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日常から逃げ出したいあなたへ―― 心に悩みを抱える人が迷い込む、森の中の不思議な宿「山亭ミアキス」。超絶美形のオーナーに不思議な従業員、ロビーでは暖炉が赤々と燃え、食事は絶品のアイルランド料理。しかし、泊まると間違いなく酷い目に遭わされる。ブラック部活に疲弊する少年、マタハラに悩む女性など、今日も救いを求める者がたどり着く。人をたぶらかす、謎めいた彼らの正体と目的とは――? 「マカン・マラン」シリーズの著者が描く、愛と涙の物語。
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Posted by ブクログ
出だしの事件が痛ましすぎて、読み通せないかも、大丈夫かな、と不安になったものの、描写が巧みで、すぐにひきこまれた。少し恐ろしさもあるものの、結果的には荒療治。 最後の章は泣いてしまった。ダークでミステリアスな雰囲気は大好物。良かった。
この物語は、猫に主軸が置いてある。 猫が、 山亭ミアキスに迷い込んだ人間達を虜にして、話しを聞いたり、美味しい食事をご馳走したり、時には精気を吸い取ってしまったり。 山亭を出た人間達は不思議と気持ちがスッキリと穏やかになり、今までとは違った人生を歩むようになる。 文中には、様々な猫の神話が...続きを読む登場する。 少々恐ろしい神話もあるけれど、 猫って昔から人間と共に生きてきた動物だったのね。 高貴で賢く、時に人間をジッと観察して見守ってくれている猫が今まで以上に好きになった。
人生崖っぷち人間たちが山奥のホテルに辿り着き猫ちゃんたちからおもてなしを受けたり恐ろしい目に遭わされたりして人生を見つめ直す連作集。各話世界の様々な猫の伝承が出てくるので楽しい。あと出てくるアイルランド飯がうまそう。顔のいい男も出てくるぞ。
2025-4 人の心の奥にある悩みや問題を嗅ぎつけ、霧の奥深い山亭へと導く“何か”。そこで人々は美味しい食事を堪能すると共に、不思議な現象に見舞われ、自分たちが“どう生きるか”の選択肢を迫られる。 癒される話なのかなと思えば、ゾワッと、ときどきじわっとくる話でした。ダークファンタジー?っぽいですが...続きを読む一応、救いはあるように感じました。 神話・言い伝えや食事(料理)の描写はワクワクさせられました。人間の欲についてちょっと考えさせられるような話もあり。
短編集。 急な悪天候に見舞われ誘い込まれるようにしてたどり着いた山奥のホテル「山亭」が舞台。 散々な目にあい、死を望んでいた苑子の再起を描く「背負う女」が心に刺さった。
始まりから少し怖さ?のようなものを感じたけど、読み進めて最後まで読むと、繋がっていて、連ドラを見ている感じだった。それぞれの悩みがそれぞれで解決していくのは面白い。中で出てくるお料理が美味しそう。
森の中にあるミステリアスな山亭。暖炉の薪は林檎の木。ごはんもデザートもとてもおいしく、ベッドは天蓋つき。美貌のオーナー、白髪でオッドアイの青年シェフ、小太りのフロントスタッフ。これだけ聞いたら間違いなく宿泊したくなる。私は「序」で語られる小さな女の子のことを終始考えながら読み進めた。 目の前の道が...続きを読む突然、悪天候で通れなくなったりして、山亭に導かれる人たち。今、皆が見て見ぬふりをしていることに、関わっている人たちがたどり着く場所。芸能界の闇、無責任な人、女性の生き方、部活動の闇、マタニティハラスメント。それぞれ皆がわかっていることなのに、流されてしまっていることを山亭での出来事が向き合わせてくれる。いい思いをしたら、見返りを求められることが正しいことなのかを考えさせられた。我慢をして通りすぎるのを待つだけでは、何も変わらないことにも。猫は、何気ないふりをして人のことを一番よく見ているのかもしれない、と思ったりもした。 そのなかで、山亭のロビーのからくり時計のモチーフの話は、とても興味深かった。長靴をはいた猫、金華猫、ケット・シーなど、猫好きとしては、とても楽しく読めた場面もあった。 山亭のミステリアスな従業員たちが、何者なのか、どうして修行という行動をとっているのか。それがわかったとき、その思いは大切にしたいと思った。 「すべての苦しみと哀しみから解き放たれて、もう一度新しく生まれ変わる」ことなく、小さな子どもたちが大切に育てられますように。読後、特に思ったことだった。
面白かったー。お店がベースの連作短編はあまり読んでなかったのだけれど、このお話好き。今いる場所からどん!て突き出される。それをきっかけに、次の一歩や方向を、自分の足で踏み出していく。シビアで冷たくてでも、決して無慈悲ではない猫たちの姿に魅入られる。 なんかいいな。 あたたかさややさしさはあれど、それ...続きを読むは決して無償のものではなく、相手によるというか。ある意味とても公平というか。とても好きだな、てなった。
思い悩んでいる人が、迷い込んで、物語の中心人物に出会って、新たな道に前向きに歩き出す、という物語の構図はマカン・マランシリーズと一緒なんだけど…。 猫の妖精たちに親しみが持てないのか、深みがないからか、思い悩む人たちに共感しにくいからか、そこまで面白みを感じきれなかった。
なかなか文庫化されない作者さんの文庫化。 他の方のレビューにもあるように、どうしても「マカン・マラン」シリーズのシャールさんの温かさを期待して読んでみたら、すご〜く裏切れた。 他の方も書いているように、とにかく怖い。 根底に流れるものは、再生の物語なんだけど、それまでの過程がホラー過ぎて、感動よりト...続きを読むラウマになる。 猫が人間になり、迷える人々を導くところは、「満月珈琲店の星詠み」と同じなんだけど、登場する猫たちが怖い… 舞台となる猫魔ヶ岳も、福島に猫魔と言うところがあるから、そこかな?とか想像しちゃうし、内容より設定の怖さの方が印象に残ってしまった。
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