瀧羽麻子のレビュー一覧
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転職エージェントで働く主人公”香澄”。転職の相談に乗るうち、自分の人生を見つめ直す。長編小説。
転職を希望する理由や、会社に求める事、何にやりがいを感じるか、譲れない部分が十人十色で興味深かったです。自分だったらどうだろうと考えながら読みました。
失敗だと思っていた事が、実はいい影響を与えていたりプラスに作用することもある。良い面も悪い面もあって、どちらに目を向けてどう受け入れるか。香澄のように真摯に向き合い続けていくことが、好転に繋がっていくといいな。と思いました。
傷ついて人を信じられなくなっても、立ち直って奮闘している姿に勇気づけられる小説でした。 -
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結婚の約束をしている啓太と真衣。
両親が小さなレストランを営む家庭に育った真衣と、その店にコックの卵として働いている啓太。
両家の初顔合わせの席に、バリバリのキャリアウーマンとして働いている啓太の母が現れなかったというところから物語は始まります。
家族って、はた目にはわからないけれど、父と母と子それぞれの思いが見えない部分で絡み合っていて、複雑な構造でできているのですね。
連作短編の形で物語が進んでいくのですが、単発的で時系列もばらばらだけれど、6つのお話の中に、両親の出会いや子供への想いがぎゅっと詰まっていて、胸に迫るものがありました。
食べ物の思い出が家族を優しくつないでいるような、ふ -
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◯読もうと思った理由
自分のキャリアもそうだが、人のキャリアをサポートすることに興味があったため、何か得るものがあるのではと思ったため
◯ 引っかかった言葉
p205 ちっとも変わらない、と九鬼に言われた。(中略)ちっとも変わっていないというのはつまり、ちっとも前に進めていないということでもある。
→主人公であるキャリアアドバイザーの香澄が、どんどん人生を前に進めている(ライフステージを登っていく)会員の様子を見て、自分の人生と比べている場面
⇒今の自分の重なる部分がありひっかかった。
また、アドバイザーが自分の人生において揺れているという、キャリアサポートだけでなく女性の人生におけるライ -
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ネタバレ京都を舞台にしている。
小さな和食器を扱うお店の紫さんは
彼女を慕っている外国人ブライアン、
そしてカフェふやまちのオーナーたちと平凡な日々を送っていた。
ある日、行きたくなかったパーティーで草木染をする光山先生に出会う。
そして彼を取り巻く女性たちと関わっていく事で、いつもの日常が少しずつ変わっていく。光山先生はは一癖ある人物で、彼を取り巻く人たちも同じように波乱な人生を歩んでいる。そんな中、紫さんはなぜか彼に惹かれていく。惹かれていくのには理由なんてないんだろう…。そんな紫さんのゆれる気持ちを描いている。瀧羽さんの小説は、スケッチブックに京都の町並みを描き進めていくように広がりを見せてくれ