フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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第三次世界大戦後の荒廃した世界。多くの人類は火星に移住しており、地球はわずかな人々と荒廃した都市が残されている。火星で労働力として雇われていたアンドロイドは人類に反抗、脱走し地球に逃亡してきている。主人公はこの感情や倫理観が欠落しているアンドロイドを狩るバウンティハンターとして生計を立てており、最新鋭のネクサス6型と呼ばれるアンドロイドを4体狩るように依頼されるところから物語が始まる。
アンドロイドとは何か、そして人間とは何かをテーマにしたSF小説。地球は放射線に汚染されており、動植物の多くは絶滅しており、生きた動物は富の象徴であると同時に人間らしさや倫理の証明とされており、動物、そしてアンド -
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ネタバレ主人公のリックがバウンティ・ハンターを職としている設定から華氏451度に近い物を感じる。
ただ世界観が丸で違う...著者が哲学を体現するために用意したような世界。
一番の違和感は最後に三人のアンディーを処理する場面かな。リックやイジドアの心理を描写する場面が長いのに対して、クライマックスに当たるであろう箇所が異常に短い。
恐らくアンディーに対してリックが抱く感情はそこまで、深堀りたくなかったんじゃないかなと思う。やっぱりアンディーが論理的に動いているだけだ。というのを徹底している。それがまたゲームの『デトロイト・ビカムヒューマン』や映画の『アイロボット』と珍しい不気味さを感じる。イジドアの -
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以前から読もう読もうとして先延ばしになっていた本作。正月休みを利用して読みました。ちなみに、この本が原作となった映画「ブレードランナー」も録画はしてるけどまだ観ていないので、逆先入観なく読みました。
結論、予想以上に“よかった”です。おろしれーっ!っていうより、いや、よかったこれ、なんか得した気分、なほうの“よかった”です。
独特な雰囲気に最初は雰囲気先行ちりばめ乱発うやむや逃げ切り型かと危惧しましたが、しっかり情緒的エンディングまで持ってってくれました。他の作品も散発的に読んでみたくなりました(あ、トータルリコールも、そうなんだ)が、まずは録りためた映画(確かディレクターズカット版)から観て -
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ぼくは何者なのか。
他人を、あれこれ推し計る手っ取り早い取っ掛かりの一例として年齢があるだろう。ぼくはこの年齢について訊かれることが大嫌い。経験上、ぼくの年齢を訊きだした後のセリフは「若いですね」もう毎度毎度…。若く見えるなら、それでいいじゃない。そのままの印象で。実年齢と比較して、それ自体、尋ねたあなたの主観、先入観での反応に過ぎないのだから。ぼくの…ひとの本質は年齢では計れない。そもそも、さしてぼくのこと、興味なんてないくせに。
他人に興味を持つって、どんな心理なのだろうか。そんなとき、ぼくはきっとそのひとのこと、好意を持った瞬間だろう。だとしても、手掛かりとしての年齢は、むしろずっと後に -
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タイトルだけ知っていてずっと読んでみたかった本
何度か冒頭部分から読み進めていたけどいつも途中で飽きてしまいなかなか読めなかった
年末年始で読み切ろう!と気合を入れて何とか1/3くらいまで読むとどんどん物語の世界にハマっていってそのあとは一気読みできた
なんでかな〜と考えたときに自分のなかでヒューマノイドってどんなものなのか想像できなかったからだと思った 物語が進むにつれてヒューマノイドと人間の境が曖昧になってきたときやっと(人間として)少し理解できた気がした
何が生物を生物らしくしているのか
限りなく生物に寄せて造られた機械と何が違うのか、違わないのか...
