瀧羽麻子のレビュー一覧

  • 虹にすわる

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    「虹に『すわる』」という作品名で椅子作り工房が舞台の物語。
    仏壇職人の家に生まれ、物語の中では実家で修理屋をしている徳井。
    徳井の後輩で椅子作りへの情熱はあるが、就職先の工房を飛び出し、徳井の所へ転がり込んできた魚住。
    この二人が椅子作り工房を営んでいく様子が描かれている。
    日常の物語が穏やかに流れていく。もちろん、様々な葛藤も描かれている。
    そんな中、印象に残ったのは登場人物の二人が夢を持ち続けて楽しそうにしているところだ。
    夢を持ち続けて、好きなことを楽しそうにしている様子が容易に想像が出来て、また、それが私の中ではキラキラと輝いていた。
    そんな二人を羨ましく思うと同時に私も二人のような時

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    2022年09月22日
  • 乗りかかった船

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    ひさしぶりに、正統派のお仕事小説を読んだ感じです。悪者が出てくるわけでなく、みんなそれぞれ頑張って生きている様子に、ついつい自分を重ね合わせてしまいます。続きがぜひ読みたい作品でした。

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    2022年08月30日
  • うちのレシピ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    一組のカップルとその両親、6人の視点で語られる結婚に至るまでとその後のお話。現在と過去、そして未来もあり想像しながら楽しめる。母親の美奈子さんは少し自分に似てるようにも思えて親近感もあり。少し変わっているけれどパートナーはとても理解あり羨ましい。最後になんの問題もないと思った真衣ちゃんにも辛い過去があったとは。ちょっぴり涙し、微笑ましくもなった物語だった。

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    2022年08月28日
  • 虹にすわる

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    こじれたアラサー男子二人が椅子職人になろうといきあたりばったりで進んでいく話。
    行きあたりばったりでも、お互いが互いの苦手な部分を上手くフォローしている。
    調子に乗るタイプと慎重派タイプ。
    サクサク読めた。
    ☆3.5かな。

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    2022年07月31日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    若い頃は恋愛の先のゴールが結婚で
    とても幸せなことだと思っていた

    時間をかけながら夫婦や家族の形が変わっていく
    夫婦の数だけ形もあって
    結婚の意味がある
    それはまさにこの短編集の最後の
    「いつか、二人で。」の一節にあったように
    夫婦の最後にならないと結婚の意味は分からない

    この本は黒い結婚と白い結婚に分かれている
    黒はダークで少し現実離れをした設定
    白は現実的な設定
    バラエティーの富んでいてどの話も面白かった
    窪美澄さん
    滝羽麻子さん
    中島京子さん
    の作品は読んだことがあるけれど
    殆どの作家さんの作品を初めて読んだ

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    2022年07月15日
  • 左京区桃栗坂上ル

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    おとなしくのんびりした性格の上原璃子。
    父の転勤で、璃子が4歳のとき一家は奈良へやってきた。
    住宅地にある公園で、璃子は同い年の果菜と友達になり、三つ歳上の「お兄ちゃん」が、時々遊びに加わってくれた。
    商店街のはずれで両親が青果店を営んでいる兄妹。「お兄ちゃん」とは、すなわち安藤くんである。
    その後も上原一家の転勤はたびたび続き、大阪に栄転となった父のおかげで、ついに高校生の璃子は、果菜と「お兄ちゃん」に再会するのです。

    左京区シリーズでおなじみの、優しくて親切なあの寮生たちにまた出会えます。
    お兄ちゃんと同じ大学の農学部に入学した璃子の大学生活に、前回も登場した学祭のたこ焼き屋の場面や、葵

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    2022年04月14日
  • 左京区恋月橋渡ル

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    左京区シリーズ第二弾は、大学院生になった山根くんが主人公。
    相変わらずの寮生活が続いています。
    バイオを専攻している、食べ物が大好きな安藤くんに加え、三次元ゲームの開発に携わっている後輩の寺田くんや、ダニを研究している川本くんも登場します。

    工学部工業化学科、花火が大好きで、小柄でメガネをかけた艶やかな黒髪のおかっぱ頭の山根くんが、白いワンピースの可憐な乙女に人生初の恋をするのです。
    花ちゃんのアドバイスを受け、下鴨神社に毎日参拝したかいあってか、名前も知らない例の姫とようやく再会を果たすのですが、なにしろ女性慣れしていない山根くん。お茶をするにも、デートの待ち合わせやランチをするにも失態続

