フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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    ディックの作品は「アンドロイドは電気羊の〜」、短編集「トータルリコール」を呼んだのみ。
    短編集「トータルリコール」のようなものを期待していたが、こちらの短編集は「トータルリコール」よりもオチが分かりにくい印象を受けた。単純に私の読解力が乏しいのもあるが、、
    特に最後に収録されているエッセイに関しては私には難しすぎた。

    この作者の別の作品をもう少し読んでから再挑戦したいと思う。

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    2023年06月12日
  • トータル・リコール

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    ネタバレ

    “彼はめざめた——そして火星を恋い、その峡谷を想った。一歩一歩、足を踏みしめてその谷間を歩くのは、どんな気分のものだろう。意識がはっきりしてくるにつれ、しだいしだいに大きくその夢はふくれあがっていった。その夢、その憧憬。自分をとりかこんでいるその世界の存在さえ、実感できるような心地がした。(『トータル・リコール』より、p.9)”

     ハマっていると言うほどでもないが、ここ数ヶ月ディックをよく読んでいる気がする。短編集初収録の3篇を含む、全10篇を収録。
     表題作『トータル・リコール』が良かった。火星に行くことに憧れる会社員クウェールは、ある日リコール社を訪れる。夢が到底叶いそうにないことを悟り

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    2023年02月09日
  • トータル・リコール

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    短編集だけどひとつひとつのスケールがすごくて、ちゃんと面白い。いくつか映画化されてるけど全部やれそう。

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    2023年02月13日
  • 人間以前 ディック短篇傑作選

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    いくつかのファンタジー短編のあと、SF短編が続く。
    SF初期の空気が感じられて面白い。
    個人的には、表題作の「人間以前」が凄いと感じた。
    確かに、突き詰めれば、そういうことだよな。

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    2023年01月18日
  • 変数人間

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    ネタバレ

     フィリップ・K・ディックを読むのはこの本がはじめて。ディックと言えば『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の思弁系SFのイメージがあったけれど、この短編集には、軽いユーモアSFや超能力を題材とした正統派のSFが主に収められている。『パーキー・パットの日々』と表題作『変数人間』が印象に残った。

    『パーキー・パットの日々』

    “父親がつぶやいた。「あのオークランドの連中。あのゲーム、あの特別な人形、それがあの連中になにかを教えたんだよ。コニーは成長しなくちゃならない。それで、あの連中も彼女と一緒に成長するしかなくなったんだ。ピノールのまぐれものは、そのことをまなばなかった。パーキー・パットから

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    2022年12月15日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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    ネタバレ

    近未来的で、どこか古臭い。
    この本が出版された当時想像されていた“近未来”が、頭の中に浮かんでくる。
    どこか退廃的で薄暗い雰囲気は、前に読んだ電気羊を思い出させてくれた。ディックの書く近未来は、なぜか心地良い。

    巻末の解説を読むと、執筆当時の著者の状況が色濃く反映されているようだ。
    読み始めた当初、スイックスという存在の謎やタヴァナーの記録抹消の解明がなされていくストーリーかと思っていたので、やけに回り道が多い話だなーと思っていた。(恥ずかしい)

    涙と愛にまつわる物語。
    嘆きと悲しみに対して新しい考え方をくれた

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    2022年11月02日
  • 高い城の男

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    1984.7.31 発売!!

    うん!内容が相変わらず難しいです!
    カズレーザーが全く話が理解できなかったというエピソードがあって読んだのですが、これは難しい!!
    はっきりいって3割も理解できてないんじゃないかな。ディック作品で電気羊がよくわからんくて微妙だったら避けた方がいいかも。

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    2022年10月14日
  • 銀河の壺なおし〔新訳版〕

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    SF。
    ディックはけっこう苦手で、長編を読むのは初めて。
    個人的なディックに対するイメージと違って、意外とユニークでコミカルな作品。
    シュールな雰囲気とコミカルな雰囲気が混在し、独特の読み心地。
    訳者あとがきにもある通り、ラスト一行が色々と解釈出来て、読後感まで不思議な感じ。

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    2022年05月05日
  • 高い城の男

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    歴史改変系SF小説。
    日本とドイツが戦争に勝ってアメリカを統治している世界、そんな世界で流行っている小説は『イナゴ身重く横たわる』という、連合国側が勝利したらと言う歴史改変小説だったりする。

    登場人物が、歴史上の人物だったりオリジナルだったり、国籍人種も多様で何回も読み返さないといけなくて時間がかかってしまった。

    真偽
    これがテーマなのだと思う。本物と見分けがつかない贋作。歴史という付加価値の曖昧さ。小説と現実。偽名の政治家と暗殺者。
    歴史を失った国で生まれた新たな芸術と、歴史ある占い易が、本来あるはずだった歴史を垣間見せるというのが面白い。
    一方、読み終わった時に「え、これで終わっちゃう

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    2022年02月08日
  • 逆まわりの世界〔改訳版〕

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    死者の生き返り。そして退化、成長を遡っていく。
    何故こんなことが起こったのか?原因は明らかにされていない。この小説のメインファクターが大きく活かされているのはピーク教祖だけ。それ以外は逆回りをほとんど意識させない。

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    2021年12月26日
  • 変数人間

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    超能力者の話が多いですね。表題作も良いのですが、最初の「パーキーパットの日々」が良かった。終末戦争後の荒廃した世界で、大人たちは平和だった過去に執着し、あるゲームに興じています。執着のしかたが異常なのでちょっと怖いです。

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    2021年11月18日
  • タイタンのゲーム・プレーヤー

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    ディック作品初挑戦。
    中盤から話がくるくると変わってきて、はてなマークが浮かんだ。段々と、とっ散らかるのは作者の特徴らしい。勢いに乗って読んだら、最後までたどり着いてた。機械達のおしゃべりが愛おしい。

