あらすじ
真実から生まれた、命の重さを問う人間賛歌。
ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。
そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。
やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。
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Posted by ブクログ
ブラック企業の理不尽な対応に、死んだ祖父の協力であれこれやって一発逆転ザマア・・・って感じの内容かと思ったら全然違った
日本の戦争、風化させない為にとお話やテレビで目にする事もたまに有るけれど、大抵は皆こんなに耐えてました、って内容
逆に日本が加害者だった事実は余り目にする事はなかったので、物凄い衝撃的な作品だった
間違いなく、大事な事を伝えてくれる良作で、必要な本だと思う
・・・けれど、好きか?と言われたら好きではない
多分読み返す事もない
本に何を求めているかだと思う、自分はお金と時間を使って、辛かったり切なかったり悔しかったりする読後感の作品を読みたくない、ただただ楽しい時間を過ごしたいので
Posted by ブクログ
軍隊、体育会系、ブラック企業…。どうしてこういうものを尊がる、ありがたがる傾向があるんだろうか?俺も若いころ、そんな気があったことは否めないのでエラそうなことは言えないけど。
根性論は人に押し付けるものではなく、自分の中で密かに燃やすものであって、人には技術や工夫を情報共有すればそれで十分だと思うのだが…
閑話休題。
押し付けの根性論やヤマト魂やらが生んできた不幸を、もっと真摯に見直して、もう二度とこの手の失敗を繰り返さないようにしないといけない。
この本は、その再発防止に大きな力となってくれるように思う。なんだか物騒な世の中になってきているからこそ、気を付けておきたいことが、この本には書いてある。
小説としては、ちょっと荒っぽさが目立つところもあったが、テーマの力で読ませられた。