瀧羽麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人材紹介会社でキャリアアドバイザーを務める女性の1年間を描く。
転職エージェントを扱ったお仕事小説としての側面と、人生の選択というヒューマンドラマとしての側面とを併せ持った作品で、1月〜12月の12話からなる。
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人は誰も自分の適性を活かした職に就きたいと願うし、会社はどこもその職に適性のある人材を雇いたいと考えるものです。
だから転職を希望する人と必要とする人材を求める会社とを繋ぐ転職エージェントという職業は、社会にとって有意義な仕事だし小説のテーマとしても魅力的だと思います。
主人公の千葉香澄は人材紹介会社ピタキャリアのキャリアアドバイザーです。
香澄は28歳のときに系列会社の結婚相談所ピタマリーから異動してきて今年で12年目を迎える女性です。
転職といっても、人によって理由はさまざまです。
本作に登場するクライアントでも、
「キャリアアップを目指したい」
「やりたい職種に就きたい」
などの攻めたものや、
「ブラック体質の職場を辞めたい」
「勤務先が倒産した」
などの背水の陣的なもののほか、遠隔地への転居に伴うものまで、バラエティに富んだ事情が描かれていました。
そして岐路に立たされた人たちの真剣さもよく伝わってきたし、そんなクライアント1人ひとりに寄り添うように親身になってアドバイスする香澄の姿にはおおいに好感が持てました。
だから、少し淡々とした展開ではありましたが、お仕事小説としてはよい出来だったと思います。
一方で、香澄という不惑を迎えた女性の人生の選択を描いた点では、少し中途半端だったような気がします。
27歳で夫の不貞を知り、離婚。
この選択は正解だと思います。あの夫なら仕方ありません。
なのに、いつまでもそのトラウマを引きずり、私生活が歪になったままであるのはいただけない。
なぜなら、人生の新たな一歩を後押しする職にある者としては似つかわしくないでしょうし、離婚した人間にはふさわしくないとの理由で結婚相談員の職を辞した人物と同一とは思えないからです。
12年という歳月は決して短くないはずで、仮にその時間を以ってしても心を癒せずにいるのなら、そんな香澄の内面をもっと掘り下げて欲しいとも思いました。
巨大企業からの依頼で十和田のヘッドハンティングに関わった香澄が、今度はその十和田からヘッドハンティングされるというクライマックスシーン。
この場面は少し盛り上がりましたが、結末は予想したとおりであり、余韻を感じるほどでもなく物足りなさが残りました。
1年間を12ヶ月に区切って描く必要があったのかなあという気がします。 -
Posted by ブクログ
東京で働くバリバリのキャリア志向の姉、聡美。
田舎から出たことのないおっとりした性格の妹、愛美。
仕事のトラブルが原因で長期休暇中の聡美と、寿退社をして結婚式までは羽を伸ばしてくらしたい愛美が生活を取り替えっこすることに。
お互いのカレシを巻き込みながらも、姉妹のこと、自分のことに向き合って成長していくふたりの話。
家族ってお互いのことをよく知ってるようだけど、本当に苦しんでることを案外理解してなかったりする。故に無神経な発言をして相手を苦しめたり…。でも結局許しあえてしまったりできるのが家族の素敵なところ。だよね。
ラストの宝石のエピソードが効いてる。 -
Posted by ブクログ
★今晩、晴れるといいな(p.202)
(一)友人の那彩(なさ)に引っ張られるように天文部に入った中学一年の千春はそこはかとない疎外感を覚えつつも少しずつ部の雰囲気に馴染んでゆく。
(二)三年の無口な片瀬先輩にどう対応していけばよいか悩んでいる間にいつの間にか惹かれていた。
(三)夏合宿、文化祭、流星群観察などを通じてほろせつない一年生の四季をあっさり描く。
■簡単なメモ■(★は主要語)
【一行目】 地球から一番近い星は、月だ。近いといっても、三十八万キロメートルも離れている。地球一周は四万キロだから、九周半ぶんになる。
