瀧羽麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この物語は、京都でなければ描けない。
葵祭の斎王代に抱いた山根のはかなく切ない恋心も、歴史ある学生寮の取り壊し計画とその阻止のエピソードも、壮大な送り火も、賀茂川の花火も、この作品にはすべてがなくてはならないものになっている。
積み重ねた歳月に磨かれることでしか生まれない光沢を纏う古都の美しさと気高さが、学問に埋もれる生き方を選ぶしかなく、そうすることでしか輝けない山根をやんわりと拒み、その背中を押す。
このはんなり加減は、京都そのものだ。
ラストシーンはこの切ない恋の終わりを飾るにふさわしく、山根にとっての何よりの救いだったと思う。
古都の恋の終焉には、送り火がよく似合う。
過ぎ去 -
Posted by ブクログ
うーん…終始、会話が足りない夫婦。
1ヶ月半、急に帰ってこない妻を問い詰めずに心が大きい夫を演じてるのもよく分からない。普通に心配だし家族ぐるみで隠されているなんて、バカにするなとキレまくって当然だと思いますが…
温度が低い夫婦に興味が持てず話の進みも悪いし、結論だけが気になり飛ばし読みしました。
表紙とタイトルに惹かれて読みましたが、ストレス溜まる夫婦のお話でした。
以下、ネタバレ
元妻に定期的に会う夫も嫌だし、娘がいるという一番重要事項を黙っていた妻もありえない。(しかもこんなことがなければこのまま黙っておくつもりだったんでしょうし)
大した話し合いもなくそれでも一緒にい -
Posted by ブクログ
ネタバレ秘すれば花、という言葉がある。
けれど、完全に秘密に出来ないのなら、やはりそれは花にはなり得ないのではないか。
十分に大人になってから出会って結婚した相手の過去を、どのくらい知りたいと思うか。知って欲しいと思うか。
それはもう、それぞれに違うだろうし、過去を知ってから、理解も愛情も深まることもあるだろうけれど。
ラストで、お互いに相手の言葉の裏を勝手に推測して勘違いし合っていたことが明らかになって、小さく微笑みあって…
それで、なぜまだ、どこか薄暗く、不穏な翳りが残っているのか。
ここは、平凡でも、お互いに相手を好きでいること、信頼を取り戻せたこと、思いがけず新しい家族との出会いがあったこ