フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ディック読もう!となって、初めはやはり「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」かと思ったところだが念のためネットで見ていたところ、どうやら短編集があるらしいと。そしてそっちのがディックを読み始めるには良いかもとの意見もあったのでこちらを。
トータル・リコール、マイノリティ・リポート…聞いたことあるなーと思ったら映画化した作品だったんですね!映画も観ます!(シュワちゃんだし、トムクルーズだし)
もともとSF 読みてーってところから手に取ろうと思ったのでSF欲の満足度は十分でした。どれも表現は難解だけどスルスル読める。
どれも設定や描写が丁寧であるわけでないが読み進めるうちに自分の中で世界観が構築されてくのが気持ち良い。話の結末の手放し具合がめちゃ良い。
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Posted by ブクログ
ネタバレ過去に何冊か読んだがあまり響かなかったようで、それっきりになっていた。映画『トータル・リコール』を再視聴しようとして序盤も序盤で気力が尽きたので、原作を読んでみることにした。
この選集に掲載された作品はほぼすべて全面核戦争中ないし後を舞台にしている。全面核戦争をテーマにした作品は1950年代にはすでに存在したことになる。
ゾーニングなどない喫煙がシーンに自然にまざっている。
そんな時代の空気を感じながら。
『トータル・リコール』△
邦題『追憶売ります』で発表されたが映画の原作となったことで改題された。寺沢武一の『コブラ』第一話のモチーフとなっているらしいことは聞いていた。その通りかもしれない。しかし、映画にせよコブラにせよ、引用した側が真摯であるように見えるのに比べて、原作はどこかおちょくってる感じがする。その由縁たる物語のマトリョーシカ構造も、ほうぼうで模倣されているように思う。
『地球防衛軍』◎
これは、以後のさまざまな創作の種本になったのではないか。
歴史のゴール。「われわれ」を示すものがひとつになること。アークナイツで繰り返し語られていること。
『訪問者』△
冒頭の防護服と酸素ボンベのイメージは、ボトムズを想起させるものがある。
ひょっとしたらナウシカにインスピレーションを与えたかもしれない。
『ミスタ・スペースシップ』✕
『歌う船』以前の頭脳船、R-TYPEの元ネタだろうか。
このオチはなんだ。反戦という主題が頭でっかちになりすぎたか。
『非0』✕
C爆、コバルト爆弾。1950年にレオ・シラードが想定した核戦争の最悪のシナリオの中に登場する。
共感能力を全くもたないとされる人々の集団が、なにかをなしとげるために協力しあえるのだろうか。
『フード・メーカー』△
『超人ロック』は超能力者への迫害が通底している。初期はおもにテレパシー能力由来だったように記憶している。特に重要なキャラでもないのに意味ありげに少女を連絡員や工作員として登場させたりとか。
ここに語られているティープすなわちテレパスは、現実の現在における利権にくいこむ人々を彷彿とさせる。当時からそのような人々は存在したのであろう。
"「だれか特定の人間が人類を導くべきじゃない。人類を導くべきは人類自身です」" p.323
超人ロックが信条とする「人類を導くのは英雄やシステムではない」に、一番似た言葉かもしれない。
『マイノリティ・レポート』◯
p.391 “閉じた時間の輪の中”
MAGIシステムの祖型が。タカシ、キヨコ、マサルの3人組は、ひょっとすると3人のプレコグ(予知能力者)から来てたりするのかな。男女比は一致する。
時間線という表現。
対中戦争。1950年代半ばにそういう想定があったのだろうか。
タイムループものではないが、それ系の用語が登場する。未来予知の話であるから。 -
Posted by ブクログ
フリップ・K・ディックらしい、「現実」と「虚構」の境界が曖昧な一冊だった。国民的スターである主人公が、ある日突然「存在しない人間」になるという不条理な状況に放り込まれ、そこから彼のアイデンティティと社会のシステムが崩れていく過程が描かれる。ラスト近くでは、その異常体験に一応の説明が提示されるが、かなり強引で、「結局何だったの?」という疑問は残る。ただ、その“納得しきれない”感覚こそが、まさにディックらしさでもある。整合性よりも、喪失や孤独、不安といった精神のリアリティが強く伝わってきた。タイトルに込められたルネサンス音楽の哀しみが全編に響いており、読後には不思議な余韻が残る。「説明できないけれど、何かが壊れ、何かが変わった」——そんな読後感を与えてくれる、特異な作品だった。
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Posted by ブクログ
監視社会を描いたディストピア小説。序盤は退屈ですが、中盤以降は読むスピードがあがって引き込まれました。しかし、初期作品のせいか、らしさこそあれ雑な仕上がりに感じた作品でした。
あらすじ:
2114年、スレイター大佐による道徳再生運動(モレク)の結果、世界は小型ロボットの監視のみならず、住民が相互に監視しあう管理社会となっていた。人々は道徳的規範を強制され、それに反する言動や行動をすれば、住民集会の名の下に権利が剥奪されるてしまいます。ある日、モラルを促す立場である調査代理店経営のアレン・パーセルは、会社の備品を使って大佐の銅像に”いたずら”をしてしまう。しかもそのときの記憶が欠落しており、何故そんなことをしたのか明確に思い出すことができない。途方に暮れるアレンの前に、グレッチェンと名乗る女性が現れて、その兄であるドクター・マルパルトを訪ねます……。
と、行動を監視された世界での話しですが、パラダイスのような逃げ道があるため、有名なディストピア小説たちのような暗さはありません。社会的ステータスのためだけに、人々は躍起になって監視社会の一員に帰属しているみたいです。考えようによっては、何かしら見栄を張って生きることの滑稽さを、著者によって風刺されてるようですが、そこから村八分のように賃借権を剥奪された後について、もう少し細かい描写が欲しいところ。ただ、その村八分のような決定を下す、毎週開かれる集会については、誰が発言しているかわからないSNSのようなやりとりで、こんなところにもディックの未来志向が見てとれて興味深かったです。
主人公については、ラストまで読むと、意外とその生真面目さと責任感のある人柄がわかります。しかし、それだけに”いたずら”の内容や、それをしてしまう深層心理の表出が、自身の立場を破壊しかねない行動になっていたのが滑稽でしたね。ただですね、グレッチェンはどうなったんだろうとか、大人しすぎる奥さんにハテナだったりと、いろいろ雑な感じもしました。11章や13章なんかは、まさにディック・ワールドという感じで面白かっただけに、少し残念ですね。 -
Posted by ブクログ
久しぶりのSFでした。難解な長編で、3分の2くらいまでは、さっぱり分からない展開でした。ジョーチップが、爆発で半生者になり、UBIKというなんというか退行現象を止めるもの(スプレー)をなんとか手にいれる。敵と味方とに分かれて戦うが、チップにも判断できず、最後の方でようやく分かるのです。理解するのに精一杯でした。今でもよくわからないとこ多いです。
また、超能力の描き方は、漫画のJOJOにも似ている部分もあるのではとおもいましたが、どうでしょう。場面の移り変わりは映画マトリックスにも似ているかもと思いました。
読み直したいが、再度読んで理解できるのかななんて思った次第です。