あらすじ
第三小学校の校長として、長く地域に尽力した高村正子さんが亡くなった。彼女の死を悼んだ後輩の教師たちにより、生前勤めた学校で「高村正子先生を偲ぶ会」が開かれることに。教え子、友人、趣味の仲間、同僚……生前、彼女と関わっていた人々が偲ぶ会に持ち寄るための思い出の品を準備しながら、高村先生からもらった言葉や教えを振り返る。浮かび上がるのは、頼りがいがあって、生徒と真摯に向き合う高村先生の姿。しかし、実の娘だけは彼女に複雑な気持ちを抱いていて――。一人の女性教師と周囲の人々との交錯を、温かな筆致で描いた感動作。
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高村正子さんという方が亡くなった。
高村さんは主人公ではないが、縁のあった人達の記憶の中の高村さんの話。
コンパス、連絡帳、うちわ、スーツ、こんぺいとう、深呼吸。
新任の頃の高村先生、教職年数経た高村先生、アイドルのライブで出会った高村さん、娘から見た母としての正子さん、おばあちゃんの昔の同僚の高村正子さん、高村校長先生と先生の思い出。
どの高村さんも、素敵な人で先が読みたくてスラスラと読めました。
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校長としてまた母、友人、推しとして一人の人間の生き様を描いた楽しい本でした。
校長でありながらも多角的な生き方をし、周りに影響を与えてきた一女性が、亡くなったことでその影響を与えられた側が、その生き様を偲び振り返ることで考えさせられる。
私も平凡ではあるけれど友人や子供、孫にいい影響を与えていける人でありたいと思いました。
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亡くなった高村先生とのエピソードがいずれも温かい。 子供の成長にまつわるコンパスや連絡帳、先生としてではない趣味の顔が覗くうちわ。思い出の品々が並ぶなか、最後は深呼吸と形のないもの。その人と交わした言葉や当時巡らせた想い。たとえ品物がなくてもそれらが何よりも心に刻まれている失われないその人との記憶。
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何かを評価するということはとても難しいことだと思います。評価の対象が「人」である場合は特にそうでしょう。
学校の教科学習の評価や資格試験の合否のように、テストで獲得した点数という「評価基準」があればまだしも、明確な「評価基準」が示されていなければ、評価する側の好みで評価の良し悪しは大きく変わることでしょう。
また、人は皆、「普通」という感覚を持っていて、評価対象が「自分にとっての普通」の範疇にあるかどうかで評価は変わるでしょう。そして、評価対象を見る時の「普通」は、評価者の立場によって異なることでしょう。
本作では、小学校の校長先生だった高村正子先生が亡くなり、その「偲ぶ会」に先生との思い出の品を持ち寄って語る6人の姿が描かれています。
6人の思い出の品と見方が6つの短編となっており、高村先生への見方は面白いくらい異なります。大げさに言えば、6人が別々の人について語っているようです。。。
人は、評価する人も評価される人も「生きています」。生きているということは「変わる」ということだと思います。
それぞれが変わり続ける「動態」である人が、互いに評価し合うということは、なんと難しいことでしょうか。
昔、数学で習いました。変数がふたつある時は一つを固定してから問題を解くとw
なので、ある人がどんな人かという評価は、その人が亡くなってから開始されるべきだと、わたし(みのり)は思っていますww
もし、評価対象への評価をずっと変わらずに持っているとしたら、それは(たぶん)評価する側が変わっていないからだと思います。(たぶん)評価する側の「普通(広い意味での偏見)」が変わっていないからです。
良きにつけ悪しきにつけ、(たとえ同評価に落ち着いても)評価は時々し直したほうが良いのではないでしょうか。それは自己を再評価することにもなると思います。
本書を読むと、高村先生への様々な見方を知ることができ、評価対象を「再評価」する参考となることでしょう。
亡き人を偲ぶことを兼ねて、お彼岸の中日である今日、9月23日に読んでごらんになってはいかがでしょうか♡
お彼岸という定期的なタイミングに、お墓参りに行ったり故人を偲ぶことは、もしかしたら、時の流れや自分の変化に気付くためにあるのかもしれません。。。
〈蛇足〉
自分にとっての「普通(偏見)」を見直すにはどうしたらよいでしょう?
