古内一絵のレビュー一覧
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「快晴フライング」を改題したという本書。
中学生水泳部のお話だけれど…
マカン・マランのシャールがお店を始めたばかりの頃のお話で、シャールやジャダに会える!
我が子達も水泳をしていたから、懐かしい気持ちで読み進める。
個人種目もあり団体戦もある水泳。
我が子も個人としての成績は今ひとつでも、仲間に励まされながらリレーで記録は出すことができていたことを思い出す。
そして今は、受験生、しかももう秋なのにこれから試合のある駅伝に挑戦している次男もおり…
親としてはいつになったら勉強するんだろうとヤキモキする日々。
だけど、彼らにとって、今は今しかないわけで…
「確かにあの子の達はまだ十五歳だけど、十五歳だって一度きりしかないじゃない。皆必死よ。あたしも必死、あなたも必死、オバちゃんも必死。でも、あの子たちだって同じように必死なのよ。」
「それを見逃してあげたって、バチは当たらないと思うわ」
というシャールの言葉に受験生の母はまたしても支えられてしまった。
中学生達が支えあいながら目標に向かっている姿は本当に眩しい。
我が子のことだけ考えると部活なんかしてないで、勉強せい!と思ってしまうけれど、みんなで目標に向かうプロセスこそが本当に大切な学びなのだろう。
たとえ結果が出せなくても、彼らなりに必要な大切な時間を過ごしているんだ。
うちの十五歳も必死なはずだ。少しは見逃してあげなくちゃ。
そう思うことにして、受験生母のモヤモヤはほんの少しだけ薄らいだということにしてみた。
シャールにはいつもベストタイミングで励まされるなぁ… -
Posted by ブクログ
マカンマランシリーズ第4弾
さくらんぼティラミスのエール(空気の読めない女子高生秋元希実)
幻惑のキャロットケーキ(日本料理界の革命児芦沢庸介)
追憶のたまごスープ(タワマン若妻平川更紗)
旅立ちのガレット・デ・ロア(マカンマラン店主御厨清澄)
とうとう終わってしまう、マカンマランシリーズ…。
シャールさんの想いがぎゅっとつまった1冊。
何かを食べたら、「美味しかった」
朝起きたら、「よく寝た」
スポーツをしたり、風呂に入ったりしたときには「気持ちよかった」
そう声に出して呟くのだ。実際にはそれほどでなくても、実感を込めて呟くことで気分は変わる。
「最初に、嗚呼という感嘆詞をつけると、より効果があるわね」
「自分を憐れむ暇があったら、私は自分を元気にするほうを選ぶわ」
「私たち、本物の大人にならなきゃね」
「人と人がつき合っていく限り、仲違いとか、勘違いとかは、決してなくなることがないの。どれだけ年を重ねても、人間関係は悩ましいものよ。完全な友達なんて、どこにもいないわ。でもだからこそ、私たちは思いやりを学べるのかもしれないし」
「好きなものがある私たちは強いはずよ」
「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を取って元気になる。それこそが、大人の嗜みというものよ」
行き先の分からない道を、己の足だけを頼りに歩いていくことはつらく、寂しい。
されど、寛大にして、誇り高き女王であれ。
なにかを得るたびに、なにかを失いながら、明確な答えのない毎日を懸命に生きている我々は、それだけで勇敢だ。
シャールさんの、格言と言ってもいいくらい含蓄のある言葉の数々が胸に染みます。
マカンマラン、とっても素敵なお店でした。 -
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シリーズの一番目を読んでいないんだけどアンリミに入っていたので。
人間みな、何かかにか苦労していて何かかにかつらいけど、どうにか頑張ってやっていこうよ、という、まあ、そういう小説だと思う。連作短編です。
発達障害かもしれない息子と向き合うのに疲れた主婦がシャールさんに「どうしてそんな自分に優しくしてくれるの」かと問うた答え「寂しいからかもしれないわね」にグッときた。いや、ほんとにね。生きていくのって、何かかにか孤独だし、誰しも大人になればなるほど寂しさを抱えていくんだろうなと思うよ。だからこそいろんな人と仲良くしたいと私も思う。なんか…カッコつけずに「寂しいから」って言っていいんだなあと思いましたまる。 -
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読み始める前、何気なく参考文献を覗いてみると、読んだことのある本がいくつか…
お菓子作りが趣味だったし、今でも焼菓子は時々作る。そして、ディスレクシアの勉強もしたことがある。
というわけで、無性にご縁を感じてイッキ読み。
古内一絵さんらしい、季節を感じさせる描写と心を癒すお茶とお菓子の数々。
マカン・マランの続編のようだなぁと思っていたら、クリスタさんまで登場して、なんだか嬉しくなってしまった。
アフタヌーンティーというものに憧れはあるものの、足を運んだことはなかった。
なんだかとても贅沢な感じがして。
でも、椿山荘の美しい庭を眺めながらのアフタヌーンティーは、お一人様だからこそ味わえる贅沢なのだろうな。
これはいつか行ってみたいと思わせる。
いつの時代の女達も、仕事や家庭、子育てなど誰にも理解してもらえないと一人でそれぞれの悩みを抱えて生きている。
古内一絵さんはそんな女性達の様々な立場の悩みをよくぞと思うほど具体的に描かれていて、凄いなと思う。
そして、そんな悩みに無理解な男性達の言い訳も読んでいて納得してしまうのだけれど…
なかなか深いところまで女性の悩みを理解できる人はいないだろうなと改めて思う。
辛い経験をしないと、やっぱり理解できないもの。
だから、女達はアフタヌーンティーというご褒美で自分自身のご機嫌をとって、明日からの生活へ繋げているのだろうな。
アフタヌーンティーじゃなくても、自分をご機嫌にできるご褒美に甘いお菓子。たまにはいいかも。(ただ今絶賛糖質制限中だけど…)