フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • 火星のタイム・スリップ

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    この作品がこのタイトルではもったいない!

    タイトルでは表しきれない深い何かが、人間の心のあり様というか、善悪と心の病と人間の背負い続ける業とでもいうか、そういうものがある。

    同じ時間の同じような場面が少しずつ違ってきたりするあたりが興味深かった。

    しかし、正直なところラストが突然すぎて驚いた。どうしてああなったのかが分からない。

    他のディック作品を読み、また時間をおいて再読したい。

    追記:
    くらくらするアタマでぼんやり考えていたらなんとなくあのラストが理解できた気がした。
    マンフレッドは救われたんだね。

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    2012年04月29日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    まさにPKD、そして分けわからん。

    パーマー・エルドリッチって一体。あれが聖痕?
    そして、結局異星人の媒体かよ。。。

    あとがきに書かれているのは、本文の前に書かれている、人間は塵から生まれたからたかが知れてるけど、まぁまぁうまくやっている。今回の困難にもうまく対処できるんじゃないかな。っていう分かりやすいメッセージ

    毎度のこれって現実?神って実はたいしたことないんじゃね?的な物語かと思いきや、こんな話だったらしい。

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    2012年03月29日
  • 火星のタイム・スリップ

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    02年再版版。

    本作はPKDの長編では初期作品であるにもかかわらず、
    そのドープさ加減は手加減を知らない。

    至って面白みもないタイトルから安易に内容を予想するのは間違いで、
    やはり一筋縄ではいかないストーリー。現実世界を歪んでいき、
    最後のほうではやはり混沌に突入していきます。
    PKDの著作の中でも、ベストに挙げる人が少なくない名作。
     

    -ハヤカワオンライン「書籍詳細」より-

    火星植民地の大立者アーニイ・コットは、宇宙飛行の影響で生じた分裂病の少年をおのれの野心のために利用しようとした。その少年の時間に対する特殊能力を使って、過去を変えようというのだ。だがコットが試みたタイム・トリッ

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    2011年09月28日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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     初ディック(正確には、『きょうも上天気』で一編読んだのが最初)。映画『アジャストメント』を観たことをきっかけに手に取ってみましたが、すごく読み応えがありました。とはいえ、表題作「アジャストメント(「調整班」改題)」は、映画にとってはほとんど原案程度みたいですね。

     特におもしろかったのは「ウーブ身重く横たわる」、「にせもの」、「ぶざまなオルフェウス」です。
     「ウーブ…」は高度な知性を持った宇宙豚の話。人間てどうしてこんなバカなことするんだろう…という落ち込みから一ひねりあるラストにぞくっとしました。
     「にせもの」は自分という存在や記憶のあやふやさ、それを証明することの難しさがテーマ。す

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    2011年07月02日
  • スキャナー・ダークリー

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    ネタバレ

    フィリップ・K・ディック

    人格が2つ、3つと増えていく主人公。
    麻薬と仲間、監視。

    ディックの小説の特徴だろうか、後半の勢いがすごい!

    最初は、少し退屈していたが
    半分過ぎたあたりから面白くなっていくから
    読書ってのは、途中でやめるのもいいけど、
    この作品のようなこともあるから
    一応最後まで読んだほうがいいな

    って思わせた作品でした。

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    2011年06月10日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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    〈私〉という存在は何か魂みたいなものがあって、生まれた時から存在するものではない。生まれてからの経験や思考を記憶として積み重ねていく、その積み上がった現在までの記憶の総体が〈私〉として認識されているだけなのだ。
    とすると、自分の記憶は本物の記憶なのかという疑問は、〈私〉の存在自体をおびやかす疑問で、本作に収録されている「にせもの」や「電気蟻」は〈にせものの記憶〉がテーマになっていて読み終わっても、う~んと考え込んでしまって答えは出ないんだけど、その考え込むという行為を誘発させる読書というのは非常に贅沢。他にも「父祖の信仰」での共産主義の描き方はなるほどと思えるものがあるし、「凍った旅」は非情な

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    2011年05月16日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    初めてディックの作品を読む。
    思った以上に、大変面白い。

    複雑な構造の時間軸。
    今なのか未来なのか過去なのか。
    現実なのか、悪夢なのか。
    ドラッグのフラッシュバックに乗っ取られる自己。
    幻想的な、神性と悪魔性のカオスの狭間で苦悩するも、
    希望は失わない…。

    かつて、安部公房にハマった時のワクワク感を思い出した。

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    2010年01月30日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    P.K.ディック 1965年作品。
    ドラッグによるトリップ具合といい、
    ぐだぐだな主人公の心象風景といい、まさにディック節炸裂! 
    ハリウッド映画のような展開にワクワクしつつ、
    ラスト間際の不可解でわけのわからない描写は独特。
    それでも一気に読める面白さはさすが!の一言。

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    2009年10月04日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    本物の生命が希少・高価となったディストピアで、アンドロイドは管理から外れれば隠蔽される存在。共感はマーサー教として制度化されるが、やがてそれも捏造と暴露される。それでも人々は虚構の価値観の中で生き続ける。読後感は不思議と暖かい。Audibleで耳読。

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    2026年06月29日
  • 死の迷路

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    短いお話だけど、登場人物がやたらと多い。
    ディックとしてはきちんと、起承転結があり、ラストもすっきりした。

    主人公たちが、地球ではない惑星に集められ、一人ずつ殺害されていく物語。

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    2026年06月17日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    ネタバレ