それには、たぶん、他者にとっての「普通(偏見)」を追体験してみるのが良いのではないでしょうか。
その方法としては、他者との対話を通して追体験する方法もありますが、わたしは「読書」が有効だと思います。
映画や演劇でも良いと思いますが、時間とともに場面が流れていく映画・演劇よりも、自分のペースで進められる「読書」のほうが「考える」には適しているように思います。読書は作者との対話ですが、「自分との対話」でもあると思うのです。。。
では、評価される側として心がけることはあるでしょうか?
それは、同じ事をしていても、人からなされる評価は異なる訳ですから、評価を気にせず伸び伸び生きることではないでしょうか。
でも、人は自分の偏見に囚われてしまうことがありますよね、その時はどうすれば良いでしょうか?
それは。。。
〈蛇足〉の最初に戻るww
〔本書の紹介文〕
第三小学校の校長として、長く地域に尽力した高村正子さんが亡くなった。彼女の死を悼んだ後輩の教師たちにより、生前勤めた学校で「高村正子先生を偲ぶ会」が開かれることに。
教え子、友人、趣味の仲間、同僚……生前、彼女と関わっていた人々が偲ぶ会に持ち寄るための思い出の品を準備しながら、高村先生からもらった言葉や教えを振り返る。浮かび上がるのは、頼りがいがあって、生徒と真摯に向き合う高村先生の姿。しかし、実の娘だけは彼女に複雑な気持ちを抱いていて――。
一人の女性教師と周囲の人々との交錯を、温かな筆致で描いた感動作。
〔目次〕
1 コンパス
2 連絡帳
3 うちわ
4 スーツ
5 こんぺいとう
6 深呼吸
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人との繋がりや出会いは生きていく中で大きな財産となるのだと思いました。
細やかな配慮や思いやりで皆を導いていった髙村先生。
ほのぼのとした気持ちになりました。
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亡くなった時になんて言われるかで、
どう生きたかが明らかになるんだろうな。
本人には知る由もないし、
周りの人がなんて言うかも亡くなってみないと分からないかもしれないけど。
高村正子先生。
生前の行動を裏切らない偲ぶ会。
こちらの背筋も伸びる思いです。
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当たり前だけど、どんな人でも、出会う立場、接する間柄によっていろいろは側面が見えて、感じ方や思い方が違うんだなと改めて思った。
自分はキャリアがないからだめな人間だと嘆いていても、親としては?伴侶としては?友人としては?と考える、その人の側面はさまざまで、一概にいい人、悪い人、優秀な人と決める事できない。
ある一点でだめな人間だと落ち込んで、全てがダメだと思ってしまう自分は少し前向きになれた本だった。
作品自体はほのぼのしていて、読みやすかった。
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高村先生いいなあ! テレビで見るような行動力あふれる熱血先生って感じの先生じゃないところが良かった 今春から小学校教師3年目の娘にも勧めたい一冊
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今でこそ女性管理職が少し増えてきた印象だけど、
圧倒的に男性社会の学校において、
最後は校長を勤め上げた女性の生き様。
誰から見ても誠実な人物像。
私には到底なれないなあ。
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長年教職に就いていた元先生をめぐるエピソードが連作になっている。教え子やコンサートで知り合った友人、元同僚、指導を受けた実習生、娘など様々な側面から描くことで、高村正子という人物像が浮かび上がってきた。凛とした思慮深い優しさと慈愛に満ちた教師像。全てを書ききらずに余韻を残した話になっていたので、想像が広がって、心に深く刻まれたようだ。藤色をモチーフにした優しい絵を散りばめた装丁も物語の余韻を楽しませてくれている。
