古内一絵のレビュー一覧
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中学3年の春、水泳部の龍一は部の存続危機を迎える。
幼馴染の主将がいなくなったことで退部希望者が続出し、顧問の柳田から愛好会への降格を言い渡されたのだ。
最後の夏になんとしても大会に出場したい龍一は、部員を集めるために数少ない変わり者の後輩たちと部員勧誘を始めた。
そんな中、市民プールでクラスメイト襟香の実力を目にし、水泳部に誘うもあっさりと断られてしまう。
個人的にはスポーツ系の作品には手が伸びにくいけれど、「マカン・マラン」シリーズの面々が登場するということで珍しく手に取った一冊。
全体的に、温かさとともに爽やかさが感じられる作品だった。
話の軸として主人公龍一とクラスメイト襟香という2 -
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台湾滞在中のシャールさん。どこにいてもシャールさんは変わらず素敵です。台湾の描写が本当に目に浮かぶようで一緒に連れて行ってもらった気分。これこそ小説の醍醐味だなあと思いました。楽しいことばかりではなく、台湾と日本の関係など勉強にもなりました。旅に加わったジャダさん、さくらさんだけでなく、お留守番組のお話もあります。それぞれに悩みながら成長していきます。
もちろんシャールさんもいろんな思いを持ちながら旅しています。
以前のシリーズ4冊、ハマってずんずん読みましたが結構登場人物を忘れていました。文庫の方が読みやすいので買って読み返すのもいいなと思っています。 -
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ネタバレ私自身の現状と重なり、面白かった。
前作を随分前に読んでいて、続編があると知って読んだ形で、幸せな結婚の話や、周りの人のその後とかかなと思っていたら、結婚にまつわる様々な問題の話が、想像していたより重く書かれてあった。ちょうど自分自身が結婚を控え、姓の問題で数ヶ月揉め、ようやくなんとか結論が出た直後だったので、リアルに想像しながら読めた。
周りからの反対の描写など、もう本当に全く同じことを言われたなぁと。涼音の苦しみ方、悩み方にも、自分を投影した。p288「幸せを祈られたら、大抵の場合、口をつぐむしかなくなる。」等は特に大共感。
姓の話が結論付く前は、孤独に悩み、結婚とはなにか家族とはなにか -
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料理と恋愛にまつわる短編集。
料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。
一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。
ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。
カレー食べたくなるよ
2025.11.11
204 -
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読んでよかった。
AIでなんでもできちゃう時代だけど、想いがこもった創作は人にしかできないし、少子化で子供向けコンテンツは減っていってしまってるけど、子供向けこそ文化だったり人の豊かさみたいなものの重要な源なのかも、と思った。商業臭が強いものももちろんあるけど、eテレとか図鑑とか子供向けの本とか、どれも作り手の愛が詰まっていると言うことに、大人になって親になってはじめてわかったけど、そういうものが軽視されたり、利用されたりする時代に戻らないように、諦めないで考える、そんな大人でありたいなと思った。ちょっと男の人が悪く書かれがちだなとは思った笑 -
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なぜあなたはそんなに優しいの?―それは寂しいからじゃないかしら。人は寂しいから優しくて、一生懸命。一生懸命な私たちのために乾杯…。
マカンマランシリーズ2冊目。本シリーズは、商店街の裏路地にある中庭付きの一軒家で、ドラァグクイーン・シャールさんが夜食の賄いを提供する夜カフェの話。2冊目もじんわり心に栄養が行き渡るようなオムニバス小説。
前作は、ガン闘病中のシャールさんが手術し常連客が無事を祈る…というところで終わった。本作は、そんなシャールさんが入院先から帰宅するのを迎える妹分ジェッダの話から始まった。
桃が浮かぶ甘酒のデザート、失敗したスポンジで作るトライフル、少しだけハメを外したいと