瀧羽麻子のレビュー一覧

  • 虹にすわる

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    ネタバレ

    ゆったりと進んでいく物語。
    正反対の気質なコンビなので、椅子への情熱や思い入れも全く異なる2人だけど、不思議とかみ合うコンビ。
    途中の家具作りの手法説明にあったような、へこみと出っ張りをぴったり合わせる「組み手」を体現したような2人だなと思いました。“つなぎめをぴったり合わせるのは難しいけれど、うまくできれば美しくて強度も高い。”
    2人の作る椅子は、きっと同じように美しくて強度も高いんだろうな。

    どこでどう生きていくのか、自分の意思で決めるというのも、隠し持つプライドや自分への言い訳、周りの視線、いろんなものが邪魔をして、なかなか難しい。それでも自分で選んでいかなきゃいけないんですよね。

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    2021年02月20日
  • 株式会社ネバーラ北関東支社

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    優しい人しかいない、のんびりしたこんな職場で私も働きたいな。
    噂話がすぐ広がるのはいただけないけど、すごく心がゆるやかになりそうな環境。

    主人公は納豆嫌いとのことだけど、匂いは平気なのかな。というかよくそこを、周囲につっこまれないなと不思議に思う。無理やり食べてるってこと?
    あと納豆に歌を聞かせると良いというのが、ちょっと面白い。

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    2021年02月01日
  • 株式会社ネバーラ北関東支社

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    都会の会社だろうが田舎の会社だろうがそう大差ないんだろうけど、人間関係は違うかも?
    田舎のほうがお節介が多そうなイメージ。相手に踏み込まれるのが苦でなければ、のびのびできそう。

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    2020年11月21日
  • ぱりぱり

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    周りのことなど気にも留めない、独特な個性を持った菫と関わる人々の話。
    関わりの深さは登場人物によって大きく異なるが、ふとしたことが相手にとってはとても大きな影響を与えることもある。

    ただ、葵についてはどんな影響があったのかよくわからなかった。
    彼の物語は菫がいなくても成立しそう。

    妹、担当編集者、隣人、教師、同級生、母親の視点があったが、菫本人の視点で見た話も読んでみたかった。
    彼女にはどういうふうに世界が見えているのか気になる。

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    2020年10月07日
  • ハローサヨコ、きみの技術に敬服するよ

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    いつもの瀧羽麻子と違うテイスト。
    こういうのを読みたいかと言われれば、違う。

    ミステリにもエンタメにもなりきれていない中途半端な作品。
    著者はやはり盛り上げるのが苦手なようだ。

    カンニングにはもっと衝撃を受けて対立があっていいし、自分たちがしでかしたことの大きさに愕然とする描写があっていい。
    持ち前の文章が淡々としているせいで、主人公が無感動に見えることがある。

    専門知識のない分野で小説を書くのは大変なのだろうけど、パソコンにかかわる描写は抽象的過ぎて、底の浅い作品になっている。
    「左京区」の理系男子たちは著者の身の回りにいたというだけあって割とリアルだった。

    若者向けを狙ったのだろが

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    2020年10月07日
  • 左京区恋月橋渡ル

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    左京区シリーズ第2弾。

    国立大学とは思えない建築計画とか、ちょっと箱入りすぎる美月さんのキャラクターとか、どうして美月さんはデートに来たのかとか、気になるところがいくつかあった。

    でも、とにかく初恋らしさがよかった。
    初恋は、経験値が少ないせいで、思いの強さに比べてできることができることが少ない。
    だから実際に相手といる時間は少なくとも、それ以外の時間に相手のことを考えて、勝手に愛情が育って行ってしまう。

    山根は一人で悶々としていてまさにそんな感じだった。
    やっとデートにこぎつけたと思ったら、お茶に誘ったのにお金がないとか、スケジュールを分刻みで立ててしまうとか、スケジュールを書いたメモ

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    2020年10月07日
  • 株式会社ネバーラ北関東支社

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    ネバーラの人たちも、居酒屋「なにわ」の桃子さんも、みんな温かい。
    それに加えて田舎の風景と滝羽麻子の文章が合わさって、やさしさ純度100%の物語になっている。

    キャリアを積んでいた証券会社を辞めるとき、友人に「今辞めたら、みじめになるだけだよ?」と言われた弥生は、こう考えを巡らせる。

    「ここでがんばり続けるほうが、そしてとりかえしがつかないくらいすり減ってしまうほうが、よっぽどみじめに思えた。」

    今疲れている人の支えにきっとなってくれると思う。

    ただ、170ページ程度とボリュームが少ないせいで、ちょっと書き込みが足りないと感じた。
    弥生の再生までの道のりはもっと詳しく書いてほしかった。

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    2020年10月07日
  • 左京区七夕通東入ル

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    『うさぎパン』が良かったので、さっそく別の作品を手に取ってみた。

    女性作家が書く女子大生の恋愛ということで、少女マンガみたいな甘すぎる展開になってないかと危惧していたが、そんなことはなく爽やかな小説だった。

    同じ京都大学を舞台にしていても、森見登美彦の作品とはこんなに違う雰囲気になるんだなあと新鮮な気持ちになった。

    主人公の花は、男性が書く女の子像とははっきりと違う。
    ファッションにこだわりがあって、バイトは古着屋、お酒も飲むし、クラブに踊りに出かけることもある。
    いろんなことに興味を持っていて、過去の恋愛は飽きっぽいせいか長続きしなかった。