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小学校教師として30年以上働き、最後は校長も歴任した高村正子さんが亡くなった。
旦那さんも亡くなって、娘さんは海外で生活しているため、簡単に葬儀を済ませたらしく元同僚たちが高村さんを悼むために「高村正子先生を偲ぶ会」を計画する。
先生との思い出をそれぞれが語る。
① コンパス〜かつての生徒
② 連絡帳〜保護者
③ うちわー趣味仲間
④ スーツ〜海外で暮らす娘
⑤ こんぺいとう〜同僚
⑥ 深呼吸〜教育実習生
高村先生との思い出はみんなそれぞれあって…、そのどれもが先生の人柄を思わせる。
とても親身になり、優しくて思いやりがあって、もちろん伝え方、聴き方も丁寧で安心できる先生である。
先生を離れると趣味が意外だったり、娘にはクールに見えがちだけど…やはり総体的に見ると先生としての活躍の方が素晴らしかったんだろうなと思った。
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長く地域に尽力した高村正子校長先生が亡くなり、高村先生をさん偲ぶ会が開かれることになり、教え子や保護者、元同僚や娘たちが先生との思い出をそれぞれが思い描く連作短編集。
教師は聖職者などと言われることもあったけど、やはり一人の人間で、児童や保護者に慕われていても、親子関係はなかなか思い通りに行かなかったのかな。
でも、何だかんだで娘の沙智は、一人でなんでも決めていくところなんか高村先生にそっくりだなと思う。
瀧羽さんの作品はどれも心優しいものが多く、中学入試や高校入試によく採用されるのも納得。
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立場によらず、偲ぶ会を開かれる事ほど幸せな事はない、と思うのです。
人に恵まれたという事はその人の人柄の証であり軌跡。
そんな温かい高村先生の人柄を生前関係のあった6人のエピソードで綴られている。
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長く教育に携わった高村校長先生が亡くなった。偲ぶ会をするにあたり思い出の品を持ち寄ることに。
元生徒、後輩、娘やアイドルのコンサートで出会った人など6人の視点で語られる高村校長先生の人柄がとても素敵だ。
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校長まで勤め上げ周りから慕われていた高村正子が亡くなった。教え子、後輩、ひとり娘…生前関わりのあった人たちから思い出が語られる。
率直に言うと推し仲間が話す「うちわ」の章が一番面白かった。厳格で冷静なイメージの正子がアイドルグループに夢中になってはしゃぐ姿が印象的。
他の章では教師然とした姿ばかりで意外性がなくて、物足りなかったです。
Posted by ブクログ
藤色のスーツを着こなして、颯爽と前を向いて歩く姿が印象的な表紙。
「さよなら校長先生」というタイトルからも分かるように、
この本の主役でもある高村校長先生が亡くなったという知らせから話は始まる。
生前関わりがあった6人が語る
校長先生との出来事や思い出。
それぞれの記憶に残る校長先生は、
ちょっとずつ違っていて、関わる人によって違う一面が見えたりするもの。
芯がしっかりしていて、生徒想い。
みんなから慕われている一方、
理路整然な母親に対し、娘さんにとってはちょっと複雑な部分もあったんだな…
と生徒目線と娘目線からの対比は面白かった。
でも、こうして亡くなった後も偲ぶ会を開いてもらったり、思い出してもらえることは幸せなことだなぁと思うし、
人の話をきちんと聞き、自分で考えさせ、
最後には優しく諭してくれるような高村先生の
人柄がとても素敵だった…。
Posted by ブクログ
小学校教師を長く勤めた女性が亡くなった。
生徒、保護者、友人、家族それぞれの目から見た彼女の姿そしてそれぞれの想い出。
関わり方によって人となりも変わる。
面白かったが、もう少し最後に繋がりがあるかと期待してしまった。