瀧羽麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
気象学にしか興味のない変わり者の博士とその一家を描いた連作短編です。
全部で6編有りますが、最初の短編には博士と奥さんの出会いが描かれ、その後、博士、息子、孫娘、ひ孫と対象を変えながら話が進んでいきます。
瀧羽さんは2冊目。最初に読んだ『株式会社ネバーラ北関東支社』の感想には「なかなか楽しい物語です。ただ上のように”既視感”を感じるのは、ストーリーも人物設定も、どこかありふれたものだからでしょう(おデブ課長のカッコ良さはちょっと意外性がありましたが)。テレビドラマにでもしたら面白そうな作品です。」と書いています。とは言え、次の一冊に手が伸びるほどの印象は無く、そのまま放置してきた作家さん。最近、どこかで褒められているのを見て手を出す気になったのですが。。。
やっぱり1冊目と同じような感想ですね。悪い話じゃない。気象学にしか興味のない変わり者の博士を初め、登場人物の設定は良い。でもなんか薄い、あるいは軽い。スルスル読んで、後に何も残らない。やっぱりテレビドラマにしたら良いかも。そんな印象です。 -
Posted by ブクログ
これもドラマになりそうな(笑)
一昔前までは石の上にも三年と、転職なんてという時代が、
今はいろんな転職エージェントのTVCMがながれて。
そんなお仕事小説。
お金が絡むから儲け主義に走りたくなる営業に抗いながら丁寧に悩みながら主人公は奔走する。
私自身は決して居心地も待遇もよいとは言えない職場で長年働いていて、自分の意義もなにもない。手に職もないし、田舎だから転職も、簡単にはできないまま、それでも仕事一つ一つに楽しみを見つけて働き続けてるから、こんな無料の転職エージェントに、自分に何がむいているか聞いて貰いたくなるムズムズ感を、覚えながら読み進む。
どんな仕事だって楽な仕事はない。
新しい自分を見つけるため、意義を感じるためこんなエージェントがあってもいい。
香澄さんに、ちょっと背中を押された
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【仕事や人生の選択肢と決断】
転職エージェントとして働く40歳女性が主人公。
彼女が受け持つ様々なクライエント、そして彼女自身の人生の迷いと決断、みたいなところが描かれる。
一つ新鮮だったのが、転職エージェントさんと求職者が対面でやり取りしているところ。今だとオンライン、リモートが多いと思うけれど、その分、その関わり合いの濃さ、みたいなものが違ってきたりするのかも、と思った。直接目を合わせて会うことを何度か繰り返すと、一定のコミットメントみたいなものも生まれたり、それが実際にどこまでマッチングの成果につながるか分からないけれど。人生への影響という面では、やはり直接会って関わった人から受ける場合が多いと思う。
主人公は、過去のパートナーとの出来事があって、
うまくいかないと決めつけてないないけれど、腰が引けている。
必要とされることを期待しつつ、裏切りを恐れる。そんな心情は他人事でもない気がする。
いろいろな可能性を想像し、そしてその可能性を自分の決断で一つに絞る、という行為はキャリアだけじゃなくて、人生を進む中で付きまとう。
個人的に思ったこと。
人との関わり合いの中で成り立つものだから、どうなるかは決まっていない。
それでも不確定要素だらけの中で決断しないといけない。
悩みすぎても出てくる答えはないんじゃないかと思ってしまう。
二項対立で考えたら決められずに終わりそうなので、そこは完璧を求めないことが大事なのかも。 -
Posted by ブクログ
母子2人の藤巻家に奉公することになったスミさん
息子は大学の研究室に勤務し、気象学を研究している
いつも空を見上げて歩いている、空以外に興味がない、ちょっと変わった人だ
藤巻家は、二十四節気ごとに決まった食べ物を食べたり贈り物をしたりする風習がある
立春の日、スミさんは息子の昭彦さんから空色の長靴をもらう
章が移ると十数年の時が経っており、家族の形も変わっている
そんな中でも二十四節気の行事は受け継がれていき、時が流れても世代が移ろっても変わらない核がある
最終章では、昭彦さんからひ孫まで4世代が出てきて、スミさんに贈るはずだった青色の長靴が昭彦さんからひ孫の玲に渡される
こうやって藤巻家の歴史は紡がれていくのだろうなと切なくも温かくなるシーンだった
家族も良いことばかりだけじゃなくて、色々あるし上手くいかないこともある
でも脈々と受け継がれていくものがあり、それはありがたいことで、感謝しなきゃいけないんだなと思った