    私みたいな地味な男からすれば、彼女はいわば

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    2020年10月07日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    窪美澄さん目当てで読み始めたけれど、このように色々な作家の作品が読めるのは良い事だ。やはり‘白い結婚’ラスト2話が とても良かった。

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    2020年09月20日
  • 虹にすわる

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    真面目で人に合わせて生きることを厭わない、無口な職人肌の先輩。
    ふわふわしているようで椅子の事になると曲がらない、天才肌の後輩。
    ずっと夢を見ていられるほど若くもないが、夢を捨てて現実に生きる程達観出来る年でもない。祖父と暮らす為に都会を離れた先輩の家に転がり込んだ、椅子作りの夢を見続けている後輩が次第に現実的な先輩を巻き込んでいきます。

    ライトな読み口でさらりと読めます。言い換えれば引っかかりも少ないので、この本を読んで何かを始めようと思わせるパワーは持ち合わせていないです。
    色々な物を犠牲にしているように見えながら、とても多くの物を持っている二人としか見えませんでした。

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    2020年08月04日
  • 虹にすわる

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    椅子はこだわり始めたら際限なさそう。量産タイプのものしか購入したことないけれど、オーダーメイドで作ったら一生大事にするだろうなぁ。

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    2020年07月31日
  • 失恋天国

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    結婚式直前かぁ、かなりショックだな。でも、ここは結婚式後ではなくてよかったと切り替えないと落ち込むばかりかも。済んでしまったことを悔やんでみても変えられないしね〜。
    とりあえずこんな学園があったら申し込んじゃうかも。

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    2020年07月24日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚にまつわるアンソロジー。
    黒い方が私は好みだな(笑)

    でも、最後の話はちょっとグッと来た。

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    2020年07月19日
  • ぱりぱり

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    1人の詩を書く人とその周りの人のお話。
    するするゆるゆるとお話が進んでいく。
    ゆるゆる終わる。
    ほのぼのするお話。

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    2020年05月30日
  • ぱりぱり

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    詩人菫のまわりの人物のお話。
    菫との距離はそれぞれ違うけど
    影響を受けている。

    最後のお母さんに4つのクローバーを
    渡す話はグッときた。
    感情を出さなくても、語らなくても
    伝わることはある


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    2020年05月10日
  • いろは匂へど

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    集中して読めなかったのが災いしたか、草木染め職人に何の魅力も見出すことができず、白黒つかない終わり方に消化不良でした。桂木桂を除き、女たらしはどうにも生理的にダメみたい。反面、京都の情景描写は胸に迫るものがあり、無性に行きたくなりました

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    2020年04月05日
  • 虹にすわる

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    ネタバレ

    椅子作りの技術は持っているけれど自分に言い訳し続ける徳井。
    アイディアは豊富だけど爪が甘い魚住。

    田舎に戻り祖父の修理屋を手伝う徳井のもとに転がり込んできた魚住。
    2人で椅子工房を作ろうと意気込む魚住に戸惑いながらも
    椅子作りに協力するようになった徳井。

    2人で完成する2人。
    そういう存在の人がいるって素敵かもしれない。

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    2020年04月04日
  • 虹にすわる

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    主体性はあるが周囲を振り回してしまう魚住と、几帳面な故に後ろ向きになってしまう徳井。
    二人が始めた椅子工房は少しずつ軌道に乗り始めるのだが…。

    いわゆるひらめきの天才タイプの魚住。だがそれを実際に作り上げるスキルが足りない。
    逆に徳井は魚住のような個性的なデザインは浮かばないが、魚住のデザインをきっちり作り上げる職人のような技はある。
    二人のコンビはとても良いバランスのように見える。
    しかし二人ともそれまで勤めていた会社、あるいは工房から逃げてきた(追い出された)人間で、今どきの言葉で言えば生きづらさを感じている。

    祖父と共に小さな町に住み、修理屋を細々とやっている徳井にとっては幼馴染の菜

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    2020年03月19日
  • 株式会社ネバーラ北関東支社

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    設定が良い。バス、電車共に一時間に一本。北関東の健康食品メーカーの下請け。扱う商品は納豆が八割。
    東京の外資系証券会社でバリキャリの主人公、弥生。戦場のような職場で仕事と恋に疲れた彼女。転職先に選んだ地がここ、北関東。
    ゆるい生活が送られる。

    良い意味で抑揚がない穏やかな作品。
    実にてともありふれた人生。大半の市井の人々が送るであろう生活。
    読み終えた後に、すぐに内容を忘れてしまいそうな程、ありふれた風景。だが、きっと誰しもが他人から見るとこんな感じなのかもしれない。
    ドラマチックで波乱万丈な人生よりも、こういう穏やかな人生が良いな。

    初めて読む作者だが、中々に良い。

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    2020年03月16日
  • 虹にすわる

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    物語の最終版まで進んでようやくタイトルの意味がつかめます。大学時代の先輩・後輩である徳井と魚住のふたりが小さいながらも、自分たちの工房で椅子を創ることでみずからの人生を歩んでいこうというストーリーです。
    登場人物が少なく、話しの展開もシンプルですし、文体もスッキリしており非常に読みやすい一冊でした。
    主人公である徳井と魚住のふたりはまったく対照的な性格、自分と似ているのは徳井のほうかな、魚住の楽観的な態度はみていて不安になってしまうだろうな、などと思いながら読んでいました。一方で、楽観的ながらも飄々と進めてゆく魚住の歩みによってさまざまな転機がおとずれることになり、慎重にいくばかりがよいわけで

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    2020年01月08日