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    2022年04月09日
  • うちのレシピ(新潮文庫)

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    小さなレストランをめぐる2つの家族の物語。家族それぞれの思いと美味しいご飯。お腹すいたー!と読んだ後に笑顔で思える。

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    2022年04月09日
  • 左京区七夕通東入ル

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    瀧羽さんの小説はいつもタイトルが個性的です。
    これは、京都を舞台にした、大学生の恋愛小説。
    オシャレが大好きな、文学部4回生の花の恋物語。

    「七月七日の朝にブルーベリーをこぼしたおかげで、わたしはたっくんにめぐりあった。」

    なんて純粋で可愛いお話なんだろう。
    花は、同じ高校だったアリサとその彼氏修治の主催する合コンに参加して、たっくんこと龍彦に出会います。
    寮生活をする理学部のたっくんと、同じ寮生の友人ヤマネとアンドウ。
    三人セット、プラス花の四人で、タコパに花火、学祭、飲み会。
    もう青春そのものって感じです。
    京都の町を散策したくなります。

    たっくんをどんどん好きになる花。「数学バカ」

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    2022年04月02日
  • うさぎパン

    匿名

    購入済み

    パン好きでつながっている高校生の女の子と男友達のパン屋さんめぐりから始まる温かいお話です。
    主人公と男の子の微笑ましいやり取りに、こちらがもじもじしてしまいました。
    初恋は実らないって言うけど、この二人ならわからない、なんて思ったり。
    そのあとの不思議な展開も終始微笑ましくて、大好きな世界観です。

    #胸キュン #ほのぼの #癒やされる

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    2022年03月25日
  • 左京区恋月橋渡ル

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    あなたは、『京都』という地名に何を思い浮かべるでしょうか?

    『京都』と一言で言っても、その地名に思い浮かべる景色は人によってさまざまです。いわゆる”寺社仏閣”の数々を思い浮かべる人もいるでしょう。まさしくそれは王道な『京都』のイメージです。一方で、『葵祭』や『祇園祭』、そして『大文字の送り火』といった古来より引き継がれてきた伝統行事の数々のことを思い浮かべる人もいるかもしれません。そしてまた、『夜明け前の鴨川は、しんと静まり返っている』というような『京都』の街が見せるさまざまな情景に『京都』を感じる人もいるかもしれません。そんな情景には『季節も重要である』と言う通り、同じ景色が季節の変化によ

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    2022年03月09日
  • あなたのご希望の条件は

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    瀧羽さんの作品、初めて読んだ。
    テンポ良く読めるし、自分には読みごごちが良かった。

    人材紹介のキャリアアドバイザー
    人生の岐路にある人と向き合う興味深い内容。それぞれの選択がとても良かった。

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    決定的な不満や不安がある訳でも無いのに停滞感をしょっちゅう感じていて、
    どこかにある理想の仕事という幻想を追いかけたくなって、でも一歩も踏み出せない。
    本当にやるべき事が目の前にある事も充分に分かっていて、やるべきことをやっているつもりなんだけど…
    というような小さなモヤモヤ感。実は結構多いのでは無いだろうか。

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    2025年07月05日
  • あなたのご希望の条件は

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    小説になる綺麗な話ばかりじゃないんだろうけど、
    相手の人生を一緒に創れるって良い
    これからの仕事がんばろう(2021,12.31)

    24年3月
    21年に読んだ際は気づかなかったけど、
    この作者は実際に働いたことがあるのか?というくらいエージェントへの解像度が高くて
    再読なのに圧倒された。

    ひとりひとりの選択をささえる仕事、だけれども
    ギリギリまで自分ごととして捉えていたい。
    それが効率化には繋がらないとしても
    私はそうしてたい。
    入社日して2年、嫌になって伝書鳩になったときもあるけれど、表彰が狙いになってたこともあるけれど、そうじゃないよね。

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    2024年03月04日
  • 左京区七夕通東入ル