    次は高い城の男を読んでみよう。


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    2021年10月14日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    アベンゼンは『易経』を使って小説『イナゴ身重く横たわる』を書いていた。ジュリアナが「なぜその本を書いたか、我々はその本から何を学ぶべきか」という問いを立てて易を行うと、「真実」という回答を得る。ジュリアナは、本に書かれていることが真実であるというメッセージとして受け取る。これが、本作の幕切れ直前、結論のような位置に置かれているシーンだ。
    ここから読者は何を読み取ればいいのだろうか? 
    (a)彼らの世界で起こった出来事は真実ではないということか? それとも、(b)これからドイツ帝国の崩壊や、日本への水爆投下が起こり、プロセスこそ違えど、最終的には本に書かれた世界と同じような結果にたどり着くという

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    2021年06月23日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    第二次世界大戦が枢軸国側の勝利で終わったという世界。
    日本やドイツに統治されている米国。

    ドイツが統治する地域では禁書となっているという小説が、それ以外の地域では話題になってヒットしている。内容は、第二次大戦が連合国側の勝利で終わった世界を描いたもの。

    登場人物の多くが自らの進むべき道を「易経」で占っている。
    本作は1962年に執筆されているが、この時代には易経が流行っていたのだろうか…。1978年に出版された『宇宙船とカヌー』でも、ジョージ・ダイソンが旅の出立をいつにするか易経で占うべきかなぁ、なんて言うくだりがあった。

    この世界で売れているという小説の作者も、ストーリーの展開を易経で

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    2021年06月19日
  • 流れよわが涙、と警官は言った

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     飽きることなく(一気に、とまではいかないにしても)読み進められる。かなり読みづらいんだけど、不思議なことに。
     二部終盤辺りから凄く面白くなって、そこから加速度的に面白くなるのに、膨らみ切らずに終わってしまったような印象を受ける。いつも思うけど、ディックと自分の関心は別のところにあるんだろうな。ストーリよりもむしろ、葛藤とか、アイデンティティクライシスみたいなところに、凄く神経を割いている気がする。
     あとは、人物の考えや、話の方向性がころころ変わったり、事実と虚偽が同列に並べてあって分かりづらい。いつものことと言えば、そうかも知れないけど。
     また今回は更に、単語の説明も少ないと感じた。作

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    2021年06月02日
  • 高い城の男

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    第二次世界大戦で枢軸国側が勝利した世界を舞台にした小説。そしてその小説世界には、もしも連合国側が勝利していたらという世界を描いた「イナゴ身重く横たわる」という珍妙なタイトルの小説がある。そしてどうやらその「イナゴ・・・」の世界は、連合国が勝利しているものの、いまこの「高い城の男」を読んでいる私の住む世界とも少々様子が違うようだ。
    もしかしたらこの「イナゴ・・・」の世界には枢軸国勝利の別の小説があり、その世界には連合国勝利の別の小説があり、そんな小説世界が果てしなく続いているのかもしれない。だとすると私が生きているこの世界も小説の一部で、その小説は枢軸国が勝利した世界で読まれており、さらにその世

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    2021年05月30日
  • 死の迷路

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    SF界の巨匠・フィリップ・K・ディックによるSFサスペンス・ミステリー。未開の辺境惑星"デルマク・O"に集った14人の男女に降りかかる"死"、その真相とは――――。

    外部との通信が断たれ、脱出することも出来ず、惑星に閉じ込められた男女が次々と"死"に誘われるという、なかなかのサスペンス・ミステリーが味わえる。惑星に存在する謎の構築物の正体は何か、「神が実在する」という設定がどう絡んでくるのか、ワクワクしながら読み進めることが出来た。

    ディックの作品は、『ヴァリス』3部作を除けば比較的読み易いものが多いが、本作は特に読み易くまとまっ

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    2021年05月27日
  • 高い城の男

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    第二次世界大戦にドイツと日本が勝利した世界、だれもが易経の占いで未来を把握し行動する。ドイツの首相逝去に伴う権力者たちの後継者争いを背景に、美術商、アクセサリー製造販売業、日本軍部の代表者たちの関わり。職工の妻が訪れるベストセラー作家。

    いつSFになるんだろうと思いつつ読み進めていましたが、この世界構築そのものがSFだったんですね。占いに信頼感のある世界っていうのも面白いかも。

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    2021年05月22日
  • 高い城の男

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    ディックの作品は少しだけ読んでいるが、中でもこれは難しかった。歴史改変物なので、歴史が苦手な私には辛いものがある。「偽物」と「本物」がテーマになっていることは辛うじて理解した。話としては特に大きな盛り上がりもなく、歴史改変以外にはあまりSFらしいところも見当たらない。ただラストの易経のくだりはなかなか好きだった。色々調べて高く評価されているようだから私の理解が足りないのだろう。詳しい解説が欲しいところだ。

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    2021年04月11日
  • 逆まわりの世界〔改訳版〕

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    時間逆流現象で人々が若返っていく世界。スーパーファミコンのEMITを思い出した。赤川次郎シナリオ原案のあのゲームをプレイしたときに「そもそも設定に無理があるなぁ」と感じた感覚が、本書を読んでそのままよみがえってきた。体は逆転していっても、ビデオテープを逆再生するような感じでもなく、生活のすべてが逆まわしになっているわけではない様子。この小説が面白くなってくるのは、世界に大きな影響力をもつ教祖が蘇り、彼をめぐって3つの勢力が、スパイ小説よろしく騙し合いのアクション映画的展開を繰り広げるあたりから。男と女の話になったり、神学的要素が見え隠れしたり。秩序とエントロピーについてのテーマ性については、物

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    2021年03月22日