小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ小川先生の言葉選びは本当に大好きで、お話ももちろん大好きなんだけれど、エッセイもエッセイの良さがあって、小川先生の丁寧な暮らしが垣間見てるようでわくわくしました。とくに、料理の描写が好き。柿とレンコンの黒酢和え、深谷ねぎのすりながし、おちょこ一杯のウニ寿司、あわびのお醤油煮、牛肉の紅白味噌漬け、マグロ丼、生揚げとお揚げの姉妹煮…読んでいるだけでお腹ぺこぺこになります。鎌倉での生活はとても楽しそうで、私も鎌倉の自然に囲まれて住みたくなりました。小川先生は、人との出会いを本当に大切にしていて見習いたい。鎌倉で出会ったお友達とたそがれビールするほど仲良くなれたり、畑のお婆ちゃんとお話ししたり、お寺に写経などをしに行ったり、ハリの先生からレンタ犬したり。交流や体験を大切にしてて本当に素敵。
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Posted by ブクログ
家への帰りに道草をして見つけた美味しいシュークリーム屋さん。長年の夢だった富士登山で拝んだ朝焼け。忘年会と称して、ペンギンと出かけたお気に入りのレストラン。一歩外に出れば、素敵な出会いが待っている。毎日を楽しく丁寧に暮らすには、ときには頑張っている自分へのご褒美やお休みも大切。そんなお出かけ気分な日々を綴った日記エッセイ。
小川糸さんは、人の良いところを見つけるのが上手いと思う。
「尊敬する」「すごい」と、まっすぐに感じることができて、その気持ちを自分のパワーにできるのは、ある種の才能かも。
今回も気になる本が続々と紹介されていて、読みたい本リストに追加。
「奇跡のリンゴ」、「野菜の力 精進の時代」、「ほんまもんでいきなはれ」。
私の大好きな堺雅人さんの舞台のことも書かれていて、「わあ!」となった。 -
Posted by ブクログ
小川糸さんの、日記、ペンギンシリーズ(?)
日常のよしなしごとをさらさらと綴ったシリーズだと思っていたが、今回は単なる日記やつぶやきを越して、「随筆」な感じになっているなあ…と。
いつものように、おしゃれでナチュラルな日常の気分をおすそわけ…という癒し、プラスアルファ、いろいろ心に響く事柄がある。
犬と日常、あとはベルリン滞在と、ヨーロッパ旅の日々。
ヨーロッパの旅では、思いもよらないトラブルに見舞われる。
お土産に買ったペーパーナイフを空港で没収されたり、ストライキに巻き込まれ、スーツケースを運搬してもらえなかったり。
海外旅行する日本人は、進んだヨーロッパに感激し、日本の遅れた文明に劣等感を感じる…ということもありがちだが、異国で本当に困ったときに、親身に相談に乗ってくれたのは結局日本大使館だったり。
海外旅行、滞在に慣れてきた人らしく、今までの失敗も心に留め、日本と海外の違いを冷静に判断し、その上で、自分の心地よい土地や事柄を見極めていく。
犬を飼っていなかった時の、傍から見た感想、飼ってみてわかったこと…
海外渡航の件もそうだが、とても正直に書かれていることに好感を感じる。 -
Posted by ブクログ
『食堂かたつむり』『蝶々喃々』もとても好きな物語。
『食堂かたつむり』は静かな山村、『蝶々喃々』は東京下町、そしてこの『ファミリーツリー』は季節の移ろう穂高の景色をものすごくきれいに写し取っていて、それだけで美術館のような文章。自然の移り変わり、草木、動物、命あるものの描き方がとても素敵だ。
登場人物の心模様もそれと似ていて、嫉妬や葛藤や絶望やどろどろした部分、憧れや喜びや恋心やきらきらした部分が、夏もあれば冬もあるように全部同じあたりまえにあるものとして描かれている。主人公のひいおばあさんの菊さんが「人だけが特別だと思っちゃいけない、草も虫もみんな同じだ」と言うその言葉がとても印象に残る。
ファミリーツリー = 家系樹(図)、タイトルに込められた意味が後半でふわりと大きくなってくる。
家族が増えていくこと、人と人が出会って睦み合って子孫を残していく営みというのも自然の大きな流れのひとつなんだなあとじんわり感じさせる。その中で性の描写も生々しくなく自然のことのようにあるのもとてもよかった。食べる、寝る、心を揺さぶる、そうやって生きて死を迎えていくこともあたりまえのことなのだとすっと思える。
ストーリーもよかったけれど、全体を包むゆったりとした流れが心地いいなぁと思えるような物語でした。