フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • 時は乱れて

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    物語の大きな構造の真相は早めにわかる。その上でその理由や背景を押し知るべく登場人物の描写を読み取るのに力が入るのだが、いざ終盤で全てが明かされても、何か物足りなかったかなぁ

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    2015年02月03日
  • 変数人間

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    断続的ひとりディック祭りも、SFマガジンの特集をもって世の中の流れに合流したか・・・

    今回の短編集は、コミカルな雰囲気のものや比較的ストレートなSFが多かった。

    やっぱりディックの魅力はパラノイア的「なんでこうなるの?!」な展開でしょー。

    自らの妄想力を全開にして実態化させる能力ももつ異常者を超能力者と定義するディックは、現代においては異常なのであろうか?

    異常者でなければ優れて創造的な人となるのでしょうが、異常と正常が紙一重の差というところを気づかせてしまうディックはやはり恐ろしい。

    「不適応者」が印象深い。

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    2014年08月30日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    SFって俺にとってはもっとなんというか、世界自体がドラマの主役のようなものという認識があるんだけど、ディック作品ではあくまでSF的設定は舞台装置でしかなく、そこで生きる人間が主役の座から降りずにいるというのが尊い。

    この作品でも存在だとか生だとか愛だとか、タヴァナーが出逢ったすべての女性に物語があって、それこそが主軸になっているのだよなという感。途中までは色男の話かよって感じで鼻白んだりもしたが。最後の一文が美しい作品。

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    2014年04月24日
  • 変種第二号

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    しまった。昔読んだ短編集に収録されている話がほとんどだった。
    相変わらずさらっと読めておもしろいけど。お金もったいなかった。。

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    2014年04月16日
  • 偶然世界

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    ディック祭りあらため、ディックの足跡をたどる月間。古本やさんから初期の本をかき集め準備は整った!

    出版の順番からいくと処女長編となる本書。公共的偶然発生装置によって、ランダムに変化させらる世界、ティープ部隊、偶然によって即位させられる最高権力者、選抜される公的な刺客、太陽系外縁にあるとされる炎の月に向かう狂信者集団、光速を超えて飛翔できる人造ボディ、等々説明抜きにあふれるガジェットの数々。ドラッグを使用していると思しきシーンは出てきますが、ぐじぐじ病んでいる分裂病的な人物はこの作品では出てきません。(こんなのも書いていたんですね)

    きっと、謎が仕掛けられているに違いないと思った設定があっさ

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    2013年11月14日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    人はなぜ涙を流すのかというお話。SFというよりかは、SF的なギミックを持ったハードボイルドな文学という読後感だった。いわゆるディック的なものを求めて読むと拍子抜けかも。

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    2016年01月17日
  • スキャナー・ダークリー

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     フィリップ・K・ディック、といったらSFと思って本書を取るものなら、拍子抜けするに違いない。まあ、ジャンキーから見た我々の世界は「SF」のようなものだろうし、また逆も然りなのだろうから、ジャンキーを描いたこの作品も「SF」と言えるのかもしれない。

    …以上、屁理屈である(笑)

     なぜだかわからないが、読めば始終やるせない感じを受けることとなる。結末がああだから、というのもあるだろうが、言い知れぬ恐怖があるからだろうか。
     物語としては、若干冗長ではなかったか。

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    2012年11月12日
  • スキャナー・ダークリー

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    中盤にだるいとこはあるけど、ディックの中では比較的筋がわかりやすい。あんまりSFぽくはない。アークター=フレッド=ブルースも、ドナも人格がつかめない。
    限りなく透明に近いブルーもだけど薬中から脱した人は喧嘩したり奪い合ってばっかりだった友人をやたらとかけがえながるのが今一つ腑に落ちない。

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    2013年01月01日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    表紙をしげしげと眺めながら「名は体をなす」という言葉が思い浮かんだ。

    ある日突然、その存在そのものを消し去られてしまった主人公タヴァナーとそれを追う警察本部長バックマン。
    ふたりはあらゆる点で対極を成しており、追う者と追われる者というステレオタイプに深みを与えている。
    遺伝的優生種「スイックス」と普通人。
    三千万の視聴者を持つエンターテイナーと孤独な警察幹部。
    もっとも重要なのは人を愛せるか否かという点ーー愛する者を失う悲しみを知っているかどうかという点。
    愛する者を失った時のやり場のない悲しみに物語が収斂する第3章最後のエピソードがいい。

    最初は主人公に感情移入して読み始めるのに、最後に

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    2016年11月13日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    相変わらずディックらしい悪夢的な世界だった。
    しかし、自分の読み方が浅かったというかよみこめなかったので☆は作品に対してというより自分の読書態度に対して。
    ぜひ、も一度読み返したい。

