あらすじ
京都・二条で小さな和食器店を営む紫(ゆかり)。好きなものに囲まれ静かに暮らす紫の毎日が、20歳近く年上の草木染め職人・光山(こうざん)の出現でがらりと変わる。無邪気で大胆なくせに、強引なことを“してくれない”彼に、紫は心を持て余し、らしくない自分に困り果てる。それでも想いは募る一方。ところが、光山には驚くべき過去が――。ほろ苦く、時々甘い、恋の物語。
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Posted by ブクログ
2024/12/08
瀧羽麻子さんの作品は本当に好きで色々と読み漁ってます。
この本は、着物を染める職人さんの光山という人物と出会った、こじんまりとした食器販売店を営む紫さん(ゆかりさん)の紆余曲折ある人間関係の模様を描いたお話です。
それぞれの人の雰囲気があるように、着物にもそれぞれの人の良さを際立たせる色があって、それを考えながら着物の染色をする職人さんの人を見る目というのがこの本の描写の中に出てきます。
人の性格や人間性を見抜いてどんな色が合うかを考える、またその色はどんな植物から得られるのかと言った、普段は考えたこともないような世界が描かれていてとても面白かったです。
また、舞台が京都のいろいろな街に準えてあるのも表現がすごく素敵だなと思いました。
知っている町が多い分、イメージがしやすくてこちらも読んでいて楽しかったです。
Posted by ブクログ
あっそうか京都大学だから、舞台が多いのか。たしかに京都に住んでいないと心情までは書けないからってこと でもあんまり京都弁出ないね、ふと光山が出し方する方がインパクトのあるのかな。恋愛小説でしたね、心の移り変わりが色濃くて 謎の存在感の藤代さんも絡ませて、グッと近付いてハッピーエンドでもなくて、鼻にもつかないし嫌いじゃないです。ていうか7冊読んでるんですがソリャ好きだからだわさー。これは2017年と最近ではなくて、という事は書き手も進化しているのだろうなあー。乗り掛かった船もよかったし、うちんレシピも
Posted by ブクログ
『うさぎパン』を読んで瀧羽さんの世界に触れたくて手に取った本です。
光山と紫の距離感にムズムズしたりもしましたが、白黒ハッキリさせることは絶対必要なことではなく、むしろ割り切ってしまった方がいいこともある。
割り切ってしまう恋愛は少し寂しい気がしました。
ブライアンの素直な気持ちを真っ直ぐな言葉にして伝えてくれる所に心が暖かくなりました。
人は誰でも、毎日少しずつ何かしらの影響を受けて染まっていく。いい様にも、悪い様にも。
またひとつお気に入りの作品が増えました。
Posted by ブクログ
京都を舞台にしている。
小さな和食器を扱うお店の紫さんは
彼女を慕っている外国人ブライアン、
そしてカフェふやまちのオーナーたちと平凡な日々を送っていた。
ある日、行きたくなかったパーティーで草木染をする光山先生に出会う。
そして彼を取り巻く女性たちと関わっていく事で、いつもの日常が少しずつ変わっていく。光山先生はは一癖ある人物で、彼を取り巻く人たちも同じように波乱な人生を歩んでいる。そんな中、紫さんはなぜか彼に惹かれていく。惹かれていくのには理由なんてないんだろう…。そんな紫さんのゆれる気持ちを描いている。瀧羽さんの小説は、スケッチブックに京都の町並みを描き進めていくように広がりを見せてくれる。
その中で、登場人物が色付けされていく様がとても好き。
映画化やドラマ化されたら、
紫さんは 木村文乃さんかな。
光山先生は池内万作さん、
光山先生の一番近くにいる藤代さんは羽田美智子さんかな、
と、個人的に設定しながら読みふけってしまいました。。
Posted by ブクログ
京都で小さな和食器店を営む紫(ゆかり)の、京都らしさがいっぱい詰まった恋物語。
紫に想いを寄せているブライアンという欧米人のお客さんが登場し、“京都らしさ”をさらに引き立たせています。
あるパーティーで知り合った、紫より20歳ほども年上の染色工芸家湊光山(みなとこうざん)は、染めものに情熱を注ぎ、つかみどころのない魅力を持った人物で、危ないとわかっていながら、紫は光山のペースにどんどん巻き込まれていきます。
光山の工房を手伝っている藤代さんも美しく謎めいた女性で、もどかしいけれどこの恋の行方が気になります。
初めは、瀧羽さんの優しい文体のせいか素朴な雰囲気を感じていたのですが、50代と30代のわりと大人な恋愛小説でした。
ひとたらしな芸術家光山を中心に、藤代さん、紫、ブライアン。こういう関係もありかなと、最後はすがすがしい気持ちになれたし、京都の名所も満喫できたし、私はけっこう楽しめました。
Posted by ブクログ
読み返すのは4回目。
大きな波風がなく穏やかな物語で、舞台となる京都の町並みや染め物の描写が魅力的。
何かに影響を受けることを「染まる」と表現する日本語の美しさを、読んでいて再発見したような気持ちになる。
Posted by ブクログ
京都で食器屋をいとなむ30代半ばの紫(ゆかり)が、染め物師の光山(こうざん)と、ゆっくり恋をするというお話。紫のことが好きなアメリカ人のブライアンや、光山といわくのあった藤代など、登場人物が魅力的。物静かで内省的な紫はいい感じに思うので、やや変わりのもの光山と仲良くなるのは腑に落ちないのだが、変わっているところがないと魅力を感じないものかもしれないなとか思った。朝の連続ドラマを読んでいるよう感じもしていい作品だと思った。
Posted by ブクログ
大人の余裕を持つ男性と自分を大切にしてくれる若めな男性との間で揺らぐよくある恋愛小説かと思った。
まったく違う。
過剰な甘さは無いし確信を持って幸せな物語だとも言えない。
でも何だろう。
たっぷり水を含んだ絵の具を和紙に落としたときのようなポッと染まるような、じんわり温かくて不思議な気持ちの良さは。
Posted by ブクログ
何作も読んできましたが
もしやこの作品が滝羽麻子さんの本領?
