瀧羽麻子のレビュー一覧
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ネタバレ表題作の「ぱりぱり」のラストが秀逸でした。
中埜菫(なかのすみれ)というひとりの詩人。
私たちから見れば、変わった女性。
この人に翻弄される周囲の人たちの
それぞれの視点で描かれる連作短編集。
すみれが「いたせいで」苦悩し
すみれが「いたおかげで」自分自身の
気づきを得る。
すみれを触媒として、自分の生き方を
一歩前へと進めてゆく人々は、それぞれに素敵。
でもひとつだけ不満なこと。
すみれは何を思い、何を感じているのか。
難しいのだとは思うが、私はすみれの目に
映るものの美しさを、すみれの視点から見たかった。
要するに、すみれの詩をもっと読みたかった。
すみれというフィルターを通 -
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東京の証券会社を辞めて、田舎の納豆メーカーに転職した弥生。ネバネバだからネバーラかと思ったら、まさかのネバーランドに掛けての会社名。たいしてやる気も起こらず、ゆるゆるとした生活を送るつもりが、同僚の沢森くんのひと言が弥生の心に火をつけます。やがて会社が乗っ取られるとの噂を聞き、そうはさせてなるものかと弥生たちは新企画を練り始めるのですが……。
同著者の『うさぎパン』と同様、キャラが魅力的。特に大阪出身で駅前の居酒屋を一人で切り盛りする桃子さんの頼もしいこと。「恋愛はな、とにかく押しや、押しの一手や!押してだめなら、もっと押す!」。
「どんなひとにも人生が手に負えなくなるときはある。そして、 -
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大学のゼミ仲間6人。
その中の10年来の恋人ひと組が
ようやく挙げた結婚式。
でもお互いが渋々でもなくて
結婚するならこの人しかいないと
ずっと心に決めていて。
それでも結婚に至るまでに
10年の歳月が二人には必要不可欠で。
この結婚式を挙げた新郎新婦と
かつてのゼミ仲間の男女4人。
その中の一人と結婚した女性がひとり。
この結婚式を境に
それぞれがそれぞれの視点で
自分のこと パートナーのこと
家族のこと 来し方行く末のことを
じっくりと見据えてゆく。
ある者は 前進を決断し
ある者は 現在の自分を肯定し
ある者は それでも動けずにいる。
ひとりひとりの -
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この物語は、京都でなければ描けない。
葵祭の斎王代に抱いた山根のはかなく切ない恋心も、歴史ある学生寮の取り壊し計画とその阻止のエピソードも、壮大な送り火も、賀茂川の花火も、この作品にはすべてがなくてはならないものになっている。
積み重ねた歳月に磨かれることでしか生まれない光沢を纏う古都の美しさと気高さが、学問に埋もれる生き方を選ぶしかなく、そうすることでしか輝けない山根をやんわりと拒み、その背中を押す。
このはんなり加減は、京都そのものだ。
ラストシーンはこの切ない恋の終わりを飾るにふさわしく、山根にとっての何よりの救いだったと思う。
古都の恋の終焉には、送り火がよく似合う。
過ぎ去 -
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児童書
高校2年生の千春は、夏休み、父方の祖母の家に家族で帰省する
祖母が認知症ではないか?という親戚たちの話の流れで、夏休みの数日、千春は祖母と過ごすことになる
田舎で祖母と過ごす2週間足らずの間、洋裁を教えてもらうことになり、距離が縮まっていく
そして訪ねてくる、近所の8歳の子どもヒナタ
彼もまたワケありで……
やりたい事や進路が決まらない千春
祖母の、「夢や目標はないならないで、無理やり考えなくたっていいんじゃない?」の言葉に救われる
とってもゆったりとした田舎での夏休み
ごく普通の女子高生の、何気ない心の葛藤が自然に描かれている
時折ジェンダー問題も会話の中に出てきて、親世代では