【感想・ネタバレ】山亭ミアキスのレビュー

あらすじ

日常から逃げ出したいあなたへ――

心に悩みを抱える人が迷い込む、森の中の不思議な宿「山亭ミアキス」。超絶美形のオーナーに不思議な従業員、ロビーでは暖炉が赤々と燃え、食事は絶品のアイルランド料理。しかし、泊まると間違いなく酷い目に遭わされる。ブラック部活に疲弊する少年、マタハラに悩む女性など、今日も救いを求める者がたどり着く。人をたぶらかす、謎めいた彼らの正体と目的とは――? 「マカン・マラン」シリーズの著者が描く、愛と涙の物語。

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Posted by ブクログ

出だしの事件が痛ましすぎて、読み通せないかも、大丈夫かな、と不安になったものの、描写が巧みで、すぐにひきこまれた。少し恐ろしさもあるものの、結果的には荒療治。
最後の章は泣いてしまった。ダークでミステリアスな雰囲気は大好物。良かった。

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2024年05月30日

Posted by ブクログ



この物語は、猫に主軸が置いてある。

猫が、
山亭ミアキスに迷い込んだ人間達を虜にして、話しを聞いたり、美味しい食事をご馳走したり、時には精気を吸い取ってしまったり。
山亭を出た人間達は不思議と気持ちがスッキリと穏やかになり、今までとは違った人生を歩むようになる。


文中には、様々な猫の神話が登場する。
少々恐ろしい神話もあるけれど、
猫って昔から人間と共に生きてきた動物だったのね。
高貴で賢く、時に人間をジッと観察して見守ってくれている猫が今まで以上に好きになった。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

人生崖っぷち人間たちが山奥のホテルに辿り着き猫ちゃんたちからおもてなしを受けたり恐ろしい目に遭わされたりして人生を見つめ直す連作集。各話世界の様々な猫の伝承が出てくるので楽しい。あと出てくるアイルランド飯がうまそう。顔のいい男も出てくるぞ。

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

2025-4

人の心の奥にある悩みや問題を嗅ぎつけ、霧の奥深い山亭へと導く“何か”。そこで人々は美味しい食事を堪能すると共に、不思議な現象に見舞われ、自分たちが“どう生きるか”の選択肢を迫られる。
癒される話なのかなと思えば、ゾワッと、ときどきじわっとくる話でした。ダークファンタジー?っぽいですが一応、救いはあるように感じました。

神話・言い伝えや食事(料理)の描写はワクワクさせられました。人間の欲についてちょっと考えさせられるような話もあり。

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2025年04月06日

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短編集。
急な悪天候に見舞われ誘い込まれるようにしてたどり着いた山奥のホテル「山亭」が舞台。

散々な目にあい、死を望んでいた苑子の再起を描く「背負う女」が心に刺さった。

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2024年07月10日

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始まりから少し怖さ?のようなものを感じたけど、読み進めて最後まで読むと、繋がっていて、連ドラを見ている感じだった。それぞれの悩みがそれぞれで解決していくのは面白い。中で出てくるお料理が美味しそう。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

森の中にあるミステリアスな山亭。暖炉の薪は林檎の木。ごはんもデザートもとてもおいしく、ベッドは天蓋つき。美貌のオーナー、白髪でオッドアイの青年シェフ、小太りのフロントスタッフ。これだけ聞いたら間違いなく宿泊したくなる。私は「序」で語られる小さな女の子のことを終始考えながら読み進めた。

目の前の道が突然、悪天候で通れなくなったりして、山亭に導かれる人たち。今、皆が見て見ぬふりをしていることに、関わっている人たちがたどり着く場所。芸能界の闇、無責任な人、女性の生き方、部活動の闇、マタニティハラスメント。それぞれ皆がわかっていることなのに、流されてしまっていることを山亭での出来事が向き合わせてくれる。いい思いをしたら、見返りを求められることが正しいことなのかを考えさせられた。我慢をして通りすぎるのを待つだけでは、何も変わらないことにも。猫は、何気ないふりをして人のことを一番よく見ているのかもしれない、と思ったりもした。

そのなかで、山亭のロビーのからくり時計のモチーフの話は、とても興味深かった。長靴をはいた猫、金華猫、ケット・シーなど、猫好きとしては、とても楽しく読めた場面もあった。

山亭のミステリアスな従業員たちが、何者なのか、どうして修行という行動をとっているのか。それがわかったとき、その思いは大切にしたいと思った。

「すべての苦しみと哀しみから解き放たれて、もう一度新しく生まれ変わる」ことなく、小さな子どもたちが大切に育てられますように。読後、特に思ったことだった。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