描き方が美しくて素直で
とても感情移入できました。
男の描かれ方も女の描かれ方も
男から見ていて頷けることが多くて
京都を感じることは
相変わらずできなかったけど
空気感はとても好きです。
小川糸さんの「喋喋喃喃」に
どこか通じる風を感じたのは私だけかな。
こういう友人関係なら心地よいでしょうね。
修羅場を経てでも手に入れたい快適さを
私は感じてしまいました。
Posted by ブクログ
大人の恋愛、かなあ。
他人にいきなり心を持ってかれて振り回される感じも、気持ちの乱高下もわかるっちゃわかるけど、さっさとブライアンを選ぶべきだと思いました、私は。
こういう煮え切らない男は私は無理だ。
Posted by ブクログ
京都が舞台と手に取るも、紫に魅力を感じられず共感できなかった。主人公に寄り添えない読みは辛い。
草木染めの描写は美しいのに、その美を生み出している光山もうすっぺらで魅力を全く感じられない。なぜ紫やたくさんの女性たちが惹かれるのか分からない。
藤代さんや紫を一途に想うブライアンが魅力的で最後まで読み通したが、これが大人の恋愛というのなら、私には分からないのかも‥‥
Posted by ブクログ
和食器店を営み古民家に住むとか、草木染職人とか、すごくワクワクした。
しかも京都が舞台なので風景を思い浮かべたり、想像したりしてすごく楽しかった。
でも後半は恋愛小説って感じであまり楽しめなくなってしまった。
Posted by ブクログ
集中して読めなかったのが災いしたか、草木染め職人に何の魅力も見出すことができず、白黒つかない終わり方に消化不良でした。桂木桂を除き、女たらしはどうにも生理的にダメみたい。反面、京都の情景描写は胸に迫るものがあり、無性に行きたくなりました
Posted by ブクログ
京都で小さな食器店を営む30代女性が主人公。偶然知り合った草木染職人に心を揺らす。この草木染職人が「ひとたらし」でつかめないんですよね〜。人の懐にすっと入るというか、好かれるというか。本人に悪気はないだけに始末が悪い。結局終盤でこの草木染職人の本心がわかりますが、30代の微妙な時期にこんな人と出会ったらいやだわ〜。ブライアンの一途な気持ちに私なら惚れる。
Posted by ブクログ
高校生が主人公になるような青春的恋愛物語のような雰囲気ではなく、かといって村上春樹の描くような過激的な雰囲気でもない、淡い感じの雰囲気の恋愛小説です。
特に特別な感じはなくて、主人公達の日常をのぞいているような小説に感じました。
Posted by ブクログ
京都、和食器店、草木染め職人にこのタイトルとくれば繊細でたおやかな物語を想像していましたが、読んでみると予想外の破天荒さ。
ちょっと期待していた世界観と違ったな。
Posted by ブクログ
はやりのカレセン。
おじさまにエロティシズムや萌えを求めるのは、たぶんフェチズムの一種なんだろう。
瀧羽麻子、どんどん危ないところが出てきてる。いい。でもこわい。
Posted by ブクログ
文章も読みやすくて描写もくどくなくて綺麗なのですいすい読めちゃう。けど、うーん…どうも20とか30も上の父親ほどのおっさんとどうのと言われても自分が若かった頃にそりゃあ20くらい上の職場のダンディおじさま何人かに食事にも連れてってもらったりしたけど…読んでても「無いだろ〜」としか思えなくて、ちょっと気持ち悪かった(笑)まあ、芸能界ではたまに聞く話だけど…うーん…ひとまわり上くらいまでが限界じゃ無いでしょうか。それくらいならまだストーリーが入って来たかも。
映画化するなら誰だろうと考えながら読んでたけど、想像すればするほど気持ち悪…
まあ、そこらへんは個人の見解で分かれるところだとは思いますけど、図らずもやたらモテてしまう自由奔放が魅力なおっさんの話でした。