古内一絵のレビュー一覧

  • 最高のアフタヌーンティーの作り方

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    単にスイーツをテーマにした
    小説ではなく、意外にも
    社会的テーマ(障害や差別、
    女性の社会進出と育児)を
    交えて物語が書かれており、
    面白かった。


    表現や言葉の使い方も
    作家さんのセンスを感じる


    『いつも自分は己にとって
    都合の良い面しか見られない。

    でも、

    都合の良い面を見ることと、
    物事の美しい面を見ることは、
    きっと違う。』


    ホテル、アフタヌーンティー、スイーツ、
    パティシエなど、一見華やか見える部分と
    対照的に社会の本質的な部分、
    問題を書こうとしたところに
    本作の意図が見える。


    もちろん、それのみが焦点ではなく、
    スイーツの歴史や専門的な言葉や
    情報も多く、美術、

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    2025年02月16日
  • 痛みの道標

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    ブラック企業での挫折から命を絶とうとしていた達希を救ったのは、亡くなった祖父だった
    祖父の戦争体験、いないはずの祖父が見える自分とボルネオで出会った雪音
    戦時中を生き抜いた人たちから命が繋がっていることを改めて感じるよい本だった

    マカンラマンとは全く違う作風なんだけど、真一郎は出てきそうな気がした

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    2025年02月05日
  • 風の向こうへ駆け抜けろ2 蒼のファンファーレ

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    ネタバレ

    新たな馬も登場し、緑川への恋愛感情や、誠の毒母の襲来、女性騎手のライバルの登場など、色々な波乱が巻き起こる。誠が頑張って声を出すシーンにはジーンときた。

    中央競馬でくすぶる騎手、潰れる地方競馬のアイドル騎手、出ていったおかみさんなど様々な女性が出てきて、前作から「競馬に関わる女性の苦悩」がより濃く描かれている。女性は不吉だからGI馬に触るなと言われるなんて悲しい。GIで、地方馬が、女性騎手の鞍上で勝利、というのをいつか見てみたい。

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    2025年02月04日
  • 風の向こうへ駆け抜けろ

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    ネタバレ

    中央競馬は見るけれど、地方競馬は見たことがない。そんな自分にとっては地方競馬の現状が知れて面白く読めた。実際、こういった女性差別や贔屓的なことはあるのだろうなと、昨今の競馬界の不祥事を見ていても思う。

    頑なに反抗していたフィッシュが変わるきっかけを作ったのが、先輩馬の椿乙女というのがいい。主人公とフィッシュの関係も「心優しい少女の献身で心を開く健気な馬」ではなく、勝つために反抗し合いつつ協力していくという関係性。実際地方馬がこれほど活躍するというのは夢物語だけれど、桜花賞の場面は泣けた。

    あと、魚目や白面が嫌われるというのを初めて知った。現実だとシロニイみたいに特徴ある馬が大好きなので、む

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    2025年02月02日
  • 星影さやかに

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    戦地ではなく、攻撃をほとんど受けることがなかった東北の家族のお話。
    地動説のように、時代が違えば受け入れられる話が、ある時代では迫害されてきた。
    そんな過去が遠い昔ではない日本にもあって、平和の大切さをみに沁みて感じることができる本。

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    2025年01月13日
  • 十六夜荘ノート

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    とてもドラマチックな物語。1人の青年の成長と再生の物語でもあり、玉青さんの生きた過酷な時代を描くことで、戦争、人種、性別、現代にも通ずる問題を提起して散りばめていてすばらかった。玉青さんのように、戦後過酷な時代を強いられた没落華族の人々が実際にいたらしいので、そこももっと詳しく深掘りしたくなった。

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    2025年01月04日
  • 十六夜荘ノート

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    先月末ロンドンで亡くなった大伯母笠原玉青から、都内一等地にある赤い三角屋根の屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。
    雄哉は、親戚からは生涯独身の変わり者と噂されていた、ほとんど面識のない大伯母について調べるために、現在シェアハウスとして使われている「十六夜荘」を訪れ、奇妙な住人4人と関わるようになる。