面白かったー。お店がベースの連作短編はあまり読んでなかったのだけれど、このお話好き。今いる場所からどん!て突き出される。それをきっかけに、次の一歩や方向を、自分の足で踏み出していく。シビアで冷たくてでも、決して無慈悲ではない猫たちの姿に魅入られる。
なんかいいな。
あたたかさややさしさはあれど、それは決して無償のものではなく、相手によるというか。ある意味とても公平というか。とても好きだな、てなった。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

思い悩んでいる人が、迷い込んで、物語の中心人物に出会って、新たな道に前向きに歩き出す、という物語の構図はマカン・マランシリーズと一緒なんだけど…。

猫の妖精たちに親しみが持てないのか、深みがないからか、思い悩む人たちに共感しにくいからか、そこまで面白みを感じきれなかった。

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2025年08月11日

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なかなか文庫化されない作者さんの文庫化。
他の方のレビューにもあるように、どうしても「マカン・マラン」シリーズのシャールさんの温かさを期待して読んでみたら、すご〜く裏切れた。
他の方も書いているように、とにかく怖い。
根底に流れるものは、再生の物語なんだけど、それまでの過程がホラー過ぎて、感動よりトラウマになる。
猫が人間になり、迷える人々を導くところは、「満月珈琲店の星詠み」と同じなんだけど、登場する猫たちが怖い…
舞台となる猫魔ヶ岳も、福島に猫魔と言うところがあるから、そこかな?とか想像しちゃうし、内容より設定の怖さの方が印象に残ってしまった。

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

大好きなマカン・マランシリーズから、古内一絵さんの作品を他にも読んでみたくて購入。
心に悩みを抱え、この現状から逃げ出そうとしている人が迷い込んでしまう山の中の「山亭ミアキス」で起こる、猫にまつわる神話や伝説を基にした不思議な体験。
全体的に暗く、陰鬱な雰囲気もありながらも前に進み出す人々が描かれている。

ファンタジーのようでありながらも、大円団のハッピーエンドばかりじゃないところが妙にリアリティもあって読みやすかった。
ただ、全体的に、それこそお話の中の霧のように、なんとなくぼやけた印象があったなぁ、と感じる。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

山奥の不思議なホテルを巡る連作小説。宮沢賢治的な世界観にリアルな問題を抱えた人達が迷い込んだ感じがしました。しんどい描写もありましたが、どの話も出口を用意されているのがよかった。あの子の魂が救われることを祈ります。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

あれれ??宮沢賢治?!と読み間違えてる?!と錯覚してしまう内容だった。ゾワゾワした。マカン・マカランの古内一絵さん、こういう作品も書くんだーと新鮮だった。

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

暑い夏車の中に置き去りにされた幼い子供。それをみながら何もしてあげらなかった猫。
自分を見失い自暴自棄になると迷い込んでしまう山亭ミアキス。猫達と人間達と神話が織りなす不思議な場所でもある。青い湖で母を待つ子供を救う事が出来るのか。

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

最近読む本が猫が登場するものが多くてビックリしています

この本も人と猫の紀元前からの関わりもとに描かれた作品です

悩んで、苦しんで、どうしようも無くなった人だけが辿り着く山亭

そこでの不思議な体験がその後の生き方に大いに影響します

あなたも大きな悩みと共に、山を彷徨い、逃げ場を探しているうちに霧が立ち込めて来たら猫の術にハマってしまっているかもしれません

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2024年10月15日

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色んな理由で現実から逃げ出したり目を背ける人が迷い込む「山亭」
各々ちょっと怖い思いをし、なんとか現実と向き合えるようになります。
優しいんだか怖いんだかわかりませんが、ちょっとスッキリするお話です。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

悩み苦しむ者、現実逃避したい者が、たどり着く場所。
個性豊かなホテルの従業員、オーナー。

猫の物語を語るオーナー、その話の中でそれぞれ、自分の悩みに正面から向き合う。

猫の修行の目的が、良かった。
(人間に惹かれる理由も。)

『助けたいのはお前ではない、声なき小さな者だ。』

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

☆3.5

古内一絵さんの作品は「マカン・マラン」シリーズや、「銀色のマーメイド」など心温まる作品が多いイメージだったので、今作を書店で見掛けて購入させて頂きました。
帯にも「日常を忘れて、おくつろぎください」と記載されていたので、心温まる作品かと思っていたのですが…こ、こ、怖かったです( ˊ•̥ ̯ •̥`)
表紙のイラストやタイトルの文字の字体から、何となくミステリアスな作品なのかなぁとは予想はしていたのですが、やはり全然くつろげませんでした…。

猫が好きで、以前から猫が登場する作品は気になってよく読むので、今作でも猫がたくさん登場してくれたのは嬉しかったです❁

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2024年02月14日

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