【宇ノ島/うのしま】北中セミナーハウスがある。
【屋上】校舎の屋上は原則生徒の立ち入り禁止だが天文部の部員だけ部室のある西校舎の屋上に出て観測してもよいことになっている。
【北中学】千春たちが通う。市立中学。東校舎と南校舎と西校舎のみっつがコの字型に並んでいるが校舎どうしをつなぐ廊下は一階にしかない。
【北中セミナーハウス】宇ノ島に卒業生から寄贈された北中セミナーハウスがある。元は別荘だった。迫力があって夜には何か出そう。天文部の合宿が行われる。書道部が使ったあとはきれいだが、演劇部が使った後だとひどい状態らしい。
【片瀬暁彦/かたせ・あきひこ】天文部の先輩。とても無口だがそこはかとなく表情に変化はある。千春には気になる先輩ではあるようだ。星に関心を抱くようになったきっかけは二階堂くんで千春における那彩と似たような感じ。
【ゴルゴ】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。
【紗希/さき】小学校での友人。中学は女子中でバレーボール部に入った。
【俊太/しゅんた】小学五年生のとき少しだけ親しかった。モテるタイプのようだ。卒業後は疎遠。
【千春/ちはる】主人公。長谷川千春。一人っ子。北中学の一年生。天文部はとても居心地いいのだけど一人だけ知識や関心が薄いのでときおり取り残される。
【ツム】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。
【天文部】北中学の天文部は、三年男子二人、二年生は男女二人ずつ四人、一年生が二人の全八人。二年生の四人は漫画部も兼任しており天文関係の漫画・アニメを研究している。
【那彩/なさ】藤沢那彩。千春の同級生。父親の影響で星好きだった。弟が(たぶん)三人いる。
【二階堂直紀/にかいどう・なおき】天文部の先輩。誰に対してもですます調。「熱い」が口ぐせ。五歳の誕生日に望遠鏡をもらって星に興味が出た。
【葉山/はやま】天文部の顧問。理科教諭でいつも白衣。夫も教師で県内の私立高校体育教師。
【星に願いを】《ひょっとして、具体的な願い事が浮かばないのは、今この瞬間が満ち足りているからだろうか。》p.163
【マイマイ】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。アルビレオ(はくちょう座の頭)が推し。
【モアイ】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。
【わかっていません】県立科学館のプラネタリウムの太陽系惑星ツアーのプログラムの解説で連呼される言葉。宇宙にはまだ謎ばかり。 -
Posted by ブクログ
タイトルを見て「え?」ってなりました。
政府が少子高齢化に歯止めをかけるべく、国民の恋愛活動の活性化を目的として「奨学金制度」「失恋休暇」を導入。そして「失恋学校」なるものがあるんです。
なにこの設定!?
以前読んだ森沢明夫著「恋する失恋バスツアー」に少し通じるものを感じる。
さて、この失恋学校。独特のカリキュラムで、世代も失恋事情も様々な生徒たちが全寮制の学校で1年間学びます。
主人公の雛子の状況が辛すぎる…。
学校で雛子と同室になったのは、才色兼備の貴和子と10代のエミリの2人。
3人が失恋の痛手から立ち直れる日、新たな恋の訪れはいつになるのか。
…と、その前に無事単位を取得して卒業しないと!
「恋人の欠点・嫌だと思ったことを30個書き出す」とか、課題が失恋学校ならでは。
恋愛から遠ざかってるので感情移入はあんまりだったけど、授業での分析とか「なるほどね」と思う場面はたびたび。
同じシチュエーションでも、相手が違うと反応も違うし言葉の使い方も違う。全く違う体験になるよな~と思いながら読みました。
軽い読み心地。
若い頃、恋愛中に読んだらまた感想が違ってただろうなと思う。
『老廃物や毒素やらが汗と一緒に流れ出るのと同じように、話すことで胸にたまった澱んだ空気を吐き出せたらいいと思う。深い穴の底から、また濁ったガスがたちのぼってくるとしても。』