フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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誰もが一度は聞いたことがあるこのタイトル「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は約五十年前に発行された本らしい。
生命ある生き物を飼うのがステータスとなった荒廃した世界で、アンドロイドを狩るバウンティハンターの主人公リック・デッカードは電気羊を飼っている。本物の動物を手に入れるために火星から逃亡してきたアンドロイドの首にかけられた懸賞金を狙い狩っていく。
人とアンドロイド、何故人はアンドロイドを造ったのか?人に似せて造ったのか?次第にアンドロイドに惹かれていく主人公は、実は自分もアンドロイドなのではないかと疑心する。人に憧れるアンドロイドは人間社会に溶け込み生きている。お互いに共存の平和な世界は無かったのだろうか。 -
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ネタバレタイトルは知ってるけど読んだことない本のうちの1冊。
率直な感想としては、何か思ってたのと違うでした。かと言って全く面白くないというわけでもない。自分がSFを読むのがほぼ初なのでそのせいもあると思う。
アンドロイドかどうかを判定するテストがあるが、わざわざそんなことせずとも「触るだけで分かるのでは?」と思いながら読んでたら、アンドロイドと性行為しだして驚き。体は生身の人間と同じで、脳に電気回路みたいなのを埋め込まれてるのをアンドロイドと呼んでいるのか、その辺りがイメージできず(その他にもSFなのでイメージ出来ないことが多かったが)、面白さが半減してしまったように思う。なので途中から人間とアンドロイドではなく、日本人と在日コリアンみたいな関係をイメージしながら読んでた。
あと、バスターフレンドリーは何故かシンプソンズに出てくるピエロのクラスティーをイメージしてた。
タイトルと表紙は素晴らしい。 -
Posted by ブクログ
本作には、人間とアンドロイド、そして本物の動物と「電気羊」のような機械の動物が登場する。作中では、両者を区別するために共感性を測定する「ヴォート=カンプフ感情テスト」などが用いられ、「共感を持てるかどうか」が人間性の証明として提示される。
1968年の刊行から50年以上が経った現在、生成AIの進化は目覚ましい。愚痴を聞いて寄り添うような返答をするAIの登場により、表面上の「共感」という点では、AIもかなり人間に近づいていると感じる。
しかし、人間同士の関係を見つめ直した時はどうだろうか。
私たちは常に他者に共感できているだろうか。人間であっても誰にも共感できない瞬間はあるし、共感性が希薄な人間だって存在する。そう考えると、共感の有無だけで人間とアンドロイドの境界線を明確に引くのは、実はとても難しいのではないだろうか。
主人公のリック・デッカード自身、物語の中で「自分もアンドロイドなのではないか」と葛藤する場面がある。
AIとの違いを考えていくと、「自分も睡眠・食欲・生殖能力があるだけのAI(プログラム)に過ぎないのではないか」という漠然とした恐怖や葛藤が芽生えてくる。
テクノロジーが進化し、AIが日常に溶け込んだ今だからこそ、デッカードの抱いた揺らぎがよりリアルに響く作品だった。
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ネタバレ名作すぎてうまく自分の感想を持てるかの自信があまりないけど、読み終わってまず思ったことは、難解だな…という感じ。
アンドロイドと人間の境目について論じていることは分かるんだけど、人間が人間たる行動をしている時の描写が結構わかりにくかった。共感ボックスの概念は飲み込めるとして、なんでおじいさんが山を登り続ける映像に共感する仕組みになるんだろう……
アンドロイドとセックスした後の主人公の心の動き方もちょっと難しかったな…結局、セックスしたから情がわいたということなんだろうけど、同型のアンドロイドを殺した=見た目で判断していない=ひとりの人間として認めた、ということでいいのだろうか?その上でアンドロイド6人を殺す仕事を全うしたことで、絶望して死ぬしかなくなった、という解釈になった。
ヒキガエルを見つけて家に飛んで帰るのは、その思想の不徹底に見えるのでちょっとよくわからない。
イジドアまわりのストーリーは単にちょっとかわいそうだったな…特殊者とアンドロイドと(弾圧する側の)人間の関係はもう少し整理できたんじゃないのかとも思った。 -
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ネタバレある日、大人気歌手のジェイスン・タヴァナーが、自身に関するあらゆる記録を消され、存在しなくなった世界を体験する話。なぜ記録が消されたのか?という謎を解き明かす物語だと思っていたが、真相は最後にサラッと言われるだけで納得できるかと言われても微妙。しかし、タヴァナーやそれを取り巻く人のやり取りや心情の変化、タヴァナーへの考えなど肯定的に見る人もいれば否定的な人もいるし、利用しようと悪さを働く人もいて、人間性というのを斬新な視点で書かれていた。内容を十二分には取り入れることができなかったが、最後のバックマンのタヴァナーを犯人に仕立てる下りなど、フィクションとしてのストーリーとしてもまあまあ楽しめた。
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ネタバレ第二次世界大戦において枢軸国側が勝利しアメリカが敗北したIF歴史SF群像劇。ディックの他の著作は好きだがこれはどうにも肌に合わず、読み進めるのに苦労してしまった。世界観設定は魅力的な反面、ストーリー性が乏しい上に群像劇で視点が入れ替わるため、ダイナミズムなストーリー展開を期待すると少しアテが外れてしまう。基本的には内省と不穏のまま視点が切り替わる物語であり、これを受け入れるか否かで作品の評価はガラリと変わるとだろう。
しかしながら第二次世界大戦の勝者の敗者が逆転している設定は非常に面白く、ドイツはある程度穏健派になるかと思いきや、歯止めの効かなくなったナチは暴走の懸念があり、日本vsドイツの最終戦争という不安感を煽ったオチなど、どの世界線でもナチはやはり悪なのだなと思った。あと易経が大流行しているという設定もかなり独特で、昨今のAIのようで登場人物の誰も彼もが行動の指針にしているのには笑ってしまった。心身ともにボロボロになりながら易経に縋る様や、要人にミッキーマウスウォッチを送るシーンなど、ディック作品らしい哀愁のある登場人物も魅力的だったように思う。 -
Posted by ブクログ
現実と虚構が入り乱れた混沌とした世界が描かれていてディックワールドが色濃く展開されている。パラレルワールドへは分裂症が引き金となって導かれるようになっていて、健常人ー障害者という点も重要テーマ。これまでの作品よりも読んでいて複雑な印象を受けたので、好みはハッキリ別れそうです。
複数の登場人物それぞれの目線から描かれていて、少しずつリンクしていくような構成になっている。
それぞれの思惑が交差していくので、その点は引き込まれました。
ただ、話が分かりづらいこと、展開としても期待を超えるような大きな山場もなかったので、やや物足りなさを感じました。
ディックの世界観は十二分に味わえる作品です。