古内一絵のレビュー一覧

  • 二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ

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    『キネマトグラフィカ』の続編。舞台は同じ映画会社の銀都活劇。時代は平成から令和に切り替わる頃。映画産業は末期的で銀活も身売りが間近に迫っている。退廃的になる社内。それでも諦めない人たちがいる。古内さんの描く女性がとにかくカッコイイ。メイン主人公の砂原江見は仕事や生活で悩んだりもするけど、やはりカッコイイ。きちんと前を向いている。前作から登場する北野咲子や小笠原麗羅もカッコイイ。今作では強さだけではなく弱さも見せるが、それを差し引いてもカッコイイ。できれば『キネマトグラフィカ』の正編を先に読んでおいた方がいい。

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    2024年09月21日
  • 星影さやかに

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    吉野作造を、敬愛する父は関東大震災の後神経症になり東京から古川に戻って引きこもる。旧家を取り仕切る気丈な祖母、それに従う母、妹との田舎の日々。戦争から敗戦の後の人々の節操の無さ醜さと虚しいだけの戦争を一家の歴史を通して描いている。
    まともな神経の人こそ壊されていくようで恐ろしかった。

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    2024年09月20日
  • 十六夜荘ノート

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    失恋後26作品目
    「満ち欠けがあるのが自然なのよ。人も国も社会も仕事も、恋愛もね。」
    月の満ち欠けと雄哉と玉青の2人の物語。時代に翻弄された玉青さんのカッコいいこと!すごいなぁ。読みやすいし、時代背景も知れるし、繋がっていく感じがとても良かった。いい読後感。

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    2024年09月12日
  • お誕生会クロニクル

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    自分も子供の頃に友達を招いてやってたお誕生会を懐かしく思い出しながら読んだ。
    やっぱり誕生日は特別な一日。先を恐れることなくただこのひとときを祝福しよう。短編だけどつながりもあって読みやすかった。

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    2024年09月11日
  • 十六夜荘ノート

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    万人にウケるかというとそうではないかもしれない。

    ただ、最後の数ページ、あぁ、この本を読んできた時間はここに繋がるんだなと。

    本を閉じたあと、目をつぶって登場人物の一生を思い出し、じんわり。
    自分の生き方を見つめ直したいと思いました。

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    2024年09月02日
  • 銀色のマーメイド

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    「さよならの夜食カフェ」の前に
    こちらを読むといいと聞いたので読んでみた

    自分のことにしか興味がなかった龍一
    しかし主将で幼なじみのタケルが
    いなくなったことで退部者も相次ぎ
    水泳部は廃部寸前。

    残ったのは「プール好き」のアニオタ&
    水中歩行要員のみ。
    部の存続のため部員集めに奔走する龍一は
    市民プールで水中を滑降するように
    泳ぐ“人魚”を見つけた。

    それは同じクラスの謎めいた美少女・雪村襟香だった。
    この水泳部の顧問が出てくるんだけれど
    柳田ぁぁ??
    あの柳田だよね、とニヤつきながら読みました

    トランスジェンダーを大きなテーマと
    しつつ、中学生たちの水泳部という
    部活を通して

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    2024年08月29日
  • 星影さやかに

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    あまり戦争ものを読んでこなかったが読みやすさはあった
    誰かの強い思いは勘違いされるがそれを良しとしないのは今の現実の方ではないのか?

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    2024年08月21日
  • 星影さやかに

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    夏になると戦時物が気になり手に取ってしまうのは日本人の本能なのか、子供の頃からの教育のせいなのかと考えてしまう。
    戦中、戦後と翻弄される良彦達家族。しかし東北の田舎が舞台の為直接戦闘に巻き込まれる訳ではないので、そういった悲惨さは感じられない。が、やはり大局の流れに巻き込まれていく。
    人の二面性が深く刺さる。本当に憎らしい鬼婆も、もう一つの顔は、プライド高き元姫であったり、その婆にいじめられる母もそんな婆を尊敬していたり。
    鬱になってしまった父も自殺願望を持ちつつも、なんとか生き切ろうと足掻く姿。
    時代が違っても生きる姿に背中を押された気持ちになった。

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    2024年07月27日
  • 山亭ミアキス

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    短編集。
    急な悪天候に見舞われ誘い込まれるようにしてたどり着いた山奥のホテル「山亭」が舞台。

    散々な目にあい、死を望んでいた苑子の再起を描く「背負う女」が心に刺さった。

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    2024年07月10日
  • お誕生会クロニクル

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    お誕生日会は自分が主役になれる時だと感じるのはひと昔前の事なのかもしれない。
    親が張り切って子供の為にした事が、実は自分の叶えられなかった夢を押し付けであったりする。子供と親は全く別物なのに。
    短編最後の自分の事を忘れてしまったかのように思えた母を介護する娘の話に涙した。

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    2024年07月06日
  • 風の向こうへ駆け抜けろ

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    競馬に詳しくないので、競馬のお話し面白いのかなと思って読んでみたら、ハマッてすぐ読み終えました。

