瀧羽麻子のレビュー一覧
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ネタバレ【仕事や人生の選択肢と決断】
転職エージェントとして働く40歳女性が主人公。
彼女が受け持つ様々なクライエント、そして彼女自身の人生の迷いと決断、みたいなところが描かれる。
一つ新鮮だったのが、転職エージェントさんと求職者が対面でやり取りしているところ。今だとオンライン、リモートが多いと思うけれど、その分、その関わり合いの濃さ、みたいなものが違ってきたりするのかも、と思った。直接目を合わせて会うことを何度か繰り返すと、一定のコミットメントみたいなものも生まれたり、それが実際にどこまでマッチングの成果につながるか分からないけれど。人生への影響という面では、やはり直接会って関わった人から受 -
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母子2人の藤巻家に奉公することになったスミさん
息子は大学の研究室に勤務し、気象学を研究している
いつも空を見上げて歩いている、空以外に興味がない、ちょっと変わった人だ
藤巻家は、二十四節気ごとに決まった食べ物を食べたり贈り物をしたりする風習がある
立春の日、スミさんは息子の昭彦さんから空色の長靴をもらう
章が移ると十数年の時が経っており、家族の形も変わっている
そんな中でも二十四節気の行事は受け継がれていき、時が流れても世代が移ろっても変わらない核がある
最終章では、昭彦さんからひ孫まで4世代が出てきて、スミさんに贈るはずだった青色の長靴が昭彦さんからひ孫の玲に渡される
こうやって藤巻 -
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瀧羽麻子さんの作品を読むのは「うさぎパン」に続き2冊目です。
今回は気象学者の藤巻昭彦さんから始まり藤巻家の4世代にわたるストーリーが書かれています。
私は、もっと気象学がっつりのお話かと思っていましたが、藤巻家の日常をいろいろな世代で書かれていて、
最初と最後のお話がとてもほんわかして
可愛らしかったです。
世代がどんどん変わってもどこか風変わりな
藤巻昭彦さんの温かさが軸になっているので
心があったかくなりました。
最後のお話の
ひいおじいちゃんになった昭彦さんが、メモをたくさんとりながら、空を見上げているのを不思議そうにひ孫の玲くんが見ていると、
「あなたの頭で考えたことは財産です。残し -
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気象学者のいる藤巻家と、その周りの人々の物語。
第一章は、昭彦さんとスミさんの出会い。空を見上げてばかりいる昭彦さんと、足元を見ながら歩いてしまう癖のあるスミさん。実は対照的というのが面白い。
その後、時代や語り手を変えながら、藤巻家を見守っていく。
第一章に出てくる贈り物の長靴、最終章で今度は曾孫に贈られ、亡き曾祖母と曾孫のつながりを感じられて、なんだか温かい。
あまり話す機会のない曾祖父って、何となく謎なところがあるけれど、曾孫の趣味のことを覚えていたという優しい心とか、妻や孫娘を想う気持ちも垣間見えて、最終章はとても温かい気持ちになった。
ノストラダムスの大予言を本気で信じている女