瀧羽麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ表題作で第二回ダ・ヴィンチ文学賞大賞の「うさぎパン」と、
書きおろしの「はちみつ」の2編を収録した文庫を読みました。
読み終わると、パンがいとおしく、食べたくなります。
パンは本作の重要なエッセンスで、本筋とはまたちょっと違うんですが、
裏にあるパン万歳!的な風の流れを、読み手の心はしっかりとらえる、
というか、書き手にしっかりとらえられてしまいます。
ちかぢか、パン屋さんでトレーとトングをかまえてみようと思います。
「うさぎパン」はやわらかで、やんわりした物語でした。
幸せを感じられるような作品ですね。
裕福でありながら、家族関係がちょっと複雑なのが
物語をぐにゃりとさせていないところかも -
Posted by ブクログ
一人の女性の自立。
そんなふうに括ってしまえるかな?
周囲に多いタイプ。
自分は自分の意志で発言、行動しているつもりで胸を張っているけれど、実は自分に影響を与えた人の借り物の言葉を口にして、そのひとを真似て行動していることが傍目には滑稽なくらい見えているのに、本人だけが気づかず、人の意見には左右されない、と公然と言い放つ人。そのくせ、自分には力がない…などと矛盾することも口にする人。
槇さんや成宮のように行動できる人はさほど多くはないと実感する日々。
言葉と力が釣り合っている人には、なかなか巡り会えず、組織に属していることの虚しさを感じてしまう日々。
守るものがなければ、私も飛び出し -
Posted by ブクログ
30歳。ゼミ仲間の結婚式。
理香子、裕人、鈴子、亮、奈緒、章太郎。
そして文庫には章太郎の妻、ゆかりの視点の物語も収録されていました。
それぞれの視点から描かれるハレの日。
大学時代のこと、仕事、恋愛。
環境も変わって、仕事もそれぞれ違うけれど、
久々に会っても当時の空気感に戻れる。
大人になっても悩みは尽きなくて
それぞれ、隣の芝生は青いみたいなところはあるけれど、
過去を振り返りつつも、みんなが前向きな決断をするところが読んでいて心地よかったです◎
やっぱり、大学時代の友達って一生ものだなと
自分の友達を思い浮かべながら思いました。
登場人物の年齢が近いこともあって
共感で