    ある日、大人気歌手のジェイスン・タヴァナーが、自身に関するあらゆる記録を消され、存在しなくなった世界を体験する話。なぜ記録が消されたのか?という謎を解き明かす物語だと思っていたが、真相は最後にサラッと言われるだけで納得できるかと言われても微妙。しかし、タヴァナーやそれを取り巻く人のやり取りや心情の変化、タヴァナーへの考えなど肯定的に見る人もいれば否定的な人もいるし、利用しようと悪さを働く人もいて、人間性というのを斬新な視点で書かれていた。内容を十二分には取り入れることができなかったが、最後のバックマンのタヴァナーを犯人に仕立てる下りなど、フィクションとしてのストーリーとしてもまあまあ楽しめた。

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    2026年06月06日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    古典SFだけど、今読んでもかなり面白い。
    技術や文明の描かれ方は現実とは違う方向に進んでいるのに、人間の欲望や弱さはあまり変わっていない感じがする。
    アンドロイドと人間の違いは何なのか。
    知能が高ければ幸せなのか。
    倫理観や共感はどこから生まれるのか。
    そんな問いが、物語の中に自然に組み込まれていて面白かった。
    随分前に現実から分岐した世界線を見ているような、不思議な読後感が残る作品だった。

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    2026年05月31日
  • ティモシー・アーチャーの転生〔新訳版〕

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    ヴァリス3部作、完結編・・・
    なのかなぁ・・・

    相変わらずよくわからない世界観。ただ不思議と不快ではない。内容は理解できなかったけど。

    壮大な独り言を聞いている感覚かな。400ページにわたるディックの独り言、そう考えると作家ってすごいなぁと思う。

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    2026年05月29日
  • 聖なる侵入〔新訳版〕

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    ヴァリス続編、ヴァリスより物語性(?)が高く、読み易かった。内容は相変わらず、まったく理解できなかった。
    ただ、不思議と読み進められる新訳のおかげか。

    処女懐妊と、神の子と父親のお話。時間軸がバグるので難しかった。

    次は三部作の最後「ティモシー・アーチャーの転生」

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    2026年05月22日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    人間になりたいアンドロイド、記憶改ざんで人間だと思い込んでるアンドロイドが自分がそうじゃないと気付いた時の絶望、はたまた自分がアンドロイド以上に冷酷になる瞬間とかアンドロイドごときに同情心が芽生える瞬間にハッとする人間側の気持ち…

    敵対する双方との違いが実はすごく曖昧だという事に戸惑う姿を描く人間らしいSF小説でした!

    人間とアンドロイドだけじゃなくて、世界で起こるあらゆる亀裂や戦争に言えることなんじゃないかなぁ

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    2026年05月18日
  • 去年を待ちながら〔新訳版〕

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    30年ほど前に読み終わらず、出張の途中でどこかに行ってしまった「去年を待ちながら」やっと読破しました。
    歳をとったせいか、ディックの複雑な心理、夫婦間の微妙な関係、わかりすぎるぐらいに分かった。これは30年前にはわからないことだった。

    内容は妻にだまされ軍用兵器のドラッグを飲まされ、未来に行く男の話。

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    2026年05月10日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    正直、分からない部分が多かった。エンパシーボックスやマーサー教等、最後まで掴みきれず、雰囲気で読んだ。それでも、読後に残る違和感だけはやけに生々しい。
    リックがレイチェルに惹かれ、関係を持つ場面も印象的だった。相手はアンドロイドなのに、見た目や振る舞いに心が動く。その時点で、人間とアンドロイドの境界はもう機能していないように見える。
    AIが身近になった今読むと、この物語は未来の話というより、人間そのものの曖昧さを暴いているように感じた。

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    2026年05月05日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    哲学に近い事を問われる作品だった、人間とアンドロイドの違いは?アンドロイドに生命はないのか?と。
    当初の主人公はアンドロイドは無機物であり処理するのが普通と考えていたが様々なアンドロイドと出会い"それ"が本当に生きていないのか?という疑問と共に仕事を実行する事となるがその時の主人公の心境等かなり読者に委ねられている様に感じます。
    正直かなり難しい作品ではあるので一概にこうでした!と感想を言えない書籍でした。

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    2026年04月30日
  • 偶然世界

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    相変わらず、頓珍漢な世界観が面白いけど
    SFって、好き嫌いが本当に分かれると思うけど、僕は好きなんだけどね。
    外れが他のジャンルと比べると多いと思うのは、結局SFの世界に僕がどっぷりはまれるほどの知識が無いからだろうなと、思うんだよね。
    それでも、時々大当たりの特大ホームラが有るから止められないんだ。

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    2026年04月28日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    第二次世界大戦において枢軸国側が勝利しアメリカが敗北したIF歴史SF群像劇。ディックの他の著作は好きだがこれはどうにも肌に合わず、読み進めるのに苦労してしまった。世界観設定は魅力的な反面、ストーリー性が乏しい上に群像劇で視点が入れ替わるため、ダイナミズムなストーリー展開を期待すると少しアテが外れてしまう。基本的には内省と不穏のまま視点が切り替わる物語であり、これを受け入れるか否かで作品の評価はガラリと変わるとだろう。

    しかしながら第二次世界大戦の勝者の敗者が逆転している設定は非常に面白く、ドイツはある程度穏健派になるかと思いきや、歯止めの効かなくなったナチは暴走の懸念があり、日本vsドイツの

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    2026年04月24日