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    2012年05月11日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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    ディックには評価が甘いかもしれない私。
    だがこの文庫本という意味において★3。
    だってまあ買った私が悪いんだけど、
    あまりに映画アジャストメントアピールが強くて
    何話かの訳があまり好みではなくて
    既に知っている短編が入っていて
    字が大きい今時の文庫だったから。
    なので★4ではなく3なのはディックのせいではない。
    あくまで出版社と私の嗜好の問題。

    いずれの作品もディック的世界が堪能できてよろしい。
    現実とはあくまで自身の認識に基づいているにすぎない、
    ということを改めて感じさせる。
    でも『凍った旅』は怖かった。
    『アジャストメント』はどこをどうやったらああいう映画になるんだ。

    そんな感じ。

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    2011年08月29日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    温暖化が進み、命に危険が及ぶほど住みづらくなってしまった地球。人類は生き残り策として火星への強制移住計画を進めていたが、開拓地の火星は何の楽しみもない荒涼たる砂漠が広がるだけだった。強制的に移住させられた貧民が心の支えとするのは、地球での暮らしを再現できるドラッグ「キャンD」。このドラッグを非合法に、且つ独占的に販売していたP・P・レイアウト社の社長レオ・ビュレロに最大の危機が訪れる。謎に包まれた実業家パーマー・エルドリッチが、新種のドラッグ「チューZ」を携えて外宇宙から帰還したのだ。エルドリッチの販路拡大を阻止すべく、レオの意を汲む予知能力者バーニー・メイヤスンが火星に乗り込むが・・・。

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    2011年06月04日
  • スキャナー・ダークリー

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    フィリップ・K・ディックだからなのか,難解なお話だった。
    元々が薬物で自己が崩壊して行き,自分と他人の境界線が
    あやふやになり・・・と段々理解できなくなって行く感じ。

    まぁ,最終的にはどこにでもある,アメリカが過去もこれからも
    抱えていく(日本もそうだが),ドラッグの問題という
    大きな壁にぶち当たって終わる感じ。

    映画版もあるが,観ようとは思わないかも。

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    2010年10月06日
  • スキャナー・ダークリー

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    鬼才リチャード・リンクレイターがアニメ映画化した2006年に買ったはいいが、3分の1も読めずにほっぽらかしてあった。(映画も観たかったが、機会を失った)

    通読して思ったのは、一字一句理解しようなどと思わずに、酔っぱらいのたわごとを受け流す感覚で読めばよかったのだということ。しょっぱなからして、ドラッグ中毒者の悲惨な幻覚描写。主人公のボブ・アークターだって、おとり捜査官とはいえ、ヤク中だ。同じくヤク中のダチ公どもとの会話ときたら、とことんナンセンス。信用できない語り手という言葉があるけど、ヤク中の語り手ほど信用できないものがあるだろうか?

    共感も同情もできないまま、読み進めるのだが、しばらく

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    2010年06月21日
  • スキャナー・ダークリー

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    導入部は中毒患者の幻影を再現したかのような書きっぷり。自分が自分を追い詰めるというパラドックスをバランスよく破綻しながらは書いている。映像化されたアニメのようなトレース画像はこの小説を上手く表現しよかった。ヒットしなかったけどね。個人的にはサンリオ文庫版の表紙が好きだったのに。。。。

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    2009年10月04日
  • スキャナー・ダークリー

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    友人に勧められて読んだ本。普段SFものはあまり読まないので、なかなか慣れなかったが、後半は力強い感じがした。麻薬をめぐる話。

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    2009年10月04日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    何重構造なのかわからない、不思議な世界。
    善も悪も聖も純粋にそれだけでは存在せず。
    他のものでも思ったけど、やっぱり人間的な話でした。

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    2009年10月04日
  • スキャナー・ダークリー

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    創元SF山形浩生訳が入手できない以上、こちらで読むしかありませんか、そうなんだ・・・・。
    ドラッグを巡って潜入した捜査官は、自らもドラッグ体験による自己の混乱に落ち込んでいく。迫真のドラッグ描写と薬物に取り込まれてゆく人間の哀しさが見事に結晶した傑作。
    キアヌ・リーブス主演で映画化。

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    2009年10月04日
  • ユービック

    購入済み

    文字校正してますか?

    ディック作品でまだ読んでいなかったので購入しました。内容は素晴らしかったです!
    しかし、文字取り込みをOCRでやってそのまま文字校正なしで電子書籍化したとしか思えない誤字の多さ。読んでいてイライラしました。内容は星5つなだけに本当に残念です。

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    2013年05月08日