あらすじ
親友が死んだのは、僕のせいだ-。そう思い、心が壊れてしまった潤。母親に連れられて愛知県の山奥・澄川にやってきた彼は、そこに「花祭り」という伝統神楽があることを学ぶ。神様なんていないと、周りに心を閉ざしていた潤だったが、澄川で出会った人々もみな、悲しみを抱えていることを知り、「花祭り」で舞う決意をする。
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Posted by ブクログ
奥三河の母親の生まれた故郷に越して来た潤が、困難を乗り越えて花祭りと言う伝統神楽を舞って行くまでの道のりは、とても感銘しました。東京から引越して来て、少人数の中学での描写がとてもほのぼのとして良かったです。思わず奥三河の花祭りとはどんなものなのか、ネットで検索してしまいました。鬼の面をかぶった写真を見たら、迫力があるなぁと思いました。心の傷を負った潤が一度は挫折してしまうが、それを乗り越えて行く姿は感動しました。とても楽しめた作品でした。
Posted by ブクログ
愛知県奥三河の伝統文化、花祭りを扱った作品。
家族や個人、それぞれが人々が抱える切なさや悩み、花祭りや地元への思いなど複雑な気持ちと、花祭りの熱狂が伝わってきた。
文庫化希望
Posted by ブクログ
古内作品を追いかけてみようかという気持ちだけで手に取った1冊だったか、想定外、これはめっけもん、とても良かった。
東京であったとある事故をきっかけに心を病んでしまった主人公潤は、母の郷里奥三河のとある村に引っ越す。
頑なに心を閉ざす潤に村の人々はそれぞれの立場で彼に接してくれる、潤が村で出会った伝統芸能「花舞」。
潤が村の人々や花舞と向き合えるまでを描く前半と、潤が舞手として成長していく後半、その展開を見事につなぎ合わせる潤一家や登場人物たちの過去と背景。これが実に読ませる、泣かせる。いやー古内さん、上手いなぁ。
余談だが、この作品でもやっぱり、テレビが悲劇のきっかけをつくる。マスコミの功罪を考えると功の部分もあるんだろうが、罪の大きさに気付くと、あの仕事をどうしても受け入れたくなくなる。昔は「テレビが害」などという人をあざ笑ってしまっていたが、この歳になってやっと分かった。テレビは毒と害を多く含んだ危険物である。
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文化の継承は、そこに生きた人間の存在を語り継ぐ事でもある。個々が独立する昨今、田舎の人間関係は煩わしいと思われがちだが、だからこその互助関係、見えないけれど確固たる絆が生まれる。全てに認めてもらう事は不可能だし、その必要もない。自分が何を大切に思うか、それだけでいい。
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この人の話は、一見ライトに見えるのに、
現代社会の課題をがっつり入れてくる。
高校生の青春話だと思って読み始めたのに、
なんだかんだと考えさせられた。
Posted by ブクログ
奥三河…愛知県民だけど知らない土地。
方言も違うし初めて知る花祭り(゚-゚*;)(;*゚-゚)
たぶん奇祭?読む前にYouTubeで花舞をチェック!
良い作品でした。
東京から母親の実家である奥三河の集落に来た潤は
事故で友人が死に、自分だけ助かるという事に深く傷つき同級生3人という中学に転入します。
その地域では花祭りという伝統神楽が根付く土地でした。
神楽と出会い集落の人々との暮らしの中で中学2年の多感な少年が立ち直って行く…
王道です!登場人物少なくてみんな良い人!
読みやすい!神楽だけYouTube観て!!
舞がイメージできないと作品評価が下がります⤵︎
装画も素敵です(^ ^)
Posted by ブクログ
元々日本の祭りの独特の熱気と懐かしい感じがとても好きなので、花祭りに込められた意味やそれを継承する人々の歴史の描写に引き込まれた。
そこに今を生きる人々の苦しみや祈りが投影されているところがまた良い。
どんな辛いことがあっても、結局物事に意味付けするのは自分自身だから。
どうするかは自分で決めるしかないし、自分自身で決めることができる。
今できることを精一杯やろう、と思わせてくれる物語だった。
Posted by ブクログ
郷土の祭にスポットをあて、田舎暮らしとは人と向き合うとは、といった問題を乗り越えていく子どもたち。小さな頃の記憶が思わぬ発火点となって迎えるラストは思わず涙がこみ上げた。地域の伝統を守ることの難しさとともに歴史を考えさせられた。ついつい煩わしいことや面倒なことに目をつぶって蓋をしてしまいがちな日常を見直せたらと思う。
Posted by ブクログ
徐々に明かされる事実。
祭の意味。
潤の心。
様々な絡みをこのように表現する作者に感銘し、内容にも少しだけ涙した。
潤の父親は何をしてる人なのか、描いているところを読み飛ばしてしまったのだろうか?
Posted by ブクログ
読み始めはあまりのれなかったけど、潤の成長から作者の紡ぐ言葉がとても優しくあたたかく、読んでいてじんりと心にしみる。
花祭りは恥ずかしながら知らなかったけど、この作品を読んでとても興味が湧いた。
Posted by ブクログ
誰とも交わりたくないのに、田舎であるがゆえに、人々の注目を浴びてしまう少年。
古くからその地に伝わる踊りに参加していくうちに、彼の心の中の暗闇が少しずつ溶けていく。
少年たちの成長物語。
Posted by ブクログ
潤を取り巻く澄川の子どもたちの、複雑さがていねいに描かれている。
都会だと、表面だけでみて判断して適当につきあっておわりにできちゃう感じと、限られた人たちとやりとりせざるを得ず、その中で人への眼差しや情愛が生まれてくる感じ、とてもていねいに描かれていた。
Posted by ブクログ
なぜか 一気に読み終えました
不思議な作品だった。
面白い?
感動する?
ありそうでなさそうな 少年期の思い出
こんな 思い出があったら 幸せかもしれない
Posted by ブクログ
2017/6/12
潤、何して来たの?と怖かったけど事故で乗ってた方でまあ罪は無いよなと。
それでも傷ついて閉ざして痛々しい。
あまりの罪悪感にいじめでもして自殺とかされたのかと思った。
でもほんとに悪いことした奴ほど罪悪感に苛まれたりなんてしないのかも。
概ね予想通りの展開なんだけど、テレビに映った潤に悪意のメールが送られてきたのにゾッとした。
禍々しくて。
とっさにイタズラだろうと思って、その無意味な悪意の破壊力に恐怖を感じた。
本気だったとしたらどうだろう。
でもメール1通では済まないはず。やっぱりイタズラだろうな。
誰かの小さな苛々が他人への棘となりそれがまた新たな苛々と棘を生み、悪意は増殖していくのかなと怖くなった。
ちょうど駅でオラついてる人を見たのもあって。
棘やら泥やらを投げつけない人になろう。