと人間の特異点とされていた。アンドロイドは受け答えも情緒豊かで人間らしく、感情も伴っているように見える。しかし他者に共感したり思いやったりすることが出来ない。逆に言えば、人間らしさは他人との関わりによって表れるということになる。愛情に溢れた世界観だなと思った。
     感情移入度を測るテストがあり、それが管轄によって違った方法を用いられていたりして面白かった。

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    2026年08月09日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    表紙がカッコいい。
    頭の中で、ハリソン・フォードを浮かべながら読み進めた。
    古臭さを感じさせない、哲学的な要素が面白かった。
    解明されないまま終わった事柄がたくさんあるところに、読み手の想像力が掻き立てられるのだろう。

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    2026年07月28日
  • 死の迷路

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    ネタバレ

    未開の惑星で14人の男女が一人また一人と死んでゆくストーリー、そしてあのオチ、そもそも『死の迷路』というタイトル…あとがきで山形浩生氏が「粗製濫造」された作品のひとつ評するのも頷ける超B級SFサスペンス。

    なぜ数ある作品の中で、この本を選んだんだっけ?

    …なのですが、独特の宗教観(というより神の存在)が、異質な雰囲気を醸し出していて、雰囲気のある小説でした。夏の怪談がわりにもいいかも。読み終わった後に、いつもの夕方の街並みを眺めてハッとしてしまうような、没入感ある一冊でした。そんなわけで、結構好きでした(*´∀`*)。

    若かりし頃の斜に構えた山形浩生氏のあとがきも良き。

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    2026年07月15日
  • ユービック

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    ネタバレ

    コイン式世界がちょっと大変そうって思った。

    それはそうと......何が本当に現実であるか証明せよって言ったらやっぱり自分だってできないんじゃないかな
    本当に見えてる本当ではないこと。
    メタ視点でみてるつもりがメタ視点で見られていて...,,

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    2026年07月09日