フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ディック読もう!となって、初めはやはり「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」かと思ったところだが念のためネットで見ていたところ、どうやら短編集があるらしいと。そしてそっちのがディックを読み始めるには良いかもとの意見もあったのでこちらを。
トータル・リコール、マイノリティ・リポート…聞いたことあるなーと思ったら映画化した作品だったんですね!映画も観ます!(シュワちゃんだし、トムクルーズだし)
もともとSF 読みてーってところから手に取ろうと思ったのでSF欲の満足度は十分でした。どれも表現は難解だけどスルスル読める。
どれも設定や描写が丁寧であるわけでないが読み進めるうちに自分の中で世界観が構築さ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ人間とは一体何か?
この本の著者ディックは、人間とはどれほど親切であるか、だと説いている。つまり、アンドロイドであろうと、親切さを持ち合わせた者は人間であり、人間であろうと、冷酷さを持ち合わせた者はアンドロイドなのだ。
主人公のリックは、妻を愛し生き物の命を慈しむ本物の"人間"だが、アンドロイドの意識を奪うことに容赦はせず、その上にあろうことかアンドロイドと性行為にまで及ぶ描写もある。一体、人間とはなんなのか?
無駄のないシンプルな語り口が特徴的だが、それがまた何十年も前に描かれたとは思えないほどの鮮やかな近未来描写を映えさせていた。
映画も観てみたい。 -
Posted by ブクログ
アンドロイドと人間との差は
なんだろう
そんな問いかけをしているSF
作者は
人間にとっては感情移入が
最も大切な機能と考えていると
言っている
どんなに人間にそっくりにできていても
感情においては差が生じる
主人公はそこを狙って
移民先の人間を殺して逃げてきた
アンドロイドを探して処分する
いわゆる殺し屋
殺しを実行しながらも
アンドロイドへのなんとも言えない
感情が芽生えてしまう
そして恋までしてしまう
立派な動物を飼いたい
そんな願いを叶えるために
頑張って頑張って
アンドロイドを殺して
やっとヤギを買ったのだけれど‥
ここに出てくる人間は
人間らしく、人間くさく、
なんだかマヌケ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ過去に何冊か読んだがあまり響かなかったようで、それっきりになっていた。映画『トータル・リコール』を再視聴しようとして序盤も序盤で気力が尽きたので、原作を読んでみることにした。
この選集に掲載された作品はほぼすべて全面核戦争中ないし後を舞台にしている。全面核戦争をテーマにした作品は1950年代にはすでに存在したことになる。
ゾーニングなどない喫煙がシーンに自然にまざっている。
そんな時代の空気を感じながら。
『トータル・リコール』△
邦題『追憶売ります』で発表されたが映画の原作となったことで改題された。寺沢武一の『コブラ』第一話のモチーフとなっているらしいことは聞いていた。その通りかもしれ -
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Posted by ブクログ
フリップ・K・ディックらしい、「現実」と「虚構」の境界が曖昧な一冊だった。国民的スターである主人公が、ある日突然「存在しない人間」になるという不条理な状況に放り込まれ、そこから彼のアイデンティティと社会のシステムが崩れていく過程が描かれる。ラスト近くでは、その異常体験に一応の説明が提示されるが、かなり強引で、「結局何だったの?」という疑問は残る。ただ、その“納得しきれない”感覚こそが、まさにディックらしさでもある。整合性よりも、喪失や孤独、不安といった精神のリアリティが強く伝わってきた。タイトルに込められたルネサンス音楽の哀しみが全編に響いており、読後には不思議な余韻が残る。「説明できないけれ
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Posted by ブクログ
監視社会を描いたディストピア小説。序盤は退屈ですが、中盤以降は読むスピードがあがって引き込まれました。しかし、初期作品のせいか、らしさこそあれ雑な仕上がりに感じた作品でした。
あらすじ:
2114年、スレイター大佐による道徳再生運動(モレク)の結果、世界は小型ロボットの監視のみならず、住民が相互に監視しあう管理社会となっていた。人々は道徳的規範を強制され、それに反する言動や行動をすれば、住民集会の名の下に権利が剥奪されるてしまいます。ある日、モラルを促す立場である調査代理店経営のアレン・パーセルは、会社の備品を使って大佐の銅像に”いたずら”をしてしまう。しかもそのときの記憶が欠落しており、何 -
Posted by ブクログ
久しぶりのSFでした。難解な長編で、3分の2くらいまでは、さっぱり分からない展開でした。ジョーチップが、爆発で半生者になり、UBIKというなんというか退行現象を止めるもの(スプレー)をなんとか手にいれる。敵と味方とに分かれて戦うが、チップにも判断できず、最後の方でようやく分かるのです。理解するのに精一杯でした。今でもよくわからないとこ多いです。
また、超能力の描き方は、漫画のJOJOにも似ている部分もあるのではとおもいましたが、どうでしょう。場面の移り変わりは映画マトリックスにも似ているかもと思いました。
読み直したいが、再度読んで理解できるのかななんて思った次第です。 -