フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ディック祭りあらため、ディックの足跡をたどる月間。古本やさんから初期の本をかき集め準備は整った!
出版の順番からいくと処女長編となる本書。公共的偶然発生装置によって、ランダムに変化させらる世界、ティープ部隊、偶然によって即位させられる最高権力者、選抜される公的な刺客、太陽系外縁にあるとされる炎の月に向かう狂信者集団、光速を超えて飛翔できる人造ボディ、等々説明抜きにあふれるガジェットの数々。ドラッグを使用していると思しきシーンは出てきますが、ぐじぐじ病んでいる分裂病的な人物はこの作品では出てきません。(こんなのも書いていたんですね)
きっと、謎が仕掛けられているに違いないと思った設定があっさ -
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Posted by ブクログ
表紙をしげしげと眺めながら「名は体をなす」という言葉が思い浮かんだ。
ある日突然、その存在そのものを消し去られてしまった主人公タヴァナーとそれを追う警察本部長バックマン。
ふたりはあらゆる点で対極を成しており、追う者と追われる者というステレオタイプに深みを与えている。
遺伝的優生種「スイックス」と普通人。
三千万の視聴者を持つエンターテイナーと孤独な警察幹部。
もっとも重要なのは人を愛せるか否かという点ーー愛する者を失う悲しみを知っているかどうかという点。
愛する者を失った時のやり場のない悲しみに物語が収斂する第3章最後のエピソードがいい。
最初は主人公に感情移入して読み始めるのに、最後に -
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Posted by ブクログ
ディックには評価が甘いかもしれない私。
だがこの文庫本という意味において★3。
だってまあ買った私が悪いんだけど、
あまりに映画アジャストメントアピールが強くて
何話かの訳があまり好みではなくて
既に知っている短編が入っていて
字が大きい今時の文庫だったから。
なので★4ではなく3なのはディックのせいではない。
あくまで出版社と私の嗜好の問題。
いずれの作品もディック的世界が堪能できてよろしい。
現実とはあくまで自身の認識に基づいているにすぎない、
ということを改めて感じさせる。
でも『凍った旅』は怖かった。
『アジャストメント』はどこをどうやったらああいう映画になるんだ。
そんな感じ。 -
Posted by ブクログ
温暖化が進み、命に危険が及ぶほど住みづらくなってしまった地球。人類は生き残り策として火星への強制移住計画を進めていたが、開拓地の火星は何の楽しみもない荒涼たる砂漠が広がるだけだった。強制的に移住させられた貧民が心の支えとするのは、地球での暮らしを再現できるドラッグ「キャンD」。このドラッグを非合法に、且つ独占的に販売していたP・P・レイアウト社の社長レオ・ビュレロに最大の危機が訪れる。謎に包まれた実業家パーマー・エルドリッチが、新種のドラッグ「チューZ」を携えて外宇宙から帰還したのだ。エルドリッチの販路拡大を阻止すべく、レオの意を汲む予知能力者バーニー・メイヤスンが火星に乗り込むが・・・。
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Posted by ブクログ
鬼才リチャード・リンクレイターがアニメ映画化した2006年に買ったはいいが、3分の1も読めずにほっぽらかしてあった。(映画も観たかったが、機会を失った)
通読して思ったのは、一字一句理解しようなどと思わずに、酔っぱらいのたわごとを受け流す感覚で読めばよかったのだということ。しょっぱなからして、ドラッグ中毒者の悲惨な幻覚描写。主人公のボブ・アークターだって、おとり捜査官とはいえ、ヤク中だ。同じくヤク中のダチ公どもとの会話ときたら、とことんナンセンス。信用できない語り手という言葉があるけど、ヤク中の語り手ほど信用できないものがあるだろうか?
共感も同情もできないまま、読み進めるのだが、しばらく -
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購入済み
文字校正してますか?
ディック作品でまだ読んでいなかったので購入しました。内容は素晴らしかったです!
しかし、文字取り込みをOCRでやってそのまま文字校正なしで電子書籍化したとしか思えない誤字の多さ。読んでいてイライラしました。内容は星5つなだけに本当に残念です。