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Posted by ブクログ
森の中にあるミステリアスな山亭。暖炉の薪は林檎の木。ごはんもデザートもとてもおいしく、ベッドは天蓋つき。美貌のオーナー、白髪でオッドアイの青年シェフ、小太りのフロントスタッフ。これだけ聞いたら間違いなく宿泊したくなる。私は「序」で語られる小さな女の子のことを終始考えながら読み進めた。
目の前の道が突然、悪天候で通れなくなったりして、山亭に導かれる人たち。今、皆が見て見ぬふりをしていることに、関わっている人たちがたどり着く場所。芸能界の闇、無責任な人、女性の生き方、部活動の闇、マタニティハラスメント。それぞれ皆がわかっていることなのに、流されてしまっていることを山亭での出来事が向き合わせてくれる。いい思いをしたら、見返りを求められることが正しいことなのかを考えさせられた。我慢をして通りすぎるのを待つだけでは、何も変わらないことにも。猫は、何気ないふりをして人のことを一番よく見ているのかもしれない、と思ったりもした。
そのなかで、山亭のロビーのからくり時計のモチーフの話は、とても興味深かった。長靴をはいた猫、金華猫、ケット・シーなど、猫好きとしては、とても楽しく読めた場面もあった。
山亭のミステリアスな従業員たちが、何者なのか、どうして修行という行動をとっているのか。それがわかったとき、その思いは大切にしたいと思った。
「すべての苦しみと哀しみから解き放たれて、もう一度新しく生まれ変わる」ことなく、小さな子どもたちが大切に育てられますように。読後、特に思ったことだった。
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