    雄哉が「十六夜荘」の過去を探る現在と、玉青がこの屋敷で家族と、離れのアトリエに集まる画家たちとともに過ごした昭和初期の戦中の頃のことが交互に書かれていて、二つの時代が一つに重なっていくような壮大さを感じさせられます。

    屋敷に集まる個性的な人たち、芸術に情熱を燃やす若者たちが、戦争というすさんだ時代

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    2024年12月01日
  • お誕生会クロニクル

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    なんだか、共感できない…と感じた前半。ひとりひとりそれぞれ、ちょっとダークな部分があって、けれど、それは他の人から見た私自身のことでもあるのでは?と、複雑な気持ちになりながら読み進める。

    文乃先生が教えてくれた、昔は「数え」で、年が明けたらみんな一斉に歳をとる、だから端午の節句や七五三やひな祭りがあって、誕生日を祝う日本の童謡はないということ。
    この話が最後にちゃんと繋がっていて、結局最後は涙。
    誕生日への向き合い方、ちょっと変わります。

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    2024年11月30日
  • 十六夜荘ノート

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    ネタバレ

    前進することだけを考えてきた雄哉が、初めて挫折を味わったことで見えてきた、過去に与えられてきた、いろいろなもの。
    戦争という苛酷な状況の中、自らを「身の程知らず」と評した玉青が決して失わず、手放さなかったもの。
    まるで目の前で展開されているかのように鮮やかに描かれていた。

    戦中~戦後の、目を逸らしたくなるような光景は、その時代に生きた人の弱さや傲慢さをまざまざとつきつけられる。
    自分が知っている知識と合わせて考えれば、たしかにそうだったのだろう。でも、そうならざるを得ない状況にあったのも想像にかたくない。
    その中で自分の信念を持ち続けられたひとは少なかったと多くはなかったと思う。
    兄の一鶴や

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    2024年11月16日
  • 痛みの道標

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     会社に追い詰められ、多額の借金を背負い、騙されて会社の不正経理の責任を押しつけられそうになり、自殺するところを祖父・勉の幽霊に救われた達希。その祖父が頼みを聞いてくれたら、祖父の隠し口座のありかを教えてやると言う。
     祖父の頼みとは、人探しをすること。ボルネオ島サマリンダにいるであろう石野紀代子という女性を探し出すこと。
     そして、達希と祖父の幽霊との旅が始まる。

     その旅と並行して、戦時中に祖父がボルネオ島で従軍した時の出来事が描写される。それは本当に悲惨なもの。
     上司の命令に納得がいかなくても、部下は従わざるを得ない事が多々ある。特に戦時中、軍隊ともなれば上司の命令は絶対だっただろう

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    2024年11月03日
  • 東京ハイダウェイ

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     東京の中心地にある中堅eコマース会社を中心に繰り広げられる連作短編ヒューマンドラマ。各話で主人公が異なる、群像劇の体裁で描かれる。
              ◇
     アラームの鋭い電子音で矢作桐人は目が覚めた。アラームをとめても頭はまだぼんやりしている。それでも自分が汗まみれであることに気がつき、桐人はシャワーを浴びようとふらふら立ち上がった。睡眠不足なのは明らかだ。

     梅雨明けから連日の猛暑日と熱帯夜が続いている。熱中症予防のため、夜中もエアコンの使用が推奨されているが、桐人はどうしてもつけっぱなしにしておけない。
     桐人が育った家は裕福でなかったことと、極度の倹約家だった父親の影響で、エアコ

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    2025年10月04日
  • 痛みの道標

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    ブラックな会社で追い詰められて、自殺を図った達希は、祖父の幽霊に救われて、祖父が戦時中従軍したボルネオに人探しに行く。戦時下その地で何があったのか、時に沿って丁寧に描かれます。温かな交流をしていた現地の人々に対して、部隊の上層部の身勝手な方針に変更により暴力で向かうなど読むのが辛くなる展開。占領した地で何があったのか、あまり知らされていないけど実際にあったこと。
    2章からは良かったんだけど、1章が現実離れした展開で辟易してしまったのが残念。