元旦からいっぱい考えさ -
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「私は惑星になるつもりだ」
死ぬまでに一度は言ってみたいセリフ…の一つに仲間入りしました。
最近仕事のことで脳内ごちゃごちゃなのもあり全く読書に身が入らない毎日。
その状況でディックを読み始めるのもどうかと思いながら、序盤頑張って頑張って読み進め、、、
しかし3分の1くらいまでくると、キマシタ。モード入りました。
なんだなんだ??と一文一文に翻弄されているうちに瞬く間にディック感覚に包み込まれ、気がつけば半分を過ぎ、残りの厚みを見て「えええもうすぐ終わっちゃうの?いやだ!!!」
なんて考えていたらあっという間に終わりました。
全部読んだ後の感想としては
いや、なんだこれ。。。
結局どこか -
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ディストピアSF小説の金字塔
映画『ブレードランナー』の原作。
有名すぎて読んでないという類のやつ。
映画はめっちゃ好きで何度見たっていい。2049の方も何度見てもいい。
翻訳なので読むのに苦労するかと思ったが、特別そういうことはなかった。
認識をずっと問われている。
人間とはなにか。コーヒーを飲むから人間なのか。酒に酔うのがそうか。動物を愛する心があるのがか。それとも金銭的価値を見出すのが人間か。
最序盤、妻との生活が陰鬱な雰囲気から始まる。
妻が人間なのかも疑う。彼女は宗教にハマり、閉じこもりがちだった。
それがずっと通底に流れてる。
いろんなことが同時進行に起きる。
動物病院で働く -
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【高い城の男】 フィリップ・K・ディック 著
第二次世界大戦は、日本・ドイツの枢軸国が勝利。日本が統治する米国カリフォルニア州での生活風景を描きながら、「第二次世界大戦は米英が勝った」というSF小説を書く「高い城」に住む男の物語も書き綴るというSF小説(ややこしい)。「現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作」という売り文句にやられて読破しました。
少々ネタバレになりますが、ヒトラーはその後、精神疾患となりボルマン党官房長官が後を継ぐも、その後亡くなり、「え~!」と思う人物がドイツ首相に就任。これによって、「え~!」と思う -
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ネタバレ環境汚染が進み、灰の雨が舞い生物が生きられなくなってきている地球。動物や虫までもが命を失い、ほとんどが人口物と化しているため命ある動物の希少価値もかなり高くなっている。そんな中、アンドロイド狩りのリックは火星から逃げてきたアンドロイド狩りをおこなうが、アンドロイドの製作技術も発展しており、もはや人間とアンドロイドの区別をつけるのも難しいほど。
最終、アンドロイドと人間の境界線とは何かわからなくなり、リックにとっても何が正しいのかもわからなくなる。。
私はあとがきのフィリップ・K・ディックが「人間とアンドロイドの境界線とは”親切心である”」と語っている言葉がとても好きで、この物語でディックが伝 -
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「有を名TVのMC・歌手で3000万人の視聴者を持つ男」が目覚めたら薄汚いモーテルにいた。誰も自分を知らず、政府のIDバンクにもデータがない「名無し」になる、というサスペンスフルで思わず読みたくなる導入から始まる。が、そこから主人公と女たちの会話に重点が置かれて愛と別れが語られ文学的な味がする作品となる。後半ではもう一人の主人公である警察署長に視点が移ってしまい当初の緊迫した謎や展開はどこかにいってしまう。
個々のエピソードは素晴らしいが全体としてみると序盤の期待が外れてしまうため残念がところがある。はじめから愛と別れをテーマにした文学作品だと思えばいいのかもしれない。 -
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話しの設定は面白いのですが、構成に難ありといった感じ。そのあたりのことは、あとがきに著者の言葉が掲載されていますが、個人的には充分楽しめました。
あらすじ:
2004年、世界は東西両陣営に分かれた冷戦下にありました。その両陣営共に、武器開発は超次元空間に意識を浮遊させ、トランス状態になって独創的な殺戮兵器をスケッチすることにより、アイデアを得る方法が取られていた。その職種は、兵器ファッション・デザイナーと言われ、西側はラーズ・パウダードライ、東側はリロ・トプチェフが担っていた。しかし、これらのアイデアを反映した兵器は、新兵器のデモンストレーションと称して、実際のことのようにドラマ仕立ての映像 -
Posted by ブクログ
ディックらしい虚実を取り混ぜたストーリー展開や、面白くて笑える場面も多々あって、とても楽しめました。
しかしながら、ストーリーにいろんな要素を詰め込み過ぎなため、読み終えた後に、その後が気になる人が何人かいて少しモヤモヤした気分が残りましたけどね。
あらすじ:
21世紀も半ば過ぎ、世界は二極化されていた。その一方であるヨーロッパ・アメリカ合衆国(USEA)では、ファースト・レディの地位が大統領より高い母権制をとっており、彼女(ニコル・ティポドー)は絶大な権力を持っていた。ある日、マクファーソン法が施行され、一人の精神分析医を除いて診断が禁止され、精神疾患はすべて薬剤治療とするように決まって -