瀧羽麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
魚住くんの椅子への愛があふれ過ぎていて、たまらなく愛おしい。
あらためて、「椅子っていいな」と思った。
人は常に居場所を求めるものだけれど、その一番小さなスペース、単位?…が椅子なのではないかと思った。
それが、心と体に添う物ならなおさら。
徳井律と、一つ下の魚住光は、10年前、大学の選択科目の木工の授業で知り合った。
卒業後、建築学部だった徳井は住宅メーカーに就職して営業職となり、造形学部だった魚住は老舗の家具工房に弟子入りした。
10年を経て、徳井の故郷で二人は再会。
徳井は年老いた祖父が心配(という名目)で故郷に帰り、そこへ、親方の方針と対立して家具工房を飛び出した魚住が転がり込んで -
Posted by ブクログ
好奇心旺盛でオシャレが大好きな花。
人数合わせで参加した合コン以来、たっくんが気になって仕方がない。
少しずつ、少しずつ、どんどん好きになっていく。たっくんとちょっと何かあるだけで舞い上がってしまうの花が初々しくて可愛い。
これぞ甘酸っぱい恋。
たっくんの友人 工業化学科のヤマネが好きなものは爆薬と酒、ガタイの大きなアンドウは遺伝子と酒。いつもワイワイみんなで集まって飲むお酒は美味しくて楽しいだろうなぁ。
自分の好きなことを伝えようと目をキラキラさせて一生懸命に話す様子にキュンときます。
穏やかに募ってゆく恋心と青春をもう一度味わえる1冊でした♪ -
Posted by ブクログ
まだ社会人になって間もない私には、新入社員の幸子にとても近い立場で読むことができた。
ベテランの人でも、若手の頃を思い出して共感するところが多いのではないかと思う。
学生とは違う人との付き合い方に驚いたり、会社での理不尽な出来事に納得がいかなかったり。
入社して間もない人間の方が、会社のおかしなところに気付きやすいものだと思う。
会社の売上データがまとまってないというのはかなり極端だとは思うが、戦略を立てて動けていない中小企業は多いだろうな。
他にもワンマン経営者とそれに服従する幹部とか、現状維持に甘んじて挑戦する意欲のない気風とか。
幸子は30周年にふさわしい企画を、と仕事を与えられたの -
Posted by ブクログ
タイトルにもなっている会社が舞台のお仕事小説ぽい心を癒すお話です。
主人公の弥生は東京の証券会社でバリバリと働いていましたが、失恋をきっかけに仕事にも疲れを感じ、とても田舎にある健康食品メーカーに転職します。その会社は売り上げのほとんどが納豆で、下請け会社のため取引先のブランドで市場に商品が出ていきます。弥生はこの田舎の街で、1時間に1本しかないバスで会社に通い、ゆるく仕事を始めます。弥生が所属する経営企画部は、ちょくちょく英語が登場する課長、28歳の沢森くん、パートの西川さん、高卒事務員のマユミちゃんの合計5名の居心地の良い職場です。身売りされるとの噂が流れ、本社から佐久間さんという研修の人 -
Posted by ブクログ
ネタバレぱりぱりって何?と思いながら読みはじめたけど、あっという間に読み終わりました。
少し変わった子供だと思われていたすみれ。
そのまますみれが、ただの変わった子、として育てられていたら、この物語のような素敵な展開はなかったんだろうな。
両親はもちろん、時々嫌気がさしながらもあたたかく見守った妹、才能を発掘した先生、編集者。
みんなが優しくて、あたたかかったからこそ、すみれはメモに詩を書き続けることができているのだと思う。
そして何より、すみれと碧の出会い。嬉しかったなぁ。
周りの人があたたかかったのはもちろん、すみれ自身にあたたかさがあるからで。誤解されやすいかもしれないけど、本当は優しさ