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    さてさてさんにお勧めしていただいた本です。

    タイトルを見てわかるかと思いますが、舞台が京都です。
    私が京都に住んでいたことがあり、とても懐かしいとコメントしたら、お勧めいただきました。

    川端通、出町柳、修学院。のっけから懐かしい地名がたくさん出てきました。
    なにせ私は高野川沿いの川端通りに住んでいて、叡山電鉄の修学院駅まで歩いて4,5分のところでしたから。

    主人公の花は京大とははっきり書かれていませんが、たぶん京大の文学部の4回生で商社に就職が決まっています。

    そして人数合わせの合コンで七夕の日に出逢った龍彦(たっくん)は理学部の数学科。4回生で大学院に進む予定。

    あとは花の友だちで

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    2021年11月21日
  • 株式会社ネバーラ北関東支社

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    東京の外資系の証券会社でバリバリ働いていた弥生は、田舎の健康食品の下請けメーカーに転職した。
    実は納豆が苦手だったのに、採用はあっさりと決まってしまった。
    バラエティー豊かで仲のいいメンバーと、何だかほのぼのとしたゆるやかな毎日が始まってゆく。

    人生には休息が必要なのだと思う。本当にそう思う。
    世の中にはうまくいかないことの方が多いのだから。

    「ネバーラ」という一見おかしなタイトルだけれど、恋愛の要素も少し含まれていて、読んでいくうちに、身も心も癒されます。

    併録されている短編「はるのうららの」は、高卒でネバーラの事務員として働いているマユミの、高校時代のことが書かれています。
    東京への

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    2021年11月14日
  • はれのち、ブーケ

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    あなたは、『結婚式』という言葉にどんなシーンを思い浮かべるでしょうか?

    『チャペルの裏口で裕人(ひろと)と別れ、父娘ふたりだけ』となった時間、『しっかりな』と言う父に『無言でうなず』く理香子。『大丈夫、お父さん。裕人は約束を破らない。なにがあっても、幸せになる。きっと、ふたりで、幸せになる』と強く思う理香子。その時、『ゆっくりと扉が開』き『真っ白なチャペルに、パイプオルガンの柔らかい音色が響き渡る』という荘厳な瞬間。そして、『バージンロードの一番向こうには、裕人が笑顔で立っている』のを見る感動の瞬間。

    こんな風に書かれているその場面も、人によって見えている景色は違います。視点が違えば見え

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    2021年11月10日
  • 左京区恋月橋渡ル

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    ネタバレ

    山根君の初恋はハッピーエンドとはならなかったけど、すごく良い終わり方でよかった。10代?と思うくらい純粋な恋でかわいかった。

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    2021年10月28日
  • いろは匂へど

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    京都で食器屋をいとなむ30代半ばの紫(ゆかり)が、染め物師の光山(こうざん)と、ゆっくり恋をするというお話。紫のことが好きなアメリカ人のブライアンや、光山といわくのあった藤代など、登場人物が魅力的。物静かで内省的な紫はいい感じに思うので、やや変わりのもの光山と仲良くなるのは腑に落ちないのだが、変わっているところがないと魅力を感じないものかもしれないなとか思った。朝の連続ドラマを読んでいるよう感じもしていい作品だと思った。

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    2021年10月27日
  • 左京区七夕通東入ル

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    とっても綺麗な青春恋愛小説。京都の街並みの描写がたくさん出てきてすごく良い。挿絵もかわいくて、何度も読み返したくなる。大学卒業を控えて、新しい環境へ飛び込むことへの不安や将来へのもやもやする気持ちも共感できるし、花とたっくんの関係が爽やかで、心洗われる気持ちになった。

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    2021年10月16日
  • ぱりぱり

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    6つ上の姉は、家族と離れて暮らしている。
    気負いなく堂々とわが道をゆく姉。
    私は風変わりな姉のことが好きだった。
    17歳で詩人になった姉、中埜菫―なかのすみれ―。

    第一話は妹の視線で書かれていた。
    タイトルになっている「ぱりぱり」の意味もすぐに理解できた。
    不思議な魅力を持つすみれのことが、続きが気になります。

    連作短編のようだが、いろんな読み方、とらえ方のできる小説だと思った。
    すみれってなんて凄い子なんだろう。ささやかだけれど、この独特な存在感。
    菫を担当する編集者や、菫の才能を見出した高校教師など、すみれと関わった人たちの小さな気づきが、心に沁みてきます。

    そして最後の「クローバー

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    2021年09月04日