小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家への帰りに道草をして見つけた美味しいシュークリーム屋さん。長年の夢だった富士登山で拝んだ朝焼け。忘年会と称して、ペンギンと出かけたお気に入りのレストラン。一歩外に出れば、素敵な出会いが待っている。毎日を楽しく丁寧に暮らすには、ときには頑張っている自分へのご褒美やお休みも大切。そんなお出かけ気分な日々を綴った日記エッセイ。
小川糸さんは、人の良いところを見つけるのが上手いと思う。
「尊敬する」「すごい」と、まっすぐに感じることができて、その気持ちを自分のパワーにできるのは、ある種の才能かも。
今回も気になる本が続々と紹介されていて、読みたい本リストに追加。
「奇跡のリンゴ」、「野菜の力 精 -
Posted by ブクログ
小川糸さんの、日記、ペンギンシリーズ(?)
日常のよしなしごとをさらさらと綴ったシリーズだと思っていたが、今回は単なる日記やつぶやきを越して、「随筆」な感じになっているなあ…と。
いつものように、おしゃれでナチュラルな日常の気分をおすそわけ…という癒し、プラスアルファ、いろいろ心に響く事柄がある。
犬と日常、あとはベルリン滞在と、ヨーロッパ旅の日々。
ヨーロッパの旅では、思いもよらないトラブルに見舞われる。
お土産に買ったペーパーナイフを空港で没収されたり、ストライキに巻き込まれ、スーツケースを運搬してもらえなかったり。
海外旅行する日本人は、進んだヨーロッパに感激し、日本の遅れた文明に -
Posted by ブクログ
『食堂かたつむり』『蝶々喃々』もとても好きな物語。
『食堂かたつむり』は静かな山村、『蝶々喃々』は東京下町、そしてこの『ファミリーツリー』は季節の移ろう穂高の景色をものすごくきれいに写し取っていて、それだけで美術館のような文章。自然の移り変わり、草木、動物、命あるものの描き方がとても素敵だ。
登場人物の心模様もそれと似ていて、嫉妬や葛藤や絶望やどろどろした部分、憧れや喜びや恋心やきらきらした部分が、夏もあれば冬もあるように全部同じあたりまえにあるものとして描かれている。主人公のひいおばあさんの菊さんが「人だけが特別だと思っちゃいけない、草も虫もみんな同じだ」と言うその言葉がとても印象に残る。