瀧羽麻子のレビュー一覧
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ネタバレ京都が舞台のお話。住んでいるわけでじゃないので多分あの辺りかなぁくらいに思い浮かべて楽しめたかな。
それぞれに何かに夢中になるなど自分が持っていなかったり、やりたいこともなく就職するor将来をしっかり決めているとかコンプレックスに思ってるところに惹かれると言うありきたりではあると思う(笑)
思うけれどきっとそういうことを思ったり考えたりして過ごした時間が今後に影響与えるのかな〜。
恋のライバルが人ではなく大腸菌とか数学って太刀打ちできるんだかできないんだか(笑)
たっくんが全くの恋愛音痴とは思えず所々言葉の端に狙ってる?って思わせるセリフが。
東京に行って離れてしまう事を心配する花に
「そ -
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17/09/21 (64)
ふと『うさぎパン』を思い出して、あのやさしいあたたかい感覚の本が読みたいなあと思ってこれを。表紙が不思議でほのぼの可愛い。表題の『ぱりぱり』がすごく良い。ほかはまあまあふつう。
・「しかも今日じゃないし。来週だよ」
「わかってるよ。もうすぐだね、って言ったでしょ」
姉は弁解し、
「でも、今日みたいな日だったんだよ」
と続けた。
「よく晴れてて、暑くて、だけど空が青くて気持ちよかった。今朝、急に思い出したの。ずうっと昔のことなのに、はっきり覚えてる」
だって、すごくうれしかったから。
姉が目を細めてしめくくった。クッキーの焼きあがりを知らせる電子音が、キッチンに響き -
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恐ろしいまでに、読んでいて気恥ずかしくなったり、胸がきゅんきゅんしたのである。
恋愛と縁遠き主人公の悪戦苦闘、苦悩の模様はかつて経験した初恋その他における自分の悪戦苦闘、苦悩とよく似ており(というか、誰しも通る道ではないか)、なんとも主人公が愛おしく、また、楽しき友人たちをうらやましく思った。
女性と初めてお茶したときの不安定な心の浮き沈みをジェットコースターに例えたところがあったが、まさしく私も昔そう感じたものだなあと、過去を思ったものである。
そして、好きな人がいてあれこれ思い悩むことはしんどくとも、実に楽しいと感じさせられた。
これからその戦場に赴く者、その戦いの最中の者、全てにおすすめ -
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ネタバレ表題作の「ぱりぱり」のラストが秀逸でした。
中埜菫(なかのすみれ)というひとりの詩人。
私たちから見れば、変わった女性。
この人に翻弄される周囲の人たちの
それぞれの視点で描かれる連作短編集。
すみれが「いたせいで」苦悩し
すみれが「いたおかげで」自分自身の
気づきを得る。
すみれを触媒として、自分の生き方を
一歩前へと進めてゆく人々は、それぞれに素敵。
でもひとつだけ不満なこと。
すみれは何を思い、何を感じているのか。
難しいのだとは思うが、私はすみれの目に
映るものの美しさを、すみれの視点から見たかった。
要するに、すみれの詩をもっと読みたかった。
すみれというフィルターを通 -
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東京の証券会社を辞めて、田舎の納豆メーカーに転職した弥生。ネバネバだからネバーラかと思ったら、まさかのネバーランドに掛けての会社名。たいしてやる気も起こらず、ゆるゆるとした生活を送るつもりが、同僚の沢森くんのひと言が弥生の心に火をつけます。やがて会社が乗っ取られるとの噂を聞き、そうはさせてなるものかと弥生たちは新企画を練り始めるのですが……。
同著者の『うさぎパン』と同様、キャラが魅力的。特に大阪出身で駅前の居酒屋を一人で切り盛りする桃子さんの頼もしいこと。「恋愛はな、とにかく押しや、押しの一手や!押してだめなら、もっと押す!」。
「どんなひとにも人生が手に負えなくなるときはある。そして、