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    2024年10月27日
  • 銀色のマーメイド

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    マカン・マランの前日譚であり、廃部寸前の水泳部員達の成長物語であり、訳アリ美少女・襟香とのせつない青春小説でもある作品。水泳部の部員達もシャールさんに負けないキャラの濃さで楽しませてくれました。シャールさんの相手との距離感、やっぱり好き。

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    2024年10月10日
  • 十六夜荘ノート

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    歴史物が苦手なので、あまり読み進まないシーンもありましたが、十六夜荘にまつわるストーリーや、たくさんの人の愛がそこにあってとても感動しました。

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    2024年10月02日
  • 痛みの道標

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    初めての作家さん。「マカン・マラン」シリーズでお名前を知ったのだが、本作は、戦争に真正面から向き合った力作。読後に読んだ作品紹介によると、取材と執筆に多大な時間と労力が注がれたとのこと。作品からは、その作者の真摯な想いがよく伝わってきた。
    私も、あの戦争をくぐり抜けた祖母や父の話を聞いておけば良かった、聞いておくべきだったと、読み終わって最初にそう思った。永遠に失われてしまった記憶。次代へつなぐことができなかった記憶。とても惜しまれる。

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    2024年09月28日
  • 十六夜荘ノート

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    元華族である大叔母の遺産として、古い洋館を相続することになったエリート社員の雄哉。
    華族だった大叔母の玉青と館に集っていた画家や作家たちが、華やかに過ごす昭和13年から戦後の激動まで、ちょっとした大河ドラマのよう。この時代に華僑と呼ばれた人たちの複雑な変遷もあり、読後感は思いの外重厚でした。
    現代の雄哉の章が、ありがちな感じで邪魔に思えたのが残念。

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    2024年09月22日
  • 花舞う里

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    文化の継承は、そこに生きた人間の存在を語り継ぐ事でもある。個々が独立する昨今、田舎の人間関係は煩わしいと思われがちだが、だからこその互助関係、見えないけれど確固たる絆が生まれる。全てに認めてもらう事は不可能だし、その必要もない。自分が何を大切に思うか、それだけでいい。

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    2024年09月22日
  • 二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ

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    『キネマトグラフィカ』の続編。舞台は同じ映画会社の銀都活劇。時代は平成から令和に切り替わる頃。映画産業は末期的で銀活も身売りが間近に迫っている。退廃的になる社内。それでも諦めない人たちがいる。古内さんの描く女性がとにかくカッコイイ。メイン主人公の砂原江見は仕事や生活で悩んだりもするけど、やはりカッコイイ。きちんと前を向いている。前作から登場する北野咲子や小笠原麗羅もカッコイイ。今作では強さだけではなく弱さも見せるが、それを差し引いてもカッコイイ。できれば『キネマトグラフィカ』の正編を先に読んでおいた方がいい。

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    2024年09月21日
  • 星影さやかに

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    吉野作造を、敬愛する父は関東大震災の後神経症になり東京から古川に戻って引きこもる。旧家を取り仕切る気丈な祖母、それに従う母、妹との田舎の日々。戦争から敗戦の後の人々の節操の無さ醜さと虚しいだけの戦争を一家の歴史を通して描いている。
    まともな神経の人こそ壊されていくようで恐ろしかった。

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    2024年09月20日
  • 十六夜荘ノート

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    失恋後26作品目
    「満ち欠けがあるのが自然なのよ。人も国も社会も仕事も、恋愛もね。」
    月の満ち欠けと雄哉と玉青の2人の物語。時代に翻弄された玉青さんのカッコいいこと!すごいなぁ。読みやすいし、時代背景も知れるし、繋がっていく感じがとても良かった。いい読後感。

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    2024年09月12日