    地方競馬の女性騎手と、馬たちと、その周りの人達の話で、読んでいてドキドキ、笑いあり涙ありでした。色々な人間模様や競馬のレース展開など、丁寧に描かれていて、情景が目に浮かぶようでした。

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    2024年06月21日
  • お誕生会クロニクル

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    私が一番嬉しかったお誕生日会っていつだっただろう?と考えながらの読書だった。

    読み進めながら、そんなに仲良くはない近所の子のお誕生日会に呼ばれて、どうふるまえばよいのか迷った小学生の自分を思い出した。自分のこどものお誕生日会は、お友達を招待するのもされるのもとても気を遣ったことも思い出した。お誕生日会って、自分が大好きな人に祝ってもらえたら、それだけで満足できるのに、なかなかそうはいかなかったように思う。兄弟の誕生日が近いから、まとめて祝うとか、会社で仕方なく誕生日ケーキを食べるとか、あるあるなことの当事者の気持ちを考えたのは、この本を読んで初めてかもと思った。

    『サプライズパーティー』の

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    2024年06月16日
  • 十六夜荘ノート

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    ネタバレ

    ほとんど面識がないと言っても良い元華族の大伯母から、古い屋敷を相続する。大崎雄哉は受け継いだ資産を売却しようとするが、登記簿に謎の名前を発見する。十六夜荘とな作られた古い屋敷に今集う人たちと、大伯母がまだ家族であった頃に集った人たちの物語が交錯する。

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    2024年06月15日
  • 十六夜荘ノート

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    英国で亡くなった大叔母から、古い屋敷「十六夜荘」を相続した雄哉。彼にとって、ほとんど会ったことがない大叔母が何故遺産を残したのかは謎でした。除け者にされていた大叔母の意図を解明すべく、雄哉は彼女の過去を探り始めます。

    その過程で、十六夜荘への深い愛情と大叔母の生き様に触れることになります。物語は、雄哉が現代で生活する中で展開される現在と、大叔母が生きた戦前・中・後の時代とが交互に語られます。

    特に、大叔母が経験した戦時中のエピソードは心を揺さぶります。過去と現代を比較し、「やりたいことに無制限にチャレンジできる現代」の価値を新たに認識させられる一冊でした。また、雄哉が十六夜荘との関わりの中

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    2024年05月30日
  • 銀色のマーメイド

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    大好きなマカン・マランシリーズの原点となる一冊。シャールさんも登場しつつ、中学校の水泳部の物語だった。面白かった!

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    2024年05月20日
  • 銀色のマーメイド

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    gender identity disorder 生きていくのが大変だと思う。シャールさん、ありがとう

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    2024年05月19日
  • 銀色のマーメイド

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    ネタバレ

    マカンマランシリーズを読んでから本作を読んだから、お馴染みの名前が出てきて嬉しかった!もったいない、と思いつつ休みに一気読み。図書カードと喪章とマトマイニの境遇には泣いた。リレーで優勝しないまでも、すんなり終わらせてあげてよ、と思った。でも、お互い親友ができて良かった。もう1回マカンマランおしまいを読みたくなった。

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    2024年05月12日
  • 山亭ミアキス

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    始まりから少し怖さ?のようなものを感じたけど、読み進めて最後まで読むと、繋がっていて、連ドラを見ている感じだった。それぞれの悩みがそれぞれで解決していくのは面白い。中で出てくるお料理が美味しそう。

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    2024年05月08日
  • 山亭ミアキス

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    森の中にあるミステリアスな山亭。暖炉の薪は林檎の木。ごはんもデザートもとてもおいしく、ベッドは天蓋つき。美貌のオーナー、白髪でオッドアイの青年シェフ、小太りのフロントスタッフ。これだけ聞いたら間違いなく宿泊したくなる。私は「序」で語られる小さな女の子のことを終始考えながら読み進めた。

    目の前の道が突然、悪天候で通れなくなったりして、山亭に導かれる人たち。今、皆が見て見ぬふりをしていることに、関わっている人たちがたどり着く場所。芸能界の闇、無責任な人、女性の生き方、部活動の闇、マタニティハラスメント。それぞれ皆がわかっていることなのに、流されてしまっていることを山亭での出来事が向き合わせてくれ

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    2024年05月06日
  • 銀色のマーメイド

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    マカンマランの”おしまい”の一話を読んだ後にたまたま最後のページをめくり、そこに載っていたので調べてみたら、おしまいを読む前に読んだ方がいいという感想があったので、先にこちらを読むことに!

    主将を失い、部員もかなり減ってしまった水泳部を存続させるため奮闘する龍一。
    大切なのは自分の泳ぎで、周囲には全く興味もなかった龍一が、主将となり新しい部員たちと共に成長する物語。
    頭の硬い顧問の柳田先生も成長してた(笑)
    シャールさんと柳田先生の再会もここで描かれていたし、ジャダさんもでてきた!
    やっぱりシャールさんいいわ〜
    “なにが正解かなんて、あたしにも分からない。でもしょうがないわよ。教師もオカマも

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    2024年04月22日