【感想・ネタバレ】赤道 星降る夜のレビュー

あらすじ

真実から生まれた、命の重さを問う人間賛歌。

ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。
そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。
やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

悲惨な戦争物は敬遠しがちだけど、読んでしまったら止まらなくなった。
目を背けたくなるような凄惨な描写もあったけれど、それよりもインドネシアの人々の憎むより、許すことを選んだことに、その尊さに涙した。

そう、目の前の状況は変わらなくても、私たちの態度、心持ちはいつでも選ぶことができる。

こんな事件があったことなど学校では習わなかったけれど、戦争を知らない私たち日本人も歴史に学び、忘れずに後世に戦争の悲惨さ、無意味さを伝えていかなければいけないんだよなぁ、と思った。
読んで本当によかった。

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2021年03月18日

Posted by ブクログ

え、なんかすごく良かった。
また読み返したいと思った一冊。

戦争の悲劇さ。会社でのイジメによる辛さ、友達とうまく行かない辛さ、どれも死にたいほど辛くなるし自殺する理由になる社会。
でも主人公は亡くなった祖父との再会によって、命の尊さや生きることについて前を向く。

読み終わった後、なぜか心が温かくなる。
そんな本でした。

ホント良かったよー

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2021年02月24日

Posted by ブクログ

古内一絵さんの作品、「快晴フライング」「風の向こうへ駆け抜けろ」「蒼のファンファーレ」に続く4冊目は、「赤道星降る夜」、2018.8発行(文庫)、2015.7刊行の「痛みの道標」の改題です。綿密な取材をもとにしたノンフィクションともとれる小説と思います。感動しました。戦争とは何か、戦争の悲惨さ・残酷さ、命の大切さを説きながら、一方で時空を超えた人間の心と心のつながりを。読後感がなぜかさわやかなのは、著者の筆力、そして著者の人間性によるものと、そう思います。心にいつまでも残る本になると思います。

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2020年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブラック企業の理不尽な対応に、死んだ祖父の協力であれこれやって一発逆転ザマア・・・って感じの内容かと思ったら全然違った

日本の戦争、風化させない為にとお話やテレビで目にする事もたまに有るけれど、大抵は皆こんなに耐えてました、って内容

逆に日本が加害者だった事実は余り目にする事はなかったので、物凄い衝撃的な作品だった

間違いなく、大事な事を伝えてくれる良作で、必要な本だと思う

・・・けれど、好きか?と言われたら好きではない
多分読み返す事もない

本に何を求めているかだと思う、自分はお金と時間を使って、辛かったり切なかったり悔しかったりする読後感の作品を読みたくない、ただただ楽しい時間を過ごしたいので

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2025年02月28日

Posted by ブクログ

前情報も無く「古内作品」として読み始めました。
目を逸らしたくなる様な戦時中の描写がリアルに描かれ、読み進むのに時間がかかりましたが、その先にある「伝えたい事」を伝えようとする物語の力に導かれて最後までしっかりと読ませていただきました。

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2023年02月01日

Posted by ブクログ

戦時下における極限の環境とその記憶に縛られて生きていかねばならなかった祖父の軌跡を、ブラックな職場で追い込まれ飛び降りた孫が辿る軌跡。読み応えのある小説だった。

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2022年04月13日

Posted by ブクログ

太平洋戦争末期、この作品の舞台となったボルネオのみならず悲惨なことが多々あったのだろう。今を生きるブラック企業に追い詰められた若者やイジメにあった女子高校生が太平洋戦争に深く関与していく流れが素晴らしい。

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2021年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軍隊、体育会系、ブラック企業…。どうしてこういうものを尊がる、ありがたがる傾向があるんだろうか?俺も若いころ、そんな気があったことは否めないのでエラそうなことは言えないけど。

根性論は人に押し付けるものではなく、自分の中で密かに燃やすものであって、人には技術や工夫を情報共有すればそれで十分だと思うのだが…

閑話休題。
押し付けの根性論やヤマト魂やらが生んできた不幸を、もっと真摯に見直して、もう二度とこの手の失敗を繰り返さないようにしないといけない。

この本は、その再発防止に大きな力となってくれるように思う。なんだか物騒な世の中になってきているからこそ、気を付けておきたいことが、この本には書いてある。

小説としては、ちょっと荒っぽさが目立つところもあったが、テーマの力で読ませられた。

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2020年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2019/2/13
あー戦争は嫌だわ。ダメだわ。
反戦小説として優秀。
こんな余裕のない状況になってはいけないわ。
追いつめられるのは嫌だわ。
でも逃れ方が全然わからないわ。
どこでどうすればよかったか全く思いつかず、みんなが奈落に落ちていくのをただ見ているだけで無力感に苛まれるわ。
日本人として罪悪感にも。
どうすればいいのかねぇ。
知るだけでいいのでしょうか?

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2019年02月13日

Posted by ブクログ

反戦小説。
解説者の堀口ミイナさんも書いていたが、涙する人が多いというが泣けなかった。涙を流してよしとしてはいけない、目をしっかと開いて受け止めねばならないと感じたから。
読み進めるのが辛くてやめたくなるシーンもあった。
夫妻は、死ぬべき人ではなかった。死ななくていい人たちが殺された。敵も味方も。そしてのうのうと生き延びた人もいた。
繰り返さぬよう、知らなければならない。忘れてはならない。考え続け、行動しなければならない大事なことがある。
読めてよかった。

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2024年02月14日

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